貧困連鎖論批判4(天皇の無答責)

貧困連鎖論で危機を煽る論調は、ここ数年はやりの格差拡大論の亜流と思われますが、貧困層の素質の連鎖を問題にしない立場で・・解決のために高校授業料無償化、課外補習授業費の補助金制度創設などの経済支援中心論です。
能力差→経済格差修正には補助金補填で辻褄が合いますが、貧困連鎖論→貧困層の・・東大合格者・司法試験合格者比率の低さを問題にし始めても、補助金ではどうにもならないのは目に見えているので結果的に、・・資格試験の結果・・不足点数の補填を始めるとどうなるかと言うことです。
貧困層からの東大等1流大学合格者が少ないと言う結果論から始める議論によれば、その解決のために一定割合だけ貧困層から=バカでも東大に入れろ・医師・弁護士・・社長にしろ、1級建築士・税理士や執行役員にしろと言うことになり兼ねません。
そんなバカなことまでは言わないでしょうが・・身障者一定比率雇用強制など末端労働から始まっています・・結果平等論は突き詰めればそうなります。
クオーター制の結果は、彼ら能力不足による間違いがあっても、責任のないシステムにしないと一貫しませんので、各種制度の信用性が崩壊します。
東芝の社外役員制度は日本で最先端システムだったらしいですが、全く機能していなかったことで,笑い物になりました。
一般的な君主の無答責制度は、(歴史上のことではなく、今でも例えば、天皇・皇族は無答責です)地位の取得が能力によらず世襲による以上は、正当な世襲権利者か否かが要点であって、能力を基礎にしていないのですから・能力担保がないことを前提にしています。
王位継承戦争や跡目争いは全て正当な継承者か否かが争点であって、統治能力があるかどうかが争点になりません。
ただし、現在の選挙で前知事から支持を受けているかどうかが問題になるのは前知事の政策継承・前知事の支持母体の支持を受けていることを主張していることになります。
天皇・皇族の無答責については、実定法的根拠をどう見るかの説が分かれるようですが、兎も角結論として、天皇は無答責である点については、争いがないと思われます。
学説は制定憲法を基準にして議論しているようですが、私は法学者ではないので、直感で言えば、処罰は古来から、(イギリスでは裁判所をKingsベンチ、クインズベンチと言うように)君主の行なうものですから、臣下の国民が君主を処罰するのは観念的に成立し得ない・・処罰するのは天皇制廃止・・革命しかないと思います。
グールグルで調べるとhttp://www.fujitv.co.jp/takeshi/takeshi/column/koshitsu/koshitsu99.html
に、この辺の解説を書いてありますので、関心のある方は上記をお読み下さい。
各種選別が合理的基準によるか貧困層に不利に働いていないかについて、なおきめ細かく見て行く必要・・議論の余地あるとしても、その点を論じないで・・制度に合理性がある限り採用得点が低いならば、細かくスライスされている資格社会に合格しないのは仕方のないことです。
私の感じでは、家庭教育の必要性・・胎教に類する幼児期の家庭教育環境の整備が重要な感じがします。
この考えは、公費補助の拡充など保育所に追いやる政策とは逆の政策の重要性です。
むしろ3〜4歳児までは外で働かなくても良いように補助金を出す政策が求められます。
キャリアー断絶のマイナスに対する政策については、別に考えて行く必要がありますが・・。
貧困連鎖を断つための公教育費の無償化推進論は、お金がないから塾に行けないことが原因で東大に行けないのかどうかの実証的研究をしてから議論すべきであって、塾にさえ行ければ東大に行けたと言う人は滅多にいないと思われます。
もしもお金があって、塾に行きさえすれば合格するならば、塾の定員=東大の合格枠・・東大の定員を何十万人に増やさないと物理的に無理があります。
私のころ(昭和30年台半ば)と違って、大学・高校の進学率が飛躍的に上がっていることからも分るように、貧富差による進学率差はもっと意味が少なくなっている筈です。
社会の補充制度が整っていて、現在では(偏差値基準による)能力主義社会化がもっと進んでいますから、収入の高い人=現在価値社会の成功者ですから、一定の高学歴や優秀な才能を持っている場合が殆どです・・(能力がないのに高収入を得ているとしたらその方がおかしい・・糾弾すべき対象でしょう・・)その子世代が原則として(現在の貨幣価値基準で言えば)優秀な比率が高くなるのは当然です。
親が貧乏なら勉強する機会が少ないかと言えば、ある程度関係があることもあるでしょうが、私のころと違って、貧しいために新聞配達したり、どこかで働いていて勉強する暇がないと言う子供は滅多に見かけません。
今では、東大等一流大学に行く能力があるのに高校へも行けないほど貧しい子供と言うのは直感で言えば1万人に一人もいないのではないでしょうか。

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