http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/entry-12242018733.html
2017-01-29 05:00:00
中国、「民間債務」対GDP比で170%「突出する危険性」
「日本、EU、中国の民間債務は2008年まで、対GDP比で100%ラインにきれいに並んでいた。米国は、手厚い内部留保があるゆえに民間債務の対GDP比は、60~70%の中に収まっている。問題は、2009年以降の中国だけが、対GDP比の民間債務額が急ピッチで増え続け、2016年には170%にも達した。この現実を頭に入れて置いて欲しいのだ。」
上記意見は、中国以外は今もキレイに100%で並んでいる前提でしょうが、諸外国では今も債務率が100%近辺で安定しているのかを書いていません。
ただし、29日に紹介したグラフによると中国の債務伸び率が半端でないことが確かです。
リーマンショック以降先進諸外国では異次元金融緩和が一般的であって、日本でもどこでも大量のマネーサプライが続いている以上は、その分債務も膨張していないかの疑問です。
例えば、住宅ローン金利が1%下がれば、借入額をその分増やしても毎月支払が同じになるので借入限度額・債務額が増えます。
この結果韓国では急激に個人債務が膨張してしまっていることが話題になっています。
リーマンショック以降「異次元緩和」が行なわれているのが普通ですから、中国だけ08年以前と比較するのでは、読んでいる方が混乱します。
ただし、日本では個人金融資産が巨大ですので、金利を下げた程度で借りたい人が増えません。
先進国で金融緩和をしても自国内企業や国民が殆ど利用していないで、(円キャリー取引で)低金利を利用して資金不足の新興国が利用しているだけ・せっかく大量供給した資金が海外・新興国に流出しているのかも知れません。
日米欧の低金利政策が新興国の資金需要を満たしていただけ・だからこそ米国金利上げが新興国・・特に中国への打撃となるテーマで持ちきりになっているのでしょう。
この後税収弾性値でも書きますが、GDPその他の指標は一定方向の議論や疑いを抱くとっかかりになるだけであって、そこから結論を導くとなれば、いろんな指標を組わせた意見でないとまともな議論になりません。
国力競争ではGDPが重要でしょうが、(中国は19世紀型・・粗鋼生産量や造船量にこだわって来た時代錯誤制を以前書きました)生活水準指標としてはGDPよりは別の指標の総合化が必要です。
無理な内需振興・・無駄な建設工事等の結果GDPだけ上がっても、税収がこれに比例して上がって行きませんから、経済効率無視の投資か否かの指標としては税収弾性値も目印の1つになるでしょう。
上記ブログの紹介では、中国の場合、税収弾性値が極端に下がり続けているらしいのです。
中国がリーマンショック後税収弾性値が下がっているのはGDPアップと言ってもゴーストタウンを作るような無駄な投資をしている証拠だと言う意見の補強に使われています。
「16年の中国財政の歳入増が、前年比わずか4.5%増であったのだ。税収の伸びが名目経済成長率の8.0%を下回る状態になっている。ついに、「税収増加率は、年々続く縮小傾向から脱却できなかった」(『人民網』1月24日付)と実態を吐露するに至っている。税収の弾性値という尺度がある。名目GDPが1増えれば、税収がどれだけ増えるかである。長期的な税収弾性値は1.1とされるが、中国はすでに、0.56にまで低下している。ゾンビ企業の多発で経済が空洞化している証拠だ。「腐ったリンゴ」そのものである。」
税収弾性値が平均して1、1であると言う図表か何かで見た記憶がありますが、ちょっと見たときの印象ではこう言う平均化が可能と言う程度の説明であったように見えます。
中国の肩を持つ訳ではないですが、公平に見ると過去一定期間の平均から外れると異常とする断定論は一面的です。
中国の場合にも前提となる社会状況変化があるのですから、(非衛生・生活習慣が汚いことで有名な中国でさえ公害垂れ流しのマイナスや衛生意識向上・生活水準向上があるに違いない・・量より質に入って来た変化をどう見るかです)社会状況が変わった指標としてみることが可能ですが、この種の衛生基準アップなどの)投資は次年度以降の生産性向上に結びつかないのが普通・・非効率投資ですが、これを無駄な投資(誰も使わない鉄道建設やビルを建てるような投資)とごっちゃにした議論は無理があると言うことです。
民需不足の場合に財政出動でインフラ投資すると、(不景気対策の公共投資は・需要がないのに無理して投資するのですから)投資効率が下がるのはどこのクニでも同じです・・。
日本の場合もバブル崩壊後の需要穴埋めのための財政出動・・公共投資の投資乗数が1割っていることを長年言われて来ました・。
社会でも個人でも豊かになれば目先のお金儲けに繋がることばかりではなく、その他の(効率の悪い文化・各地の美術・音楽ホール)出費をする余地が出るのは当たり前・・この段階になるとGDPアップ率が下がるのは当然です。
我が家でも数十年前から、収入に繋がらないことに支出する・・いろんなことをするようになっているのですが、日本のGDP成長率が下がっているのも、このような社会の豊かさに関係にあるのであって、目先金儲け(人よりより一杯多くのビールを飲みたいレベル)に燃えている新興国と「アップ率を競う」前提のエコノミストの議論の建て方・日本のGDPアップ率が見劣りすると頻りに言うこと自体が無意味です。
生活水準が上がると建物建築意欲を卒業して自宅の庭で花を植えたり美術品など購入し音楽を楽しむなど消費動向が変わりますので、その前の生活スタイルを基準に消費が減ったから生活が貧しいか?と議論しても意味がありません。
クルマで峠を越えるのに3〜4時間かかっていた場所で、トンネル開通で20分で山の向こうに行ける・・この種投資の場合翌年にはGDPが上がり投資高率が高いのですが、既存道路のアスファルトのレベルアップ、縁石をより見栄えの良い良質のタイルにしたり道路脇にツツジなどの植え込みをするレベルアップ投資では、翌年以降のGDPが上がりません。
中国がGDP6、何%成長の割に税収があがっていないと言うだけでは、その公表がインチキか、仮に数値が正しいとすれば、投資効率の悪い投資(空きビルを建てたか、または公害防止投資が嵩んだのか、縁石を綺麗にするなどのレベルアップ投資か不明)が多かったことが分るだけです。
批判するならば投資効率が下がった内訳の分析(公害防止や衛生基準アップ投資や市街地の美観アップなどの投資と投機による不要な原材料在庫アップまたはゴーストタウン投資の)こそが重要です。
GDPは、19世紀以降の建艦競争時代に継戦能力の指標としてGDP・生産力が重視されていたに過ぎず、未だにこれを金科玉条のように重視することが間違っている・・国民の豊かさアップとはイコールではありません。
日米安保で見れば分るように日本の継戦能力は、粗鋼生産力や造船量だけではどうにもならない・・米国による高度兵器供給網維持にあるのであって、自力継戦能力は大したものではありません。
大災害が起きるといつも問題になるように、民間企業もサプライチェーンが世界中に広がっているのであって、トヨタでもどこでも自企業内で完結出来ていません。
Month: April 2017
中国やりくりの限界2(債務膨張)
中国は成長停滞に直面しても赤字企業倒産・失業増大を避けるために3月23日に書いたとおり労賃と生産を下げらないので、原材料費+管理費+労賃+利潤=販売価格の内、資本還元の抑制(外資新規投資抑制作用・資本流出)・金融費用と利潤を犠牲にしたダンピング輸出・国内製造継続を選択して来ました。
体力任せのダンピング輸出継続は、世界経済破壊の大きなマイナス作用を及ぼすので世界不満の限界が迫るし、国内企業も疲弊し、その穴埋めの輸血・金融追加(追い貸し)による赤字製造輸出は原資となる外貨準備流用の限界が迫って来ます。
輸出が困難になると外需から内需に転換するしかないのは経済の原則ですが、賃金上げの結果による輸出不振である以上・・購買力も相応についている筈ですので内需拡大に方向転換するしかないのは言わば順当な政策変更です。
人件費上昇分相応の国内消費力がついていたので、これを内需に向けて税収を上げようと言うのも説明としては一理あります。
地力がついて来たので、連動して商店・新商品等が発達するならば順当ですが、政治主導で内需景気を盛り上げようとすると着実な需要が追いつかない無理が出てバブル化するのが普通です。
庶民が巨額宝くじに当たると量を食べたり量を買うしかないのと同じで、シックな高級品を愛でる能力に達するには数世代以上かかる・・精々海外に出掛けて爆買いから始めるしかないのが普通です。
中国ではリーマンショック以降無理な内需投資・・客もないのに高速列車をドンドン作るなどの無益な公共工事が知られていますが、民間ではマンション投機など実需と関係のない投機の過熱・バブルが起こっています。
この結果ここ数年では中国では、負債のGDP比が跳ね上がる一方になっています。
http://www.thutmosev.com/archives/62816023.html
2016年07月04日17:00
中国が金持ちなのは、借金で浪費しているから
引用:http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/01/23dcdfc0b0626d898c05b15014589251.jpg
以下はhttp://www.thutmosev.com/archives/59975279.htmlの引用です。
2016年05月14日11:31
「イギリスの経済誌エコノミストによると、2008年以降中国の債務はGDPの2倍のペースで増え続けています。
それも中国国家統計局が発表しているGDPが正しい場合で、残念だが正しい可能性はゼロです。
最大限好意的に考えて本当の成長率は3分の2で、悪ければゼロ以下なので、債務伸び率はGDP伸び率の3倍か10倍に達している。」
以下は銀行系報道です。
http://www.smtb.jp/others/report/economy/52_2.pdf
三井住友信託銀行 調査月報 2016年 8月号
経済の動き ~ 中国を中心に高まる新興国民間債務リスク
要旨
新興国では近年、企業債務を中心に民間債務のGDP比が顕著に上昇している。
特に懸念すべきは中国である。同国の民間債務対GDP比は2015年末時点で210%に達
し、かつ上昇の勢いも増している。その他、アジアの高・中所得国も増勢が著しい。
新興国の企業部門は、2020年末までに2.4兆ドル規模の債務償還に直面する。
その一方で、不良債権拡大懸念などを背景に、銀行部門の貸出態度は厳しさを強めつつあることから、新興国では中期的に企業部門の債務借り換えリスクの上昇が警戒される。」
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/world/info/cndb/economics/express_economy/pdf/R422-0055-XF-0105.pdf
– 1 -2016年4月19日みずほ銀行(中国)有限公司中国業務部
2 トピックス~民間債務のGDP比急上昇も、政府債務の低さで対応可能
・民間債務のGDP比は205%に拡大・欧米日に比べて低い政府部門の債務比率」
昨年までのデータしか出て来ませんが、今では280%くらいになっているとどこかで読んだようなウロ覚えの記憶があります。
政府部門比率が低かったのは(経済対策も公害対策も福祉何もしなかった・人件費に使っていただけ?)過去のことで、この比率が急上昇しています。
これが一定限度まで上がるとどうなるかです。
以下はhttp://ecodb.net/country/CN/imf_ggxwd.htmlからのデータです。
000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009
22.81 24.38 25.71 26.57 26.17 26.10 25.38 29.04 27.00 34.35
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
33.74 33.64 34.27 37.00 39.92 42.61 46.23 49.31
単位: %
※数値はIMFによる2017年4月時点の推計
上記によると2000年には22%台だったのが、リーマンショック以降急激に上昇し続けて17年予測は49%超になっています。
この勢いはこれからドンドンと加速度がつくしかないでしょう。
4月25日の報道では(朝日新聞報道を引用シテ)今年の1〜3月の3ヶ月間だけで、22年ぶりに中国財政赤字2兆5000億円突破の発表がネットで議論されています。
ところで、財政赤字論はコップの中の嵐・その社会全体で対外債務がどれだけあるかが重要であって、特定部門だけ取り出して赤字か否かの議論は意味がないと書いて来ましたが、対外純債権債務の程度や外貨準備を無視して政府部門だけ黒字維持してもどうにもなりません。
政府対国民2項対立社会しか知らない前提の中国では、IMF・日本財務官僚同様に、政府赤字は怖いが政府さえ黒字なら何でも出来ると思って来たようですが、対外純資産が問題と気が付いたのでしょう。
中国やりくりの限界1
中国の改革解放直後は、新規先端立地工場による大量雇用吸収で毎年のように何十万(〜もしかして何百万?)人と言う人々が、近代都市住民の仲間入りすることで所得が何十倍に上がる好景気で沸き立っていましたので、思想統制や共産党幹部の役得にも大した不満が起きませんでした。
1980年代後半だったと記憶しますが、香港から広州市に向かってバスで通過していたときに貧しい農村・・どろんこ道を草履みたいなもので歩いている人が多かった中)に出現している万元戸を通訳の人が紹介してくれたものです。
こう言う時代には高成長に参加できなかった人も2〜3年先は自分も・・と言う期待があって格差不満が起きません。
アメリカンドリームの中国版です。
ちなみにアメリカンドリームは格差社会を前提として(誰でもが・・と言うわけではなく運が良ければ)後で追いつく可能性を強調することで成り立っています。
こう言う期待・前提があって、長年中国では成長率が10%を割ると政権不安が起きるとか、つい数年前には7%以下はデッドラインとか言われて来ました。
リーマンショック以降高度成長が終わって新常態経済に変わって来ると、新規立地・・投資が減る・・新規に都市労働への参入が減って来ると工場労働者に参入する頭数を増やせない・既参入者の賃金アップしか餌!がなくなって来ます。
アメリカでアメリカンドリームが色あせて来て格差反発・・100万に1つくらいしかないドリームを売ったり国威発揚よりは、(宝くじの場合能力差がなく公平ですが・・アメリカンドリームはベーブルースやプレスリーなどの特殊才能保持者だけのことです)目の前の生活水準引き上げ要求が増えて来たのは当然です。
中国の既参入者も僻地農村から来たばかりのときは近代工場で働くだけでも夢のようであったでしょうが、都市生活に慣れて来ると最低賃金では不満が出て来ます。
この辺は先進国で移民2世にホームグロウン・テロリストが育つのと同じ原理です。
中国はリーマンショック以降成長鈍化の穴埋めに?経済原理を無視して最低賃金(需給に関係ない強制です)を毎年大幅に引き上げていたのでそのトガメが遂に出て来ました。
https://www.attax.co.jp/cbc/news/post-2545/によると以下のとおりです。
2016/03/09 2017/01/19
中国 広東省 今年と来年の最低賃金引き上げを見送り
「最低賃金標準は労務費に影響があり、2010年21.1%、2011年18.6%、2013年19.1%、2014年19.1%、2015年19%と推移してきた。
・これに対して広東省のGDP成長率は、2010年12.4%、2011年8%、2012年10.2%、2013年8.5%、2014年7.8%、2015年8%と推移している。」
GDPアップ率と直截比較するのはおかしいと言えば言えますが、何となく分りよいメージ数字です。
要は生産性アップと関係なく賃上げして行くのは非合理ですから、さすがに賃金が上がり過ぎて国際競争力が下がり過ぎたので、業界が保たなくなって来て最低賃金引き揚げストップの動きになってきたのがこの記事の表題です。
専制権力であっても経済原理に反したことは続かない一例でしょう。
いくらバブルを膨らませてもそれに合わせて紙幣増発すれば矛盾しないと言うことでしょうが、国内だけならばマンション価格が百倍になれば、人件費も全部百倍・紙幣百倍供給すれば一貫しますが、国際取引では為替相場で調整しないと中国製品が高過ぎて成り立ちません。
その帳尻合わせを市場・変動相場制に委ねれば・無理な賃上げ分に比例する(資本・幹部の取り分を減らすなどの修正がありますが原則として)人民元相場下落でしょうが、それをすると多くの新興国では対外債務支払不能リスクが起きる点では中国も同じ・・相場に任せられないので、買い支えたり出血輸出をシテ(黒字を稼ぐ)誤摩化して来ましたが、トランプ政権誕生で対米大幅黒字維持が直撃を食らいそうになって、出血輸出も限界が来たジレンマです。
日本と違って財政赤字が少ない・・余裕があると豪語していましたが、これまで公害対策や福祉政策をしていなかったばかりか不景気景気対策の経験がなかっただけのことです。
韓国の年金赤字が日本より少ないと自慢していたことがありましたが、食えない高齢者を放置シテ自殺するに任せていれば(韓国の高齢者自殺率の高さは世界一でしょうが・・高齢者地獄になっている様子が時々報道されています)年金財政は健全でしょう。
中国は今のところ企業倒産防止に必死になっているだけですが、それでも早くも外貨準備の底が見えて来て財政支出の限界が近づいて来た印象です・・・。
その内諸外国並みとは行かないまでも少しは障碍者や高齢者の医療費や福祉・公害対策などに使わざるを得なくなると・・韓国以上のいわゆる先老未富が到来して地獄絵図になりそうです。
ちなみに中国の高齢社会突入も待ったなしの状態です。
2億人を超える高齢者をどうするか・・もしかしたら、地獄絵図が現実社会に迫って来るのが目前・・大変なことです。
http://www.epochtimes.jp/2017/03/26925.html
「中国国務院が3月6日発表した「老齢事業発展計画」によると、2020年に60歳以上の高齢者は2億5500万人に達し、総人口の約2割を占めると予測した。労働人口が減少し、急速に進む中国の高齢化問題は再び注目されている。
同計画によると、20年60歳以上の高齢者の数は総人口の17.8%(14年末は15.5%)に達し、その内80歳以上の高齢者の数は約2900万人まで増える。また、高齢者の扶養比率(高齢人口に対する労働人口の割合)は28%で、5人で1.4人の高齢者を扶養しなければならないことを意味する。」
中国では低学歴・健康管理能力が低いことから50代で働けない人が多いと言われていますので、国際基準の60〜65歳以上を取り上げるのは実態に合っていない・・現実は既に大変な事態になっています。
70前後まで働きたい人が多い日本場合、バカの一つ覚えのように65歳以上の高齢化率を報道するのは意味がないとこのコラムで書いて来ましたが、中国の場合この逆の実態があります。
苦し紛れの無茶をする限界が迫って来てその内ゾンビ企業への追い貸しが出来なくなって、倒産続出→失業増大→マンションや商品投機資金が続かなくなる時期が来る可能性が取りざたされています。
昨年末から今年に掛けて債権委員会なるものが出来て、国有企業の不良債権処理システムが動き出したようですが、何が出来ようとも焦げ付き債権を棚上げされて払ってくれない事実は同じ・・結局最終貸し手・・金融機関の資産が縮小するしかありません。
どこかで経済原理に反した帳尻合わせが必要・・国民に迎合→結果的に傷を大きくするしかないと言うことでしょう。
今朝の日経新聞朝刊21p「大機小機」にはこの辺のジレンマを「中国経済4つの誤算」として要約した意見が出ています。
政権正統性がない穴埋めとして・・と反中系ネットでは良く言いますが、正当性があっても不景気が続くと政権が持たない点は同じです・・。
人件費上昇政策で御機嫌取りをして来た結果輸出向け製造業衰退が始まったのですが、だからと言って今更賃金を引き下げるわけには行きません
だからと言って今更賃金を引き下げるわけには行きません。
・・上記記事はこれ以上賃金を上げない宣言をするのがやっとと言うことです。
新興国の限界(民度)4
中国は虎の子の外貨準備がなくなるまで景気下支え・失業増大防止のためにゾンビ企業へ追い貸しを続けているのは、人民を大切にすると言うよりは、目先の利益・お金で釣るしかないからです。
(お金はイザと言うときに使うためにあるモノですから・喩えば、治る見込みのない父母に医療費をつぎ込むのも子供の勝手・・それ自体良いことです・ゾンビ企業の延命策も似たようなものでしょう。)
「中国の場合政権正統性がないから、経済原理に反することをするのだ」と頻りにいろんな評論家が批判しますが、そうとは限りません。
IMF官僚の言うとおりにしてうまく行ったためしがない・・ギリシャ等南欧諸国が抵抗するのが正しいと言う意見もあるでしょう。
日本でも不景気が来ると倒産・失業を減らすために・・中小企業向け信用保証枠拡大して延命を助けるのが普通です。
ちょっと不景気が来ると行き詰まるような企業は、元々企業体質が業界最低レベルが普通ですから、4〜5年後に返済期限が来てもやはり返せない・・結局倒産するのが多いようですが、好景気になって人手で不足で困っている頃に倒産してくれた方が社会的に好都合です。
雇用助成金を配布して社内失業温存を進めるなどの緩和政策をし、あるいは商品券をバラまいたり(財政赤字に関係なく)財政出動をしたがるのと中国の四苦八苦とは本質的な差がありません。
むしろ専制君主制・・1党独裁の中国の方が、景気の直撃を受けない性質を持っています。
元々専制君主制王朝〜共産党政権の正統性は、前王朝末期の混乱・リーグ戦を制した・・政敵を倒して勝ち残った・・最強事実の証明だけで足りたのであって、財政運営能力の巧拙で政権を獲得したわけではありません。
最強事実・専制支配とは権力に刃向かえばどのような不利益があるかも知れないと言う恐怖政治?力が本質で、この力さえ示せれば充分ですから、本来に戻って習近平政権は汚職に名を借りた粛清にこれ努めているのです。
中国の場合、政権正統性の基本が最強権力・恐怖政治を出来るかどうか=治安維持が必須ですから、王朝末期に反乱続発で容易に鎮められなくなると権威・処罰力が落ちて足下を見られて大混乱になります。
中国歴代王朝末期の大混乱は、反乱続発・治安悪化・・野盗集団の略奪が起きる→善良な農民が蓄えをなくす・食えなくなって農民の流民化が起きる・・ある程度食糧を持って出たとしても当てにするほどの行く先がある訳がないので食糧がその内に尽きるし、こう言う場合には治安が悪いので途中野盗に襲われ身内を殺され着の身着のままになる可能性が大です。
いろいろな結果、流民化が始まるとこの1〜2ヶ月マトモに食べていない・・家族も死に絶えて後4〜5日もすれば飢え死にするしかないような極限状態化に陥った人間がゴロゴロいるようになると、何でも出来る・・「政権に睨まれると怖い」と言う恐怖政治の威力がこのときに消えてなくなる・・目先食わせてくれれば、それが野盗集団であれ何であれ身を投じるのが分り易い原理で、これが拡大再生産過程に入ると収拾がつかなくなります。
歴代王朝末期の大混乱再来を期待するネット意見が多く出ていますが、歴史をある程度知っているかも知れませんが、現在を見ない意見に過ぎません。
今は命がけで反乱を起こすような人民はいません。
現在ではその前にボートピープルになって逃げる・・外国脱出が簡単ですから(シリア難民を見れば分るでしょう・・中国が苦しいときには蛇頭と言うブローカーを通じて大量密入国者が日本へ押し寄せていました)今日明日の命も分らないほどの事態になる前に逃げてしまいますし、際限ない略奪や殺戮が起きる前に国連なんとか軍が介入しますから、歴代王朝末期のような命知らずの暴動が起き難い・王朝末期型政権崩壊は想定できません。
http://forbesjapan.com/articles/detail/15173
「旅行業界の調査企業COTRI (China Outbound Tourism Research Institute)によると、2016年の中国人の海外旅行者数は1億3,680万人。前年比伸び率は2.7%と、低い数値になった。」
今ではボートピープルになる前に簡単に海外旅行だけではなく、留学や出張出来る時代ですから思想信条程度で命がけ抵抗するバカはいないでしょう。
シリア・イラクのIS戦士と言っても現地で絶望して戦士になっているのではなく、(現地人は続々と西欧への移民を目指していることは周知のとおりです)世界中から送り込まれるプロ?戦死です。
一定率の社会不適合者がどこにもいて従来孤立していたのが、ネットの発達で世界的にどこか居場所を探して団結する構図になって来たのがコトの本質でしょう。
上記のとおりで民意無視を徹底すれば現在の政権の方が、実は外国へ簡単に逃げられなかった近代以前よりも(民意無視の北朝鮮も含めて強権支配の方が、)政権基盤が強靭です。
元気のある順に不満分子が出て行くばかりになると、・・「批判意見を包摂出来ない社会は弱い」と言うPC的意見によれば、長期的には国民レベルが下がって行き国際競争力が低下する現実があるかも知れないと言うだけです。
(たまにはマトモな批判もあるが・・そう言う人はけんか腰でなく温和に自己主張する能力を持っている筈・・テロみたいなことをせずにいられないのは基本的に表現力、協調性がなく精神的におかしな人が多い・相手の意見を聞いてきちんと議論出来ない人と言う意見もあるでしょうから、そう言う人は企業その他の組織から自分で出て行ってくれた方が良いと言う逆の意見もあるでしょう)
政府国民の2項対立社会では、国家・社会の長期的命運よりは、政権維持の方が優先事項でしょう・・これをどこまでやれるか実験しているのが、北朝鮮でありシリアです。
恐怖政治=権力的計画経済ではどうにもならなくなって、自由主義経済=消費者主権=民意に従うようになると世界標準・民意を基準に運営するしかなくなる・・政権正統性の価値基準が変質してしまいます。
「経済活動を自由にしながら計画経済・・民意無視では一貫しないので、早晩民主化するしかないだろう」と言うのが中国の解放時に於ける自由主義社会大方の見通しでした。
国際競争を勝ち抜くためには自由な発想を大事にするしかない・・無視出来ない・・しかし政治意見表明の自由は与えない・・この無理・・天安門事件に象徴される民主化拒否を通すためには、国民に対する現世利益の大判振る舞いでアメを配るしかなかったことになります。
昨日の日経新聞4月26日朝刊8pでは、FT特約「大学に思想工作要求」の見出しで「腐敗監察だけはなく政治的規律」民主主義や西欧的価値観等の浸透も監察の対象になると出ています。
政権正統性がないと言うよりは、思想統制と経済活性化の矛盾糊塗のために経済界に対する大判振る舞いのおこぼれとしての民衆懐柔・・党幹部や官僚への応用篇・・官僚制に必要な給与支給の代わりに賄賂同様に、特権的地位保障や巨額賄賂横行黙認政治になってしまったのでした。
日本で言えば、政治家供給源を経済界の資産家に頼らない(・・昔の豪族でない)以上は、金権体質を防ぐには国費の支給体制・・政党交付金や歳費アップが必要と言うシステム整備問題と同じです。
新興国の限界(民度)3
米国利上げ決定を織り込んで中国が昨年末から金利上げを始めていることを昨日から書いて来ましたが、金利上げプラス資本規制強化によって目先の人民元防衛効果が出て来ましたが、その代わり国内景気が下落・・・特に金利敏感係のマンション購入が減り始めることを見越した先手の措置でしょう。
ハードランニングの主役・・不動産バブル・マンション相場については以下のとおりです。
http://reinet.or.jp/pdf/fudoukencolumn/vol201701.pdf
不動研コラム Vol. 2017-01
不動研(上海)投資諮詢有限公司董事総経理 粕谷孝治(不動産鑑定士)
図表I
日中韓台の住宅価格変動率(対前年比)
東京 ソウル 北京 上海 香港 台北
4.1% 3.6% 29.6% 24.9% -3.2% -8.0%
(資料)日本不動産研究所「国際不動産価格賃料指数」(2016 年 10 月)(※)
(※)調査対象物件の新築想定の価格等を評価し、これを指数化。
以上は昨年1年間の上昇率ですが、中国の場合少し前から不動産バブルの行き過ぎで、鬼城等が続出していたので今度は政府主導で株式バブルを煽り、これが1昨年夏に限界が来るとまた不動産への逆戻りですから、トータルでは大変な上昇になっている筈です。
上記鑑定士は「政府のコントロールが効く「官製市場」という側面もある点を勘案すれば、2017 年の住宅市場は大きく崩れることはないというのが、中国現地の多くの見方である。」となっています。
中国では、政府がバブル退治を始めても相場が下がり始めるとびっくりして(腰砕け)規制緩和して結果的に救済し・・また値上がりしたことの繰り返し・・バブル再燃を繰り返して来ました。
バブル参加者は政府がハードランデングするまでやれるわけがない・いつも最後は腰折れで、エンジンを再び吹かすに決まっていると多寡をくくっています。
この空気を反映しているのが上記意見書です。
日本人の感覚からすれば官製相場の株式が1昨年夏に大暴落したように「官製市場とは言え限界がある」と言う人の方が多いでしょう。
政府が何やかやと(循環取引の国家版のような)策を弄するとは思いますが・・それによる延命策が効果を持つのは時間の問題でしょう。
昨年末にはオフショア市場でイキナリ短期金利を100%に引き上げることによって人民元を売り浴びせている「仕手筋」に損をさせる(この仕手相場に逆張りで参加している人民銀行には金利負担がありません)のもその一例ですが、奇策は何回もうまく行きません。
以下に紹介するとおり、金利上げへの方針変更の一方でマネーサプライ・過剰供給政策を続けている様子が出ています。
普通ならば、一方でブレーキを踏み他方でアクセルでは矛盾した感じですが、中国の場合はアクセル践みっぱなしにしたいが、アメリカの金利上げの結果人民元下落が進むと対中貿易赤字削減を公約して当選したトランプが黙っていないことから仕方なしに金利だけ付き合ったと言うことでしょうか?
結果的に金利敏感係のマンション相場は終るしかないので、・・普通のクニではこの機会に後始末に入るのですが、中国の場合政府主導によるバブルを旋回的・循環的に?に起こして先送りして行くしかない・・資金供給系・商品相場の投機に移って行くように見られています。
政府主導なので国民の多くが必ず次のバブルを政府が起こしてくれる・・終わりがないことを期待している・・うまく乗り換えて行けば良いと言う(プロ国民の)期待に答えざるを得ないと言うことです。
http://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20170320.html
によると以下のとおりです。
「生産者物価指数が、うなぎ登りの上昇を続けている裏には、投機マネーが商品相場へ流れ込んでいるからだ。不動産投機、株式投機、そして商品投機などと投機資金は「旋回」している。中国には過剰通貨が渦巻いている結果だ。今年のマネーサプライ(M2)も期初予想は約12%、昨年の約13%見当から、若干の絞り込みである。それでも、手加減していることは明らかだ。
名目成長率8%経済で、12~13%のマネーサプライが必要なのか。日本の高度経済成長時代は、マネーサプライの供給目標は「名目成長率+3%」と言われていた。これから見ると、中国は1~2%ポイントも過剰な通貨を供給している。その理由は、企業の「ガス欠」(通貨供給)を防止して、資金不足による企業倒産を防ぐ目的が課せられている。これが、回り回って中国のバブルの「燃料」役を果たしているのだ。」
上記のとおりとすれば、中国政府のバブル演出が可能なのは、過剰なマネーサプライが寄与していることは明らかです。
過剰資金供給・ゾンビ企業への潤沢な資金供給が倒産続出を防ぎ高額給与資金になり・・回り回って国民の懐を潤し、(本来なら失業していた筈の)中間層の海外国旅行を可能にしている面があるでしょう。
昨年末から金利切り上げ局面になって来たので、今後はマンション相場から商品相場に資金が動きそうな気配を上記記事は示しています。
これも国内で投機しているうちは良いですが、商品投機・値上がり見込みで(実需もないのに)資源輸入が増えて来ると再び外貨準備が流出します。
中国国内利益の海外送金規制が続いてるようですが、これは今後の外資導入に支障があるだけで既に投資してしまった企業は今更撤退出来ないので心配ないとしても、今度は資金流出ではなく正真正銘の貿易赤字によるものとなれば、資金流出規制のような規制が利かない・・輸入代金踏み倒しをしろ」とは言えば文字どおりデフォルト宣言になります。
http://jp.reuters.com/article/china-trade-feb-idJPKBN16F0FP2017年 03月 8日 16:23 JST
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中国貿易収支、2月は87.9億ドルの赤字 輸入が急増
[8日 ロイター] – 中国税関総署が公表したデータによると、2月の中国貿易収支は606億3000万元(87億9000万ドル)の赤字となった。数カ月に及ぶ建設ブームを背景に鉄鉱石や銅、原油、石炭などの輸入が想定以上に急増した。
2月の輸入は人民元建てで前年同月比44.7%増となった。輸出は4.2%増だった。ドル建ての数値はまだ公表されていない。
キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「向こう数四半期において堅調な海外需要が予想され、輸出をサポートし続けるだろう」と指摘。
ただ今後数カ月で高水準にあるコモディティ価格の低下が予想され、足元の輸入の増加ペースが維持されるとは思えないと付け加えた。
ロイターがまとめたアナリスト予想では、2月の輸出はドル建てで12.3%増、輸入は20%増だった。ともに1月実績を上回り、数年ぶりの高い伸びが見込まれていた。」
ロイターでは、今後海外需要が輸出をサポートすることになると前向きに書いていますが、この輸入増加は輸出用原材料輸入・・実需に基づくのではなく商品投機相場による輸入増であれば、輸出に寄与しない・・高値づかみに終わる可能性があります。
最後に2束3文になりこれを仕入れた企業による・「出血輸出」の再来でしょうか?
そうなると外貨準備はどうなるかです。
