婚姻事情

現在の若手婚姻生活事情の続きですが、夫婦は困った時にこそ助け合うものとする我々世代(これまで書いて来たマイホーム主義)の考えからすれば、夫婦になっても10月30日から31日まで書いたように経済的助け合いさえしたくない世代(いつも書きますが、全部と言う意味ではなく、最近増えて来た傾向を書いているに過ぎません)になってくると、一方が困った状態になると助け合うよりは直ぐに離婚に結びつきやすくなります 。
こうした関係は企業と従業員の関係でも同じで、私が弁護士になった頃は刑事事件になると雇い主が心配して頼みに来たものですが、ここ20年ばかりでは逆に交通違反等で捕まると勤務先に分らないようにしているのが普通です 。
勿論親戚の伯父さんが連れてくることもなければ、親子関係でさえ、いろんな事件が起きても親が息子のために弁護士を頼みにくる人が皆無と言えるほど減って来ました。
こうした風潮の一部でもあるでしょうが、事件を起こすと妻が夫のために骨を折るのではなく離婚事由として追求する立場になって来ます 。
病気しても単なる知人関係では最近見かけないなあ・・・と縁が遠くなって忘れられるだけですが、妻の場合は一定期間看病等してくれる点は有り難いのですが、長期になってくると離婚事件に発展して来ます。
こうして見ると知人・親しい友人・夫婦との差は・我慢してつき合ってくれる期間の長短・・相対的な関係になって来ました 。
こうなってくると、男女が一緒に生活をする関係を結婚と言うか同棲・ルームシェアーと言うか言葉の遊びに似て来ます 。
いずれにせよ今後の夫婦関係は軽い関係が求められ、重たいのは嫌われる関係になって行く様子です。
資金持ち寄りの都合のいいときだけのカップルになってくると子供を産むと一方に大きな負担がかかるのが厭と言うことで結婚しても子供生まない前提のカップルが増えて来ます。
こういう関係の場合、性欲おう盛な初期は良いですが、一定期間経過して熱が冷めると双方ともに何のために一緒にいるのか不明・・疑問になって来ます。
2010-10-30「婚姻率低下3」の続きですが、家に帰ってから、家事労働したり子供の面倒を見るくらいなら一人でいた方が良いと考える男が増えてもおかしくないでしょう。
今でも亭主関白・強気で押せる自信のある男は、恐怖政治同様のやり方・・・暴力系・粗暴な男だけでしょうか?
女性の方は粗暴系と一緒になりたがらないので、その系統の男性はこれからでも結婚したい意識が持続するとしても、そもそも女性が受け入れない・・結婚のチャンスすらなくなりつつあります。
間違って粗暴系が結婚出来ても、家庭内暴力を法的に禁圧するためDV法や児童虐待防止法が施行されていますし、警察も家庭内の暴力でもどしどし取り締まる方向性を打ち出しています。
こうなると粗暴系男子もウカウカと暴力(ちなみに言語の暴力すら今や問題です)で威嚇出来ませんし,せいぜいDVで訴えられるまでの短期間だけの天下です。

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