フェイクニュース8と思想の自由市場論1

米大統領選挙によって表舞台に飛び出したフェイク論議はアメリカによる報道支配・・アメリカ憲法学者の言うアメリカ支配に都合の良い「思想の自由市場」の崩壊・陰りが原因です。
憲法学者のいう思想の自由市場論は、マスメデイアを支配する勢力に迎合する意見発表の自由論です。
メデイア支配者の意に沿わない発言があると・メデイア界で袋叩きにして有力政治家でもすぐ失脚させてしまう実力を持つ社会・言葉尻を捉えて見せしめ的に発掘しては吊るし上げて「失言」ですら如何に怖い目に遭うかを見せつけて自由な発言を萎縮させる社会でした。
日本では安倍政権が誕生するまでは、政治家を続けるには(アメリカ支配・その手先としてメデイア界勢力を張ってしまった中韓勢力の)「メデイアを敵に回したらおしまい」というのが不文律になっていました。
安倍政権はこの不文律に挑戦したので、当初歴史修正主義者・アメリカによる戦後秩序否定論者のレッテル張りされていました。
メデイア界総力あげて彼の追い落としを画策していて、第一次安倍政権では、(根拠なく)如何にも頼りなさげな表情ばかり選んで報道する印象づけ報道で、あえなく退陣に追い込まれましたが、第二次政権では上記に懲りた安倍総理の正面突破作戦でメデイア界の雄であった朝日新聞とフジテレビが逆に追い込まれました。
中国による尖閣諸島海域侵犯行為と反日暴動プラス韓国による慰安婦攻勢激化に対してメデイアが米国による戦後秩序維持・非武装平和論・周辺国に何をされてもじっと黙っている図式を宣伝しても国民が納得しなくなったからです。
昨年夏の小池劇場では、「メデイア(護憲派が選挙のためにだけ改憲派小池氏に近づき選挙が終わったら民進党系多数を頼んで党方針を護憲政党に引き戻す戦略)に逆らったから負けた」とメデイアが宣伝していましたが、私は国民が左翼寄りメデイアの上記策略を拒否したからであることを昨年夏頃に連載しました。
日本では、政治家や公務員等がメデイアの意(結局は米中韓の利益)に反することを言うと「〇〇がそんなことを言って良いのか」という非難の嵐で謝罪に追い込み議員辞職に追い込むのが普通でした。
自由な思想市場など全くない状態です。
大手新聞は朝日、毎日、読売、日経4社の次に中堅の産経が続く程度の寡占市場ですし、テレビ界もほぼ同様です。
この独占的言論市場を占領軍が抑えた上で、その支配を続けるために見張り役を残す英米流の継続支配が続きました。
こういう「自由な思想市場」に任せるとどうなるか?
これが戦後70年も続いた結果、自国のためになることをうっかり言えない・正論は仲間内で「もぞもぞ」としか言えない社会になっていました。
米国→占領終了後は、日本監視役/手先として韓国系を使うようになった結果、今では中韓系多数が入り込むメデイア界では、(将軍家側用人が権力を握るように)アメリカの意向で動くよりも本国中韓の意向反映の方が色濃くなってきました。
靖国参拝問題の政治問題化以降アメリカの手先としての行動よりは、中韓の反日運動目的の軸足を置くようになって来たのですが、それを効果あらしめるために「錦の御旗として」「アメリカの作った戦後秩序・東京裁判を否定するのか!」というテーマにすり替えて来たことになります。
ブッシュ元大統領が日本訪問時に自ら靖国神社参拝を求めたのは、むしろこんな非生産的紛争にアメリカが利用されるのを嫌がっていることを(リップサービスか否かの解釈は別として)意思表示した事になります。
http://www.news-postseven.com/archives/20140510_255131.html

ブッシュ元大統領 靖国参拝申し出たが日本側が明治神宮変更

以後、尖閣諸島や慰安婦騒動等になってくると米国利益のための手先としての行為より中韓の利益が正面に出てくるようになってきました。
アメリカの意向と関係がないからこそ、日本も果敢に反撃できるようになった面がありますし、逆から見れば、「迷惑だから早く収束してほしい」というアメリカの圧力にもなっています。
ただ中韓系人材がアメリカのために日本の内情報告したり日常的細かなアメリカの対日世論誘導工作協力はそのままですから、アメリカは中韓系人材を切ることも出来ず、板挟みになっているのではないでしょうか。
世界政治での日本の存在が大きくなってくると、ついにアメリカも態度をはっきりさせるしかなくなり慰安婦騒動では日本有利な調査結果を出したので、朴槿恵が窮地に追い込まれることになりました。
アメリカは日中韓3国中で日本をとる意思表示を示したのですが、もともと安倍総理敵視から始まったことを想起すれば、ここまで逆転したのは安倍外交の勝利・大成功でしょう。
メデイアと民意の乖離に戻します。
民意=普通は国益を実現するものですが、これとメデイアの誘導したい方向との乖離が起きる原因は、日本の場合、占領されていた後遺症から基本的に国外勢力がメデイア内部を牛耳る体制が確固として構築されていることによると思われます。
アメリカの息のかかったメデイア界を作っておいて「思想の自由市場」で学問の方向を決めて行くといっても、アメリカの意に反する多数意見が成立する余地がないし、この20年ばかりではその手先になっている中韓の意向に反することをちょっと言おうものならばメデイア界で袋叩きになる仕組みでした。
アメリカ支配の時にはまだ婉曲的でしたが、その手先に使っていた中韓が影響力を持ってくると(ソフト能力が低いので)やり方が露骨になったこともあって、彼らの影響力行使が国民にはっきりしてきました。
多数意見・メデイアのでっち上げ(中韓利益擁護)「思想の自由市場」?に頼る社民や民進党が無記名選挙で苦戦するのはこのせいです。
最近英語でもPC(ポリティカルコレクトネス)の弊害が言われるようになってきましたが、英語圏でさえ大手メデイア・主としてリベラリスト・グローバリスト?のでっちあげる「正義」に耐えられない人が増えてきたのでしょう。
国民の健全な意識に反するメデイアに対する不満の爆発現象をフェイク批判のキャッチフレーズで表現しているのがトランプによるフェイク批判ですし、トランプ旋風のエネルギーであったように思われます。
トランプ氏の政策の基本が反グローバル化(国際多角的合意の破棄)であることから見れば、彼の標的がフェイクかどうかではなかった・メデイア界の手放しの(合理的規制不要の)グローバル化賞賛思想支配に対する挑戦であったことが明らかです。
トランプ氏当選以来問題化しているフェイク論争は、実はフェイクかどうかの事実認定の問題ではなく、メデイアによる一定方向への脚色誘導報道に対する反感の問題ですから、フェイクそのものに矮小化してその区別を議論していても解決にはなりません。
メデイア界は、自分らの痛い点に焦点が行かないように意図的に的外れ議論をしているように見えます。
2月4日の「フェイクニュースとは?1」で紹介したように、フェイク対策のために「ファクトチェック体制構築する、あるいはした」と言っていたフェイスブックが、昨年末にこれをやめて参加者の共感度で決めていくと発表したのは、「メデイア界はこの論争をうやむやに終わらせたい」からと深読みすることも可能です。
「ファクトチェックをやめることにした・共感度次第」ということは、事実上放任ですからこれでフェイク論争を自然消滅させようとしていたように見えます。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC