非武装平和論2

憲法がアメリカ占領支配継続の道具となっている実質を見ないで、解釈改憲・事実上の改憲を違法と言い張って、憲法改正がない限り何があっても非武装論に従っているとどうなるでしょうか?
この意見は、憲法に書いている・・非武装がよいと言うだけで、自衛の戦力保持も違反・集団自衛協定も否定し、友好国の援助を受けられないようにする・・有効な対策を提示しないままです。
非武装論プラス集団自衛権憲法違反論者は、どうやって日本の安全を守るのかの対案もなく「憲法違反だ」と反対しているだけですから、結果的に中国の侵略を容認し、「侵略があれば傍観していれば良い」「逃げ回れば良いのだ」言う結果を導きます。
最終的にはチベット族やウイグル族のように中国支配下に入っても良いのかと言う意見に繋がって行きます。
・・この論理はちょっと飛躍がありますが、非武装論者が反対するばかりで何の対案も示さないことから、飛躍した論理を生む下地になっています・・。
非武装でも外国の応援を頼めば良いと言う非武装論もあり得ます。
個々人で言えば各人が自宅で銃を持ったり自分で武道を習わなくとも、警察が来てくれるからいいというのと同じです。
ただし、警察に頼る場合、同じ民族が警察官を構成しているのが普通で、(白人警官に黒人が不満を持つ原因です)警察官になれるのは植民地支配・宗主国の民族構成限定と言うのでは実質的隷属化が強まります。
日本の場合アメリカ軍が守ってくれると言う触れ込みで占領を継続して来たのですから、警官だけ植民地本国からの派遣によるのと同じ・・結果的に異民族支配の間接統治と同じでした。
この結果アメリカ軍が駐留継続している限り、独立したとは言っても名ばかりで、日本はその後ずっと事実上アメリカ支配下にある・・独立国と言いながら、自前で民間航空機1つ作れなかった→その結果技術者が新幹線技術に移転したことが良く知られています・・のが現状です。
アメリカの日本隷属化目的の非武装論に敢えて反対せずに便乗すれば、当面軍事支出が少なくて戦争で疲弊した日本復興にメリットがあるとして・・力がつくまで雌伏してアメリカの不当な支配を受け入れるのも1つの見識です。
占領されている日本が正面からアメリカに異を唱えてゲリラ戦に持ち込むと民族が疲弊してしまい、却っていつまでも経済的に自立出来ないマイナスがあるので、したたかに逆利用して来た智恵でした。
アメリカは日本支配のために非武装を強制したものの、これを利用して日本が経済大国化して来たので、これでは損するばかりなので自衛に必要な(アメリカに刃向かえない)限度で、日本独自に兵力を持ってくれ・兵器を買ってくれと言い出したことで、日本再軍備が始まり徐々に拡大して来ました。
アメリカは再軍備を正面から認めると本当の独立国になってしまうので、その都度揉めるようなブレーキを残すために憲法違反のママなし崩しに認める方式・・解釈改憲や事実上の再軍備でやって来たことを昨日まで書きました。
その内イラク戦争では、金だけ出して・・血を流さない日本への不満が公然と出て来て・・その挙げ句20年経過で今回の集団自衛権論争になって浮上して来たと思います。
アメリカの要求に乗っているのは、力をつけるまで民族を守るための智恵として意味がありましたが、アメリカが日本を守り切れなくなったと言うならば、チャンスですからその穴埋めに自主軍備を持つことは良いことです。
立場が違えば、いろんな考え方があると思いますが、私は上記のようにアメリカが完全に守ってくれるならばアメリカの意に反してまで軍備強化する必要がない・・ほどほどの非武装論は良いことと考えてきました。
アメリカが警察官役を出来なくなって来れば、アメリカが反対しない限度で自衛するしかない・・更に増強出来るチャンスを利用すべきです。
従来アメリカに責任を取ってもらう方が良いと言う結果・・軽武装で良いと言う点では、革新系意見(支配者がアメリカでも中国でも良くてどこかへの隷属状態の恒久化を求めているのかな?)と同様でしたが、私の場合徐々に力をつけて独立したいのが本音ですから、周囲の状態が変わればこれをチャンスに意見を変えること自体に何の迷いもありません。
「平和憲法と国の安全1」Published June 4, 2014で、夏から冬に気候が変わり、木枯らしが吹けば、重衣装に着替える必要があると言う比喩で書いたことがあります。
節操が変わらないのは立派なようでいて、実は冬になっても夏物を着ている・・馬鹿の一つ覚えと紙一重です。
非武装論者でも、先ずは経済自立・・独立するための力を充実させるためにアメリカの非武装要求を利用して経済復興を優先していた勢力と、飽くまで日本を隷属下におく目的で永久的な非武装を求めていた勢力の二種類あったことが、今回の尖閣諸島問題で明らかになりました。
日本民族の独立否定・・永久的隷属化目的勢力にとっては、周辺の脅威が増したときこそ、非武装を徹底して侵略軍を導入したいことになるのですから、ここで自衛力強化したのでは、何のためにこれまで非武装を要求していたか分らないことになるのでしょう。
私のような意見は、日本民族隷属化目的の非武装論者にとっては、裏切り者・節操のない人間の範疇に入ります。

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