原発停止の国民世論

原発停止と代替燃料の関係を見てきましたが、原発事故後の国民世論を見ておきましょう。
大地震以降衆議院選挙だけでも3回も経ていますので、(その間に参議院選挙や都知事選挙3回を含む各地方選)国民の総合的意見が収斂されて来たと思われています。
そして現在即時停止論(と言っても判決のような即時停止ではなくできるだけ早くという程度であることを「脱原発と即時停止の違い」で20日頃に書きました)の野党は合計15%前後の議席しか得ていません。

18年5月2日現在のウイキペデイアによる会派数です。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/shiryo/kaiha_m.htm

会派名及び会派別所属議員数
平成30年1月10日現在

      会派名             会派略称      所属議員数 (女性)
自由民主党            自民        283   (22)
立憲民主党・市民クラブ      立憲        54    (13)
希望の党・無所属クラブ      希望         51    (2)
公明党              公明        29    (4)
無所属の会            無会        14    (2)
日本共産党            共産         12    (3)
日本維新の会           維新        11    (1)
自由党              自由         2    (0)
社会民主党・市民連合       社民         2     (0)
無所属              無          7     (0)
欠員                     0
計                      465   (47)

特に原発廃止をテーマに都知事選に出馬した元首相らグループが1100万弱の有権者中95万票しか取れなかったのは象徴的です。
5月17日引用した元総理らが脱原発を掲げて挑んだ都知事選挙結果に対する各社の論評を再掲します。

手堅さを選んだ都民               朝日新聞
原発論戦今後に生かせ 首都の安全網に全力を  毎日新聞
・無責任な「原発ゼロ」信任されず – 読売新聞
・「脱原発」ムードの敗北だ 五輪や福祉への対応を急げ – 産経新聞

無責任な「原発ゼロ」信任されず」の論評がはっきりしていますが、きっちりした道筋を示さずに、(放射能が怖いと煽るだけ)ムードだけ煽って反対している方法が支持されなかったということでしょう。

貿易収支にそれましたが、原発停止は、(再開予定と違って判決で命じると永久的になくなるしかありません)雇用や納入業者や周辺旅館や飲食店に始まる地元経済に直結するばかりか、巨額貿易赤字になって国力の衰退に直結します。
森かけやハニトラも同じですが、思わせぶりなムードだけ煽る手法は、国民のレベルがメデイアよりもあがっているので、逆効果になっているのがまだわからないようです。
しかも現段階では、代替エネルギー開発が本当に可能かどうかの議論さえ煮詰まっていません。
野党が責任のある議論せずにムードを煽るだけで、きちっとした議論を避けているからまともな議論・代替エネルギーがどうなっているかの議論が進まなかった原因です。
日本は西欧のように強い偏西風がないのと、手付かずの広大な原野、荒野など滅多にないので用地取得が容易でないので風力の代替性が弱いことがわかってきたし、(日本列島は独仏と違い南北に長いので北海道や南西諸島で適地があっても東京大阪など大消費地に送電するコストに無理がある)太陽光発電も補助金漬けで→電力料金個人負担アップに耐えられるか?などが現実化して見通しも立っていない状態です。
原発停止時期に関する民意を知るための選挙結果を紹介してきましたが、これらによれば、民意は即時操業禁止を支持していない・・代替エネルギーの準備が進んでいるとは考えていないことがあきらかです。

太陽光発電補助金の可否2

民進党政権が決めた過大な補助金漬け政策を自民党政権になってどんどん縮小してきたようですが、5月26日に見た資源エネルギー庁の記事によれば、それでも17年時点で毎年2兆7000億円・これがどんどん伸びて30年には年間4兆円にもなる予定の国策とのことです。
補助金=国民の負担で設置されるパネルその他の資材が中国からの輸入がほとんどですから、結果から見れば、国内企業発展のための補助金ではなく、中国企業のために補助金を出しているようなイメージの制度になっています。
元々太陽光発電はこれまで書いてきた通り、立地場所がコストのほとんどを占める以上設置工事等の技術革新程度を期待しても(逆に人手不足の結果現地作業コストは上がる一方です)どうなるものでもありません。
モジュールやセル等の資材も末端製造が新興国に移転し生産する時代であって、先進国国内生産時代ではないのですから、資材生産企業への補助金は全額外国に吸い取られる関係です。
(後進国の場合当初先進国からの進出企業が受注していても、自国企業が下請け関与しているうちに国産化する期待ができます。しかし先進国の場合には、もともと自国で生産できていたものをどんどん後進国へ出していき、そのうち逆輸入するようになるのが普通ですから、いくら国内補助金をだしても時間経過で自国内生産に戻ることはありません)
上記は国からの補助金だけですが、その他に地方自治体の独自の補助あるいは設備設置による減税等の手厚い事実上の補助制度が満載です。
参考までにhttps://www.kankyo-business.jp/subsidy/solar/
から都道府県市町村に入るので、身近な千葉市の補助金を見てみました。
千葉市の場合は以下の通りです。
https://www.kankyo-business.jp/subsidy/solar/result.php?state=chiba&city=chibashi

千葉市で利用できる補助金 (2018年1月24日 時点)
太陽光発電システム…3万円/kw、上限は9万円。市内業者施工の場合4万円/kw、上限は12万円。
太陽熱給湯システム…強制循環式10万円
エネファーム、定置用リチウムイオン蓄電システム…10万円
地中熱ヒートポンプシステム…経費の1/10、上限は20万円
太陽熱利用給湯システム(事業者向け)…経費の1/3,上限は100万円

その他事業者向け補助金(各種税制優遇も結局は取るべき税が取れないのですから補助金一種です)もあります。
国益としての総合視点でみる時には、その業界を日本で育成する可能性.必要性があるのかなどの見通しと、補助金漬けの製品に占める海外企業の市場占有率・国内勢の育成によってが巻き返せるかが重要です。
太陽光発電における国内産業の動向を見ておきましょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXLZO15629850R20C17A4TJ2000/

太陽光パネル 減産相次ぐ 京セラ、国内生産撤退
2017/4/22 0:54
日本経済新聞 電子版
日本の太陽光パネルメーカーが相次ぎ国内生産の一段の縮小に追い込まれている。
京セラは三重県の工場を休止し、国内の組み立て事業から撤退する。
国内の太陽光パネル市場は売電価格の下落で需要不振が続いているうえ、大規模な生産体制を持つ海外大手が低価格攻勢を強めている。厳しさが増すなかで日本勢はコスト構造や販売戦略の見直しを急ぐ。
太陽光パネルで国内2位の京セラは三重県伊勢市の組み立て工場での生産を3月末ま…
https://www.excite.co.jp/News/economy_g/20170619/Toushin_3505.html
2017年6月19日 08時30分
太陽電池メーカーは消えるのか
http://rief-jp.org/ct4/79505
太陽光パネルの国内出荷量、2017年度は17%減。3年連続の減少で、出荷規模はピーク時の6割に縮小。政府の再エネ政策の不確かさを反映
・・・・国内出荷量のうち7割近い3591MWは、海外生産分となっている。

海外生産品が国内出荷の7割を占めているというのが昨年の実績で、18年では・・まだ最近の記事ですが、日経新聞ではもっと衝撃的な報道(国内生産が壊滅しそうな?記憶がはっきりしないのでネット検索しているのですが・・)があったのですが、ネットでは探せません。
こういう状態で何がなんでも原発再稼働反対で太陽光発電を賞賛しまくるメデイア界は、国益という総合的視点が欠けているのか特定意図を持っているのかの疑問を持つ人が多いのではないでしょうか?
中国の輸出攻勢に補助金をだす民進党政権の発想が理解しにくいのですが、トランプ政権ではセーフガードを発動していますが・・・。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/01/9c32c8d2d6aa206c.html

太陽光発電製品に対してもセーフガードを発動へ-トランプ政権によるセーフガード措置(2)
セルの輸入は関税割当制、2月7日から適用
トランプ大統領は1月23日、太陽光発電製品の輸入に対してセーフガード措置の発動を命じる大統領布告(Presidential Proclamation)を発出した・・・
中国企業の迂回措置への対抗策と強調
USTRは、中国製太陽光発電製品に対して米国政府がADや補助金相殺措置を発動して以降、中国企業が生産拠点を国外に移転し、これら貿易救済措置の関税を回避してきたと批判し、今回のセーフガードが中国企業の迂回行為に対する対抗措置であることを強調している。

メデイアはトランプ批判満載でこういうニュースは目立った報道されませんが、こうしてみるとトランプ氏は対中国でやるべきことはきちんとやっているようで、これがトランプ氏の国内人気が根強い原因でしょう。
上記「太陽電池メーカーは消えるのか」の引用記事では「政府の再エネ政策の不確かさを反映」と如何にも安倍政権の「政策の不確かさ」をマイナス評価的に書いていますが、安倍政権になって毎年何兆円も中国へ垂れ流すような補助金にメスがはいったのは当然であり健全なことでしょう。
親中韓系が何が何でも「反安倍」に必死なのも、憲法論に限らず(「在日特権反対」というスローガンに象徴される在日系優遇策の数々)網の目のように張り巡らされた中韓系既得権権益打破の積み重ねが背景にあることがわかります。
加計学園問題は国内既得権益打破への反作用とみられます。

地球温暖化とCO2原因説(説明責任6)

ネット空間の意見交換は学界の論文発表や論争の場ではなく、一般人の疑問や質問への応答で成り立っているものですから、参加者の理解は専門学部の大学生以下で当たり前でしょう。
CO2元凶論はこのシリーズで書いている通り、国民に年間2兆円以上の負担を押し付ける→その分競合する他のエネルギー利用を強制的に縮小させる産業政策に直結する上に、一般国民に2兆円分以上の負担→他の支出を下げるしかない点で、国民生活に重大な影響を及ぼす政策決定を強制している・・経済的には増税と特定業界補助金がセットになったようなものです。
政策決定に学界がもろに口出しする以上は「専門知識を噛み砕いて説明している暇がない」と開き直るのはなく、直接影響を受ける素朴な国民でも一応理解できる程度の説明責任・個々の研究者は研究が忙しいのでそんな暇がないとしても、学界の広報担当みたいな人材が必要です。
台風や地震直後にその仕組みや、原発の仕組みなど素早く図解して報道する時代です。
国民に2兆円以上も負担させて特定業界の発展を目指す以上は、素人の国民に分かる訳がないと開き直るのはおかしいでしょう。
一般事件でさえもマスメデイアが「専門家の意見」として結論さえ報道を垂れ流せば済む時代はありません。
地震があれば、プレートテクトニクス理論とはどう言うものかの図解、あるいは原発事故があれば原発の炉心の構造などを図解して報道する時代です。
国民レベルが上がってその結論に疑問を抱くようになってくると、そういう疑問にわかりやすく学者間の論文よりは、数段レベルを落として解説する人の意見が一般化して流通してしまいます。
歴史小説の影響力に歴史学者が困っている例がよく言われますが、従来科学分野では専門外の人は黙って結論に従っていたのですが、別分野の科学者・・またはある程度科学素養のある人が増えてきたことと、ネット情報の発達で分野外のことでも目に入る機会が増えてきたので、国民生活に大きな影響のある科学分野になるとその道の専門ではないものの、論理的にどうなっているかの疑問を感じる人が増えてきます。
ネット発信が容易になったこともあって、おかしいと思っても昔のように知ったフリして黙っていないで、疑問を投稿する人増えてきていますが、科学分野でも政策決定に関与する以上は、その道のプロではないが別分野の科学者とか疑問提起する人に対してはセミプロや素人向けに解説する必要性が生じています。
温暖化やエネルギー問題は原発事故のような緊急報道の必要がないテーマですから、時間をかけて・・と言ってもちょっとした実験成果や論争経過の解説を追加すれば足りるでしょう。
反論者がくどくどと解説しなくとも、実験でこういうことがわかった程の結論を書いておけば、それで納得する人が多いでしょうし、読者の中で別分野の科学者で一定レベルまで実験成果をチェック能力のある人がその説明に納得できないときには、その実験成果に入っていきチェックできるうに引用原典を付記しておけば足ります。
「この点には一見異論や疑問が起きるが、この点についてはなんとか研究所の〇〇とどこそこの大学の研究チーム△●の実験で問題がないことがわかった」
とか克服されているという「注」をつけるなど、一定レベル以上の国民が理解できるような(あるいは実験成果を共有できるような)説明をする責任があるのではないでしょうか?
ところで、仮に「温暖化が正しいとしたら暖かくなった方がいいじゃないか!」(寒くなる方が動植物人類の生存区域が狭くなり大変)と思うのが素人の考えですが、小さな島が水没してもその代わり広大なシベリア等の広大な地域で穀物・野菜が取れるようになる・(日本でいえば北海道の農地は広い)のがなぜ悪い影響があるかも不明です。
低緯度地方は人口の多い地域だがそこで干ばつが起きると大変といいますが、気象学の専門でしかない研究者がこういう多方面の研究が必要な分野に口出しして国家政策に干渉しようとするのは論外です。
何十年〜何百単位で徐々に起きる変化には、徐々に人口移動すればいいので、この程度のことは昔から行われてきたことです。
江戸時代はじめには東京駅あたりがまだ海辺であったことがあるように(もっと古代で見ても今の京浜東北線の大森駅付近で貝塚がモースによって発見されたように)その程度の人口移動は甘受すべきことでしょう。
日本の棚田その他の「原風景を守れ」という変な超保守運動を批判したことがありますが、ホンの数百年程度の気候変動や産業構造に合わせて先人が適応したに過ぎない生き方を、歴史資料として博物館的に1部残すのはあり得ますが「そのままの生活を守れ」という意見は元々おかしいのです。
5月30日に新潟コシヒカリに関する適地変化の例で書きましたが、50〜100年後に新潟のコシヒカリ生産量が仮に10%になりゼロになったとしても、新潟県民がその間に他の品目の作付け開発に成功し、他の職種に転換したりしますので、皆飢え死にや出エジプト記のような悲惨な逃避行になるなどありえません。
戦争や津波等によって短期間に避難を強制されると、移転先での生活設計もないママの緊急脱出になるので問題が多く(中高年以上は難民住宅から抜け出せず事実上の収容所生活でほぼ一生終わり、次世代の教育環境が劣悪←何世代もマイナス影響)悲惨な状態になります。
しかし、百年単位で1℃程度の緩やか変動の場合、生産適地移動(人間が移動しなくとも従来日本で作れなかったバナナやコーヒー豆・カカオ栽培に取り組むなど)や職場移動・それも適応力のある若者から順次学校等の卒業に合わせて就職などで移動するパターンになります。
昭和30年代中頃に中卒の「金の卵」が集団就職で東京に出てきましたが、仕事を通じてすぐに標準語や都市生活スタイルに馴染んで行きました・・東北方言しか知らない大人が東京に出稼ぎに来るよりはスムースです。
就職先の仕事を通じて移動先に気候や文化に馴染んでいくので、災害等による急激な避難行動(いく先での仕事のあてもなくしかも高齢者も一緒に行くパターン)とは本質が違います。
このように本質的な違いがあるのに、いかにも大規模一斉移動が必要であるかのようなイメージを前提にして不安を煽るのは意図的な誤導にならないでしょうか?

地球温暖化とCO2原因説(説明責任5)

上記の通り、新学説といっても、「地球誕生以来一直線に冷却化が進んでいるわけではない」逆にその後暖かくなってきたことが分かった程度です。
氷河期の形成過程原因が不明であれば、どういうことがあって温暖期に転換するのかも不明・・温暖化の原因だって分かるはずがないでしょう。
CO2原因温暖化論は、過去の温暖化の動きには一定の法則があり、今回の温暖化が過去の温暖化ベースとの違いがあり、それと化石燃料・炭酸ガス増加率と関連があるということでしょうが・・。
その一定の法則が何百回の共通法則なのか、ほんの1〜 2回を見ただけの共通ルールなのかによっても意味が違ってきます。
前回と違うだけでは、もしかしたら・・炭酸ガスが原因かな?と言う疑問だけのことになります。
話題が逸れましたが、天文・宇宙・地球に関する学問は、まだ「群盲像を撫でる」類の手探り状態ではないでしょうか?
何かの仮設の正しさに関しては、その「仮説」が多くの学者の支持を集めても仮説の域を出ない以上は「専門家に任せろ!という態度はおこがましいことです。
まして自然現象に関する気象学者の意見「仮説」が庶民生活を強制するようになれば、庶民もその意見に疑問を呈したりしたくなるのは当然のことです。
偉い人たちが決めたのだから素人は黙って従うべきだと言うスタンスは、民意や市場で決めて行くべき現在社会の仕組みにあっていません。
氷河期の原因がはっきりしないのに温暖化の原因もはっきりするわけがないと言うのが素人の印象です。
素人の疑問に対して「その疑問はこういう実験で払拭されています」と専門家は、途中経過を説明すべきでしょう。
国際条約で何十年も前に決まったことかどうかは別として、(韓国の慰安婦宣伝もすでに国際常識で決まったことだ」いう論法で反論を許さない方法でした)「この説にはこういう疑問があるかもしれませんが、これはこういう実験とこれに対し、こう言う再反論に対してはこういう再々実験の結果解明されています」と説明するのが専門家の対外説明責任でしょう。
(もともとネット投稿は学術論文発表の場ではなく、おこぼれとしてサービス的にネット公開されているに過ぎず・・素人同士の情報交換が基本ですから、素人をバカにするだけでは何の意味もありません)
疑問点の主張があれば、疑問を述べる者の学識不足を批判するよりは、「こういう再反論・再実験で証明されていますよ!」と素人向けに分かりやすく解説すれば済むことです。
大学生以下だと言うほど、不遜な反論の仕方はないでしょう。
ネット空間の意見交換は学界の論文発表や論争の場ではなく、一般人の疑問や質問への応答で成り立っているものですから、後発参加者の理解は専門学部の大学生以下で当たり前でしょう。
福島原発事故でも想定外という説明が繰り返されましたが、大規模事例に限らず熊本地震程度でも起きてみないとわからない・・もともと地球の現象には同種事例が少ない(何万年前の事例集積が不明なので、)何か起きる都度想定外事例になることが原則と言ってもいいくらいではないでしょうか?
氷河期だって回数が少なく過去の痕跡から共通原因・・原理原則を導くのは無理があります。
氷河期に関する6月2日現在ウイキペディアの記述です。

1837年7月24日にヌーシャテルで開かれたスイス自然科学協会の年次総会の講演で、アガシーは彼らの学説を総合して、ジュラ山脈近くで見つかる迷子石は氷河時代の広大な氷床によって運ばれたのだとする氷河時代説を発表した[29][35]。聴講者はこれにかなり批判的で、気候史に関する当時の定説の見解と矛盾していたこともあって、一部にはこの新説に反対する者もいた[35]。同時代のほとんどの科学者らは、地球はその誕生時の溶融状態から徐々に冷却されてきたのだと考えていた[36]。
全てまとめて、氷河時代説が科学者らに完全に受け入れられるようになるまでには数十年を要した。これは、氷河時代の原因についての信頼できる説明をした1875年の “Climate and Time, in Their Geological Relations” の出版を含む、ジェームズ・クロール(英語版)の研究に続いて、1870年代後半に国際的な規模で受容が進んだ[40]。
ただし、この最初の段階で研究されたのは現在の氷河時代の中で過去数十万年に起こった氷期(今でいう第四紀氷河時代(英語版)の氷期の一部)についてである。新生代よりも古い時代に存在したとされる氷河時代の形成過程の詳細については、2011年現在も未だ明らかにされていない[4]。

上記の通り、新学説といっても、「地球誕生以来一直線に冷却化が進んでいるわけではない」逆にその後暖かくなってきたことが分かった程度です。
氷河期の形成過程原因が不明であれば、どういうことがあって温暖期に転換するのかも不明・・温暖化の原因だって分かるはずがないでしょう。
CO2原因温暖化論は、過去の温暖化の動きには一定の法則があり、今回の温暖化が過去の温暖化ベースとの違いがあり、それと化石燃料・炭酸ガス増加率と関連があるということでしょうが・・。
その一定の法則が何百回の共通法則なのか、ほんの1〜 2回を見ただけの共通ルールなのかによっても意味が違ってきます。
前回と違うだけでは、もしかしたら・・炭酸ガスが原因かな?と言う疑問だけのことになります。
話題が逸れましたが、天文・宇宙・地球に関する学問は、まだ「群盲像を撫でる」類の手探り状態ではないでしょうか?
何かの仮設の正しさに関しては、その「仮説」が多くの学者の支持を集めても仮説の域を出ない以上は「専門家に任せろ!という態度はおこがましいことです。
まして自然現象に関する気象学者の意見「仮説」が庶民生活を強制するようになれば、庶民もその意見に疑問を呈したりしたくなるのは当然のことです。
偉い人たちが決めたのだから素人は黙って従うべきだと言うスタンスは、民意や市場で決めて行くべき現在社会の仕組みにあっていません。
氷河期の原因がはっきりしないのに温暖化の原因もはっきりするわけがないと言うのが素人の印象です。
素人の疑問に対して「その疑問はこういう実験で払拭されています」と専門家は、途中経過を説明すべきでしょう。
国際条約で何十年も前に決まったことかどうかは別として、(韓国の慰安婦宣伝もすでに国際常識で決まったことだ」いう論法で反論を許さない方法でした)「この説にはこういう疑問があるかもしれませんが、これはこういう実験とこれに対し、こう言う再反論に対してはこういう再々実験の結果解明されています」と説明するのが専門家の対外説明責任でしょう。
(もともとネット投稿は学術論文発表の場ではなく、おこぼれとしてサービス的にネット公開されているに過ぎず・・素人同士の情報交換が基本ですから、素人をバカにするだけでは何の意味もありません)
疑問点の主張があれば、疑問を述べる者の学識不足を批判するよりは、「こういう再反論・再実験で証明されていますよ!」と素人向けに分かりやすく解説すれば済むことです。
大学生以下だと言うほど、不遜な反論の仕方はないでしょう。

地球温暖化とCO2原因説(説明責任4)

温暖化論プラスCO2元凶論が国連委員会等で支配的になる過程で合理的反論や検証を経ていたとするならば、今になって気が付いて懐疑論を述べる人がいれば、その問題については過去に〇〇機関が実証したデータが揃っている筈ですから、「過去にこう言う反論で決着がついていますよ!」と反論と実証データにアクセスできるように出典を示すだけの手間で済むはずです。
このように、堂々、簡単に一行の引用で反論すればいいことなのに、これをしないで「決まったことだ」と議論を拒否するのでは(反論する材料がないのに政治力で強引にきめたのかな?)と却って怪しい印象を受けます。
政治論的には、たまたまトランプ氏が問答無用で「離脱する」と言いだしたのが、大きな応援団になっていますが・・。
5月31日に紹介した近藤氏の懐疑議論に対する以下の反論がその一例です。
これまた誰の意見か(匿名で)不明ですが、プロが書いたらしい意見です・6月1日頃に紹介の周回軌道変化による影響論・ミランコビッチサイクルを認めるようですが、その他の部分では、大学生以下の素人意見だと切り捨てる印象です。
引用ばかり長くなるので結論部分を引用しておきます。
https://plaza.rakuten.co.jp/rikagaku/diary/200706220000/

2007.06.24
近藤邦明先生の明確な誤り

「検討しているのは近藤先生一人だけど?CO2と温暖化の関係は疑う価値もない議論なのです。上記の議論だけで近藤先生の認識の乏しさは明らかであり、私はエコファシズム(懐疑論者が使う言葉)に大賛成です。
温暖化懐疑論を唱える人間の多くは勉強していないから。勉強していない人の相手をするほど気象学会も暇ではないのですよ。
私は懐疑論事態にネガティブな思考はありませんけど、勉強しないで懐疑論を唱える人に対してくだらない議論を封印すること意味があることだと思います。
説明してて、なんでこんなこともわからないのか冷めますね。ちなみに、ネガティブでない理由は、温暖化論発展の歴史に懐疑論は欠かせない存在だったからさ。しかし近藤先生程度の懐疑論じゃ、科学じゃないし学会で冷遇されるのも当然のことだと思いますね。(学生より勉強してないなんて信じられない)」

上記反論を素人である私得意の短絡的理解をすれば、専門家は分かりきったことをくどくど説明しないだけであって、専門家なら説明不要で説明省略している部分を近藤邦明氏が未解明と言っているのは、その分野の大学生以下のレベルだという批判のようです。
近藤邦明氏が基本論争経過を見落としているか、誤解しているかどうかまで私のような読者・素人にはわかりません。
一般人の理解は専門学部の大学生以下で当たり前でしょう。
我々法律家でいえば、一つの意見・・・A説発表があれば、こういうことが想定されるがA説ではどうなるのか?などの多様な疑問が生じるのが普通で、それぞれについて、A説提唱者側で一つ一つ再反論しそれに対する再質問などの繰り返しで大方の納得する多数説〜通説等が決まっていきますが、それでも社会意識の変化などで解釈軸が変化することがあります。
科学の場合、ある仮説が提示されると再現実験等の繰り返しで克服されていくものでしょうが、理研の小保方氏の発明騒動では再実験可能な資料がなかったことが致命的欠陥とされました。
火山や地震などの自然現象は包括的実験(条件限定実験程度は可能でしょうが、それでもかなりのコストがかかります)に馴染まないので、事例の積み上げが実験に変わることになります。
事例の共通項を探ってある仮説が提示されその仮説で過去の事例がほぼ全て説明でき、ほんのわずかの説明しきれない事例は許容範囲内の例外現象になるかどうかとなるのでしょうか?
既存事例では説明のつかない新現象が起きるとそれを加えても説明できるか、例外に過ぎない程度の説明で逃げきれない時に新しい仮説が生まれるのでしょうか?
16年の熊本地震では事前の想定とは違う・・いろんな報道が出ていましたが、結果的に断層の長さが違っていたようです。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-18/2016041814_01_1.html

M7.3 布田川断層帯動く
地震調査委 従来より長いと推定
布田川区間は従来の評価で長さ約19キロと推定されていましたが、今回の地殻変動などのデータから、19キロより長い断層が活動したと評価しました。同区間では、田んぼで2メートルずれていました。
地震調査委の平田直委員長(東京大学教授)は「(布田川区間は)地表の調査でわかっている活断層より東側に長く、阿蘇山のカルデラの中にも断層が延びている」と述べました。

こういうのも学説の一種でしょうが、このように実際に自然現象が起きてから実例に合わせて修正をすることはいくらもあります。
(まさか!実例が間違って起きたとは言わないでしょう)
地球関係の学問というのは、「分かっていることは分かるが、分かっていないことは分からない」という落語の世界みたいです。
雨が降ってから、「今日の天気は雨です」というのに似ていますが、後から分かるのって学問と言えるか?ということですが・・。
福島原発事故でも想定外という説明が繰り返されましたが、大規模事例に限らず熊本地震程度でも起きてみないとわからない・・もともと地球の現象には同種事例が少ない(何万年前の事例集積が不明なので、)何か起きる都度想定外事例になることが原則と言ってもいいくらいではないでしょうか?
氷河期だって回数が少なく過去の痕跡から共通原因・・原理原則を導くのは無理があります。
氷河期に関する6月2日現在ウイキペディアの記述です。

1837年7月24日にヌーシャテルで開かれたスイス自然科学協会の年次総会の講演で、アガシーは彼らの学説を総合して、ジュラ山脈近くで見つかる迷子石は氷河時代の広大な氷床によって運ばれたのだとする氷河時代説を発表した[29][35]。聴講者はこれにかなり批判的で、気候史に関する当時の定説の見解と矛盾していたこともあって、一部にはこの新説に反対する者もいた[35]。同時代のほとんどの科学者らは、地球はその誕生時の溶融状態から徐々に冷却されてきたのだと考えていた[36]。
全てまとめて、氷河時代説が科学者らに完全に受け入れられるようになるまでには数十年を要した。これは、氷河時代の原因についての信頼できる説明をした1875年の “Climate and Time, in Their Geological Relations” の出版を含む、ジェームズ・クロール(英語版)の研究に続いて、1870年代後半に国際的な規模で受容が進んだ[40]。
ただし、この最初の段階で研究されたのは現在の氷河時代の中で過去数十万年に起こった氷期(今でいう第四紀氷河時代(英語版)の氷期の一部)についてである。新生代よりも古い時代に存在したとされる氷河時代の形成過程の詳細については、2011年現在も未だ明らかにされていない[4]。

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