政党の役割3

民進党の国会活動を見ていると、政策実現の主張と言うよりは政権・政敵追及することが主目的・・そのための材料探しとこれを利用した追及工作に躍起になっている印象です。
政治資金規制法では3条第2号目的・・政策実現よりは政敵の足を引っ張ることが主目的でも一定数議員さえいれば政党ですが、この種の集団の場合社会常識的に理解されている政党とはいえない団体です。
社会常識的に理解されている政党のイメージはウイキペデイアで書いているように「国民のための政策」実現の主張し国民の支持を得てその実現を目指して行動する集団のことでしょう。
政敵の足を引っ張る目的を名乗っている政党など聞いたこともありません。
と言うことは、2号記載の政治団体なるものをワザワザ条文に掲げた意味は何でしょうか?
そもそも公的に政党の主義主張の妥当性審査が不能であることを前提に、前提になる団体の定義を放棄して違法スレスレの不当な目的の団体でも、一定の議員数さえあれば交付金を支給するようにした・・一定数の議員を擁する団体ならどんな目的でも良いと言う逆からの定義にしたのでしょう。
以上のとおり、政敵の足を引っ張る目的の集団でも政治団体となり、数さえそろえば政党として補助金をもらえるようになっています。
政党名や綱領だけは立派でも、実際にやってることが政敵の足を引っ張ることが主な運動でも政党要件はなくなりませんが、・・下品だと人心が離れて行きます。
不正や違法行為を社会に訴えることも必要ですが、そう言うことを政党活動の主な目的にする必要はない・・オンブズマン等別の政治団体の仕事で良いように思われます。
政党が本来の仕事をしていないと民心が離れて行き結果的に議員数が減る・一定数以下になれば交付金をもらえなくなるから何をやっていても良いではないかと言うのが立法趣旨でしょう。
宗教法人の定義も同じで現憲法・憲法学者がいろんなタブーを設けて行く関係で、内容実質を議論出来ないで、外形的・設立書式が合っていれば、認証を受けられ設立自由です。
宗教法人法
(昭和二十六年四月三日法律第百二十六号)
設立の手続)
第十二条  宗教法人を設立しようとする者は、左に掲げる事項を記載した規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受けなければならない。
一  目的
二 以下省略
(成立の時期)
第十五条  宗教法人は、その主たる事務所の所在地において設立の登記をすることに因つて成立する。
その結果、ヤクザが宗教法人を隠れ蓑に設立しては、各種取り締まり法規の例外(調整区域区域でも開発例外になるなど)を乱用したり税逃れに悪用するようになっていますが、外形基準がはびこるとこのようになり勝ちです。
立派なモノ・・名声にあやかって似たようなネーミングが増える・その結果薄汚くなって行くことが普通にあります。
町で言えば高級住宅街にアパートや民家を建ててもその街のイメージで客が集まる・・これの繰り返しで、いつの間にかその街はアパート混在の普通の街になって行きます。
政党や宗教・各種人権、立派な権利?ですが、これが一種の不可侵特権を持つようになって怪しげなグループの巣窟になるのでは困ります。
プライバシーその他の権利を主張して防犯カメラ・GPSなどによる犯罪情報を収集規制しようとする動きが急です。
プライバシーや内心の自由は必要ですが、プライバシーや政治や宗教団体を唱えれば不可侵の団体や権利になってしまう結果、テロ組織も皆先ずは宗教家や政党を唱えれば「お守り?」になるのでは危険です。
政党定義を数字で決めて行くいい加減さに頼っていると、その内薄汚い組織の代名詞になって行くでしょう。
議員数(国民の一定の支持がある)を基本に決めるのは分りよくて便利ですが、この結果、年末になると交付金目当てに数合わせによる離合集散・政治目的の一致を気にせず?野合する傾向が出ているのもこの1つです。
交付金目当てとは関係がないものの、民進党が支持率低迷の危機感から全く相容れない筈の共産党と連携を模索するようになっています。
連携すれば共産党は実現すべき確固たる政策があるので、骨のない議員は共産党の主張に同調し吸収されて行くしかなくなるし、骨のある人材・支持母体はドンドン逃げて行きます。
民進党は実現すべき政策がない結果、何でも反対・・政敵の足を引っ張るのが主活動となる・・政策停滞を目的する2号政党?に陥り、ひいては消滅してしまった旧社会党同様の運命を辿るのでしょうか?
旧社会党は社民党と名を変えて沖縄の米軍基地反対特化政党として命脈を保っている印象を受けますが、交付金要件の二%の得票率を確保出来ているのでしょうか?
ネット報道では0、何%と出ていますが・・反対ばかりでも今でも仮に二%も支持者がいるとすれば、日本国民にもいろんな人がいると驚くしかありません。
敵の足を掬う活動をするのは政党の別働隊・・裏の仕事であって、政党本体の表の仕事ではありません。
それを国会で麗々しくやっている・・それしか見せ場ないのでは、品のないことです。
蓮舫氏が代表に就任したときに民進党の弱みを知っていたからと思われますが、提案政党になると言っていましたが、今国会の結果が追及ばかりではどうにもなりません。
最近原発ゼロ前倒しを主張し始めましたが、結局は従来からの原発反対意見の強化でしかない・・建設的意見とセットになっていないと、いわゆる反対(ばかり)政党の強化版のようで、どのように変わったの分りません。
30年までの原発ゼロ政策決定は・・鳩山氏の少なくとも県外へ・トランプ氏の実現性のなさそうな強行策同様に、実現性のない「カラ宣言」と見られて、却って支持者を失う方向になったように見えます。
民進党が揚げ足取りや(何でも人権無視と言ってれば考える必要もなくて簡単なので)人権と言う旗で反対するばかりで、前向きの政策提言がない限り、マイナス効果だけですから、どうなっても国民生活にあまり関係がないことです。
ただし、ブレーキ役ばかりでマトモな政策提言の出来る野党が育たないことは国民にとって選択肢がなくて不幸なことですから、気になって書いてきました。
「少なくとも県外へ」の主張同様の強行策一点張りのトランプ政策の実効性に明日から戻ります。

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