集団自衛権関連法案審議2と国会議員の職責1

集団自衛権関連法案に対する賛否は、政治の専門家である政治家が、自分で良く吟味した上で、支持者に分り易く説明してそれでも理解し難いところは良く説明し、合理的疑問であれば、この意思を体して国会で質疑して修正を求めて行くべきです。
・・それでも与野党の意見の隔たりがあればその先は議決するしかないのが民主制=憲法の基本ルールです。
裁決を拒否すること自体が憲法違反行為です。
強行採決に対して野党が立憲主義違反とアッピールしているのは、裁決拒否して退場したこと・・自分のことを言っているのかな?と思った人が多いのではないでしょうか?
よく見ると与党が立憲主義違反と言うのですから、ややこしい話です。
「マスコミを支配して大量に言い募った方が勝ち・・シロを黒と言いくるめられる」と言う韓国流の主張が、これからも効果があると思っているように見えます。
(歴史を学ばないものは・・と言う韓国の主張に対して、どちらだよ〜と思っている人が多いと思いますが、韓国ではいつも自分のことを相手にすり替えて言う傾向・・韓国の主張を見ると自分のやっている狡いことを日本がやっていると主張する国だと理解している人が多いでしょう。
憲法を見ておきましょう。
日本国憲法
第五十六条  両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2  両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
憲法では最後は議決でケリを付けることになっていますから、議決拒否・・病欠等正当事由を除いて退場した方が職責=憲法違反行為です。
選挙制度さえあれば民主国家が完成するのではなく、冷静な議論をしたあとは議決に従うところで民主制が完成することを書いてきました。
自分の意見が通らないからと言って、韓国議会のように怒号やからだを張って議決妨害したりするのでは、民主国家のまねごと社会です。
日本も4〜50年前まで安保国会のようなことがありましたが、(政権側では、ハマコーが有名です)今はそんなことが出来なくなったので、場外乱闘・国民理解を得られないと言うマスコミ宣伝に変化したようですが、冷静な議論後の議決ルールの実質妨害を目的としている点では同じです。
まだ充分に民主制を理解しない勢力が、国会内乱闘の代わりにマスコミを利用して場外戦をしている状態と言うべきで、選挙で決めて行くべきことを選挙を経ないでマスコミの誘導によって「国民の声」を創出して国会議決の価値を減殺しようとするもので、これこそが憲法秩序の違反行為です。
政治主張は選挙で反映させるべきが憲政の基本です。
総選挙は昨年暮れにあったばかりですし、その時点ではすでに同年夏の集団自衛権の閣議決定は大政治問題になっていたし反対運動も激烈でしたから、選挙後半年程度しか経過していないときに選挙結果を無視して「国民の声」をマスコミが作り出す?こと自体おかしなことです。
選挙後約半年しか経過していないのに、国民の理解などと言い出したら選挙が何のためにあるのか理解不能・・マスコミによる選挙制度無視・・選挙制度・憲法自体の否定になってしまいます。
裁判で言えば正しい主張があるならば、裁判手続で主張すれば良いのであって、法廷外でわめいていて多くの人がうなづいていたと言うのはルール違反ですし、そんな主張自体恥ずかしくて弁護士は出来ません。
裁判の場合場外でいくら騒いでも判決には何の影響もありませんが、政治の場合、マスコミがそのように宣伝すると何となく国会が民意に反しているかのような印象を植え付けるので、次の選挙には影響するでしょう。
この影響を代議士が気にすると言う間接効果(与党内造反)を期待しているのでしょう。
また、世論調査ではマスコミの宣伝効果が大きいので、(昨日書いたように十分理解していますか?と問われれば、私だって・・細かいことはプロに任せれば良いと言う態度ですから「十分理解していない」と答えます)大きな影響があります。
十分審議と尽くすべきと思いますか?と聞かれればそのとおりと答えます。

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