周辺無視の都市国家4(香港の場合3)

これに加えて米中対決が始まったこともあって、いよいよ日本大事になってきたようです。
現在の日系自動車販売環境は、反日騒動時に日本車に乗っているだけで被害を受けていた状態から言えば、反日暴動が何だったのか?嘘・夢幻だったかのような現状になっています。
中国は今ニコニコしているとはいえ、手のひら返しが常套手段の国はいつ何時また反日の風が吹き荒れるかしれない危険な国で信用がなりません。
この数年では日本車の伸びがドイツ車の伸びを上回っていて、日系が追いついて来たのはのはこのせいです。
反日暴動によってその穴を埋めて急激に対中貿易で躍進した韓国車のシェアーはサード配備決定以降嫌がらせされるようになり、トックに日系に逆転され(シェアー日本の半分以下で)今や昔日の勢いは見る影もなくなっています。
このように中国はしょっちゅう自分の威力誇示のために相手を突いたり引いたり気に入らない国に対して露骨にと観光客を急減させたり(底が浅すぎます・・)するのは自国の力を誇示しているつもりかもしれません。
韓国は中国尊崇の精神風土ですから、早速この真似をして日本への観光客を絞りましたが自分の首を占める結果になっています。
こういう繰り返しは国際信用をガタ落ちにするマイナス効果の方が大きいことに気がつかない点は、ヤクザが凄んで相手が怖がると「どんなモンダイ!」と悦に入っているレベルです。
韓国は中国に大事にされて舞い上がってしまい一時の夢に酔ってしまってこれだけコケにされても今だに夢が冷めないのが不思議と言えば不思議ですが、中国風コワモテ政治への憧れがあるからでしょう。
韓国は戦後事実上の米国の保護下に入っていたのでいわゆる「事大主義精神」発露として民主主義やキリスト教を喜んで取り入れましたが、借り物思想で落ち着きが悪いのが本音で、従北派が浸透していると言われる心情背景です。
https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_china_2018

国別ブランド乗用車販売シェア (工場出荷台数)

2018年12月 2018年1-12月累計
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同月比(%)
台数
(万台)
シェア(%) 前年
同期比(%)
民族系 97.96 43.87 -24.27 997.99 42.09 -7.99
日系 41.50 18.58 10.20 444.63 18.75 5.74
独系 44.15 19.77 10.04 508.05 21.43 4.76
米国系 20.01 8.96 -39.64 247.79 10.45 -18.48
韓国系 16.01 7.17 -8.62 118.05 4.98 3.14
仏系 1.59 0.71 -71.61 30.70 1.29 -32.65

資料:中国汽車工業協会発表、各種報道より

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/57449cdc408b6808.html

2018年の中国の新車販売台数は28年ぶりのマイナスとなり、2019年に入ってからも厳しい状況が続いている。
全体市場が大きく落ち込んでいるにもかかわらず、ホンダとトヨタは2桁の伸びを続けており、6月には日産や三菱自動車が前年同月を上回るなど、日系各社は総じてプラスを維持している。

このように中国の成長が下り坂に入ったのが鮮明になって来たにも拘わらず、開き直り精神か?却って、国内では独裁性を強化し、国民の日々の行動を監視して対外的にも強硬策一点張りの硬直政治に転じたのが習近平政権でした。
外資には知財の提供を強制するようになるなど、最近の政治はもはや強盗国家的になりました。
韓国が技術移転を求めて次からへと対日要求するようになった(韓国の場合強盗的強制するほど強くないので、言いがかり国家程度です)ことを書いてきましたが、その大型版というべきでしょうか。
中国が成長の限界にぶち当たり、そこまでしないと政権が持たない危機感・・弱みの裏返しと見れば韓国と同じ発想です。
ハリネズミのように過剰警戒心の権化になった中国は対外的には国威発揚のためにやらなくてもいいような強引な政策を次々と繰り出すようになりました。
南シナ海の不法占埋め立てや、尖閣諸島海域での公船連日出没は経済面で見れば・ものすごい経費でしょう。
日本の海上保安庁の巡視艇1〜2隻に対して中国公船はその10数倍群がる印象ですから、コスト的に日本の何倍もかかる計算です。
この辺はフィリッピンやベトナムに対する公船出動による威嚇も同じでしょう。
国際政治的意味ではこのような海賊的威嚇行動はマイナス効果しかない・外敵を増やすばかりでしょう。
大金を使って嫌われることに精出す動機を合理的に推論すれば、内部の政治基盤が弱いところにあると見るしかありません。
ロシアのクリミヤ併合〜ウクライナ侵攻も金を使うばかりで何も得るところがない・・国際孤立を冒してでもやるしかないほど(原油相場低迷によるロシア経済の低迷)プーチンの内部的支持基盤が空洞化してきたから・・と見るのが普通です。
習近平は就任と同時に内部固めのため独裁政治強化・・汚職摘発名目での粛清を開始し、政敵一掃が一段落するとトップの任期制廃止など終身化の道を開き、共産党内体制整備が終わったのかな?
次にその外延である人民大衆に対する統制強化に乗り出しました。

周辺無視の都市国家3 (香港の場合2)

中国にとっての香港問題・一国二制度の約束を守るかどうかは領土問題のように一旦妥協すれば永久的効力のある問題ではなく、1国2制度の終了期間が国際条約で決まっているので、ここで無理押ししないで1国2制度の約束を守っても約束期間が満了すれば中国政府の自由になるので何らかの既得権が生じる訳でもなく次世代に負の遺産を残すリスクもありません。
一国二制度の国際合意を守り香港の民主制度形骸化を止めれば良いだけのことですが、米中問題の厳しい最中に何故こういうバカなことを始めたのか?
ここで引き下がると政治責任問題が起きるのを習近平氏が気にしているのでしょう。
習近平は米中経済対決・・のギリギリの攻防をしているこの微妙な時期に一国二制度期間満了前になぜ中国本土へ犯罪者引き渡しを強制する条例制定を迫ったのか?
これまで議会?立候補資格制限など一国二制度の条約無視・・条約当事国の英国が傍観するばかりで条約違反に対する国際世論も大したことがなかったので自信を持ったことが第一の原因でしょう。
南沙諸島に関する国際司法裁判所判決を「紙切れに過ぎない」と公言した上で埋め立て強行を続けても、米国は埋め立て工事現場近くの公海を航行する程度しかできない現実を見れば、強盗が来てパトカーを呼んでも強盗を追い出してくれず周辺を巡回する程度しかしてくれないのと同じです。
米国のぬるい出方を見て国際政治は正義よりも実力次第という態度を明らかにしたのがここ7〜8年の中国の対外姿勢です。
以後尖閣諸島周辺同様に公船と称する事実上の軍船を大量投入してはベトナムやフィリッピン漁船に体当たりなど繰り返しては横暴の限りを尽くしています。
海軍らしい海軍もないフィリピンやベトナムは切歯扼腕してもなすスベもないのが現状です。
このような状況下で味を占めた中国は尖閣諸島や南沙諸島侵攻を続けえても実効支配の準備を着々と進め国内ではウイグル族を百万人単位で強制収容して思想教育?強制するなどが始まりました。
これらと並行して香港でもなし崩し的に民主主義諸制度を形骸化させてきましたが、南沙諸島のフィリッピンやベトナムの抵抗同様に香港市民の抵抗はゴマ目の歯ぎしり程度で、中国にとってはなんともなかったので自信を深めた結果、安易にその延長上の政策実現になったのでしょう。
リーマンショック後の世界経済落ち込みに対して中国が巨額のインフラ投資によって、世界経済の底割れを防いだ貢献度を背景にした自信によって、その後4〜5年は日の出の勢いの様相でした。
10〜11年の反日暴動や尖閣諸島への実力行使、続いて南沙諸島海域全体の領有宣言とその実力行使としての公海での埋め立てと軍事基地構築の実力行動、一帯一路計画に対する日米の難色を尻目に強行したところEU諸国が相次いでこれに参画するなど当時の中国は日の出の勢いにあったことで香港住民にとって不利な国際環境下にあった影響もあります。
世界の中国依存度が急激に高まった時期でした。
メルケル首相の中国訪問10回ほどに対してニッポン訪問がその間たったの1回で短時間という批判があったのがこの時期でした。
そのニッポン訪問も中国の成長限界がなんとなく見え始めた後のことで、それまでは中国一辺倒の姿勢でした。
ドイツの誇るフォルクスワーゲンの国外販路の中心が、中国での優遇・中独蜜月によるものだったからです。
https://response.jp/article/2018/04/17/308627.html

フォルクスワーゲングループの2017年の中国(香港を含む)における新車販売台数は、過去最高の418万4200台。前年比は5.1%増と、2年連続で前年実績を上回った。2018年第1四半期は、合弁2社を合わせて、中国乗用車市場のシェア1位を維持している。
年間販売台数約1000万台あまりの内、中国市場が約半分近くを占める突出ぶりでした。
中国としては、反日行動で今後産業のレベルアップは日本からの技術導入に頼れない穴埋めはドイツに頼れば良いという計算でニーハオ外交でしたので、ドイツはこれに気を良くしていた時代でした。
環境も人権も過剰聖戦いよる世界の迷惑も顧みない横暴な生産(鉄鋼などの赤字輸出)で、生産量の増加ばかり自慢して有頂天になって天狗の鼻になっていた中国に冷水を浴びせたのが、人がまともに呼吸できないほどの空気の汚れでした。
人民無視の中国も空気の汚れは支配者・特権階層にも平等に影響がありますので、流石にこの状況を放置できなりました。
環境問題分野では、ドイツに対して日本に一日の長があるのとドイツ人は日本のように親切に教えないので技術移転が進まなかったらしく徐々に対日ニーハオ外交に転じたようです。
同時期16年夏ころの株価急落以降・要は中国の無駄なインフラ投資の限界がきた・・中国の新車販売数がこの1〜2年頭打ち〜前年比減が続くようになり、落日が迫ってきたので中国べったりだった西欧が再び中国と距離を置き始めました。
南シナ海での埋め立てに異を唱えるなどこの数年中国に遠慮しなくなってきました。

https://jp.reuters.com/article/china-autos-idJPKBN1WT15H

2019年10月14日 / 18:38 / 1ヶ月前
[北京/上海 14日 ロイター] – 中国汽車工業協会(CAAM)が集計した9月の自動車販売台数は前年比5.2%減の227万台だった。9月は販売が盛り上がる月のはずだが、15カ月連続の減少となり、年後半の回復は期待薄となった。
8月は6.9%減。7月は4.3%減。2018年は1990年代以来のマイナスだった。景気減速と米中貿易戦争が自動車市場に影を落としている。

国内需要無視の闇雲なインフラ投資の限界がきたのと同様に環境無視の無茶な増産の結果
北京の空気は汚れに汚れ、市民はまともに呼吸すらできないようになったので流石がの市民無視の中国も環境対策に乗り出さざるを得なくなったのも同時発生でした。
色んな咎めが集中的に吹き出してきたのがこの数年です。
環境問題では世界最先端技術を誇る日本とよりを戻さざるを得なくなった中国は徐々に対日ニーハオ外交に転じました。

都市国家2・シンガポールと香港の繁栄と不採算地域の切り離し

日本の場合もともと同胞・親戚意識ですから、都民も神奈川、千葉県人も皆等しく幸福になって欲しい気持ちが強く、東京だけ独立したい・儲けを分配するのはイヤと思う人はいないでしょう。
シンガポールはマレー半島から港湾都市として発展してきた独自性を活かすために生産性の低いマレー半島から切り離して独立し、安い労働力をマレー半島から通勤で賄っています。
シンガポール独立ができたのは人種対立が基本にあったので、これが幸いしたのです。
150人前後の漁村でしかなかったシンガポールを港にしたのはラッフルズ卿ですが、その時に華僑をどんどん入れて、華僑中心の港湾都市として発展していたものです。
第二次世界大戦で日本軍占領となり戦後英国植民地に復帰したものの独立を認める時にマレー半島全体をマラヤ連邦として独立したのですが、人種も違えば産業構造も違うので内部抗争の結果、喧嘩ばかりしているより別の国になろうと合意ができて、シンガポールという都市国家が生まれたようです。
このように、周辺と人種が全く違うことと、地中海の古代都市国家と違いシンガポールとマレー半島等とは一体化するほど長い付き合いがない(ラッフルズ上陸は1819年)上に、一応ジョホール水道という水路で隔てられた島になっているなどの自然条件の違いもあって、上手くいったようです。
この結果シンガポールは、底辺労働力をほぼ地続きのマレー半島から日帰り往復の通勤形式で雇用していて、彼ら居住地の整備、子育てその他の福利を心配する必要がない状態です。
数十年前に家族旅行でジョホール水道からシンガポールへ入国したことがありますが、小型マイクロバスに乗ったママの簡便通過だった記憶です。
同じことは香港の特殊性にも言えます。
香港の場合周辺住民も同じ中国人ですが、無人の荒野であった香港島がアヘン戦争後イギリス領(シンガポール同様イギリス領になってから中国人移住が始まったもので、シンガポールに移住した華僑と本土と地続きが飛び地かの違いはあっても本質は同じです)プラス100ヶ年の祖借地になったもので、シンガポールの港湾発展とほぼ同時期に始まっている点で双生児のような成長を遂げてきました。
中国本土は、日中戦争後内戦を経て共産主義国家となりましたが、西側諸国とは鉄のカーテンが引かれ、体制的にほぼ完全に切り離されたものの共産圏への唯一の出入り口として(長崎出島のような)の特殊な地位を獲得しました。
いわば自由貿易都市の恩恵だけ受けた関係・・儲けを周辺地域に分配する必要がなかった点はシンガポールと同じです。
イギリスから返還された後も、一国二制度・自由貿易の恩恵だけ受けるだけでなく巨大市場の窓口として経済恩恵をたっぷり受けられるしかし、民主主義=本土人同様の、怖い義務と引き換えにしなくてよい・・・良いとこ取りです。
中国の資本導入窓口として急激拡大状況の一端は以下の通りです。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-15/Q0ZGISDWX2PU01
Alistair Barr、Lulu Chen

2019年11月15日 9:24 JST 更新日時 2019年11月15日 13:06 JST
アリババの香港上場、1.3兆円以上の規模目指すこと示唆

現在香港騒動の真っ最中にも関わらず、上場(資本調達を目指す)するとは大した度胸ですが、中国企業にとっては香港市場が資本導入の生命線になっていることがわかります。
米国はこの弱点を見越して、天安門事件再来のようなことに発展すれば香港の自由市場を取り消す?と国際金融取引から締め出す?と中国を牽制している最中です。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/57956
米「香港人権法案」に中国激怒、揺らぐ香港の命運
法案成立なら報復という習近平政権、トランプはどう出るのか?
2019.10.17(木) 福島 香織

https://www.cnn.co.jp/usa/35144038.html

2019.10.16 Wed posted at 13:05 JST
米下院、香港人権法案を可決 中国への非難鮮明
同法案は、年次報告書によって香港の自治が十分に機能しているかどうかを検証することを義務付ける。この検証に基づき、米国の法が定めた香港への優遇措置の妥当性を判断する。
また香港での人権弾圧に故意に関わったとみなされた人物に対し、米大統領が制裁や渡航制限措置を科す手順も明示している。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-14/Q0Z9JDT0AFB501
米上院、香港人権法案の採決迅速化へ-中国外務省は報復を警告
Daniel Flatley 2019年11月15日 7:40 JST
ルビオ議員は声明で「米国は中国政府に対し、奮闘する香港市民を自由世界が支持しているとの明白なメッセージを送る必要がある」とした。
「香港人権・民主主義法案」は、米国の法律の下で香港に与えられている特別な地位が継続されるべきかどうか、毎年検証を行うよう米国務省に義務付ける。上院の法案は、既に下院で可決された案とは若干異なるため、トランプ大統領に送付する前に一本化して両院で可決する必要がある。
中国外務省は同法案が米議会を通過すれば報復すると警告した。

資本導入の窓口が締まれば中国経済が窒息しかねないので中国は必死です。
現在米国による対中経済攻撃防戦に手いっぱいの中国が、どういう報復手段があるのか不明です。

地方交付金(再分配)制度2(都市国家の有利性1)

企業を例にすれば、10の事業部門のうち9部門平均が10%の収益率でA部門だけ3%あるいはマイナスとした場合、A部門を売却した方が平均収益率が上がります。
赤字部門を抱え続けて収益部門の収益で補填していると収益部門の研究開発費や再投資資金が蚕食されて競合他社に遅れを取っていきます。
GMが最盛期にドラッカー氏に指摘されたこの提言を無視した挙句に破産に至った事例をラストベルト地帯のシリーズで紹介しました。
イギリスのシティ・オブ・ロンドンに関するウイキペデイアによると以下の通り荒稼ぎのようです。

シティは英国のGNPの2.5パーセントに貢献しており[5]、ロンドン証券取引所やイングランド銀行、ロイズ本社等が置かれる金融センターとして[注釈 6]ニューヨークのウォール街と共に世界経済を先導し[6]、世界有数の商業の中心地としてビジネス上の重要な会合の開催地としても機能している[7][注釈 7]。

1990年代初期に、IRA暫定派がシティ内に複数の爆弾を仕掛けて爆発させる事件が発生した[注釈 8][注釈 9]。居住する人口はおよそ11,700人だが、金融業を中心に約31万6,700人の昼間人口がある[9]。

これを英国全土にばら撒かずに、シンガポールや香港のようにスクエア・マイル(the Square Mile)?の狭いシティー内で収益分配できればボロ儲けでしょうが、そうは行きません。
居住人口11,700人でGDPの2、5%も稼ぐ・このおこぼれがグレーターロンドンに浸透しはるかな僻地にもおこぼれが行き渡るのでしょうが、この極端な職業の格差というか分離が、国民一体化を崩壊させているように見えます。
EU離脱支持が地方に多く、反対がロンドン市民に多いとのニュースを見た記憶ですが、このような極端な産業構造の分離が国論統一に対する妨げになっているような印象を受けます。
上海だって、独立して、周辺の安い労働力(昼間人口)を使って儲けを上海市民だけで分配した方が得に決まっています。
現在の香港騒動を西側メデイアが民主主義の危機と受け止めて大騒ぎですが、中国人の方は上海深圳と違い「香港だけいい思いをしている」・・巨大人口市場をバックに儲けているのに全土に還元しない不満があって、中国本土人民での支持が広がらずこれをバックに中共政府の対応が強気になっているように見えます。
貧しい・・近代化の遅れた国は実力のままの方が相応の待遇を得られて有利なのに、僻地が大国の仲間入りすると僻地の企業まで(中国でいえば)後進国向けの恩典を得にくくなります。
外国へ行った時に中国人として大きな態度を取れる程度のミエを張れるのと引き換えに相応の振る舞いが要求されるより、内陸のチベット人や少数民族の人は、その民族名で外国へ行き経済力相応の安宿に泊まる方がエコノミーで良いのではないでしょうか?
自分の属する国が大国であることによって何か良いことがあるのでしょうか?
中国が偉そうな主張をしながら、後進国の特別待遇を求め続けているのはズルイと思う人が多いでしょうが、この矛盾を抱えていることによります。
平均化の不都合の穴埋めに、円が上がると今でも苦しい農業等が余計困るので貿易交渉・・概ね農業保護の要求撤廃緩和の妥協の都度農業地域への補助金等の所得格差補正が行われてきました。
不採算事業・農林漁業の多くはそうですが、企業の事業部門のように不採算事業売却とはいかないので世代交代によって従事人口が減っていくのを待つしかないのでその間は環境変化に対する適応期間(失業者の再就職適応のための職業訓練や、失業給付と目的は同じです)とが必要です。
昭和30年代に高度成長が始まると金の卵と呼ばれる中卒集団就職列車が農村部から東京に向かいましたが、当時現役の4〜50台の農漁業労働者の工場労働者への変身は無理でした。
その頃でも長男は残ることが多かったので、結果的に約2世代かかりました。
それから約5〜60年でようやく農家の担い手がなくなってきた・・近代工場労働〜都市型労働への切り替えが終わった段階です。
今は都市内労働者が、ITやサービス関連への切り替え・再教育が模索されている段階ですが、今後は変化が早いので世代交代を待ってられません。
世代交代なしにIT化など急速進化する科学技術に適応していくのは難しくなりそうです。
今後の世代は大卒時の能力で人生が固定するのではなく、20年ごとに来る新技術への適応力次第で中高年時に大きな格差が生じることになりそうです。
40代に生じた技術変革にうまく適応できた成功者が、60代に来る2回目の変化に適応できないなどの厳しい社会になります。
10年ほど前までは60代になったばかりの人が新技術を知らなくとも「俺は逃げ切れる」という発想の人が多かったのですが、70代まで普通に働く時代が来ると、60代の人でも、もう一度新技術を学ぶしかない時代がきます。
農漁村が置き去りにされる時代には、地域格差でしたので政府の所得保障・補助金や地域経済の活性化目的公共事業による底上げでなんとかなってきましたが、今後は地域にお金を落として就労機会を与えれば良いのではなく(地方救済の公共工事の場合、農家の人が土木工事作業員に向いていたのですが・・)個々のニーズに合わせた再教育機会の提供が重要です。
日本ではこうした分配・所得修正政策が手厚かったので、地域格差問題にそれほど苦しまないし、個々人間の所得格差にも早くから手厚い修正・再教育プランが働いているので民族一体感を強固に保っていられるのだと思います。
東京都は持ち出しが多いので小池都知事が全国知事会等で不満を表明していた記事を読んだ記憶ですが、そもそも東京は周辺や地方経済があってこそ(千葉県には製鉄所や東京電力その他大工場がありますが)と東京に本社機能が集中しエリートサラリーマンや高級官僚がひしめくのであって、東京都民だけでは今の大規模なビル群が維持出来ないはずです。
大規模な催し物・高級芸能あるいは美術展音楽会などが東京で可能なのは、全国から人が集まるから興行が成り立っています。

地域格差と地方交付金制度1

地方税収と地方交付金比率等の現状紹介です。
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/hakusyo/chihou/30data/2018data/30czb01-03.html

3 地方財源の状況
平成28年度における租税収入及び租税負担の状況並びに地方歳入の状況は、次のとおりである。
ア 地方税
地方税の決算額は39兆3,924億円で、前年度と比べると0.8%増(前年度6.3%増)となっている。
地方税収入額の62.0%を占める住民税、事業税及び地方消費税の収入状況は、第14表のとおりである。
イウは省略
エ 地方交付税[資料編:第21表、第129表]
地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するための地方の固有財源である。また、その目的は、地方公共団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を損なわずに、その財源の均衡化を図り、地方行政の計画的な運営を保障することによって、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方公共団体の独立性を強化することである。
地方交付税の決算額は、17兆2,390億円で、前年度と比べると0.9%減(前年度0.2%減)となっている。また、歳入総額に占める割合は17.0%(前年度17.1%)となっている。

上記の通り、地方税決算額約39兆円に対して約17兆の交付金ですから、格差是正用資金比率が大きい・・昨日2割と仮定して書きましたが、約3割であることがわかります。
本社の集中する東京都の税収が大きいままでは格差が広がり過ぎます。
地域格差是正のためには国税比率を上げて、格差調整資金として使うことになりますが、自治体の自主性との兼ね合いです。
シンガポールやモナコは、日本の地方交付金に当たる資金負担しないで周辺から吸い上げるばかりでうまいことをしていることになります。
古来から都市国家にした方がいいとこ取りで効率がよく、現在のシンガポールや香港などが突出的に一人当たりGDPが高くなっている所以です。
これに似た例がドイツと南欧諸国との関係です。
EUがなくドイツ単独通貨であれば、輸出黒字の積み上がりはドイツ通貨マルク高となり、輸出価格上がり輸出が減り、輸入品価格が下がるので国民が輸入品を安く買えるようになり貿易黒字にブレーキがかかるのが為替制度の仕組みです。
EUの通貨統合によりEU全体の貿易収支平均でユーロ相場が決まるためにEU全体で貿易収支が均衡していれば、ドイツ1国がいくら貿易黒字を積み上げてもユーロ相場が同じのままなのでドイツは為替相場による修正がなく国力以下の安い通貨のままで際限ない黒字を続けられ、EU域内の恒常的赤字国にとってはいくら赤字が続いても為替相場の下落がないので、赤字が自動的に修正されないまま・・弱小国・南欧諸国にとっては、競争力以上の割高通貨を強制される損な関係です。
この関係は日本でも地域や業種によって輸出競争力差があるのに車や各種工業品など競争力のある業界の大幅黒字の結果、円高になると弱い産業を抱える地域がもしも別の国であれば通貨が下がるはずのところ、同じ国に属しているために国際競争力の弱い地方農産品も車等工業製品の競争力を基準にした通貨との平均価格=日本全体の貿易収支によって決まる円相場で輸入品と競うことになります。
競争力の弱い農業しかない地域の通貨相場が下がるどころか、自分らに関係ない車の輸出が増えると逆に円相場が上がる関係になります。
このように見ると通貨単位は小さければ小さいほどその地域の実情に応じた国際交渉可能なので実は有利なことがわかります。
この後続けて都市国家の有利性を書きますがこの原理によります。

免責事項:

私は弁護士ですが、このコラムは帰宅後ちょっとした時間にニュース等に触発されて思いつくまま随想的に書いているだけで、「弁護士としての専門的見地からの意見」ではありません。

私がその時に知っている曖昧な知識を下に書いているだけで、それぞれのテーマについて裏付け的調査・判例や政省令〜規則ガイドライン等を調べる時間もないので、うろ覚えのまま書いていることがほとんどです。

引用データ等もネット検索で出たものを安易に引用することが多く、吟味検証されたものでないために一方の立場に偏っている場合もあり、記憶だけで書いたものはデータや指導的判例学説等と違っている場合もあります。

一言でいえば、ここで書いた意見は「仕事」として書いているのではありませんので、『責任』を持てません。

また、個別の法律相談の回答ではありませんので、具体的事件処理にあたってはこのコラムの意見がそのまま通用しませんので、必ず別の弁護士等に依頼してその弁護士の意見に従って処理されるようにしてください。

このコラムは法律家ではあるが私の主観的関心・印象をそのまま書いている程度・客観的裏付けに基づかない雑感に過ぎないレベルと理解してお読みください。