世界の警察官不在と世界秩序維持3(朝鮮民族)

日清戦争の直接の契機は事大主義者によって、超保守主義者が国内開化派に負けそうになると何かと清朝の承諾を引き合いにすることから決着をつけるために引き起こされた戦争でした。
今でも自国国防のためのサード配備にまで中国にケチをつけられて青息吐息の状態・・韓国政府は中国のご機嫌取りに必死ですが、伝統的従属意識が背景にあるからでしょう。
June 20, 2013「日本対中朝対立の始まり2と根深さ」前後で清朝の朝鮮に対する属国支配強化を紹介しましたが、一般に知られているように明治維新直後日本が新政府成立と開国に舵を切った国書を発した時に、中国の属国である以上は「王」の称号であるべきと言い張って受領拒否するなど一悶着起こしたことが知られていますが、朝鮮は受け入れたくない時には「清朝の属国だから」と言う言い訳をしていました。
戦後の朝鮮戦争は南北朝鮮が本来の当事者ですが、事実上中ソと米国の戦争・・両者が多大な犠牲を払う仕組みにすり替えてしまい、この延長で6カ国協議という枠組みが今も残っています。
今回の核問題も、交渉主役は米国と北が実質当事者であって韓国はただ囃し立てているだけの存在です。
こういう二枚舌的交渉に手を焼いていた日本は事態打開のために朝鮮の独立・中国を隠れ蓑にしないようにスッキリさせることが日清戦争の大きな目的でした。
下関条約については江華島条約などに関連して以前紹介した記憶ですが、もう一度紹介しておきます。
ウイキペデイアによる下関条約に関する記事からです。

清国は朝鮮国が完全無欠なる独立自主の国であることを確認し、独立自主を損害するような朝鮮国から清国に対する貢・献上・典礼等は永遠に廃止する。(第一条)
清国は遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を永遠に日本に割与する。(第二条、第三条)
以下省略

上記の通り、第1条に朝鮮の独立を書いていることから見ても朝鮮を清朝支配から切り離すことがこの戦争の最重要テーマであったことがわかります。
日本が関係する朝鮮半島の歴史を見ると(古代白村江の戦いでも秀吉の朝鮮征伐でも日清戦争1940年台の朝鮮戦争でもいつも大国同士で戦わせて自分は戦いの傍観者的立場で批判だけするずるい傾向があります。
この戦争目的の結果日清戦争後講和条約の最重要項目として、条約第一条に朝鮮独立が宣言されたのですが、朝鮮がその恩義に報いるどころか、「宗主国清朝の同意がいる」と言えなくなると今度はロシアの支配下に入ろうとするようになったことが、次の日露戦争に繋がったものです。
朝鮮人自身の多くは民主化に期待したい→開化派=親日派が多かったようですが、政府権力者の方は自己保身のために
は、国の独立維持のために開化による民度の強化よりは、自分の地位を保護してくれるより強い国の従属下に入る方を常に選んできた・いわゆる事大党が力を持つ歴史です。
パク大統領就任後がいきなり親中国に舵をきり米国をないがしろにし始めたのはこの文脈で理解できる・・「今後は中国の方が強くなる」という先読みの原理によります。
将来はどうであれ、まだ中国は米国に正面からことを構える力がありませんので、米国の逆襲により日韓の不可逆的合意を強制されサード配備を受け入れるしかなくなって、国民の支持を失って任期途中での弾劾罷免になってしまいました。
今回トランプ政権になってからの核危機騒動でも、韓国の態度は「米国が怒っているから仕方なしに従っているだけ」のような振る舞いです。
現在の文大統領に至っては、対北用の防衛設備工事を中国に反対されると一時凍結するなど、いつも当事者意識が低いのが特徴で、本音では北朝鮮に併呑されても良いような傾向が垣間見えるのは、独立より従属を好むDNAの発露でしょうか。
ところで、エジプトやタイ軍事政権やミャンマーその他諸国の反民主化の動き、あるいはフィリピン大統領の刑事手続き不要の現場射殺命令等々は、それぞれの国情に応じた必要な政治形態のように見えますが、これに対する西欧の(自国社会を基準にした)人権批判は「余計なお世話」のような気がしています。
しかし、トルコの場合、着々と近代化合理化が進んでいて社会が独裁を必要としていたように見えない(ただし欧米系メデイア報道による知識だけなのでトルコ社会がEU加盟に向けて無理な近代化に対する疲れを起こしていた反動が表面化したか・・近代化疲れを起こしていたかは不明です)のにエルドアン個人の権力欲がいきなり独裁下方向へ引っ張っている点が異色です。
東南アジアでの軍事政権等を国情・歴史を無視して人権を重んじる欧米が批判する(経済・軍事支援など抑制する)とその後ろだてとして中国が付け入って代わって支援する・・勢力浸透を図っているのが現在の世界情勢になっています。
ロシアもこの機会を利用して中東に頭を突っ込んでいるのですが、ロシアの場合、中国のような資金のばらまきもなく裸の腕力・脅しだけですから、ピョートル大帝やソ連スターリンの恐怖政治時代のやり方のまま・・これでは稚拙すぎて目先威張れる程度で長期的には無理な感じです。
外交といえば軍事力で脅迫するくらいしか能力がない・・対日交渉をするには先ず北方領土周辺で軍事演習を始めるという程度のやり方ですから、ヤクザみたい・・数世紀前のやり方では、却って日本の機嫌を損ねることが分からないのです。
ところで、ロシア中国の対外実力行使が始まった時期を見ておきますと、オバマがした「アメリカは世界の警察官ではない」と言う発言が13年9月10日で、ロシアのクリミヤ併合は14年2月、シリア介入開始は15年9月末でした。
南シナ海での中国による大々的な埋め立て工事に対してフィリッピンが問題提起したのは、14年はじめでした。
ウイキペデイアの記事からです。

2014年5月15日、フィリピン外務省が、中国がジョンソン南礁(赤瓜礁)を埋め立てているということを示す時系列の写真を公開し[5]、2014年に入ってから大量の土砂を投入しているということが判明[6][7]。同礁は2012年3月の時点では目立つものはなかったが、2013年2月の時点では建造物が確認でき、2014年3月の時点では、すっかり埋め立てられていた[5]。フィリピン外務省は、この中国の行為をフィリピンの領域内で行われているということから国際法に違反していると批判

国際司法裁判所判決で中国は完敗しましたが、そんなの「紙くず」だと言い放ち、完全無視してさらに埋め立て続行していた上で、今では巨大な要塞化して来ました。
警察制度があっても陰でのコソ泥や汚職を100%防ぐとことはできませんが、警察官役が曲がりなりにもあれば、白昼公然と犯罪行為がなくなりますが、いなくなればこれが可能になるということで、意味が全く違います・・強いものはやり放題になります。
犯罪とは何かですが、要は正義の基準がない、あるのはむき出しの力が「強いか弱いか」だけということでしょう
19世紀型砲艦外交・・腕力次第で何でもできるという価値観(国内政治も正義の基準は強いか弱いかの基準・・専制支配の仕組みです)を持つ国・・街ではヤクザ=無法者が息を吹き返したということでしょう。
中国による公海での軍事基地造成は、水滸伝で有名な梁山泊みたいな山賊・海賊の根城が首都の広場に出現した・まさに米国の「鼎の軽重を問う挑戦でしたが、米国はこれにほとんど何もできませんでした。
工事現場近くを軍艦を航行させてみたくらいでは、皇居前広場でヤクザが暴れているのを横目にパトカーが素通りしたようなものです。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC