沖縄米軍基地移転の本質2(国内政治波及1)

辛淑玉氏による名誉毀損訴訟では日当を払ったのか交通費だけ応援したかの瑣末な違いが争点になったかもしれませんが、政治的意味があるのは、お金が動いているという事実が明るみになった点にあるでしょう。
日当目的のデモ参加か実費補填かは細かく見れば大きな違いと言えますが、地元民の運動かどうかの視点では交通費を払っている事実は大きなニュースです。
この広がりを黙らせる意図で噛みついたのでしょうが、訴訟になったと言う宣伝の結果私のように全く知らない一般人まで日当か交通費かは別として「お金が動いていたのか!」と言う印象を広める効果が大きかったことになります。
公職選挙法みたいにお金の動きをきっちり報告するシステムがないとすれば、本当に交通費に使ったかどうかの証拠保全がなされているのか、どこで誰がチェック出来るのかも不明です。
政治資金規正法のようにデータ公開していない限り極端な言い方をすれば、一般人には本当に交通費に使ったかどうかすら不明な印象です。
こう言う不透明なイメージを前提にすると交通費だろうと何だろうとお金が動くこと自体に拒否感を持つ人が多いでしょう。
少なくとも交通費を負担すると言うことは、地元民でない運動家が活動している印象を受けた人が多いでしょう。
成田空港反対運動のときと同様に県民をダシにした政治運動になっていないかの疑問を多くの人が持ったでしょう。
素人の私からすれば、移設が遅れれば基地被害が減らないので普天間基地周辺の人が余計困るのではないかと思っていたのですが、移設が予定より長引いても米軍の方は御構い無しにグアムでの工事を進めてどんどん兵員や航空機が出て行っているとすれば、基地内の実働数がガタ減りでしょうから、空洞化が進み地元基地関連需要が減少する・・騒音等被害も人員・実働数減少に比例しているはずです。
軍事側面で見れば、いつまでも移転先辺野古基地が完成できなければ、その間にグアム移転が進み米軍の一部すら日本に残らなくなる可能性を狙っているとすれば、周辺国反対派の狙いは合理的・戦略的です。
米軍は日本に頼まれて「一部出先基地を残しましょう」(生産基地移転で言えば主力生産工場でなくなるが周辺機器製造部門を残すような提案です)と言うだけなので、新基地が完成しないなら、ほとんど全部グアムに移転してしまっても良いのが、米軍の本音でしょうか。
米国の対中戦略としては、沖縄基地に中核部隊を置いていたのでは現在のハイテク時代においては前線に近すぎてリスクが大きいほか、日本(北方)に偏りすぎている・グアムに下がった方が、中国の正面中央に位置して、インドシナ方面等を含めた全方位展開に合理的に見えますが。
ただし軍事基地はハイテク化していますので、単に辺鄙な田舎に作ればよいのではなく、絶え間ない整備や補給が必須ですから、一定の工業技術水準の蓄積場所でないと高度な基地機能を維持できません。
これが第7艦隊の本拠地を横須賀においているゆえんです。
日常的整備をグアムである程度こなすとしても、一定期間本格整備を沖縄に残すのが現実的でしょう。
私のような凡俗にはメデイア報道がない限り知る由もなかった中国の膨張戦略準備の進み具合について、国防の最先端・プロの世界では、当時から十分に注視し予想していたでしょう。
近い将来の中国の台頭を睨んで、いざとなった時に米軍が沖縄に駐留しているとまともに巻き込まれるリスクがある・・それにどう対応するべきかが米国の長期関心だったと思われます。
その時に備えて日本に駐留していなければ、その時の中国軍事力との兼ね合いで、いろんな関与の仕方が考えられる。
米軍が直接参加して簡単に撃退できる時代には、「巻き込まれる」どころか頼まれもしないのに、積極的に介入したいから基地をおいていたのですが、戦力互角近くになると、他者の紛争から文字通り距離を置きたい・・自国の利害との兼ね合いで直接戦闘に巻き込まれるリスクが大きな関心になります。
一定の距離を置く・・基地の後方移転をしておけば、その時の実力関係次第では、直接戦闘主力として戦わないでちょっと応援部隊を出す程度から、全く「巻き込まれない」で、背後の応援・・武器供給や情報提供する程度〜武力行使反対などのリップサービスで済ますなど多様な選択肢を残せます。
その検討の結果、グアム線(第二列島線)に後退する作戦を採用したものと思われます。
ただし、いきなりの移動は無理なので一部の分野だけ手始め程度から始めた?と見るのが正しいかも知れません。
日本とすれば、米軍駐留中の沖縄本島の侵攻まで意図するには、中国は余程の自信がないと実行できない安心感がありますが、米軍がいなくなって「いざとなればいつでも来るから・・」と言われても、安心感では大違いです。
一部でも移転を始めれば「いざとなれば見捨てる選択肢を示した」と思うのが普通の感想ですし、中韓露にとってもそのように見たでしょう。
米国としては、政治的配慮から一部残すと言わざるを得ない・これが普天間ほど大きくないが辺野古への移転という合意の背景でしょう。
表向きの発表とは別に実際には日本の都合などおかまいなしに、米民主党政権はグアム移転を進めていましたので、米国は日本防衛だけでなくどこの場面でも中国が実力行使に出ると「中国とことを構える気構えがない」と読んだ中国が、米国の出方試す意味もあって、「コロや良し」として、尖閣攻勢〜南シナ海埋め立てなどに手を出し始めたと思われます。
中国の読みの通りに、南シナ海の公然たる実力行使に米国は年に1〜2回程度の航行の自由作戦として艦艇を航行させただけ・事実上の放置姿勢を実証しました。
強盗の通報を受けた警察が近くをパトロールするだけのようなパターンです。
沖縄基地移転政治問題化は、軍主力基地を沖縄からグアムへ後退させる米の長期戦略と日本防衛を米軍にたよる日本の対中危機感とのせめぎ合いが背景にあり、中国の膨張主義戦略顕在化によって表面化したように見えます。
キリシタンの踏み絵のように、国家の危機に面して中国隠れ支持勢力が表面化してきたように見る人が多いでしょう。
沖縄本島からの尖閣諸島への巡視艇派遣や自衛隊のスクランブル発進の往復だけでも、距離が遠くて大きな負担なのに、少なくとも県外=最短の九州に移転してさらに遠くなるのでは、有事の際に南西諸島を防御しきれなくなるのは目に見えています。
例えば現在那覇からの片道が400キロとして九州発だと700キロになるとすれば、発信した飛行機が単純往復だけで航続距離の限界になる・・・あるいは現地滞在時間が10数分しかないとすれば、とても尖閣諸島防衛はできません。
上記距離がもっと少なくとも同じで、距離に反比例して戦闘能力が減少していくので(距離が2倍になれば、航空機・戦艦等兵力を2倍にしても現地滞在時間・・戦力は同じです)、中国としては、沖縄基地消滅画策は、のどから手が出るほどの期待でしょう。
国防力弱体化・日米安保反対を狙う勢力にとっては、肝心の米軍自体が駐留意欲をなくし始めたことは、長年の悲願達成の千載一遇のチャンスに見えるのでしょう。
この機会に米軍基地の一部でも沖縄に残さない・・「少なくとも県外へ」→他の県が引き受けない=国内に残さない・・国外・グアム完全移転を目指すことになったのでしょうか。
念のため当時のデータを検索すると宜野湾市の作成した文書が出てきましたので、明日以降紹介します。
以下によると、米軍側では沖縄基地への民間による侵食侵害?・基地周辺への移住が進んだ?が激しいので移転するという名目になっています。
反対運動が激しいからというのでしょうが、そんなことは昔から同じですから、本音は国際情勢上沖縄駐留のメリット・米国の国益に合わなくなったということでしょう。

沖縄米軍基地移転の本質1(中国の台頭と米国のためらい)

そのころの報道では、沖縄の負担軽減のための移転だからそのための日本が経費負担をするという報道が出ていた程度の記憶です。
米軍人と家族のグアムでの宿舎設営経費負担の話だったか?
日本が出て行ってくれと言うのはなく、米軍の世界戦略の都合でグアムに機能を移転するのであればその移転費用を日本が負担するのか不思議でしたが?
その表向き理由は沖縄県民が出て行ってくれと運動している・・そのための移転だからというものでした。
その頃は、まだ中国は例の晦光養晦中で、軍拡〜膨張主義が表面化していなかったこともあって、日本の負担金額の報道ばかりに目が行っていましたが、グアム移転ニュースがその後パッタリなくなったのですっかり忘れていました。
しかし現実は着々と進んでいるはずです。
辺野古移転とグアム移転とどういう関係があるのか、あったのか?が今になると気になってきました。
沖縄の反基地運動は昔からありましたが、何分の1以下に利用縮小が始まってから、反基地闘争がかえって激しくなったのは不思議だからです。
基地機能で考えれば、大規模な沖縄米軍をいきなりゼロにできないとすれば、(グアムへ順次移転による基地機能縮小・空洞化・・普天間基地の機能縮小に伴い一定期間残す機能だけ辺野古に新設する縮小移転の二分割案だったように想像できます。
沖縄県民が基地騒音や犯罪で苦しんでいるとすれば、少しずつ(どころか大規模返還)返還されていくのに反対し、イキナリの全面撤退でないとなぜ何故いけないかの疑問です。
被害を受けているというのが本当であれば?移転→縮小計画が出ると喜ぶべきなのに、逆になぜ移転拒否運動が激しくなったのか素人には意味不明です。
軍事基地・・特に空軍基地は概ね僻地に立地するものですから、普天間基地が元々民家がびっしり集まった場所を押しのけてできた・民家ギリギリに鉄条網を張るような基地新設があるのか?かの素朴な疑問ですが、(一般論による疑問・推測であって、事実不明です)基地に生活手段を求める人が増えて通勤や納品あるいは基地勤務者相手との商売には基地に近い方が便利なので基地境界ギリギリに民家が増えて行ったのではないでしょうか?
基地関連業者やその周辺需要に頼っている人たちにとっては、反基地運動の結果出て行かれると困る実態が背景にある・・企業城下町で公害反対運動しながら大規模工場縮小反対に心理と似ているイメージです。
おおざっぱな数字でいえば、日本政府が基地維持経費の何割かを負担していますが、(維持経費以外のコストを米軍は支出しているので)その何倍ものお金がいろんな形で地元雇用や物品納入その他の需要に回っているはずです。
本日現在のウイキペデイアの記事からです。

各国の駐留米軍経費負担率(2002年)は以下の通りである。
国家          経費負担率   金額
日本          74.5% 44億1134万ドル
サウジアラビア     64.8% 5,338万ドル
カタール 61.2% 8,126万ドル
ルクセンブルク   60.3% 1,925万ドル
クウェート 58.0% 2億5,298万ドル
イタリア        41.0% 3億6,655万ドル
韓国          40.0% 8億4,311万ドル
ドイツ 32.6% 15億6,392万ドル

最新版では以下の通りです。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS26H64_W7A120C1PP8000/在日米軍駐留経費、日本負担は86%

防衛省試算
防衛省は2015年度の在日米軍駐留経費について日本側の負担割合は86.4%と試算した。民進党の後藤祐一衆院議員の請求に応じたもので、後藤氏が26日の衆院予算委員会で提示した。総額は約2210億円で、そのうち日本が約1910億円を支出している。
ただ稲田朋美防衛相は「必ずしも(米側の負担項目が)全て入っているわけではない」と説明した。米国防総省が04年に発表した米軍駐留費の各国別の負担割合では日本は約75%となっていた。
在日米軍駐留経費は米軍基地で働く日本人従業員の労務費や光熱費など日米地位協定上は米側が負担すべき項目が大半。これに周辺対策や施設の賃料なども含めた「在日米軍駐留関連経費」は防衛省資料によると日本側負担は約3736億円。割合は92.6%に上る。

ただし、上記は日本全体の負担であって、沖縄・普天間基地に限定した経費ではありません。
経済問題を離れた現在の基地反対騒動を支える思想的立場で分類すれば、米軍基地縮小ではなく完全撤退を求める「沖縄に軍機能が一切必要がない」という勢力と、国防のために一定の米軍抑止力が必要とする勢力との争いになったように見えます。
交渉態度で言えば、一歩譲ると2歩譲れと言い、2歩譲ると3歩譲れ〜10歩ゆずれというので、誠意を示して20歩譲ると全部ゆずれと言う・・全部譲ると過去の償いをせよという交渉態度でしょうか?
なんとなく韓国相手の交渉のような印象です。
そもそも日米安保に反対して周辺戦争に巻きこまれるといい、「平和憲法を守れ!」という非武装平和論者にとっては、自衛隊さえいらない(集団自衛権反対論は「自国は自国だけで守れ」→自衛強化論ですから実は矛盾しています)のですから、米軍の必要を一切認める余地がないから、首尾一貫していることになるのでしょうか。
沖縄の基地縮小移設反対運動がそういう運動の決戦場との位置付けであれば、基地騒音などの迷惑を受けている県民と関係ない・・県外運動家中心になっていくのは自然の流れです。
成田空港反対運動のときに、土地を取り上げられる地元民応援より、本音は成田空港による日本の近代化〜高度社会への離陸反対運動だったので、社会党の一坪地主運動に代表されるように、運動家が反対のために地主になって、地元民の資格で本来の農家そっちのけで運動するようになっていました。
一坪地主運動は、地元との連帯という名目だったでしょうが、運動の結果から見れば人権救済運動や各種訴訟は政策実施妨害名目だったと国民の多くが理解したでしょう。
成田空港反対の場合、東京近郊で働きながらデモ参加できたので表に出るような資金援助はいらなかったでしょうが、沖縄の場合遠くて仕事がないので住み着くには無理があるし、土地買収反対事件ではないので一坪地主になるわけにいかない・・交通費支払い名目の資金援助方向を公表するしかなくなったように見えます。
評論家等が講演料程度の収入でスポンサーになるっているというのは経済力からして、無理があるという一般論を書いた後で、「のりこえネット」という組織を知り、ウイキペデイアで見たら、生協がスポンサーになっているという記事が見つかり意見の訂正したばかりですが、NGOやいろんな組織が政治活動する以上は資金源を明らかにする必要があるでしょう。
本日現在のウイキキペデイアの記事からの引用です。

のりこえねっとは、2013年に設立された日本の任意団体である[1]。正式名称は「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」[2]。「在日外国人・留学生、国際交流、行政への改策提言」を活動分野として公表する[1]。のりこえネットと表記されることもあるが、「ねっと」は正式にはひらがなである。パルシステム生協連合会専務理事の若森資朗を代表者として登録しており[3]、パルシステム生協連合会の助成団体として資金提供を受けている。[4]

名誉毀損成立と政治効果6(司法の信頼5)

共謀罪反対でも秘密保護保護法反対でも「諸外国の例とここが違うという具体的主張を出すべき」と、このコラムで繰り返し書いてきましたが、これまで聞いたことがありません。
毎回初心者に説明していられないとしても、その都度「よその国の条文とここがこのように違うので危険だ」という根拠文献ぐらいあげるべきではないでしょうか?
事実など問題にしない・・「私はこう思う」と言い張るだけの人とは、右であれ左であれ、まともな議論になりません。
BPOの決定には応じられないという・・MXに番組提供したDHC会長の独占手記が報道されています。
http://news.livedoor.com/article/detail/14650432/

DHC会長独占手記】「ニュース女子」騒動、BPOは正気か

にDHCの主張が出ていますのでちょっと読むと「どの様な事実に基づく」かの主張がなく「報道の偏り」という主観的意見?に終始しているイメージで参考になりません。
決定が出てからでもこの程度の反論しかできないのでは、BPOの審査段階でも、あまり合理的反論がないママで審査が進んだように見えます。
同じ検索でhttps://www.sankei.com/entertainments/news/180501/ent1805010002-n1.htmlにも会長独占手記の報道があります。
産経の方には、関連記事・意見が出ており、たまたまその中の文筆家・古谷経衡氏のコメントを読んでみると、(そこに書いている事実が真実か否かまでは不明ですが)事実とすれば事実に基づくなかなか説得力のある意見です。
話題がだいぶ逸れましたが、これまで紹介した例では、草分け・主役と言われる間は良いが、黒幕と言われるようになるといきなり名誉毀損で訴える=「社会的地位が下がる」という主張に変わるような印象を受ける人が多くないのでしょうか?
関係していることや自分がそのような事態を引き起こした責任者と知られると社会的地位低下するというならば、
「彼らは自分のしていることが正しくないことを前提にこれまで国民をイメージ操作してきたのかな?」
長年イメージ操作に慣れさせられている(私を含めた国民は、ニュースをちらっと見た印象だけでは、沖縄基地反対運動の黒幕・中心的に応援している人と言われるのは名誉ではないのか?なぜ社会的地位低下になるのか不思議という受けとめ方になります。
「沖縄基地反対運動は、国民支持を受けていない・・正義ではない」という自白のような印象を受けた人が多いでしょう。
名誉毀損で訴えれば訴訟では勝てるとしても、問題が大きくなればなるほど、政治的には敗北宣言と同じ効果がありそうです。
ただし、この件についてはこれまで書いてきたように念のために決定概要を具体的に見たので、法的には違うテーマであったこと・・「沖縄基地反対運動の黒幕」ではなく、「違法行為の黒幕」という名指しを社会的地位下落するとして名誉毀損の理由としたのであって、沖縄基地反対運動に関与していることを名誉毀損として申立したのでないことがわかりました。
多くの人は決定概要まで見ないので誤解したままでしょうから、訴訟をした→勝ったという宣伝自体が「沖縄基地移設反対騒動には大義がない」のか?というイメージ効果が逆に広がり政治的には大きなマイナスになった印象です。
同じく児童売買春の広がりを批判「的」に国際社会で訴えていた→国際的運動の主役?的活動家(例えば、「国連委員会で発言しました」というツイッターかホームページでの報告があった場合(私は国連で発表したという活動報告を見つけていませんので、実はどういう主張をしたか不明ですが、ツイッターなどでの発信傾向を印象だけで読むと→いかにも大層な影響力を発揮していたように理解するのが普通です。
(ただし全部削除してしまったようなので、今では再アクセスできないので記憶しかありません)
ところが、イザとなれば一転して「私が何をしたというの!」と名誉毀損で訴えるのは、言葉の端々で具体的にどのような単語を使ったかの相違があるとしても、
「日頃主張態度イメージ宣伝との整合性はどうなっているの?」
という印象を持った人の方が多いのではないでしょうか?
いずれにせよ同弁護士が児童売買春関連の活動報告を一切あげなくなったとすれば、児童売買春反対運動体としては、マイナス効果があったということ・・・国民の支持がなかったということになると思われます。
京都朝鮮人学校が訴訟に勝ったものの学校の移転を余儀なくされたとヘイトスピーチ関連で紹介した学者が書いていた記憶ですが・・。
目的が正しくとも方法が悪ければ違法・許されないというのが、法治国家においては確立された法理論ですが、それと政治効果・社会の評価は違います。
窃盗グループに対するGPS捜査の違法性について3月はじめ頃に紹介しましたが、仮に自分の息子が違法なGPS捜査被害?にあって逮捕され裁判で無罪になったとしても、それを近所に言いふらしたい親がいるでしょうか?
あるいは違法収集証拠排除排除決定の結果無罪になった場合、そんなことを自慢するのは担当弁護士くらいでしょう。
非難方法がどぎつ過ぎて礼儀にかなっていないとして名誉毀損になるとしても、名誉毀損される方にまず責任がないの?という結果評価を受けるのが普通です。
暴力被害を受けた場合でさえ、・・「あの人はそのうち被害を受ける思ってたよ!」の評価が怖くて、できるだけ口外しません。
法的には被害者で強い立場のはずですが、被害を自慢したい人が滅多にいないのが現実でしょう。
沖縄基地反対運動では誰がスポンサーかではなく、地元民が中心か、よそ者中心の運動なのか・違法行為が横行しているのかを国民が知りたいのではないでしょうか?
辛氏が「自分がその黒幕ではない」というだけの訴えでは、却って違法行為横行を前提としているように見えます。
普天間基地移設問題は、(少なくとも県外へ」という主張は、実際上無理がある以上(基地負担を集中的に押し付けている沖縄県民には申し訳ないとしても)当面少しでも被害の少ない場所・県内移設しか解決方法がないというイメージが一般的です。
詳しい経緯を知りませんが、今までの一般的報道から受けていた印象では(このように多くの意見は報道によって事実上方向付けられています)「普天間基地がこのままでは沖縄の人たちが困るから巨額コストをかけて人口密集地から移設しましょう」となったはずなのに、それに反対では地元民はどうしたいのかが見えません。
高江ヘリパッド工事は、普天間基地の縮小工事関連だと思いますが、それの妨害ですからなおさら第三者には意味不明です。
こういう行動が続くと沖縄基地移設反対運動を地元民が本当に望んでやっていることなのか?
「反対のための反対」かが最大関心になってきたし、県外からの応援組の違法行為が連続していることから、移設反対闘争と地元民の関係が不明になって来たように国民が思うようになってきたところでのニュース女子事件でした。
こういう政治状況下で辛氏が名誉棄損訴訟で仮に勝っても国民の方は「変な言いがかりで勝った」だけ・・?と理解してしまい、「沖縄基地移設反対運動がお墨付きを得たと盛り上がる」とは思えません。
ただし、上記は現在のメデイアの主流的報道による洗脳効果によるもので、いまになって記憶を喚起してみると10年ほど前に米軍の沖縄基地からグアムへの大規模移転計画が報道されていたことがありました。
それがどうなったのかそれとの関係がどうだったのかの関心が持ち上がってきました。

国連勧告の価値と司法の信頼4

これまでBPO関連で書いて来た意見は辛氏が「実質亡命」に迫られるような脅迫されていたのかを知りたくてBPO「決定概要」を見ただけの意見ですので、概要にあらわれない詳細事実認定によれば、私が疑問に感じる点についても丁寧に議論を尽くした結果かもしれませんので、今まで書いてきた意見方向性が変わる可能性があります。
歴史観を含めて「意見」や論争は参照・引用事実次第で優劣が決まるのですから、論争の自由競争とは、事実提示の自由競争です。
事実を提示するためには、情報開示がないと事実入手できません。
司法の信頼を維持するには文書中心時代の開示方法ではなく、ネット検索で簡単開示できるようにすべきです。
プライバシーはどうする?という意見がありますが、できない・したくない方から考えると前に進みませんが、一部マスキングの手間暇問題も、本気で開示が必要となれば自動化ソフトが発達するでしょう。
過去記録・・の開示請求で印刷物の一部マスキング作業は一旦コピーしてからの手作業になるので大変でしょうが、最近の文書作成はすべて、パソコン等の電子機器によるものばかりですから、印刷前の段階で公開用の加工・・固有名詞をABCD・・に自動変換したり、住所生年月日の簡略化などは容易です。
市会議員の政務調査費に関してもネット開示すべきという議論が進んでいますが、市会議員の場合、関係者が少ないので、匿名化しても個人名(秘書が一人しかいないとその人の給与が丸見え)や出入り業者の単価などの特定が簡単だという点が問題になっています。
それでも公人と関係する以上は仕方ない・・採用段階(市議の配偶者や身内が秘書・事務手伝いをしていることが多い)で、了解を得るなどの工夫でたりるというのが、現在社会の価値観ではないでしょうか?
業者も秘書も世間で非難されるような不当な単価でなければ良いことです。
特別な安い納入単価・事実上の賄賂でないか?という疑いも決め手になるのは・「事実」で決まることです。
慰安婦が性奴隷であったかどうかも強制事実の有無で決めるべきことで、事実論証なしに国連で「日本政府が認めないのはけしからん」と月に2回も繰り返していたとすれば、まともな議論をしていたように見えません。
NGOが国連で述べた意見としてNGOがPDFにして15年10月頃まで公開していたものを昨日引用しましたが、「こういう事実があるから性奴隷だ」という意見が一切出てこない印象です。
(どこかで具体的証拠を挙げているのを私が知らないだけかもしれませんが・・)
こういう根拠ない意見でも繰り返せば既成事実になる・継続は力なりの現実を示すののが国連の現実らしいです。
上記15年から3年経過現在のニュースです。
https://www.sankei.com/world/news/180816/wor1808160038-n1.html

2018.8.16 22:40更新
国連人種差別撤廃委で4年ぶり対日審査 慰安婦問題が議題に
【ジュネーブ=三井美奈】国連人種差別撤廃委員会は16日、ジュネーブで約4年ぶりの対日審査会合を開いた。17日までで、慰安婦問題やヘイトスピーチ対策などが議題となる。
2014年の前回審査後、委員会は(1)慰安婦への人権侵害をめぐる調査実施(2)加害者の責任追及(3)元慰安婦や家族への謝罪-などを日本に勧告。ヘイトスピーチをめぐっては、人種差別的な暴力や憎悪の扇動への対応を要求しており、今回の審査で日本の取り組みに焦点が当たりそうだ。
慰安婦問題について日本政府は、15年の日韓政府間合意で最終解決を確認したとする立場。7月に審査会合に向けて提出した政府報告では、国内の反ヘイトスピーチの取り組みを説明した。委員会は、30日に日本への勧告を公表する予定。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180817-00000035-cnippou-kr国連人種差別撤廃委員会、会議で日本に慰安婦問題など叱責
8/17(金) 15:17配信 中央日報

16日(現地時間)、スイス・ジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会会議で、日本の慰安婦問題の立場に対する叱責が相次いだ。

会議に参加したゲイ・マクドゥーガル委員(米国)は日本の人種差別審査で「なぜ慰安婦被害者が満足する形で日本政府が謝罪と補償ができないのか理解できない」と発言したと共同通信が17日、報じた。

https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1534465631/-100

【国際】「日韓合意、解決にならず」~ 国連人種差別撤廃委員会、慰安婦問題討議
国連人種差別撤廃委員会は16日、約4年ぶりとなる対日審査会合をジュネーブで開き、日韓両国間の懸案である旧日本軍の従軍慰安婦問題が前回審査に続いて討議された。
米著名人権活動家のマクドゥーガル委員は「なぜ元慰安婦らの満足いく形で日本政府が謝罪と補償をできないのか理解できない」と述べ、2015年の日韓政府間合意では解決にならないとの見方を示した。

上記の通り日本語では従軍慰安婦と翻訳されていますが、(英文が出ていないので不明ですが、もしかしたら国連では日本NGOが推進してきたJapan’s military sexual slavery「性奴隷」となっているのではないでしょうか?
この点について事実根拠がないと否定をしないとそもそも「まともな議論」にならないでしょう。

http://www.thutmosev.com/archives/56200435.html
2016年03月08日10:19

国連がありもしない日本の罪を、次々にでっち上げるのは何故なのか?
国連そのものが日本の罪をでっち上げ、日本との戦争に勝つための組織だったからです。
国連の何々委員会はイルカから慰安婦まで定期的に「日本の罪状」を探して非難決議している。
国連の創設当初から「日本の罪をでっち上げる事」が国連の任務であって、第二次大戦に勝つためだった。
反日左翼しか委員に任命されない
国連の何々委員会を名乗る人間が、時おり日本を名指しして非難する事があり、近年その頻度が増えている。
国連の世界遺産委員会が明治文化遺産で「朝鮮人強制労働」で日本に謝罪するよう迫ったのは記憶に新しい。

これも根拠不明の意見のひとつですが、こういう意見が影響力を持つようになるのは結果から見て不思議な勧告や決議が続きすぎるからです。
証明方法に疫学的証明ということがありますが、根拠なき非難決議・勧告が続くと組織そのものが根本から信用を失うようになります。
司法も同様で政治から独立していることを根拠に、国民常識を無視した判決が続くと司法の権威信頼が失墜してしまいます。

表現の自由と国外での自国批判(NGO2)

政治意見があれば憲法・人権学者が金科玉条にしている国内「思想の自由市場」に発表し、国内世論形成に努力しないで、(こっそり?・英語にとっつきにくい日本人多くが、アクセスしないだけのことですが・・)国外で日本の道義退廃を流布する必要性が私にはわかりません。
上記2件だけ(過去の活動までは見る暇がなかったので・・)見ても賠償金、あるいは教科書のテーマと内容を変えていながら、毎回「日本軍のセックス奴隷」と言う表現を多用して「セックス スレイブ」の印象づけを狙っているようなイメージを受けます。
ただし、巧妙に?「歴史事実を否定している日本政府」という修飾語をかましていますが、これを繰り返すことによってイメージ戦略としては国際的には「Japan’s Military Sexual Slavery・日本軍性奴隷」と言う印象づけに精出している印象を受けます。
以下NGOヒューマンライツナウが15年11月当時削除しないで残していた原文(・・この数日間で同NGOに入って見た限りではもはや見つかりません)を紹介しましょう。

(以下日本語訳は私の誤訳?です)
「Human Rights Now is gravely concerned about the government’s sustained denials of historical facts with regards to Japan’s military sexual slavery during World War II, as well as the continuing violations of survivors’ human rights.
(日本軍性奴隷Japan’s military sexual slavery・・の歴史事実を否定する日本政府denials of historical factsHuman

  Rights Nowは、・・に重大な関心を持っていると言うのですから、文書作成者は韓国の主張している歴史認識が正しいと言う立場でしょうか?)
この前提事実によれば、以下のように日本の教科書検定が正しい歴史認識を否定し人権侵害という主張になってるようです。
英文に弱いので読み違いがあれば、ご容赦ください。
(ご自分で翻訳し直してください)

・・・・Minister Abe said “Now unjust slander is being circulated in the world portraying Japan as a nation that forced them into sex slaves,” which he complained jeopardizedJapan’s reputation.・・・・・。

日本は 「sex slaves」を強いた国として今や不正な中傷が流布され ・・、日本の評判を貶めていると安倍は不満を言った。
Moreover, (しかしながら)Japan has failed to follow the UNrecommendations to educate the・・・・Instead, increasing censorship of the issue has been observed in schoolbooks.・・・・。(国連の勧告にも関わらず教科書検閲を強化している)
・・・・We urge the Japanese government to stop abusing survivors’ human rights and dignity through its attempts to rewrite history (歴史書き換えの試みによって人権と尊厳を脅かす行為をストップするよう日本政府に要求 ・urgeする)and to immediately take action to ensure their rights to justice and reparation. In addition, we strongly recommend (強くstrongly要請する)all relevant mandate holders to conduct a joint fact finding mission to Japan (適切な権限のある事実調査団の派遣を?)and to make joint recommendations in this regard.
15年11月3日に紹介した池田氏の以下の記事は、ここに想像の根拠を有していたようです。

「池田信夫 @ikedanob 2015-10-30 16:34:22
国連に「性奴隷」を売り込んだ弁護士が、今度は「日本の女子学生の30%が援助交際」などのネタを売り込んでいる。 twitter.com/KazukoIto_Law/」

裁判となれば、「日本政府が否定している性奴隷」と毎回書いているので、日本の立場を紹介しているので日本を貶める運動ではないと言う論理になるのでしょうか。
そういうことが通用するならば、同弁護士を「国連に性奴隷を売り込んだことはないと否定している◯◯ベンゴシが・・」と毎回書けば名誉毀損にならないのでしょうか?
何となく、中国古代の「白馬非馬論」のような詭弁を弄しているように見えますが、如何でしょうか?
こんなことを言って自己満足していると法律家がみんな(司法権全体)「詭弁家」か?と思われる・社会の信用をなくして行く心配があります。
私は、法律家が屁理屈に走りすぎて世間の信用を失わないかを心配しています。
名誉毀損訴訟の結果伊藤弁護士の勝訴で終わったようですが、伊藤弁護士が国連調査者に述べた証拠を出して、公正に争った結果、同弁護士がこれといった誇張表現をしていなかったという認定になったのであれば同じ弁護士として同慶の至りです。
あるいは性奴隷を流布していた事実はあるが、児童売買春を誇張して流布していたという点だけ真実性証明が足りないとして名誉毀損になったのかもしれません。
あるいは性奴隷を流布していた事実はあるが、児童売買春を誇張して流布していたという点だけ真実性証明が足りないとして名誉毀損になったのかもしれません。
僅か57万円の損害賠償(1審→2審では倍増になったようです)になったのは、児童売買春の点もかなり自己吹聴していたので、同弁護士がガンバった点について証拠こそ出せないものの信じた点は過失に過ぎないという減点?があったかもしれません。
訴訟自体を知らないので部外者は憶測ばかりで合理的批判しようがないのですが、政治問題が訴訟になった事件では、それで良いのかの疑問で書いています。
BPOのように判決概要くらい公開すべきではないでしょうか?
私の実務経験では、裁判所はどんな事件でも事案をよく見ていて、公平な運用をしているのが普通です。
だからと言って、「知らないもの(・・部外者)は黙っているべし」というだけでは、個人的(工事代金や売掛金請求など一般民事、離婚事件)民事訴訟と違って、もともと政治的論争への政治効果を狙った事件・・政治色のある事件では、司法界は(左右両翼から)偏っていると言う思いこみ批判が起きるばかりで国民の司法への信任が進まないでしょう。
左翼系が負ければほとんどの場合「不当判決」の横断幕が掲示されますが、こういう不毛な批判を止めるには、プライバシー部分を除いた判決概要・争点と判断過程をネット公開した方が、国民の司法への理解・信頼が進むのではないでしょうか?
(公開によって裁判所は概ね公平な運用をしていることが良く分かって、国民の信頼が高まるはずです)
裁判は公開の法廷で行うことが憲法上の要請になっているのは、国民の理解・納得によって司法が維持できることをあらわしています。
この意を体すれば、ネット公開には費用がかからないのであるから、判決があった時にはすべからく(性犯罪その他特殊事件や固有名詞等判断の合理性理解に関係ない部分を除いて)、判決書をネット公開し国民批判=納得を得る方法でもあります・に晒すべきと思われます。
我々弁護士会でも平成の初め頃から懲戒処分があったときには決定要旨だけですが、公開する仕組みになっています。
その点、BPOは概要の他に決定内容をネット公開しているようですから合理的です。
ただし、私の方は個人的事情(暇がないだけ)で概要しか読んでいない・・全文を読む暇がないと言うだけですから、BPOの責任ではありません・・見たい場合には、誰でも全部見られるようにすべきでしょう。
各種公文書公開制度は、公開していても滅多に見る人がいないとしても、いざとなれば誰でも見られる点に公開制度の意味があります。
わざわざ役所等へ出向いて申請して費用を払ってまでみるには、よほどの具体的利害関係や事前情報をあらかじめ得ていないとできませんが、ネット公開してくれれば、自宅にいながら気になった時点で念のためちょっとみることが可能です。

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