ウクライナ政変とロシア1

この基本原稿は昨年秋(シリア問題でのオバマの腰砕けに関連して)ころに書き、その後昨年末頃掲載のつもりでに書いていたものですが、間にいろいろ入って2014/01/14「アメリカの指導力低下1」以下」2014/02/22「アメリカの指導力16(引き蘢りのリスク4)」まで書いてきました。
3月中旬からクリミア問題が起きたのでその続きになります。
オバマ大統領はシリア問題でロシア・プーチンにひねられ、今度はこの2〜3週間程度の急展開でロシア編入承認まで突き進んでしまったクリミヤ問題で、ロシアの武力行使を押しとどめる力のない状態を満天下に曝しました。
アメリカはロシア高官20人に対するビザ発給禁止程度をロシアによる編入承認と同時(21日ころ)に発表していましたが、こんな程度の制裁?しか出来ない・打つ手なしの状態に陥っています。
(・・ちょっと揉めている間くらい政府高官がアメリカへ行けなくとも痛くも痒くもないでしょう)
その後彼らに対する資産凍結もしたようですが、こんな程度では短期的な効果が知れています。
(ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領の世界平和に対する考え方・・これからの世界秩序維持は武力行使による圧力ばかりの時代ではないと言う精神でオバマがやっているから立派だという意見もあり得ます・・。)
従来基準で言えば、オバマがロシアにやられっぱなしになっているのを見れば、アメリカの国際交渉能力が劇的に低下し始めたと多くの人・・世界中(特に中国)が見ているでしょう。
ただし、ロシアは当面やりトクのように見えていますが、長期・総合的に得するかどうかは別問題です。
ウクライナをめぐる綱引きでロシアが秋にどんでん返しをやって、これに反発する西側諸国がデモや暴動でロシアと結んだ政権を倒壊させるなどしてロシアを追い込み過ぎたのが今回の騒動の直接原因です。
資源価格下落による経済失速で、内政的に落ち目になっていたプーチンが腕力で反撃せざるを得なかったとも言えます。
ロシア介入後の急展開の局面だけ見ればプーチンがやりたいようにやっているように見えますが、追い込まれて焦った行動に過ぎず長期的展望を持っていなかった可能性があります。
結果的にロシアも西側諸国も大損・大打撃を受ける結果に終わる可能性があると思われます。
西欧は南欧諸国問題処理で手一杯・・ウクライナを取り込むほどの大した力もないのに、ウクライナを取り込もうとしてやり過ぎたと思われます。
西欧が仕掛けて今回の紛争が起こったのですから、乱暴をやった西欧もロシアも双方が深い傷を負うことになる筈です。
アメリカはロシアによるクリミャ併合に対して武力では何も出来ない無力さを世界(特に中国に対して)に示した(元々ロシアの勢力圏内ですからアメリカの最盛期でも同じですから、当然と言えば当然です)。
ロシアは脆弱なクリミアを手に入れることによって、継続的膨大な援助が必要になり、他方でクリミヤ奪取により旧ソ連圏随一の人口大国であるウクライナを完全に敵に回してしまい大損です。
こんなやり方をされたら困るその他旧ソ連圏諸国も、一歩引いていて直ぐにクリミア独立を承認したのはベラルーシだけです。
ロシアは、19世紀型武力を背景にした併呑実行で世界中を敵に回す(警戒の対象にする)大きなマイナスを背負いました。
黒海艦隊維持のため踏み込んだ対応をしたというマスコミ解説が多いですが、ウクライナが仮に親西欧になってもイキナリ黒海艦隊に出て行ってくれというとは考え難いので、マスコミ解説は不合理です。

平和国家と強兵2

日中の対立激化によって、日本ではこれに対峙する海上保安庁の応募者が増えているのに対して、中国の場合、逆に危険な職務だということで尖閣諸島領海侵入を繰り返している海事艦要員の確保に困っていると報道されています。
このように考えると家族もいない独り者・・ならず者が強いのではなく、守るべき・帰るべき家族のいる兵士の方が最後は強いことが分ります。
ならず者が強く見えるのは行動原則・・道義による縛りがないから、相手が法を守っていて大人しいのにつけ込んで何をするか(どんな無法なことをするか)知れないので怖いだけです。
「気違いに刃物」と言いますが、相手が法を守らないし、刃物を振り回すか否かのルールが見えないから怖いだけであって、気違い(覚せい剤で狂っている人)や無法者を兵士にしたら強い訳ではありません。
檻から逃げたライオンやトラが恐いのは・・トラが市街地の道路を歩いて来ることを予想してないときに出くわせば・・いつ牙を剥くか知れないから怖いのであって、こちらも武装して本気で戦えば人間の方が強いに決まっています。
法に守られているので違法なことはされないとみんな安心して暮らしてきました。
日本では徳川幕府以来約500年間も法に守られているので、滅多なことでは違法なことはされないとみんな安心して暮らしてきました。
日本国内では各人が銃で武装し自衛する必要のない安心社会が続いていたのですが、明治開国以来弱肉強食の国際世界に放り出された日本が国内安全を維持するために外壁の強化・・国防に励んだのは当然の帰結です。
津波が来れば、その後防潮堤の強化や避難準備に励むのが普通です。
敗戦後アメリカがこの外壁部分の秩序維持を約束してくれたので、国防の必要性が低下し国内秩序維持だけで良かったのですが、今やアメリカの約束が頼りにならなくなりました。
これに比例して近隣の国が国際法無視でドンドン実力行使して来る気配を示している・・・奥山に逼塞していたオオカミが市街地に出没してきそうな雰囲気になって来ました。
オオカミが奥山を出て来たり、トラが檻を破っていつ市街地を闊歩するか知れない状態になれば、こちらもいつオオカミが人家周辺に出没しても、トラが檻を出て来ても良いように武装準備するしかないでしょう。
イキナリトラやオオカミが市街地に来れば、無防備な民衆は逃げ惑うしかありません。
革新政党の中には無防備でもイザとなれば逃げれば良いと主張する意見もありますが、防衛準備さえしておけば人間の方がオオカミやトラより強いのは確かです。
同胞のために行動する意識のない民族社会では、ちょっと都合が悪くなればゴーストタウンにしてその町やムラを棄てて行く社会です。
アメリカが豊かで住み易そうだからとアメリカに移住した人々は、都合が悪くなれば直ぐにもゴーストタウンにして逃げて行くし、アメリカ全体が落ち目になればアメリカの国自体を棄てて外国へ行くのにためらいの低い人々で成り立っています。
中国では少しでも資金が溜まれば海外国籍取得に精出している人が多いのをヒラリークリントンが批判していましたが、実はアメリカは今豊かなだけでイザ貧しくなればそうなる点は中韓と同根です。
利益誘導的国民で構成されているアメリカ兵は、今までのような圧倒的兵力差がなくなり、同等あるいは僅差の兵力になれば,中国同様に脆弱さが露呈するでしょう。
アメリカの志願兵制度はやる気充分なので国防力強化になると宣伝されていますが、実際には黒人など貧困層が志願して一定期間従軍すると学費免除期待等の利益誘導で応募しているのが一般的(兵士の黒人比率が高いのは社会階層を反映しています)と言われています。
軍役は一種の貧困層対策に使われているのが現状です。
米軍兵士の多くは金のために志願しているに過ぎないのですから、命がけの戦闘行為になると弱点を曝すでしょうし、国民の成り立ちを考えれば戦争に限らず、国際交渉の粘り腰の強弱にもかかわって来る筈です。
アメリカは、圧倒的国力差のある状態下の交渉では、問答無用式の主導権を握れましたが、今後相対的大国に過ぎなくなって行くとタフな交渉には不向きな感じ・・オバマの外交に現れ始めています。

平和国家と強兵1

アメリカの金融緩和が終わりに近づくという予測だけで、新興国から資金流出が始まって大変なことになりかけていますが、国際経済が変調になると逆に日本円が買われて円高になるのがこの数十年の図式です。
日本はいつのまにか、世界最強通貨になっていることが分ります。
海外資本流入が細っても金に困らない国ですから、流入が細った方が円安になって(・・少なくともその分円高にならず)国際競争上有利になることが明らかです。
日本は市場規模が巨大であるから、どこの企業でも日本への進出・成功は夢ですが、海外から投資の魅力がないのは購買力がないからではなく、・国内勢が強過ぎて直ぐ撃退されてしまうからです。
スーパーであれ家電であれ車であれ、製鉄であれ鉄道事業であれ、世界最強の日本の本拠地に攻め込んでもうまく行かないから進出しないのです。
対外競争力がある企業の本拠地に攻め込んで競争することの出来る企業が、限定されるのは当然です。
阪急の本拠地に乗り込んだ伊勢丹三越が早々に敗退したのがその好例です。
製鉄や車その他産業の誘致に必死になっている国は、自国産業がないかマトモに育っていないからです。
中国へ世界中の企業が進出競争しているのは、中国が優れているからではなく、劣っていること・・そこには強い競争相手がいないから魅力があることを表しています。
海外投資の多い国は、地場企業が弱いので進出し易いからに過ぎません。
日本をそんな情けない国にしたいと思う人は誰もいないでしょう。
外資の支配する国になれば、どうなるでしょうか?
韓国企業や外資導入した日産の例を見れば明らかです。
民族資本の場合には、企業が赤字気味になっても安易に人件費の安いところに移転しないで(一部づつ進出して行くとしても国内工場を守りながらにする)国内で最後の最後まで頑張ろうとする多くの企業努力を見れば、3月26日に書いた硫黄島で最後まで戦い抜いた姿勢に共通しています。
海外でも日本流にこだわって国際競争に負けてしまうのでは日本民族が困りますから、異民族との生き方の違いを違いと弁えて、(和魂洋才で)国際競争に伍して行くしかありません。
一人勝ちの輸出が出来ない以上は需要地である海外現地に進出しないとやって行けないので、海外進出するしかありません。
進出先では、和魂を基礎にして現地ごとに若干のアレンジをして国際展開して行くのが必要な智恵ですが、国内事業まで利潤優先の海外流価値観に変える必要がありません。
飽くまで同胞のための企業・・存続が目的ですが、儲けないとつぶれますので、競争に負けないように儲けられる体質にする必要がありますが、儲けることのみを目的とする金融資本家とは目的が違います。
日本社会古来からのやり方・・「内平らかに外なる」方式・・外に対する場合と内・・同胞間とでは理念を違えてで行くべきです。
とは言え、日本企業や軍は進出先でも同じ考えしか出来ないので、戦前も進出先では先ず学校を作り現地人に文字の教育から始めていました。
今の企業も海外・異民族相手だからと言ってえげつなく儲けることばかりに精出すという方法ではなく、行った先の民族のためになることを親身になって考え実行している企業や職人が殆どです。
アメリカの金融緩和が終わりに近づくという予測だけで、新興国から資金流出が始まって大変なことになりかけていますが、国際経済が変調になると逆に日本円が買われて円高になるのがこの数十年の図式です。
日本はいつのまにか、世界最強通貨になっていることが分ります。
海外資本流入が細っても金に困らない国ですから、流入が細った方が円安になって(・・少なくともその分円高にならず)国際競争上有利になることが明らかです。
日本は市場規模が巨大であるから、どこの企業でも日本への進出・成功は夢ですが、海外から投資の魅力がないのは購買力がないからではなく、・国内勢が強過ぎて直ぐ撃退されてしまうからです。
スーパーであれ家電であれ車であれ、製鉄であれ鉄道事業であれ、世界最強の日本の本拠地に攻め込んでもうまく行かないから進出しないのです。
対外競争力がある企業の本拠地に攻め込んで競争することの出来る企業が、限定されるのは当然です。
阪急の本拠地に乗り込んだ伊勢丹三越が早々に敗退したのがその好例です。
製鉄や車その他産業の誘致に必死になっている国は、自国産業がないかマトモに育っていないからです。
中国へ世界中の企業が進出競争しているのは、中国が優れているからではなく、劣っていること・・そこには強い競争相手がいないから魅力があることを表しています。
海外投資の多い国は、地場企業が弱いので進出し易いからに過ぎません。
日本をそんな情けない国にしたいと思う人は誰もいないでしょう。
外資の支配する国になれば、どうなるでしょうか?
韓国企業や外資導入した日産の例を見れば明らかです。
民族資本の場合には、企業が赤字気味になっても安易に人件費の安いところに移転しないで(一部づつ進出して行くとしても国内工場を守りながらにする)国内で最後の最後まで頑張ろうとする多くの企業努力を見れば、3月26日に書いた硫黄島で最後まで戦い抜いた姿勢に共通しています。
海外でも日本流にこだわって国際競争に負けてしまうのでは日本民族が困りますから、異民族との生き方の違いを違いと弁えて、(和魂洋才で)国際競争に伍して行くしかありません。
一人勝ちの輸出が出来ない以上は需要地である海外現地に進出しないとやって行けないので、海外進出するしかありません。
進出先では、和魂を基礎にして現地ごとに若干のアレンジをして国際展開して行くのが必要な智恵ですが、国内事業まで利潤優先の海外流価値観に変える必要がありません。
飽くまで同胞のための企業・・存続が目的ですが、儲けないとつぶれますので、競争に負けないように儲けられる体質にする必要がありますが、儲けることのみを目的とする金融資本家とは目的が違います。
日本社会古来からのやり方・・「内平らかに外なる」方式・・外に対する場合と内・・同胞間とでは理念を違えてで行くべきです。
とは言え、日本企業や軍は進出先でも同じ考えしか出来ないので、戦前も進出先では先ず学校を作り現地人に文字の教育から始めていました。
今の企業も海外・異民族相手だからと言ってえげつなく儲けることばかりに精出すという方法ではなく、行った先の民族のためになることを親身になって考え実行している企業や職人が殆どです。
これが日本人が諸外国で信用を得ている源泉です。
日常行動の基準が、金儲けが究極の目的ではなく組織存続目的がその目的である場合、私利私欲のための意識が少ないので、イザとなれば身を棄てても組織を守る気概に連なります。
アメリカの金融緩和が終わりに近づくという予測だけで、新興国から資金流出が始まって大変なことになりかけていますが、国際経済が変調になると逆に日本円が買われて円高になるのがこの数十年の図式です。
日本はいつのまにか、世界最強通貨になっていることが分ります。
海外資本流入が細っても金に困らない国ですから、流入が細った方が円安になって(・・少なくともその分円高にならず)国際競争上有利になることが明らかです。
日本は市場規模が巨大であるから、どこの企業でも日本への進出・成功は夢ですが、海外から投資の魅力がないのは購買力がないからではなく、・国内勢が強過ぎて直ぐ撃退されてしまうからです。
スーパーであれ家電であれ車であれ、製鉄であれ鉄道事業であれ、世界最強の日本の本拠地に攻め込んでもうまく行かないから進出しないのです。
対外競争力がある企業の本拠地に攻め込んで競争することの出来る企業が、限定されるのは当然です。
阪急の本拠地に乗り込んだ伊勢丹三越が早々に敗退したのがその好例です。
製鉄や車その他産業の誘致に必死になっている国は、自国産業がないかマトモに育っていないからです。
中国へ世界中の企業が進出競争しているのは、中国が優れているからではなく、劣っていること・・そこには強い競争相手がいないから魅力があることを表しています。
海外投資の多い国は、地場企業が弱いので進出し易いからに過ぎません。
日本をそんな情けない国にしたいと思う人は誰もいないでしょう。
外資の支配する国になれば、どうなるでしょうか?
韓国企業や外資導入した日産の例を見れば明らかです。
民族資本の場合には、企業が赤字気味になっても安易に人件費の安いところに移転しないで(一部づつ進出して行くとしても国内工場を守りながらにする)国内で最後の最後まで頑張ろうとする多くの企業努力を見れば、3月26日に書いた硫黄島で最後まで戦い抜いた姿勢に共通しています。
海外でも日本流にこだわって国際競争に負けてしまうのでは日本民族が困りますから、異民族との生き方の違いを違いと弁えて、(和魂洋才で)国際競争に伍して行くしかありません。
一人勝ちの輸出が出来ない以上は需要地である海外現地に進出しないとやって行けないので、海外進出するしかありません。
進出先では、和魂を基礎にして現地ごとに若干のアレンジをして国際展開して行くのが必要な智恵ですが、国内事業まで利潤優先の海外流価値観に変える必要がありません。
飽くまで同胞のための企業・・存続が目的ですが、儲けないとつぶれますので、競争に負けないように儲けられる体質にする必要がありますが、儲けることのみを目的とする金融資本家とは目的が違います。
日本社会古来からのやり方・・「内平らかに外なる」方式・・外に対する場合と内・・同胞間とでは理念を違えてで行くべきです。
とは言え、日本企業や軍は進出先でも同じ考えしか出来ないので、戦前も進出先では先ず学校を作り現地人に文字の教育から始めていました。
今の企業も海外・異民族相手だからと言ってえげつなく儲けることばかりに精出すという方法ではなく、行った先の民族のためになることを親身になって考え実行している企業や職人が殆どです。
中韓による日本に対する誹謗にもかかわらず、日本の信用が揺るがないのはこのような日本人の行動によります。
日常行動の基準が、金儲けを究極の目的とするのではなく組織存続目的がその目的である場合、私利私欲のための意識が少ないので、イザとなれば身を棄てても組織を守る気概に連なります。
中国軍が弱いと定評があるのは同胞意識・自分の命を棄てても守るべきものを背後に持っていないからです。
命の危険が迫ればさっさと逃げた方がトクと言うゲンキンな処世術によります。

法人税減税と補助金削減2

日本は縄文の昔から同胞相助け合う社会を築いて来たのですから、利益率が低くとも多くの人を養う企業が良い企業で、その上に相応の共益費負担・税負担をするのが国民の総意と言うべきでしょう。
金儲けさえすれば良い企業という欧米流尺度は我が国の価値観に合いません。
マンションで共益費や管理費を値下げして行けば、その分マンション保有コストが下がりますが、長期的にはそのマンションは薄汚くなります。
法人税減税論は4割税金を払う企業が100社よりは、3割の税率しか払わない企業でも200社ある方が日本全体の税収が上がるという論法ですが、税率さえ下げれば、企業の海外脱出が減り逆に海外企業の日本進出が増えるのでしょうか?
法人税は儲けに対する課税ですから赤字企業に関係のない制度であって、企業の海外進出・撤退動機は儲けた後の税率の高低ではなく、進出先での商売が成り立つかどうか、採算が取れるかどうかがほぼ100%の進退決定動機です。
欧米系金融機関やブランド企業などが日本に進出するか日本から撤退するかの判断基準は、儲けた後の税率によるのではなく、儲けを維持できるかどうかによります。
折角儲けているのに、税率が高いことを理由に日本から撤退する企業は皆無でしょう。
日本企業の海外進出動機もその国の税率が低いかどうかではなく、進出しても採算がとれるかどうかが先決事項です。
むしろ国家政策目標実現に有効な企業補助金を交付した方が誘致効率が高い筈です。
例えば工場団地造成等インフラ整備や補助金(固定親善減免等)で企業誘致する方が進出企業が増えます。
税率を下げる代わりに、この種の誘致事業(補助金)を縮小するのでは逆効果でしょう。
誘致補助金インフラの公費による整備は進出企業の(赤字にならないように)採算性の向上を目指すものですから、これを削減して採算性が悪化した赤字企業に対して、儲けた場合に税率を下げることにしたと言われても・・?となりませんか?
「儲けた後の税を下げると言うアナウンスよりも先に儲けられるようにしてくれよ!」と言う企業が多いのではないでしょうか?
税率に関心がある主なグループは、機関投資家・・有価証券売買や利子配当で儲けを狙う金融資本家だけではないでしょうか?
金融取引業者は、短期リターンを求めるために税引後の株式配当に関心があるのでしょうが、法人税減税は企業立地促進・撤退の決定には何の関係もないと言えます。
金融取引のプロは、地域に対する愛着も何もなく金利の良いところ・配当の良いところを目指して漂流し続けています。
まさに国を失ったユダヤ民族の本質そのものですが、縄文時代の昔から定住をバックボーンとする日本がそんな人たちのご機嫌を取り、そんな人たちに投資してもらう必要がありません。
後進国は先進国からの投資がなければやって行けないので、海外からの投資取り込みのために強欲な金融資本の言うとおりにしている・・せざるを得ないのは分りますが、日本は世界一の金持ち国で世界に投資をする国であって投資をして貰う必要がありません。
日本に対する海外からの投資が少ないのは、日本経済に魅力がないからだとマスコミが言いますが、日本は世界最大の純債権国・・即ち世界への資金の供与国です。
金が有り余っている国では世界一低金利にしても良いのは他所からの投資を期待していないから出来ることですし、個人で見てもお金持ちが借金する必要がないのと同じで、海外から投資して貰う必要がないのは当然です。
むしろ海外資本比率が上がり株価や国債相場が海外投資家の意向に支配されルンは最悪です。
雇用や生活水準維持よりは、利益率を基準に簡単に人員削減や国内工場閉鎖を選択するような海外資本家の意向に企業活動方針まで支配されているのは、民族の独立性維持のために不健全だと思います。
通貨危機以降韓国は外資に乗っ取られた状態になっていますが、その結果、企業業績が良くとも弱者切り捨て・国民は非正規雇用中心で塗炭の苦しみに陥っているのを見れば分ります。
外資に買収された日産の動き・・日産マーチの国内生産をタイへの全量移管などの安易な動きを見れば、企業精神の変化は明らかです。

法人税減税と補助金削減

生粋の日本企業は利潤だけを基準にしているのではなく、それどころか利益がなくなっても組織を維持出来れば良いというほど組織維持意識の強い社会です。
組織の永続と同胞の職場維持を目的にしています。
ある企業が100の利益を上げていて従業員10人しか雇用していない企業に比べて100分の1しか利益が出ていなくとも1万人を雇用している企業の方が、日本社会に貢献しているというのが日本人の価値観です。
国内産業の保護や発展を何故求めるかと言えば、主たる目的は国内雇用・国内波及効果目的です。
勿論税収が上がるに越したことがないですが、税収が少なくとも多くの人員を雇い、国内産業波及効果の大きい企業の方が価値があります。
税収10万円の企業で1万人雇い関連産業が10万人の企業と、従業員4〜5人が金融取引で大儲けして1億円納税する企業とどちらが国のためになるかと設問すれば明らかでしょう。
資本効率から言えば、年商1兆円で僅かに10万円の利益しかない企業は投資価値がないでしょうが、国家社会にとっては利益率よりは雇用確保が重要です。
法人税率に関心があるのはリターンを求める金融資本家に重要な指標であって、国家社会にとって意味のない指標です。
日本の企業は大赤字になっても再起を期して踏ん張り安易に企業解散をしないし、(赤字転落していたシャープもパナソニックも踏ん張って黒字転換しました)若干の赤字程度ならば海外工場での儲けで国内赤字を補填してでも簡単に外国へ移転しようとしない企業が大多数です。
儲け拡大のために国内工場を閉鎖して海外に移転してしまう(・・日産のような)あるいは税を払いたくないから海外に逃げるような企業精神は、日本人の支持を受けられないでしょう。
法人税減税の主張の合理的意味を理解し難いのは私だけでしょうか?
法人税は儲けた利益に課税されるものであって、赤字であれば関係がありません。
例えばある企業が10億円儲けたのに日本に本社をおくと4割税金にとられるので3割しかとられない税の安い国に本社を移転したくなるから、これを防ぐために外国並み課税率にしようというのが法人税減税論です。
日本のインフラ負担や弱者救済費用等に一定率の納税をするのが同胞としての義務であり、金儲けできる人が負担しなければ国は汚くなり人心がギスギスする一方になります。
利益が出れば国民の御陰だと感謝して一部を国内に還流して、日の当たらない人々や良いことをしていても資金の行き渡り難い分野へ回して下さいというのが愛国心です。
赤字でも何とか国内に踏みとどまり海外進出先からの利益還流で何とか持ちこたえようとするのが本来の日本の心ではないでしょうか?
儲けているのに税をあまり納めたくないと言う人はいますが、どうせならば安い方がいい・・税の無駄遣いをしないでくれと言うのは人情だとしても、税を納めること自体が嫌だからと言って海外に逃げて行きたいような企業は、日本にそもそも必要がない企業です。
このような強欲な企業の存在を許す必要がないと言うのが私の意見ですが愛国心が強過ぎますか?
補助金を減らす代わり同額の法人税減税という意見は、国民経済にとって真逆の主張をしていることになります。
各種補助金と法人税は表裏の関係がありますが、補助金は特定目的・・特定国内産業育成のために必要とするものであって、補助金を減らして税率を下げるのは政治政策の放棄です。
例えば人工衛星・ロケット等・・学術研究や教育設備への政府支出・・補助金は、新たな産業育成や人材育成のために必要な制度であって、こうした支出を減らして、その分税金を安くする政策は、国家の将来を危うくします。
言わば税を納めない観光客に頼る経済と同じで、公共インフラ負担や助け合いのお金を出したがらないで受益ばかり要求する社会を目指すことになります。
日本は縄文の昔から同胞相助け合う社会を築いて来たのですから、相応の共益費負担・税負担をするのが合理的です。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC