サイレントマジョリティ11(会内合意のあり方4)

弁護士会が機関決定を得ているから民主的に決めていると形式論を言い張るよりは、大したコストをかけずに出来るアンケート調査くらい速やかにやるべきです。
しょっ中来るアンケーと項目が複雑過ぎて回答率が下がってしまいますが、政治運動可否のアンケーとはテーマが簡単ですから、回答はすぐに集まるでしょう。
しょっ中来るアンケーとは、「過去2年間で◯◯について経験したことがありますかなどの外細かい質問が多くて、記録を見ないと回答出来ない事項なので、記録をひっぱり出すのが大変な手間です・・。
今ならパソコン処理で簡単に検索出来るでしょうが・・・過去の記録をいくつも引っ張り出してそのときの前後の事情を読み込むヒマがないうちに回答期間が過ぎてしまうことがいくらもあります。
今世間を騒がしている政治問題の賛否だけなら資料を探し出す必要がなく、その気になれば即時に回答出来ます。
世論調査などと同じで方式でやれば、即答出来るところが合理的です。
ネットによる賛否のクリックやアンケート等ではもしも数%の不正があるとしても、(会員の少ない弁護士会の場合、後に書くように不正は簡単に露見するので皆無に近いと思われますが・・)議論する余地がないほど圧倒的多数が反対運動を支持しているのか、判断が割れているのかなど、大方の意思・・傾向を知る努力をするのはやらないよりは良いことです。
これをやらないで委員会決議をそのまま会員多数の意見と擬制したり、身近な人からの個人的情報に頼る方が、もっと不正確です。
千葉県弁護士会では、委員会意見をそのまま執行部案にした議案が総会で否決されることが数年続き、今年の2月総会では、逆に委員会提案を執行部が認めないことが総会のテーマになりましたが、このときは執行部の意見が承認されています。
但し、・・念のため・・これらの提案はいわゆる政治的意見の対立案ではなく、実務的提案が中心でした。
委員会案をそのまま出した執行部案が続いて否決され、逆に委員会案を採用しなかった執行部案が支持された現象だけをここでは、書いています。
否決された今年の案は特定グループの会費免除または減免制度創設案でしたが、特定分野だけを考える委員会だけの議論では、トータルビジョンに欠ける意味で参考になる経過でした。
千葉県程度の人数の会では総会出席率が高く会員の意見がそのまま通り易いことによりますが、日弁連は組織が大き過ぎることと、国会同様に?議案が多過ぎることから、総会は形式的進行になり勝ちで事前の委員会の決定がそのままになり易い傾向があります。
千葉権弁護士会程度の少人数の単位会でもワンイシュー・テーマごとに総会を開いていられませんから、ネット・ファックスでの世論調査的意見照会が低コストでしかも短期間で集計出来て合理的です。
弁護士は自分は人権擁護の旗手・・エリートのように偉そうに政府批判していますが、弁護士会組織内の意見集約方式が全く出来ていない・・医者の不養生みたいなところがあって問題である印象を受けます。
ファックスやメールの発達で、会員意向を確認するに足る充分な時間があるのにこれをしないまま、委員会結論の持ち上がりによって、(ところてん方式で)反民主的と言う会長名の声明を出しているとしたら弁護士会の方が会内民主制に反している印象です。
会内民主制に反するだけではなく、会員の思想信条の自由を踏みにじっていないか・・人権侵害団体になっていないかの疑問・・先ず足下会員の人権に対する鋭敏な意識の保持こそが重要です。

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