サイバーテロとマスコミの役割1

被害を受けたベネッセや年金機構の責任追及ばかりに熱心で犯罪の悪質性の方向から目をそらし、一方ではビッグデータ利用による社会発展機運を如何に萎縮させ遅らせるかの目的がありありです。
マイナンバー法施行準備にあたって、昨年から具体的準備が始まっていますが、(タイミングよく?)その直前に起きたベネッセの情報漏洩事件で、如何に大変なことになっているかを力説した上で、だからマイナンバー法施行にあたっては・・・と言う論が大々的に展開されていました。
しかし、冷静に見ているとマスコミ報道の過熱によってベネッセが大変なことになっていることが中心であって、情報漏洩によって顧客個人が具体的被害(勧誘電話があったくらいでしょうか?)がどこで起きたかの情報が・・殆ど聞こえてきません。
子供らが一定年齢になると成人式の着物や塾の勧誘その他が来ますが、(私自身にも年齢相応の)それくらいは商店会の応募等で書いた生年月日等の流用で昔からあったことであって、目くじら立てるようなものではありません。
過熱報道によって、日本社会がサイバーテロに早くから身構える体制が出来上がるのは良いことですが・・。
新しいことに如何に反対するか!新しい技術導入機運を萎縮させるかと言う視点での報道はどうも戴けませんが、結果的にテロに対する備えが進みいいことかも知れません。
ベネッセは情報を盗まれた被害者であって加害者でもないのに、マスコミによって謝罪、謝罪の記者会見を強要されていました。
もしも被害が甚大ならば、マスコミはサイバーテロをした組織が道義的に許されないことをしていると言うキャンペインを中心に報道すべきであって、この種犯罪の場合情報を買い取る業者がいるから事件が起きると見るのが普通ですから、名簿買い取り業者→ここから買ってダイレクトメール発信している企業取り締まり強化こそをキャンペインすべきです。
この取締は従来型・原始的捜査方法で簡単に検挙出来るので、サイバーテロを防ぐ(1000人に一人でも引っかかってファイルを開けると成功ですから)よりは、もの凄く簡単です。
買い取り業者またはここから買って利用する犯罪集団の野放し状態を問題にしないで、被害者糾弾ばかりして何故しているのか不思議です。
国家機密等の情報被害の場合は、犯罪者集団が国外にいるのが原則ですから、道徳教育・道義的非難キャンペインをしても意味がないと言うあきらめが肝腎かも知れません。
ベネッセ情報のときに「このデータを基に子供が誘拐されたらどうするのだ」と言う心配を煽る報道が溢れていました。
仮に犯人が1週間ほど前に計画?犯行を思いついたとしても、誘拐犯は偶然公園や学校帰りに目についた幼児を誘拐するのであって、予め無機質なデータ(姿形も分らない氏名や年月日程度の情報)を基に緻密な計画をするような犯罪ではありません。
しかも最近の幼児誘拐殺人事件は、変質的犯行が中心であって、身代金目的の誘拐殺人事件は皆無に近くになっています。
偶然その子が友達と分かれて一人になった瞬間的時間に通りかかった犯人が実行するのが普通であって、前もってその子供の通っている塾まで調べて偶然一人になるのを狙って待ち受けているような犯人は皆無でしょう。
仮に計画的な場合でも近所で昼間歩行中や、公園等で遊んでいるときに目星を付ける程度でしかないし、その犯人が大金を使って子供がベネッセに通っているかどうかを調べるためにベネッセ情報を買い取るようなことは経済コストから言って無理があります。
そのデータに基づいてその子供の自宅付近を見張られる「杞憂的」心配があるとしても、データなどなくとも、どこの家にどの年齢の子供がいるのか程度は、子供が決まった時間帯に登下校その他の出入りを毎日しているので、どこの家でもちょっと様子を見ていればその程度の情報はすぐに分ります。
ベネッセ登録しているだけで、大金持ちの子供かどうかが分る訳ではないし、大金を投じて入手するほどのメリットがありません。
ベネッセ情報から、子供の家を知り、その近くへ行って、わざわざ見張るような心配は考え難いことです。

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