キリスト教国の国際条約6(ハーグ陸戦条約)

日米戦争でのアメリカの戦時条約違反を主張する声が多く聞かれるものの、条約自体をみた方が少ないかも知れませんので、以下現代版ウエストファーリア条約であるハーグ条約を紹介しておきます。
https://ja.wikipedia.org/wiki

ハーグ陸戦条約
1899年にオランダ・ハーグで開かれた第1回万国平和会議において採択された「陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約(英: Convention respecting the Laws and Customs of War on Land, 仏: Convention concernant les lois et coutumes de la guerre sur terre)」並びに同附属書「陸戦ノ法規慣例ニ関スル規則」のこと。

我が国は1907年の改訂条約から参加していますので以下この条文の一部を紹介します。
アメリカの2度にわたる原爆投下実験その市街を取り囲むように火をつけてからに順に中心部に焼夷弾を投下して住民が逃げられないようにした攻撃など元々住民大量殺戮を目的にした戦争犯罪に関心のある方が多いでしょうから、参考までに陸戦条約の条文を部分的に紹介しておきます。
前文は如何に抜粋するように条文化していなくとも人倫に反する行為をしないことを約束したものです。

「一層完備シタル戦争法規ニ関スル法典ノ制定セラルルニ至ル迄ハ、締約国ハ、其ノ採用シタル条規ニ含マレサル場合ニ於テモ、人民及交戦者カ依然文明国ノ間ニ 存立スル慣習、人道ノ法則及公共良心ノ要求ヨリ生スル国際法ノ原則ノ保護及支配ノ下ニ立ツコトヲ確認スルヲ以テ適当ト認ム。」

以下はhttp://1st.geocities.jp/nmwgip/Treaties/Laws_and_Customs_of_War_on_Land.htmlの部分引用です

陸戰ノ法規慣例ニ關スル條約
Hague Convention IV – Laws and Customs of War on Land
一九〇七年(明治四〇年)一〇月一八日海牙ニテ調印
独逸皇帝普魯西国皇帝陛下〔以下締約国元首名省略〕ハ、平和ヲ維持シ且諸国問ノ戦争ヲ防止スルノ方法ヲ講スルト同時ニ、其ノ所期ニ反シ避クルコト能ハサル 事件ノ為兵力ニ訴フルコトアルヘキ場合ニ付攻究ヲ為スノ必要ナルコトヲ考慮シ、斯ノ如キ非常ノ場合ニ於テモ尚能ク人類ノ福利ト文明ノ駸駸トシテ止ムコトナ キ要求トニ副ハムコトヲ希望シ、之カ為戦争ニ関スル一般ノ法規慣例ハ一層之ヲ精確ナラシムルヲ目的トシ、又ハ成ルヘク戦争ノ惨害ヲ減殺スヘキ制限ヲ設クル ヲ目的トシテ、之ヲ修正スルノ必要ヲ認メ、千八百七十四年ノ比律悉会議ノ後ニ於テ、聰明仁慈ナル先見ヨリ出テタル前記ノ思想ヲ体シテ、陸戦ノ慣習ヲ制定ス ルヲ以テ目的トスル諸条規ヲ採用シタル第一回平和会議ノ事業ヲ或点ニ於テ補充シ、且精確ニスルヲ必要ト判定セリ。

一層完備シタル戦争法規ニ関スル法典ノ制定セラルルニ至ル迄ハ、締約国ハ、其ノ採用シタル条規ニ含マレサル場合ニ於テモ、人民及交戦者カ依然文明国ノ間ニ 存立スル慣習、人道ノ法則及公共良心ノ要求ヨリ生スル国際法ノ原則ノ保護及支配ノ下ニ立ツコトヲ確認スルヲ以テ適当ト認ム。
締約国ハ、採用セラレタル規則ノ第一条及第二条ハ、特ニ右ノ趣旨ヲ以テ之ヲ解スヘキモノナルコトヲ宣言ス。
〔全権委員名省略〕
因テ各全権委員ハ、其ノ良好妥当ナリト認メラレタル委任状ヲ寄託シタル後、左ノ条項ヲ協定セリ。
第一款 交戰者
SECTION I ON BELLIGERENTS
第二章 俘虜
CHAPTER II Prisoners of war
第二款 戰闘
SECTION II HOSTILITIES
第二二條 交戰者ハ害敵手段ノ選擇ニ付無制限ノ權利ヲ有スルモノニ非ス
Art. 22. The right of belligerents to adopt means of injuring the enemy is not unlimited.
ホ 不必要ノ苦痛ヲ與フヘキ兵器、投射物其ノ他ノ物質ヲ使用スルコト
(e) To employ arms, projectiles, or material calculated to cause unnecessary suffering;
第二五條 防守セサル都市、村落、住宅又ハ建物ハ、如何ナル手段ニ依ルモ之ヲ攻撃又ハ砲撃スルコトヲ得ス
Art. 25. The attack or bombardment, by whatever means, of towns, villages, dwellings, or buildings which are undefended is prohibited.
第二七條 攻撃及砲撃ヲ爲スニ當リテハ宗教、技藝、學術及慈善ノ用ニ供セラルル建物、歴史上ノ記念建造物、病院竝病者及傷者ノ収容所ハ同時ニ軍事上ノ目的ニ使用セラレサル限之ヲシテ成ルヘク損害ヲ免レシムル爲必要ナル一切ノ手段ヲ執ルヘキモノトス
被圍者ハ看易キ特別ノ徽章ヲ以テ右建物又ハ収容所ヲ表示スルノ義務ヲ負フ右徽章ハ予メ之ヲ攻圍者ニ通告スヘシ

 

PC・二重基準の限界(サウジ記者殺害?)

格差拡大・・トランプ氏の1国主義の主張・・それらは全て「国民レベルでは、優等生を演じ切れない」と言う悲鳴にも聞こえます。
米軍が、欧州戦線で解放軍というメデイアの宣伝にも関わらず、強姦魔になっていたことを18日に紹介しますが、綺麗事に国民がついていけない実態があります。
アメリカ自身も西欧から見ればたまたまキリスト教徒の出先というだけのことで、ロシア同様の西欧文化の周縁国ですから、西欧社会から一段下に見られて何かと馬鹿にされているのが、癪の種です・実態はその通り・・いざとなれば野蛮な本性を出してしまうのでしょう。
メルケル氏から見れば、同じドイツ出身のトランプ氏が秀才のメルケル氏から見れば、低レベル?の塊みたいな振る舞いをするのに我慢ならない様子を見せるのは、近親憎悪のようなところがあるからです。
平安末期の公卿社会からすれば、勃興してきた地方の粗野な武士団とは気が合わないが、利用できる限度で無視できないので、粗野な武士同士で争っていればいいという源平時代の摂関家のような気持ちが、20世紀以来の西欧の姿勢でしょう。
もしかしたらトランプ氏の無茶な要求は、アメリカの草の根の本音・・上海協力機構に参加すれば価値観や気持ちが一致するかもしれません。
実はアメリカは、本音に従って?上海協力機構にオブザーバー参加申請したところ、拒否されているらしいのです。
上海協力機構に関するウイキペデイア引用の続きです。

SCOはアメリカのオブザーバー加盟申請を拒否した他[2]、アフガニスタンのカルザイ政権が半ば「アメリカの傀儡」である事を理由に加盟申請を拒否したり、加盟国ウズベキスタンからの駐留米軍撤退を要求するなど、米国との対立路線を形成しつつある。過去のサミット(2007年のビシュケク・サミットを含む)では、たびたび間接的に「ワシントンへの反感」が示されている。

宿敵関係にあるインドとパキスタンまで肩を並べて入っているとなると、共通項はキリスト教徒は嫌・来るなという集まりでしょうか?
ところできれいごとと言うか西欧で理性に基づいて一歩一歩組み立てて来た国際政治上の約束事(ウエストファーリア条約以降の漸進的向上や各種国際通商条約)にロシアを含めた周辺ないし新興国指導者はごもっともと言うことで反対出来ないから条約参加してきました。
しかし、身近な生活では暴力的解決が普通・強盗も泥棒も蔓延している社会で西欧の掲げる高邁な人権思想にそのままついて行けない現実が先進国アメリカでさえトランプ旋風によって吹き出した印象です。
ここ数日国際問題になっているサウジ王家批判で有名なサウジ籍のジャーナリストがトルコで殺害された事件・・を見ると欧米の人道主義・自由主義の綺麗ごとと・ポリテカルコレクトネスの実態の矛盾が吹き出した印象でしょう。
トランプ政権に限らず欧米としては、サウジ支援を簡単に切れない側面があります。
中東の米国の影響力はサウジを通じて行なっているので、これを人道主義批判によって軍事援助を切るとサウジもロシアから軍事援助を受けるしかないので、中東はロシア勢力一色になってしまう実態があります。
これまでシリアの民主化弾圧、タイの軍事政権・ミャンマーのロヒンギャ問題など批判→制裁するとその都度ロシヤや中国の影響力が広がってきた歴史・・サウジの記者殺害問題は最後の大団円になりそうです。
左翼系人権運動家は、ロヒンギャやタイの軍事政権批判し、経済制裁や軍事援助停止を強調しますが、中露のもっとひどい人権侵害.公害・核兵器開発には何も言いません。
中国では政府活動家に対する頻発する長期間のゆくへ不明事件・・弾圧・・直近ではウイグル族に何百万に上る強制収用を非難すらしないし、「中国への投資や取引をやめろ」という要求を誰も言わない不思議さです。
左翼系文化人・人権活動家のメデイアを通じた激しい批判・民間企業に対する投資抑制運動は、中露を除く原則があるので結果的に人権や公害(CO2排出)、児童労働や劣悪な労働環境を問題にしない中露の世界勢力拡大・・経済進出の応援運動になっています。
トランプ氏の主張は、左翼系文化人・メデイアの作り上げてきた価値システム・PCの全面否定が特徴ですから、ここでトランプ氏としては、「他国の人道問題と政治は別」と開き直る可能性があります。
内政は内政であって、どのような政治が良いかはその国民が選ぶことであって、外国は批判するのは勝手としても(制裁等で)その国の政治に直接関与しない原則に戻るべきでしょう。
主権尊重という観念論ではなく、民族の経験してきた微妙な価値観によって文化が違ってきたように制度相違を尊重すべきということでしょう。

キリスト教国の国際条約5(異教徒は守る気になれるか?2)

日本では一帯一路構想は中国の孤立した野心で失敗するだろうとの位置付けですが、上海協力機構外形だけ見ると中露を軸に着々と地歩を固めつつある様子です。
中国は国内不採算投資拡大の限界→外貨準備枯渇の心配から、自由に支配できる自前の国際機構を作り(本部中国で他国の理事は名目だけにして、常駐しないので国際資金を事実上中国の思うように使える仕組み)そこに外資を入れてその資金を自国のために流用したいという狡猾な思惑から、一帯一路構想をぶち上げました。
中央アジア諸国は概ね人口まばらな経済力のない国々ですから、(その分、採算性が低いので民間投資が望みにくい地域です)中国による巨額投資の計画は夢のように映ったでしょう。
上記のように国際的資金を導入して対外的には資金バラマキを餌に一帯一路沿線国に夢を与え賛同者を募った面があるので、資金出し手予定の日米が入らない(知らんプリ)と軍資金が続かない弱点が致命的です・・。
もともと中国の自己資金は見せ金でしかなく日米の資金をかすめ取ろうというものでしたから、日米がそっぽを向いたまま設立後時間がたてば経つほど資金が続かなくなってきた(背に腹を変えられずにアコギな取り立てに回るしかなくなり、国際信用がガタ落ちになってきた)ところへ、米中経済戦争勃発で、(将来的にはトルコ並みの通貨暴落対象になりかねない状態で)泣きっ面に蜂の状態です。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20181013.html
2018-10-13 05:00:00
中国、「貿易戦争」立ち向かう原動力は債務依存で「手詰まり感」

中国は、よく資金が豊富だという。「一帯一路」で各国へ資金を貸し付けていることを見てそう言われているのだ。それは、間違いである。本来の対外直接投資資金は、経常収支の黒字で賄うべきもの。それを計る尺度が、対GDPの経常収支黒字比率である。中国は今、これが急速に低下している。今年は、1%を割る懸念が強い。その背景にあるのが、先の限界資本係数の上昇だ。非効率経済ゆえに、対GDPの経常収支黒字比率を引下げている。対外直接投資を自前の経常収支黒字で賄えない状態である。だから、中国は「一帯一路」で日本へ資金的な協力を求めてきたのである。中国は、決して資金豊富な国ではない。

『サーチナ』(10月1日付)は、「リーマン・ショックから10年、高まる中国の金融リスクー大和総研調査」を掲載した。
(3)「BIS(国際決済銀行)統計によると、中国は、債務残高のGDP比が2008年末の141.3%から2017年末に255.7%へ急上昇した。この水準や上昇ペースの速さは、かつて金融危機に陥ったり、バランスシート調整による景気急減速を余儀なくされた国々に匹敵している」

昨日見たように、中露が派手な軍事演習をしたり、公海を埋め立てて軍事基地を作って威勢を示しても、軍資金が続かないのでは文字通りコケ脅しでしかなく、どうにもならないでしょう。
中国は覇を唱えるための対外援助どころか、通貨マフィアの標的にされかねない危機的状態になっているのです。
このために中国は膝を屈して日本にすり寄っている状態です。
ところできれいごとと言うか西欧で理性に基づいて一歩一歩組み立てて来た国際政治上の約束事(ウエストファーリア条約以降の漸進的向上/国際通商条約)にロシアを含めた周辺ないし新興国指導者はごもっともと言うことで反対出来ないから条約参加してきました。
しかし、身近な生活では暴力的解決が普通の社会で、国連の掲げる高邁な人権思想にそのままついて行けない現実が先進国アメリカでさえ)吹き出した印象です。
アメリカの場合、国(国家理性)としては自由民主制で、人権重視ですが、死刑制度がない代わりに犯罪処理現場では黒人に対する射殺が日常化している実態・・これが実質の二重基準です。
日米戦では異教徒の日本に対しては国際法を守らなくとも良いという戦争方法であっただけではなく、国内でもアメリカ国籍を持つ日系人を迫害し、黒人と白人では国内でも扱いが今でも違うのです。
格差拡大・・トランプ氏の1国主義の主張・・それらは全て「国民レベルでは、優等生を演じ切れない」と言う悲鳴にも聞こえます。
米軍が、欧州戦線で解放軍というメデイアの宣伝にも関わらず、強姦魔になっていたことを12日に紹介しましたが、綺麗事に国民がついていけない実態があります。
アメリカ自身も西欧から見ればロシア同様の西欧文化の周縁国ですから、いざとなれば野蛮な本性を出してしまうのでしょう。
平安末期の公卿社会からすれば、勃興してきた地方の粗野な武士団とは気が合わないが、利用できる限度で無視できないので、粗野な武士同士で争っていればいいという源平時代の摂関家のような気持ちが、20世紀以来の西欧の姿勢でしょう。
もしかしたらトランプ氏の無茶な要求は、アメリカの草の根の本音・・上海協力機構に参加すれば価値観や気持ちが一致するかもしれません。
実はアメリカは、本音に従って?上海協力機構にオブザーバー参加申請したところ、拒否されているらしいのです。
上海協力機構に関するウイキペデイア引用の続きです。

SCOはアメリカのオブザーバー加盟申請を拒否した他[2]、アフガニスタンのカルザイ政権が半ば「アメリカの傀儡」である事を理由に加盟申請を拒否したり、加盟国ウズベキスタンからの駐留米軍撤退を要求するなど、米国との対立路線を形成しつつある。過去のサミット(2007年のビシュケク・サミットを含む)では、たびたび間接的に「ワシントンへの反感」が示されている。

キリスト教徒は嫌・お断りということでしょうか?
ところできれいごとと言うか西欧で理性に基づいて一歩一歩組み立てて来た国際政治上の約束事(ウエストファーリア条約以降の漸進的向上や各種国際通商条約)にロシアを含めた周辺ないし新興国指導者はごもっともと言うことで反対出来ないから条約参加してきました。
しかし、身近な生活では暴力的解決が普通の社会で、強盗も泥棒も蔓延している社会で国連の掲げる高邁な人権思想にそのままついて行けない現実が先進国?アメリカでさえ吹き出した印象です。
アメリカの場合、国(国家理性)としては自由民主制で、人権重視ですが、死刑制度がない代わりに犯罪処理現場では黒人に対する射殺が日常化している実態・・これが実質の二重基準です。
格差社会は経済用語ですが、実はその基礎には文化度の二重構造があるとみるべきです。
日米戦では異教徒の日本に対しては国際法を守らなくとも良いという戦争方法であっただけではなく、国内でもアメリカ国籍を持つ日系人を迫害し、黒人と白人では国内でも扱いが今でも違っている、二重基準の社会です。

上海協力機構と一帯一路(非キリスト社会の団結の動き)2

米国籍牧師釈放についてはリラ急落→国家破産を防ぐためには、エルドアンの一時的妥協がしかたなかったとしても、力ずくの制裁に屈服した不満が却って残るでしょう。
共通項を見るとエルドアンの経済政策は、習近平同様に建設需要の内需掘り起こしであり、メデイアを締め付けるなど独裁の強化でも同じです。
ただ、豊富な外貨準備のある中国とは違いトルコが対外純資産でマイナス経済なのに、国内インフラ投資で国民支持を狙って高成長をはかるのは結果的に対外債務が膨張しますので無理がある点をアメリカ金融緩和が終わり始めると資金逃避が始まったものです。
資金潤沢と豪語していた中国も実は国内で不要な公共投資や、不動産・マンション投資を繰り返した結果、資金的に限界がきて日本にすがりつき始めていることは周知の通りです。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/day-20181013.html

2018-10-13
(3)「BIS(国際決済銀行)統計によると、中国は、債務残高のGDP比が2008年末の141.3%から2017年末に255.7%へ急上昇した。この水準や上昇ペースの速さは、かつて金融危機に陥ったり、バランスシート調整による景気急減速を余儀なくされた国々に匹敵している」

長期独裁政権ではトルコと中国、ロシアは共通項であり、国内インフラ投資で、政権維持している点では、中国とトルコは共通です。
ロシアは借金で国内投資→国内景気維持をするには、ソ連崩壊時のトラウマがあり無理がある(外資の信用がない)のでウクライナ侵攻やこの後で紹介する武力行使(軍事力では旧ソ連時代の遺産があります)で国威発揚で政権支持アップを狙うしかない状態です。
軍事力行使→は国際社会から経済制裁を受けるので経済的にさらに苦しくなる上に、国威発揚による国民熱狂は一時的なもので熱狂が冷めると国民の支持がさがって行くので、支持を持続させるためにはさらなる国威発揚・・あちこちの紛争に無闇に介入するしかないですが、それがプーチンの弱みです。
長期経済低迷化で国民不人気の年金支給作送り政策を発表するしかなくなった結果、プーチン支持が陰ってきた所ですが、ロシアの場合、イラン禁輸等国際情勢不透明感で資源価格が持ち直せば息を吹き返せますが、トルコは資源が上がればもっと輸入赤字が増える関係です。
ですから米国牧師釈放によって米国の制裁が緩んでも、経済のファンダメンタルは変わらない(利上げプラス金融引き締め・/無闇な国内投資を引き締めるしかないがエルドアン政権の延命のための拒否)ので、トルコ危機が続くことになります。
文化的に見るとロシアとトルコはいずれも西洋キリスト教文化圏の外延に位置し、ロシアはそれでも「ギリシャ正教」という名の亜流的キリスト思想を受け入れましたが、(帝政ロシアの初期から・・フランス宮廷文化の受け入れ〜ドイツ系・エカテリーナ女帝はドイツ貴族の娘だったように記憶します)を受け入れてきましたが、教会の外形はネギ坊主型でイスラム的です)トルコはイスラム圏に属することからそこまでの西洋価値観の受容はできていません。
せいぜい政権の世俗化程度しか変化できない限界でしたが、この数年では世俗化政策の廃止でイスラム復帰姿勢が鮮明です。
欧米からの非民主的強権政治に批判が出ると、電撃的に宿敵ロシアのプーチンと握手するなど暴力系・反現行秩序系同士の連携が広がってきました。
上記の通り細かい事情が違いますが、中露との枢軸?化に踏み出したように見えます。
中ロの連携も大分前から進んでいます。
ウイキペデイアによると概ね以下の通りです。

上海協力機構もしくは国家連合。
2001年6月15日、上海にて設立。
上海合作組織/上海合作组织は、中華人民共和国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタン・インド・パキスタンの8か国による多国間協力組織
・・・加盟国間の共同軍事演習も複数回行われ、2005年8月には初の中露共同軍事演習「平和への使命2005(英語版)」を大規模に行い、平行してオブザーバーであったインドとの露印軍事演習も開催され、成功した二つの軍事演習に自信を深めたロシアはSCOの軍事協力に積極的な行動を見せた。中露はこれを皮切りに東シナ海[5]、日本海[6]、地中海[7]、オホーツク海[8]、南シナ海[9]、バルト海[10]など海洋でも合同軍事演習を行うようになった。2018年9月に中国とオブザーバーのモンゴルが初参加したロシア史上最大の軍事演習「ボストーク2018(英語版)」はソビエト連邦最大の軍事演習である「ザパド81(英語版)」を超える規模[11]であ」

ると紹介されています。
前後しますが、

・・・SCOの正規加盟国の領域は発足当初は中国以外はロシアや中央アジアといったユーラシア経済共同体の国々のみだったが、インド・パキスタンの正規加盟に伴ってユーラシア大陸の8割に達し[15]、加盟国の総人口は30億人を超える規模で世界人口の半分近くを占める北アジア、西アジア、中央アジア、南アジア、東アジアに勢力を広げて一大連合体に発展する可能性を持つSCOは、いずれNATOに対抗しうる対欧米同盟として成長することを、アフリカやラテンアメリカの発展途上国(G77)から期待されている。

もっと大きくはG20で日米も出席しますが、(ロシアはウクライナ侵攻以降 サミットから排除された結果の対抗意識もあり?)欧米主導の7カ国サミットの地位低下を狙ったものです。
経済システムとしては、中国主導のAIIBが設立されたこともその一つです。
実はAIIBは、上記上海協力機構の背骨のような位置付けらしいです。
上記引用の続きです。

2016年6月17日にロシアのプーチン大統領は中国・インド・パキスタン・イランなどのSCO構成国とユーラシア経済連合を軸に築く大ユーラシア・パートナーシップと第一段階として中国との交渉協議を目指す計画を発表し[27][28][29]、25日のプーチン大統領の訪中から同構想が中露共同声明に盛り込まれて共同研究の準備と経済連携協定の交渉協議が開始され[30][31][32]、2017年5月14日に北京での一帯一路国際協力サミットフォーラム(英語版)の開幕式でプーチン大統領は一帯一路、SCO、EAEUなどは同構想の基礎となると演説[33]し、同年7月には同構想の共同研究が開始され[34][35]、同年10月に経済連携協定の交渉は完了し[36][37]、同年11月にAPECに向けてプーチン大統領が発表した論文でも大ユーラシア・パートナーシップは中国の一帯一路を基礎にすることが述べられた[38]。翌2018年5月17日に、EEUは中国との経済連携協定とイランとの暫定自由貿易協定を同時に結んだ[39

上海協力機構と一帯一路(非キリスト社会の団結の動き)

ここ数年では、欧米から非民主化への先祖帰りに対する批判を受けるとロシアとシリア方面で手を組むなど複雑な動きをしている他、アメリカの制止を振り切ってロシアから兵器を買うようになるなどの結果、今年の夏ころには16年のトルコクーデター事件の応援をしていたという容疑によるアメリカ国籍牧師の拘束釈放交渉に対して、刑務所?拘禁は解かれたものの、自宅軟禁のままとなったことでトランプ氏が怒り、今年8月頃に経済制裁だったかな?受けるなど、ロシアの仲間入り路線が明白になってきました。
ただし、もともと昨年からに米国金利アップ政策(いわゆる金融超緩和の出口戦略)への変更の結果、新興国からの資金引き上げ加速対象として特にトルコ経済の脆弱性(対外準債務国)がマトになってトルコリラ下落加速状態下で、この制裁発動はトルコ経済への危機的状態をもたらし始めました。
http://zai.diamond.jp/articles/-/296496
2018年08月15日(水)東京時間 16:15
今回からトルコ人の為替ストラテジスト、エミン・ユルマズさんのコラム「トルコリラ相場の明日は天国か? 地獄か?」がスタートします。
今回のトルコリラの下落が始まったのは8月1日(水)で、米政府がトルコ政府の閣僚2名を対象に制裁措置を発動させたことがきっかけでした。制裁の対象となったのはソイル内務大臣とギュル法務大臣でした。
https://jp.reuters.com/article/turkey-risk-instantview-idJPKBN1KY078
2018年8月13日 / 12:44 / 2ヶ月前
トルコリラが通貨危機に直面している。年初来の対ドル下落率は40%超と、今年4 月に通貨危機に見舞われて国際通貨基金(IMF)に救援を仰がざるを得なくなったアルゼンチンペソより状況は深刻である。
トルコが通貨危機から脱するには、中銀が厳しい金融引き締めを実施する必要がある。ただ、金融政策が信認を多少取り戻したところで、劣悪な対外バランスから生じる通貨安圧力は消えない。この圧力に対抗すべき海外からの資金流入もままならないとすれば、リラの地合いが劇的に好転すると期待するのは行き過ぎだ。

https://chu-sotu.net/archives/4150
コラム
アンドルー・ブランソン牧師が解放へ~正体はやっぱりCIA?トルコリラはどうなる?
2018年8月12日
トルコに長らく拘束されてきたアンドルー・ブランソン牧師がようやく解放されました。
そもそもにおいて、トルコという国の司法判断に、外国のアメリカがいちいちイチャモンつけて介入するということ自体が本来異例です。
アンドリュー・ブランソン牧師の解放交渉は、トルコという国に対する内政干渉と等しい行為でした。
「裁判所が有罪判決を下してもアンドルー・ブランソン牧師を解放しろ」とアメリカは言ってきましたが、これは「司法に行政が介入しろ」と言っているようなものなんです。
これが三権分立を重んじるべき先進国のすることでしょうか。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/7-28.php
トルコ裁判所、米国人牧師の釈放認めず リラ一時7%下落
2018年8月18日(土)12時47分

流石にトルコリラの急落を受けて開き直りに徹する→経済混乱が激しくなった結果、エルドアン氏も強気ばかりを言ってられず国連総会出席の機会に内々釈放合意したというニュースがこの数日駆け巡リ、トルコリラの相場が持ち直しています。
エルドアン氏もトランプの不合理な要求にそのまま従ったのでは国内的に(面子丸つぶれで)厳しいでしょうが、どうにもならないので、つい先日の国連総会出席時にトランプ氏との短時間会談の時に釈放約束したとかのニュースの結果、リラ相場が急速に持ち直しているニュースが駆け巡っていました。
もちろん、エルドアン氏は(密約否定?)司法判断に関知しないと発言していましたが・・。
10月12日ついに完全釈放(自宅軟禁解除で米国へ帰還)されました。
https://www.sankei.com/world/news/181012/wor1810120024-n1.html
ロイター通信などによると、検察側はこの日、ブランソン氏に懲役刑を求める一方で、自宅軟禁と出国禁止の制限を解くよう請求。裁判所は懲役3年の刑を宣告したが、すでに一定期間、拘束下で過ごしており、刑に服する必要はないと判断した。

内容を見ると、検察官が「求刑と同時に釈放を求める請求した」ということなので、裁判所としては面子を保てたことになります。
結果的に密約があったことを裏付けたことになります。
リラ相場の動きは以下の通りです。
上記密約説を前提にリラ相場は持ち直していましたが、密約情報通りの結果だったので逆に少し下がった状態のようです。
この10年前後のエルドアン氏の権力掌握と対米関係悪化→中露への接近等々の動きとリラ急落の関係については、以下の記事が簡明に解説しています。
http://news.livedoor.com/article/detail/15159758/

問題を複雑化させているのは、トルコの対外資本依存度の高さや中央銀行の独立性をめぐる疑義といった経済問題のみならず、アメリカとの外交関係悪化も絡み合っていることだ。さらには、2002年の総選挙勝利以来、強い指導者として君臨するエルドアン大統領の経済政策や資質そのものに疑念が生じていることも問題を根深くしている。
・・・
トルコの隣国シリアの内戦に絡んだ過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦では、トルコが敵視するクルド人民兵組織をアメリカは友軍としたため、両国は一触即発の状況に陥ったほか、トルコは関係を深めるロシアの最新鋭地対空ミサイルS400の購入も計画してアメリカをいら立たせている。

以下詳細略

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