フェイクニュース3(拡散の原動力1)

善意で見れば、大手企業のように何段階もの社内第三者チェックを受けない分、発信チェックが甘くなります。
私のように仕事の合間に思いつきを書いている素人からすれば、どこかのネット記事に出ているとそれが事実かどうか確認する方法(時間・取材陣を雇うコスト?)もないのでそのまま引用しがちです。
私自身(嘘かほんとか不明であるが)「こういう記事が出ています」という書き方を普通にしています。
引用のたびに上記括弧書きをつけるのも煩雑だし、信用性の判断は引用先を書いているので、その引用先を信用するかどうかの判断を読者がして下さいという書き方になっています。
読者の方で、引用先が大手メデイアか個人か匿名記事かなどで過去の実績で自己判断するしかないのではないでしょうか?
大手でもA社ならこの分野の記事の信用性が高いがB社ならこの部分の信用性が低いとか、それぞれの政治的立場によって、割引方が違うでしょう。
大方の人は、自分の気に入った情報を信じやすい(ファクトチェックが甘くなる)と言われますが、この応用例・・トランプ支持者が反クリントンのデマ情報に一も二もなく飛びついたと言われる現象に現れています。
逆からいえば、信じたい人しか信じないとすれば、(元々の支持者が舞い上がっているだけで)フェイクニュースの影響力はそれほど強くないのかも知れません。
沖縄の報道でも、モリカケでも、先に自分の立場があってこれに反対の報道があっても「また大げさに言ってる」という反感を持つだけです。
私のように突然気が変わり別の意見を書く・・一貫性を気にしないこのコラムでも、「この人はこういう傾向の意見だから・」という先入観で読んでいる人が多いでしょう。
こうしてみると元々ほとんど関心のなかった浮動層に対する影響力の問題です。
浮動層に対する影響力は従来通り、メデイアの一方的報道の影響力が甚大です。
トランプ政権有利のフェイクニュースの影響力に関する調査では、圧倒的多数が大手メデイアの報道で知ったというものだったらしいです。
(私自身その調査が本当にあったのか、どういう調査方法だったのか正確なのかについてファクトを知る手立てがありませんので、もしかしたらフェイクニュースに加担していることにもなり兼ねません)
トランプ氏の選挙費用はこのおかげで少なく済んだと豪語していると言われることとも符合しています。
冒頭に書いたように「真偽不明」ですが・」という「断り書き」があるかないかではなく視聴者は、(多くの人は仕事の合間にチラッとしか見ないこともあって)ニュース内容だけを直感的にインプットされてしまう傾向があるからです。
今後安易な拡散防止のためには、我々素人も引用するときにどうやるべきかの工夫が進むのでしょうか?
他方で、チェック能力の甘さが原因というよりは、あんちょこに発信できることから、「いいね」をふやすことに満足するだけのための意図的フェイクニュースがいっぱい出てきたようです。
政治的には右でも左でも反ユダヤでも民族派でも何でもいいが、とも角「いいね」視聴者を増やして稼ぎたい一心で過激さを競うような見出しで商売にする人も出現します。
http://www.huffingtonpost.jp/kazuhiro-taira/fakenews-maker-was-dead_a_23229251

平 和博 朝日新聞記者(デジタルウオッチャー)
2017年10月04日 11時29分 JST | 更新 2017年10月04日 11時29分 JST
フェイクニュースで”トランプ氏を大統領にした男”として知られ、米大統領選をめぐるフェイクニュース騒動を象徴する人物、ポール・ホーナー氏が死亡した、と欧米のメディアなどがこぞって伝えている。
・・・・・
「トランプ氏のフォロワーは何であれ、ファクトチェックというものをしない。何でも投稿し、すべてを信じる。トランプ選対の本部長は、反トランプのデモ参加者が(手間賃として)3500ドルを受け取っていた、という私の記事を、事実のように投稿していた。結構、あれは私のでっち上げだ。」
ホーナー氏のフェイクニュースは、なぜ拡散するのか――ワシントン・ポストのインタビュー記事で、こう答えている。
「正直に言うと、みんな本当に、思った以上にバカだ。ただ次から次へと転送するだけ。もう、誰も何のファクトチェックもしない――つまり、こんな風にトランプ氏は当選したんだ。彼は何でも言いたいことを言う。みんなそれを全部信じる。彼が言ったことが事実でないとわかっても、誰も気にしない。みんなそれを受け入れてしまっているんだから。これは本当に恐ろしい。こんなの見たことがない。」
フェイクニュースを拡散させる動機を聞かれると、ホーナー氏はこう答えている。
「バカげたことを信じる奴らを、笑いものにしてやろうと思っていたんだ。ところがそれが拡散してしまった。彼らはそれを、本当に信じてしまったんだ。」
トランプ氏の当選はあり得ないと思っていたし、トランプ氏のことは嫌いだ、とホーナー氏は言う。
・・ただ、自身のサイトはあくまで風刺とパロディーのサイトであって、他のフェイクニュースサイトと一緒にされたくはない、とホーナー氏は述べていた。

アメリカのプロ的フェイクニュース発信者の上記意見の通り、自分の信じたいものに飛びつく傾向が強いのです。
そして熱烈共感者が拡散するとそれを別の共感者がさらに拡散することの繰り返しで、あたかも多数が支持しているかのような現象を生じさせてしまう・・・これを大手メデイアがニュースで大々的に取り上げる結果、ネットを見ない一般人もそれを信じてしまう傾向が論じられています。
猫の動画などのお遊びや家庭内の揉め事なども実話ではなくフォロワー獲得のために誇張されていても社会問題になりませんが、これが政治分野に利用され、それが本当らしく政治に利用され一昔前の「怪文書」化されるようになった・・・大手メデイアの支持しない対極にあるトランプ陣営がこれを最大活用したので、大騒ぎになって来たと思われます。
クリントン支持層は日頃から大手メデイアの報道に不満を抱いていない・・不満度が低いのでフェイクにそれほど飛びつなかった原因のように見えます。
従来文化人や憲法学者はメデイア界がグローバリストやリベラリストに牛耳られている現実(勿論この論証はないでしょうからこの主張自体フェイクかな?・・)を無視して「思想の自由市場論」を展開してきました。
市場が一定傾向の思想グループが支配されている結果、そのグループに反する思想は市場から締め出され「自由な市場競争」が本当は成立していなかった疑いを持たれるようになってきました。
(占領支配下で肝腎の日本国国益擁護勢力皆無・一掃され?その空洞下で米ソ思想支配の草刈り場となり、その後中韓による日本メデイア界への侵蝕競争が行われ、肝腎の地元日本人がその(植民地被支配民族のように)下風に立たされていると思い込んでいる人が増えてきました。)
この結果、日本ではリベラル系(最近では中韓二大勢力)に有利な際どい「編集」記事が多すぎるという不満が表面化してきて、2月5日紹介した台湾原住民報道に対する大規模訴訟になったのでしょう。

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