虚偽報道とマスコミ倫理3

マスコミ業界は記者が自分で珊瑚礁を傷つけることに始まって自分で架空の事実をでっち上げて、マスコミの誘導したい方向への虚偽・やらせ報道を繰り返している内に真実を報道する使命をないがしろにする習慣・やって良いことと悪いことの区別がつかないほど倫理観が鈍麻してしまったのでしょうか。
沖縄の珊瑚礁事件では記者個人責任になったのかどうか知りませんが、でっち上げ報道するには、個人では無理です。
テレビ報道用に撮影するには、記者個人がふらっと言って出来ることではありません。
企画して上位者の決済を得てチームを組んで・船をチャーターするなどして大掛かりな予算を組んで組織で現場に赴き撮影するものですから、個人でちょっとしたデータ改ざんをした場合とは桁が違います。
「綺麗な珊瑚礁がある」と言うだけの報道企画ではなく、「落書きが大変だ」と言うテーマでの企画となれば、前もっての通報などの情報があって始めるのでしょうが、そのような通報があっても、事実確認のために現地組合などに確認の電話するくらいは大した手間ではありません。
電話確認を行なった上でそう言う事実がありそうだとなっても、自社での予備調査もしないでイキナリ大規模な本体派遣は無謀ですから普通はやっているでしょう。
この段階で何の書き込みもなかったことが判明している筈です。
簡単な確認行為すらしないで、始めっから落書きありきで計画して大挙して出張して行ったとなれば、記者個人の犯罪的行為ではなく、組織全体で虚偽でっち上げ報道する計画で行なっていた疑いが濃厚となります。
マスコミは第4の権力とおだてられ、マスコミが誘導したい方向へどんなことでも出来ると言う思い上がった態度がこれを助長してしまったのでしょうか。
この傾向は左翼系だけではなく、右翼も同様です。
土井たか子氏が真実は朝鮮人であると断定的報道をした人が裁判で負けていますが、何の調査もしないで、ネット書き込み記事を取材源にして元大手編集局長の肩書きのある人が虚偽報道していたらしいのです。
(かくいう私のこの紹介自体が、ネット報道による事実を前提にした意見です・・個人の意見はネットやマスコミ込報道以外に事実確認する能力や時間やコスト上無理・不可能ですから、ネット報道による意見も許されるでしょうが、プロのマスコミ人・・独立したジャーナリストがいかにも自分が調査したかのように断定的報道するのはルール違反です。)
こうした無責任報道の繰り返しの結果、左右双方で倫理基準がドンドンずれて来ていたように見えます。
朝日新聞の行動で驚いたのは、虚偽報道をするに留まらず自社の虚偽報道批判者を脅して大企業の力で抹殺しようとすることまで始めるようになって来たとすれば、(・・これも私自身ネット報道によることですので真偽は不明です)最早言論人としての最低の基礎倫理が失われています。
ところで、人権擁護上の必要性から、国家の監督を受けない弁護士会の場合、非違行為がひど過ぎて弁護士の基本倫理を失ったと認められる場合、懲戒処分で資格剥奪まで準備されています。
朝日新聞の一連の行動をみれば、業界に自律的倫理委員会が仮にあれば、本来マスコミとしての基本資格を失うべき非行ではないでしょうか?
もしも個人行為であれば記者資格喪失・懲戒解雇が許される事態ですが、企業が組織としてやったならば何をしても良い・企業としての懲戒処分を求めるべきではないと言う論調が多いのが不思議です。
沖縄珊瑚礁事件では、でっち上げ報道した記者は懲戒処分されているはずですが、企業の組織ぐるみの虚偽報道の場合、企業自体にはオトガメない・・、企業自体のマスコミ業界からの退場処分が、何故議論されないのでしょうか?
あたかもそこまで議論するのは、報道の自由の重みが・・・と言うためらいがある・・私自身もまだ肚が決まっていませんが、報道の自由=その重大性に鑑みると・・慰安婦報道は取り返しのつかない国益の損害をもたらしました・・。
このオトシ前をつける必要があるのは確かでしょう。

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