求愛1と意思の合致

妻にとって一緒にいることが、気を使うばかりで苦痛な夫ではなく、一緒にいたい・・少しの時間でも一緒にいるのが楽しいと思わせるような男・・恋人関係を維持していない限り(そんな良好な関係では別れ話は出ないでしょうが・・・)ひとたび別れると復縁は無理な印象です。
男は従来「釣った魚に餌をやる必要がない」とばかりに横着を決め込んでいて、家庭にいること自体がお荷物になっていたことが原因で何かの機会に妻から(離婚後の各種保障が充実して来た事から、)「チャンス」とばかりに離婚を求められてしまう時代が来ているのですから、夫の方こそちょっとした事で離婚を求められないようにして置く必要があります。
仮に事情があって離婚、別居しても復縁を希望するならば「永久就職ではない」と結婚後の日常から心構えを変えて行く必要があります。
昭和年代まで、「釣った魚にえさをやる必要がない」と言われていたと言うことは、オスはまず先に(餌で)釣る必要があったと言う意味ですが、一般的に動物・鳥類の世界でもオスは求愛してメスに選んでもらわねば性行為出来ない仕組みだったからでしょう。
オスの方もどうせ選んでもらうなら、気に入ったメスに同意してもらった方が良いので、オスが声をかける相手を先に選択出来る面もあって、この結果オスが選択権を持っていてメスは待つだけのような印象ですが、本来はオスの求愛行動が先に必要・・メスの選択権決定権の方が優先です。
正札販売の場合、客が「これ下さい」と声をかける事すなわち購入申し込みで、商店(料理屋でも同じです)が喜んで応諾する仕組みですから、正札販売が定着した現在では、声を先にかる方能動的な立場が有利な印象です。
契約・・意思表示の合致の仕組みについては、09/21/07「契約の成立1(民法263)申し込みと承諾1」前後で説明した事がありますが、契約は申し込みと応諾で成立します。
商店の場合、承諾する前提の正札を付けて陳列しているのは「申し込みの誘引」をしていることになり、客がこの正札に対して申し込みをしても商店にはなお応諾するか否かの自由がありますが、余程の拒否事由がないと商道徳的に断れません。
注文すれば必ず応諾してもらえる正札販売の商習慣に慣れて来た現在社会では、求愛・注文する方のオスは、求愛を待っているメスよりは何となく優位になったような印象(誤解)になっていたのでしょう。

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