無防備平和論と周辺国の実情1

一流政治家の言動は1つの言動で、いくつもの相乗効果を見込んでいると言われ、その深い意味が後で分かることが多いものです。
やっていることからその目的が直ぐに分るのはペットや幼児の場合、それがまた可愛いものですが、政治家やいい大人が目先の利益で動く・・露骨・ゲンキンな行動をすれば、日本のように歴史経験の豊富な国では、嫌われバカにされます。
グローバル時代においては、瞬間的効力に頼る軍事力や威圧よりは、長期的人間関係の重視・・経済効果を重視すべきですが、これを身体で理解している国はまだ少ないので、政権維持のために短期効力しかない排外的主張・行動に頼る国が多いのが現状です。
国家成立後年数が浅く、幼児期段階にある国では理屈では理解してもまだ複雑系思考を身体では理解し難いので、簡単に身体で行動・・身体(腕力)的表現あるいは目先の損得で動き易くなります。
ロシアや中国は歴史経験の浅さも似ているし腕力もあるので両方を兼ね備えているし、腕力の劣る韓国はただゲンキンなだけで、目先強い方についてはおべんちゃら・・陰口外交に徹しています。
アメリカは少しばかり中ロよりは長い経験があるので、中学生程度の知能でトキにはゲンキンにトキには大人ぶったりしている状態です。
これは個人個人としては西欧の長い歴史を背負ったエリート人材が多く、こうした人材の頭脳集団・シンクタンクのレベルは高いので、幼稚な国家レベルを背景としている政治家がこの種提言に影響を受けたり、受けなかったりするからではないでしょうか?
ですから日米賢人会議?またはこれに類する場でエリート階層と議論交換しても国家の歴史が浅い・・幼稚レベルを反映するしかない実際の政策決断とは大きな隔たりがある点に注意する必要があります。
オバマが理想論を掲げて国民皆保険制度を主張しても、実際政治では苦戦しているのを見れば分ります。
クリントンに始まって2代目ブッシュとオバマ氏は、3代続けて中学生の役割を演じている政治家と言うべきでしょうか?
さすがに3代・・20年前後も子供みたいな人材が政治のトップに立っているとアメリカも漸く揺らぎ始めました。
経済制裁・効果を基準にした長期的安全保障政策としては、日本が自分だけ海外進出するのではなく、相手も日本へ同程度に進出させて置く、あるいは日本の輸出と同程度輸入してやることが、紛争は相互のためにならない関係にする意味では必要です。
貿易(往復)量がその国経済に占める比率が高いほど戦争すると相互にダメージが大きくなります。
緊密に関係を持てば持つほど戦争は割に合わなくなりますが、その分精神的にいろいろな葛藤が起き易く・・紛争原因も多くなります。
人口密集地の都会では朝晩の挨拶程度以上に濃密な付き合いを避ける知恵はそこから来ています。
関係の薄い日本とアフリカ諸国で戦争など想像もできないのに対して、関係の深い中韓やアメリカとの間では不平不満が多くなります。
相互依存関係を構築してもメリットばかりとは言い切れないのが現実ですから、結局は相手がどの程度大人社会になっているかが重要です。
大人になり切れないグループはどこの国にも一定量いて、いつもアメリカが酷いとか中国は酷いと言って相手を非難することに精出し易くなります。
人間関係同様に、悪口や不満を言い出せばどこの国だって日本にとって不満な面があるのは当然です。
日本人にも一定数こう言う人がいますが、要はその割合と、これが大きな発言力を持つ国と持たない国の違いが国家の品格の違いでしょう。
いつも誰かの悪口を言わないと気が済まない国民の比率がどこの国でも仮に似たようなものであっても、これを煽る政治家がいる国といない国・・他国の悪口を積極的に教育している国とそうではない国とでは実際には大きな違いになります。
同じ一人の人間でもときによっては人のことを悪く思いたくなることがありますが、これを恥ずべきこととして自己抑制する人としない人の差が表に現れますし、子供の教育にも関係します。

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