オバマ来日と今後の日米中韓関係3

アメリカ流の日本批判を聞いていると一見忠告しているように見えて、何のための同盟国か意味が分かりません。
折角の忠告を聞かない人は孤立しても仕方がないでしょうという殺し文句です。
相手の理不尽な要求や行為を唯々諾々と受入れないと日本が悪いという忠告・・論法ばかり聞こえて来るので、(大手マスコミは日本が大変だ大変だという宣伝をしたがる傾向があって真実が不明・・マスコミ報道が偏っているのかも知れれませんが・・)日本人のアメリカ不信が嵩じて来ました。
この修復のために口先表明で済むならお安いことだし、アメリカにも利害があるので尖閣諸島に言及して恩を売ったつもりでしょう。
しかしオバマは日本の歴史認識には反対していることは、その日のうちに韓国で慰安婦問題を明言したことで明らかです。
要するに「中韓と主張意見は同じ(日本と意見は違うが)だが、米軍事基地の都合で尖閣諸島を当面守ります」と言いに来たことになります。
アメリカは戦後秩序・価値観に関係のない尖閣諸島の領有権についてさえ明言しないで(アメリカに軍事上の利害がある限度で)「防衛義務がある」というだけです。
アメリカは主張・意見に関することは、一切日本の味方をしないという立場を鮮明にしています。
安倍総理は価値観外交・共有と言いますが、日米では本音のところで戦後秩序に関する価値観が分裂しているのを国民が心配しているのです。
主義主張が違っているのに、同盟があるから仕方なしに「守る」とアメリカが渋々言わされている関係って・・何回言ってもらっても信用できないので国民が心配する所以です。
アメリカが何のために価値観の大きく違う日本と同盟を結んでいるのか?と言うところですが、単なる支配欲を満たしたい非合理な欲求が大きいでしょうが、客観的に言えば、価値観が180度違うからこそ軍事支配のくびきを手放せないということなります。
軍事基地を置き続け日本が反抗できるほどの軍事力を持たせないようにするための名目に、「防衛してやる」と言う条約を結んだのではないでしょうか。
戦後70年近くたって、イザ防衛が必要になって来るとアメリカのまやかし・・本当は日本永続的支配目的であった欺瞞性が明らかになって来ました。
中韓のようにはっきりと「日本は敗戦国だからどんな理不尽なことをされても言われてもじっと我慢で全て言うこと聞くしかないだろう・ざまあ見ろ!」と言うのと実質が変わりません。
理不尽な行為や行動があってもこれを日本が受入れろという忠告ばかりですから、アメリカが彼らの理不尽な行動・行為を陰で煽っている・・これこそが戦後秩序ですから・・かのように、感じてしまう人が多いのではないでしょうか。
中韓の方がアメリカが後ろで煽っているので安心して、(日本人よりも中韓の方がアメリカを信用して)何をしても良いような自信を持っている様子です。
イザというときに、アメリカは自国の利害にかかわる限度で制裁のそぶりをするでしょうが、日本だけの損害の場合でも応援し、制裁発動するでしょうか?
(軍事的には尖閣諸島が中国軍事基地になるのは、アメリカにとっても大きな損失ですから余程のこと・・台湾を見捨てて西太平洋を譲り渡す決断がないかぎり応援するでしょう・・)
制裁に戻りますと制裁すればアメリカ企業も同額の損害を受けます。
この辺が武力制裁との大きな違いです。
武力制裁のときは100対10のときは、大国の方が圧倒的兵力差で掃討作戦をするだけですから、この比率の損害を受けません。
日本敗色濃厚になってからの米軍空襲を見れば分りますが、たまに飛行機が不時着したり墜落する程度の被害しかありません。
湾岸戦争を見ても分るとおりイラクは単に空爆を受けるだけでした。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC