国民意思僭称と大義なき解散論

親中政権であった民主党政権時代にもっと忠誠を尽くせ!と言わんばかりの追い撃ち・尖閣諸島侵犯や反日暴動の洗礼を受けましたし、韓国では親中路線に舵を切ったパク大統領から現在の文政権になっても、かえって観光客絞り込みや、韓国ロッテや現代自動車への嫌がらせなど相次いで露骨な仕打ちを受けています。
中国は相手が旗下に入ったり屈したとなればとことん搾り取る方式のようです。
奥田氏は流石に「中国と仲良くすれば良い」というのではもはや無理があると思ったからか?国会では過半数の意思を尊重しろというような主張に終始しています。
何が過半数かは選挙で国民意思を問うしかない・・そこまで行けばあとは堂々巡りですので、文字通り国民意思を決定すべき段階・・論議を打ち切って採決すべき時機は熟していることになります。
民主主義とは議論を尽くせば採決すべきで、議論が尽きたのちも際限ない議論を予定していません。
奥田氏国会発言引用続きです。

『理解してもらうためにきちんと説明していく』と現政府の方はおっしゃられておりました。
しかし説明した結果、内閣支持率は落ち、反対世論は盛り上がり、この法案への賛成の意見は減りました。
・・・世論の過半数を超える意見は、明確にこの法案に対し、今国会中の成立に反対しているのです。自由と民主主義のためにこの国の未来のために、どうかもう一度考えなおしてはいただけないでしょうか。

結局彼の論拠は、説明が合理的でないから理解困難という主張でなく、世論の過半数が反対だから法案反対と言うようですが、国民意思がどうであるかを聞くための国会意見陳述制度ではありません。
政治は国民の意思に従うべきですが、それは野党やメデイアが決めた国民意思ではなく、選挙で決めることです。
国民意思がどこにあるかを読み違えれば、読み違えた方がリスクをとるのであって法案反対者から教えてもらう必要がありません。
世論動向はそれぞれ陣営内での情勢分析によるのであって、与党が彼に情勢分析を頼んだのではないので余計なお世話というべき発言です。
上記によると・・自分らは主権者・・国民過半数が反対しているという主張が印象に残ります。
そもそも国会は世論がどこにあるかの審査機関でなく(情勢の読みはそれぞれ政党の自己責任・・失敗すれば選挙に負けますの専権事項です)法案自体の議論をする場所です。
大手メデイアは選挙で負け続ける野党に対する援護として?世論調査でいかに内閣支持率が下がり続けているかという世論誘導を続けています。(調査主体により偏りがあることは7月15日に紹介した通りです)
民主国家においての主権行使は選挙結果によって示される多数意思によって実現すべきであって、個々人が主権者である自分の意見に従えと主張する権利でありません。
特定人や機関がこれが世論だと決めつける権利を認めていません。
国民意思を決めるのは選挙の結果のみであり、そのためには民意を問う選挙は多いほど民主制度の実効性を高めることになります。
多数意思を知る方法は、デモや言論によるのではなく選挙だけです。
デモや言論は「多数意思形成に影響力がありうる」手段に過ぎず結果ではありません。
議論で声が大きい方が多数とは限りませんし、大手メデイアの意見が国民多数意見でもありません。
デモをいくら派手にやっても(仲間内がいっぱい集まった・・大成功と自己満足をしていても)国民が支持しない主張であれば空振りです。
国民の支持が多かったか、デモは迷惑だという人が多いかは選挙で決めるべきことで、奥田氏や大手メデイアが決めるべきものではありません。
奥田氏の15日の国会公述の2日後の17日には以下の朝日新聞の報道が出ています。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13

2015年09月17日
(社説)衆院選 大義なき解散 「首相の姿勢」こそ争点だ:朝日新聞 …

見出ししか読んでいませんが、あれだけ安保法案反対の国民世論が盛りあがっている・国民が反対しているとキャンペインを張っていたのに、解散モードになるといきなり、安保法案反対を争点にせず、総理の姿勢が問題と争点をスリ変えて、「大義なき解散」と言い張り選挙阻止に走るのが朝日新聞であり野党です。
こういうメデイアの世論調査など誰も信用していないでしょう。
上記朝日新聞社説は奥田氏が国会公述した日の2日後の社説ですので、もしかして彼の国会意見陳述・・主権者である私の意見を尊重すべしという印象を与える思い上がった主張?に対するブーイングが凄まじかったからではないでしょうか?
野党も朝日新聞も国民の多くが反対しているならば、選挙で民意を聞く機会が来たのを喜ぶべきですが、いざ解散風が吹き始めると何やかやと反対するのではこれまで強調していた民意無視という主張はどうなったの?となります。
選挙すれば大敗覚悟だったから解散を批判して安保法案はテーマではないと言い出すのでしょうか?
7月28日に、14年12月総選挙直前に行われた共産党党首の記者会見記事を引用しましたが、そこでも見出しは「大義なき解散」という大見出しでした。
民主党政権後の安倍政権以降、選挙の都度自民党は大勝し革新系野党は議席を減らす一方です。

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