煽りが政治を左右する社会2(強訴〜一揆〜デモ1)

この悪習の起源を近くに探ると江戸時代に大名領内で一揆や騒乱が起きるとその責任を取らせて改易その他が行われたことにあるように思われます。
一揆に関するウイキペデイアの記事からです。
江戸時代には幕府が一揆を禁止し、1637年(寛永14年)の島原の乱以降は一揆は沈静化し、強訴や逃散など百姓一揆と呼ばれる闘争の形態が主流となる。
豊臣政権時代より領内の騒擾を理由とした大名改易のケースが現れたため、「領内が治まっていない」ことを公然と示すことができれば、領主側に匹敵する武力を集めずとも、責任問題を恐れる領主や代官への重大な圧力となった。
百姓一揆の闘争形態の分類として、代表越訴、惣百姓一揆、村方騒動、国訴などが挙げられる。
江戸時代の農民一揆の場合、うまくいっても一揆の首謀者は処刑されるのが原則でした。
義民で 知られる佐倉惣五郎伝は「伝」と言う通り内容の多くは創作でしょうが、ウイキペデイア紹介の一般的理解では以下の通りです。
直訴と処刑
佐倉藩主堀田正信は新たに重税を取り立て、領民の暮らしは困窮した[4]。全領の名主たちは郡奉行や国家老に重税の廃止を求めたが拒絶され[4]、さらに江戸に出て江戸藩邸に訴えても(門訴)取り上げられず[4]、惣代6人が老中に駕籠訴を行ったがこれも退けられた[4]。
このため惣五郎は1人で将軍に駕籠訴を行った[4]。『地蔵堂通夜物語』では承応2年(1653年)とされ[4]、上野寛永寺に参詣する四代将軍の徳川家綱に直訴したという。『堀田騒動記』では正保元年(1644年)とされており[4]、将軍は三代徳川家光になる。
直訴の結果、訴えは聞き届けられ、佐倉藩の領民は救われた[4]。しかし、惣五郎夫妻は磔(はりつけ)となり、男子4人も死罪となった[4]。
うろ覚えですが、しょっちゅう行っている歴博の展示では、一揆をするには集落ごとに寄り合いを重ね、集落代表同士の寄り合いに進んで徐々に一揆の準備をし、誰を責任者=成功すると磔になるかなど覚悟がいります・・の分担を決めてから押し出していく手順のようです。
絵図面のようなもので流れを説明する展示があった記憶ですが、最近もの忘れがはげしいので正確ではありません。
上記の通り地域村落住民が一致して決行するには現地農民代表者になったものが処刑される覚悟まで決めてから実行する・・それほど追い詰められている実態がある・・少数不平分子の跳ねっ返りではないので・・そこまで領民全般を追い詰めた現地支配者や 代官等の政治責任を問うのは合理的であったでしょう。
それが明治以降騒動を起こした者にお咎めなしで、逆に政府トップが総辞職に追い込まれ政策変更が多くなる逆転した運用になってきました。
1960年の安保騒動も結果は同じでした。
そうなると騒動を煽る方は気安くやれる上に英勇扱いで、参加する方も気楽になり破壊行動さえしなけば検挙されないのですから、普段から何かとうまくいってない・・・自分の意見など誰にも相手にされていない不平不満分子が、この機会に鬱憤ばらしに暴れまわろうとなります。
しかも数千〜数万人も集まって騒げば、国の重要政策さえ変更できてしまうのですから、鬱憤ばらしには効率が良く最適でしょう。
交通通信の発達した現在1億何千万の人口のうち、5000〜数万人程度の動員は簡単になってきました。
社民党だけではなく民進党や希望の党の支持率がコアの支持者中心だけかな?1%台に減ってきたとの報道がありますが、それでも1億数千万人口から見れば1%で120万の支持者ですし、しかも残っているのはコアの熱烈支持者・いわゆるプロ市民ですから、動員力が高いので500〜1000人くらいは国会周辺でも原発でも基地周辺でも簡単に集められます。
EU離脱国民投票以来、大手メデイアの世論調査と実際の投票結果が大幅に違っていることが多くなったので、メデイアの調査結果の信用が大幅に落ちています。
・・・メデイアの強調しているテーマに国民がそれほど同調していないのに、それが支持率低下に直結したと強調したいメデイアは、そもそも調査主体としては中立ではなく不適格でしょう。
トランプ氏のテレビ出演前の楽屋裏での女性に対する卑わいな言動が報じられている場合に、これを「鬼の首でも取った」ように報道しているメデイアとしては、そんなことと大統領の資質と関係ないと国民が多くが思っていても、そういう結果が出るのはメデイアに取っては大恥をかくことになりますので、世論がこうだと結果誘導したくなるのは当然です。
朝日新聞の慰安婦事件でいえば、朝日新聞が自分で世論調査してみたら批判が少なかったと調査報道しているようなものです。
そもそも政変工作を仕掛けている主役のメデイア会全体が当事者ですから、当事者が世論調査発表すること自体が選挙誘導疑惑が濃くなるので邪道です。
昨年夏の選挙前世論調査と選挙結果の大幅ギャップや、以下に紹介する最近調査結果を見るとこの1年間感じの政策論議そっちのけで「森かけ」問題ばかりで、「日本の政策停滞を目的にしているのではないか」という国民不満が結果として出て来ています。
改ざん疑惑を朝日新聞が囃し立てたのちの調査ですが、結果を見れば技術的問題であって政治家に疑惑があるような内容でなかったことがはっきりした後の4月調査であれば、もっと支持率が上がると思われます。
これをやっている政党の合計支持率が昨年の選挙頃から全く上がっていないどころか減少している現実を見れば、国民の関心がどこにあるかの真実がわかります。
メデイアがこの辺を報道しないで、自民党支持率が下がったという点ばかり強調報道していますが、メデイアがあれほど集中的報道してもそれほど下がっていないことの方が重要です。
これがトランプ氏の強調するフェイクニュース論が一定の支持をうけている基礎です・・.日本でも昨年夏衆議院選挙での直前調査結果は実際の選挙結果と大幅に違ってい他店については、17年11月5日に詳細を書いています。
選挙結果と大方一致していたのは、ニコ動だけでしたので大手報道はあてになりませんが・・以下は一応の参考です。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-support-politicalpartyの支持率調査によれば以下の通りです。
※記事などの内容は2018年3月16日掲載時のものです
いかに掲載すべき図表(政党支持率)がなぜか今回復時(18年9月中旬以降の全面故障〜復元始めは9月26日)にははいらないので抜けています。

関心のある方は上記引用先にアクセスして直接ご覧ください。

 

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC