日露戦争以降の政治とメデイア1

昨日韓国の激情型民主主義?を紹介しましたが、冷静判断する国民が少ない社会で民主主義の外形だけ取り入れ、聞き齧った人が騒ぐとそうなるのが普通です。
戦前日本も、言論の自由がなかったから軍国主義に走ったのではなく、浅知恵で極論を庶民に煽る言論界の影響が強すぎたから、世界孤立化→無謀な戦争に突き進んで行くしかなくなってしまったと見るべきです。
戦前国際孤立化を 軍部だけの責任にして軍部隊等を煽るメデイアや政治運動して来た学者らが自己責任を棚上げにして被害者であったかのように振舞っている現状では、将来同じ轍を踏まないとはいえません。
政治(の実態を分かりもしないのに半可通の知識で)に国民を煽る学者やメデイア界の猛省こそ必要です。
彼らが猛省しなくとも、国民の成熟に連れてメデイアや文化人?の扇動に乗せられる国民が減ってきて今や60年安保やこれに続く全共闘時代の論客?の影響を受ける国民が減ってきました。
昨日のコラムに書きましたが、今や現役若者が耳を傾けず4〜50年前の若者が郷愁で集まっているだけになった印象です。
世代が入れ替わらない限り、民度は変わりようがないということでしょう。
民度が変わればメデイア界がいつまでも空理空論を煽ってもダメとなりますから、煽り系メデイアや学者の露出が減っていくでしょう。
ただし、実態無視の煽り報道に国民一人も共鳴しなくなったというのではなく、民度が上がって新規共鳴率が大幅に減っているという程度の意味ですから、新国民(若者)の1〜2%くらいはまだ間違って?共鳴する人がいてもおかしくないことを前提にしています。
慰安婦騒動が朝日の誤報?創作?であったとわかった頃から、革新系政党が若者の支持を受けていると言う宣伝のためにか?でシールズとかいう若者支持層を組織化して大宣伝していましたが、これは文字通り支持基盤空洞化に対する危機感の現れだったのでしょう。
(今の森かけ問題特化の野党が国民支持を受けている→自民党支持率が下がっていると宣伝しているのと似た宣伝です)
ところが、短期間に彼らの活動は急速に目立たなくなってしまいました。
自然発生的に若者の支持が広がったのではなく、既成政党による期間限定ヤラセをメデイアが大々的に取り上げただけだったから維持しきれず、急速にしぼんだのでないか?の疑いがあります。
シールズに対する産経新聞の記事が詳しいので関心のある方は以下を読みください。
http://www.sankei.com/premium/news/160604/prm1606040010-n7.html
2016.6.30 10:00

「俺たちの声を聞け!」「政治家の背中押したの俺たちっすよ」 SEALDsと共産党は独善性も瓜二つだった…
・・・・・結局、この日の集会は、安倍政権が何やらとんでもない悪さをしており、このままでは明日にでも戦争が始まるのではないか、という嫌なムードを周囲に伝播させるには十分なイベントだったかもしれない。
いくら野党といえども、公党が、これほどめちゃくちゃなデマゴーグを不特定多数の有権者の前で述べるわけにはいかないだろう。だからこそ「彼ら」が叫んでくれる無責任な誹謗と中傷が必要であり、多少の行儀の悪さには目をつぶってでも、利用価値は十分過ぎるほど高いのだ。・・・・・

上記によると左翼系政党も大手メデイアも品のない空疎なアジ演説の羅列ではもはやプラスどころかマイナス効果しかない時代が来ている・・民度が上がっていること認めるようになったようですが、それでもその種のアジ演説をしたくて仕方がない本性を捨てきれない古さがあって、その思いを年端のいかない若者に代行させている構図が浮き彫りです。
しかもシールズは裏暴力組織?・・しばき隊との関係も取りざたされていました。

CatNA‏ @CatNewsAgency 2016年5月14日
しばき隊リンチ事件が発覚したら、シールズ奥田が「無関係宣言」。まるで政治家の「秘書がやりました」的な逃げ足の速さ。「あざらし」と称して共闘していた連中は何だったのかな?Tシャツもコールも全て、しばき隊のものでしたね。
CatNA‏ @CatNewsAgency
シールズ奥田クンは、しばき隊リンチ事件関係者と一緒にお酒を飲んでましたね。「一緒に何かやってるわけじゃない」と言い切れるの?「一切関係ない」とシラを切れるの?彼らの暴力性は知っていたでしょ?汝、嘘をつくことなかれ。

一緒に酒飲んでいたり談笑していたからといって、政治家の場合、行った先でいきなり引き合わされても拒否できず握手に応じたり笑顔で応じたところを写真に取られても大した意味がないでしょう・・同志とは限らないでしょうが・・・。
左翼系政党は空疎なアジ演説や暴力的性向(スターリンに始まり日本の浅間山荘事件につながる敵対者粛清が基本です)への郷愁捨てがたく時代遅れ行為の代理者として彼ら若者を利用していたのでしょうか?
世論の受けが思ったほど良くない(公党としてできない・・恥ずかしいことをやらせて良い結果があるはずがない)ので、民主や共産は距離を起き始めましたが、社民党だけは遅くまでしばき隊との関係を維持していたことはヘリパット反対運動でしばき隊幹部と福島瑞穂氏が何かしているかのような報道をネットで見た(一緒に写っている写真程度だったか?)ことがあります・いつも書くように私は受け売りですので真偽不明です。
一方で自分らの意見が支持されていない理由を直視したくないから?「日本には言論の自由がない」という海外宣伝活動が起きる・・いまはそういう移行期間のようです。
戦前メデイアが煽った過ちも「戦前は情報開示がなかったからだ」という決まり切った反論があるでしょうが、 いかに開示しても現実に進行中の情報を全面開示しても、その職務にあたる人でなければ、片手間で見ている程度の人が、詳細を正確に把握できるものではありません。
日露開戦の是非でいえば、最重要な軍資金調達交渉・・戦争準備にどの程度の資金が必要になり日本がどの程度自前でまかなえるかの税収見込みに始まり、欧米列強の支持取り付け交渉・・・・「応援するよ」と言ってくれた場合、どの程度まで協力してくれそうか(たとえばバルチック艦隊のスエズ運河通過の承認)途中寄港地のサービス提供諾否(サボタージュ協力)、戦後満州への利権にどの程度参加させるかなどの極秘交渉が多角的同時進行的に行われている一方で、日本の兵員増強訓練の進捗具合や兵站線の構築状況などの機微をリアルタイムで外野の人が知る余地がありません。
伊藤博文の学者先生の御卓見よりは「大砲の数に関心ある」と実態重視の発言はこれを意味していますが、実態を知らない学者の意見など歯牙にも掛けなかった態度が象徴的です。
民意は重要ですが、前提事実・実務を知らない付和雷同型意見が広がるのは百害あって1利なし・・意味がないと言うことであり、現在の企業経営でもなんでも同じです。
審議会や外部委員社外取締役が大流行りですが、会議場に行くと案件ごとに山のような資料を机の上に積み上げられているのですが、(事前配布されている場合でも)せいぜい違った角度から根拠ないヒント(思いつき)的意見をいうのがやっとです。
その道でじっくり実務をやってきた官僚や社内事業部門担当者が練り上げてきた意見を部外者の思い付きで覆せるような合理的(「〇〇天皇」と言われるような権力者の場合、「ダメなものはダメ」と言い切って、会議の流れをひっくり返すようなこともありますが)能力発揮できることは滅多にありえません。

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