PKOと国際常識3(政党の役割1)

質問だけから見ると民進党の主張が私の理解不足のためかはっきりしませんが、人命危険があるからPKOや駆けつけ警護をやめろと言う意味か?それとも現地政府の要請のない軍事力行使は侵略行為?になると言う形式論を言うのか不明です。
昨日紹介した民進党の国対委員長の意気込みでは、PKO派遣5原則が壊れていることを議論して行きたいと言うのですが、民進党が国際合意にの変遷に合わせて5原則を修正すべきと言うのか、5原則堅持して撤退すべきと言うのかはっきりしません。
いずれにしても現在では、昨日ウイキペデイアで紹介したとおり国内紛争・・政府の依頼がなくとも国連が派遣することになっているのですから、政府軍かどうかや危険状態を質問して追及しても、国際合意に反して日本が一方的に撤退する前提がない限り議論の筋が違い過ぎる・・国際的に通用しない議論を吹っかけても意味のないことです。
そして、駆けつけ警護を国会が認めた法にしたと言うことは、「駆けつけ警護の必要な危険程度では撤退しないこと」が前提になっている解釈をするのが合理的です。
駆けつけ警護が現実にあって・・頻発している場合には・・相手が単なる市民による略奪なのか反乱軍かなどによって、撤退の可否を議論するのは合理的ですが、まだ駆けつけ警護出動すらしていない現状で周辺の危険性を議論して、どのような国政を期待するのか不明です。
駆けつけ警護の必要性すら起きていない状態でも【危険だから撤退しろ」と言う前提の議論ならば法を無視したや繰り返しになりますし、以下に紹介するように南スーダンは権に関する国際合意・国際常識を無視した主張になります。
国際的に通用しない論理を振りかざして、仮にその主張どおりに実行すると国連決議無視・・日本の国益に反することをやれと言うのが目的のように見えます。
ス−ダンへの自衛隊派遣は民主党政権が決めたとも報道されています。
民主党が政権を取ったときには「少なくとも県外へ」を筆頭に事前スローガン通りやれないのでこれを守らない例が多かったと思います。
野党とは言え、政党である以上自分が政権担当になっても実行出来る前提の主張や質問をすべきです。
(実行出来そうもない主張をするから、どこの国益を代表して議論しているのか?と言う疑いを持つ人が多くなる理由です)
https://ja.wikipedia.org/wiki
「国際連合南スーダン派遣団は、南スーダン共和国に展開する国際連合平和維持活動 (PKO) のひとつ。
2011年7月9日に北部スーダンから分離独立した南スーダン共和国の平和維持活動を主任務とし、司令部を首都ジュバに置く。約7000名からなる治安維持及び施設整備部隊と警官約900人を加えた8000人規模で構成され、市民保護目的の武力行使が認められている。」
南スーダン派遣は、上記のとおり「市民保護目的の武力行使」戦闘があり得る前提の派遣です。
もともと戦闘参加すら想定して派遣しているのですから、その前段階の危険状態を根掘り葉掘り聞いて派遣をどうしようと言うのか質問の意図が見えません。
確保している質問時間を持て余しているのではないでしょうか?」
PKO派遣5原則には危険状態が酷くなれば撤退出来ることになっていますが、撤退条件を満たしているかどうかを把握するために質問しているのでしょうか?
pkoスーダン派遣は民主党の政権が決めたことですが、駆けつけ警護は安倍政権が1昨年付与した新任務ですから、駆けつけ警護の危険性を強調したいのは分ります。
しかし、実際に「駆けつけ警護」をしていないのに現地情勢を聞くだけでは、何のためのネチネチ質問かよく分りません。
仮に現状が分っても撤退出来ないとすれば、・・国政として何を実現するために時間をかけた議論なのか分りません。
自衛隊が戦闘参加したならば、どちらの味方をしたのか・中立を守ったのかは重要ですが・・現地の危険の有無ばかり聞いているところから見ると、それが駆けつけ警護の新任務とどう言う関係があるのか?関連性不明です。
南スーダンが内乱状態かどうかをいくら質問しても、国家間紛争だけではなく内乱状態でもPKO派遣は国連の意思になっているのですから、具体的に自衛隊に危険が迫っていない前提でくどく問いつめている意味不明です。
聞いていると防衛大臣の発言ミスだけを期待しているような漂流質問をしている印象です。
ちなみに我々法律家の世界では、証人尋問で意味不明の質問をだらだら続けるのを、漂流質問と言います。
2月24日に維新の会の議員による予算委員会の質問をユーチューブ(いつの分か不明)で聞いていると「民進党の質問や主張は揚げ足取りばかりで、何を主張したいのかさっぱり分らない」と言う趣旨の発言をしていましたが、これが国民大方の感想でしょう。
民主国家を維持するためには、野党がしっかりしてくれないと国民が困ります。
昨今マスコミ批判が激しいですが、ネット情報と言っても個人で世界中の情報収集出来ない(裏付け)ので多くは世界各地に情報源を持つマスコミ情報を加工した意見分野で違いがある程度です。
都市テロは秩序破壊が目的ですが、テロリスト自身が都市交通システムや通信情報が正常に動く前提に行動していると書いたことがありますが、フリージャーナリストの海外ネット情報も99%がマスコミ情報を基礎に取材しただけ・・ちょっと色付けした程度が普通です。
上記のとおり、マスコミや政党の主張や情報を100%の信用出来ないとしても、積極的虚偽報道(ABCDの情報のうち一部を強調したり一部しか報道しないと言うことがあってもない情報をでっち上げて報道しない程度のモラルを守っている)社会の基礎基盤としての役割が重要です。
マスコミの信用をドンドン毀損していき、何の責任もないような者が、テロ事件がないのにテロ騒ぎあったと虚偽情報をネットで拡散するようになると、まさに偽造貨幣が出回る状態と同じで流言蜚語の社会となり、混乱するばかりです。
このコラムではマスコミ批判をしていますが、私はマスコミがしっかりと客観情報を流して欲しいと言うだけでマスコミ自体を潰せば良いとは考えていません。
政治の世界でも事実を前提に多様な意見を戦わせるためには、聞くに堪えるマトモな議論をする・・しっかりした野党が必要なことは確かです。
自民党自体に野党的勢力・多様な意見を内包しているから、日本では野党不要と言う状況を表してるのかも知れません。
この辺の状況は、中大選挙区制度の効用・小選挙区制の害として、2月21〜22日に書きました。
韓国が国際常識に反する固有論理・・実現不能な感情論に固執している不思議さ・・この結果自滅して行く予想が多くなっていますが・・。
民進党も自己の身内にしか通用しない論理に固執する・・・同じ傾向・体質を鮮明にして来たのには驚きますが、支持率低下によって、こう言う人しか残らなくなった悪循環かも知れません。
これでは国民支持率がドンドン下がって行くのは当然です。
政権獲得を目指す政党である限り、しっかり勉強して国民のために言いたいこと・・本当に実現した方が良い・・実現の処方箋を用意しての意見ならば国民の支持率が上がるでしょう。

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