中国の学習能力4(反日行動の損得)

対日暴動・焼き討ち等の激しさと比較すれば、一見合法的装いで1企業だけ狙い打する商船三井差し押さえ事件は優しい方ですが、このような姑息なやり方では却ってじわじわと中国経済に利いて来ることが分らないのです。
暴動を煽るのと違い派手さがないので、潮が引くように投資が一斉に減りませんが、100分の1ずつ嫌がらせをやれば100分の1ずつ以上の投資萎縮効果が出るだけでは済みません。
商店が100人のうち一人の客くらいぞんざいに扱ってもいいだろうと強引な商売をすると、その客・100分の1だけが来なくなるのではなく、次に自分がそのよう扱いを受けるかもしれないと他の客が思うので、他の客も行かなくなります。
子供だから良いだろうと腐りかけたものを売りつけると、その店には大人も行かなくなります。
1罰百誡ならぬ1悪百倍効果です。
中国では目先の金儲けばかり教えて来たので、商人が信用を重んじる意味が理解できていないのです。
信用とは目先儲けるために何でもやることではなく、長期的に顧客をつなぎ止めることです。
国内経済不振で共産党政権が危なくなれば、政権維持のための切り札として、反日軍事行動に出ることが大分前から予定されてきました。
鄧小平の遺訓によって?江沢民政権発足当初から、イザ政権批判が高まれば日本攻撃に転化する仕掛けとして着々と反日教育に精出して来た結果、今ではこの教育を受けた若者全世代を反日色一色に染め上げることに成功しています。
(10歳ころから連日、日本は如何に酷い国か・・日本憎しの教育を受け始めていると今では既に40代になっていますから、現役人口の殆どが反日感情を心底持つように教育されていることになりますし、連日日本軍を悪役にしたテレビ映画等を放映していると言われます。)
マトモに息も出来ないような酷い公害の蔓延やシャドーバンキング問題でも明らかなように、中国は国内政治(公害を含めて)の失敗を統計操作やデータ採取禁止等では誤摩化し切れない時期(先送りしても後数年が限界でしょう)が到来しました。
公害の実態を隠すために、アメリカ大使館での独自大気汚染濃度調査を「けしからん」と大騒ぎしていたのですが、北京では真っ昼間から大気汚染で数百メートル先が見えないほどになって来たので、公害調査やマスコミ報道を禁止していても意味がなくなりました。
経済失速状態も如何に政府統計を誤摩化しても、身近に存在する在庫の山を覆い隠すことは出来ません。
中国は今や危機管理上の切り札・・鄧小平の遺言に従って30年がかりでこのときのために準備して来た反日軍事行動の切り札を使うかどうかのギリギリの選択段階になっています。
中国は手始めにレアアース禁輸をして尖閣諸島で軍事威嚇をした上で、同時に国内反日暴動を実行してみたものの、却って多方面で国内産業が困って来ました。
その結果、日本の中国離れが進み昨年の対中投資が急激に減少したにも拘らず、今年に入ってからでも日本の対中投資は更に大幅に減少した昨年比でさらに4割以上減っていると報道されています。
中国経済は外資の投資によって漸く成り立っている現状から、日本の投資敬遠策が経済失速加速の大きな原因になっています。
そこで昨年あたりから中国は内々に再び投資促進ミッションを日本に送り込んで来るようになりました。
対日レアアース禁輸で失敗し、反日暴動で失敗したので、後は政権批判をそらすには国内政治をまともな軌道に乗せるか、直接対日軍事行動に出るしか選択肢は残っていません。
軍事行動に出るには通常兵器での戦闘能力が低く到底日本と戦う能力がないので、これも振り上げた拳のおろし方に苦労している状態です。

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