中国資本流入減(同胞意識と宗族意識)

話題を中国からの企業撤退問題に戻します。
私の想像だけでは間違いがあるので中国の現状に対する公的記事を期待していたところ、世論の批判を無視出来なくなったか?日経新聞にも日本企業撤退時の悲惨さに関する実態が出始めたので紹介しています。
中国びいきの日経新聞にさえ悲惨な撤退状況が出始めたことからも分るように、中国は、長年巨額の長期資金流入超過を前提に日本からの資金はもらったつもりで?経済運営して来ました。
(6月3日に紹介したように、「身ぐるみ剥いで裸で追い出す」やり方を前提にしていたのですから、本気でそう思っていたことが確かです。)
撤退企業は「命が惜しければ・・」と脅されて)裸同然で追い出されていますので、中国としては出て行っても資金流出がないどころか最新設備をただ同然で手に入れられたとほくそ笑んでいるでしょう。
このやり方を見ていると、これから中国ではこの分野は発達するであろうと期待する関連業界も、怖くておいそれとは進出したり追加投資出来ません。
怖々の進出ですから、本来の需要に対して何割減になって行きます。
関係ない筈の企業に対するひどい仕打ち・・脅しが次に進出予定の日本企業の投資意欲を引っ込ませている関連を、民族意識よりは一族単位の利害で考える中国人には理解出来ないのでしょうか。
中国人も立派な人がいるでしょうし理性的な人もいるのは確かですが、ここでは多くの中国人一般意識・・これが現場の動きを支配するので書いています。
人格者はどこにもいるのですが、(何万に一人いるかいないかの立派な人もいると議論しても意味がない・・)国民一般レベルが産業レベルを規定するので、平均レベルこそが現在社会では重要です。
日本では数百年単位の信用を重視するので相手の弱みに付け込むヤクザのような行為を原則として一切しません・・その場限りで相手の弱みに付け込んで不当な要求して暴利を得てもそれを見ていた無関係者までもが、その後で「あの人は・・・」と敬遠されてしまうマイナスの方が大きいからです。
(任侠系が影を潜めてゆすりたかり中心のヤクザが現在日本で何故はびこっているかですが、今では在日朝鮮人系が組織を牛耳っていると言われていることと関係があると思われます・・アメリカ政府発表のブラックリストに載っている日本ヤクザ幹部の多くが、在日朝鮮人であったことをこのコラムで紹介しました。)
相手が弱ったときにこそ、誠意の見せ所とばかりに最大限の応援をするのが日本的価値観です。
これが日本で顕著な助け合い精神の基礎になりますが、人の弱みに付け込んだ朝鮮半島からの引き揚げ時に受けた辛酸やソ連による条約破棄によるシベリヤ抑留・・敗戦後日本が弱ったことにつけ込んだ在日朝鮮人の暴虐ぶりの発揮などは、日本人の価値観からすれば、想定外の悪行を受けたものとして、数百年単位以上の記憶として心の奥深く刻み込まれてしまいました。
自分や家族が被害を受けなくとも自社に被害がなくとも、日本人は皆同胞としての被害意識(プラス面では感謝意識)を持つのですが、一族単位意識の中国人・韓国人はこの辺の道理が分りにくい人が多い感じです。
左翼系の常套文句ですが、「先生は理解があって良いのですが、他の人は・・」とか、「政府は敵だが、日本人民は敵ではない」・・最近では「安倍政権が右翼反動主義者で安倍政権さえ倒せば良い」とかの表現が多いのはこういう分断認識から来ています。
「パナソニックはもう用がなくなったから苛めても、お宅は大切にしますから来て下さい」と言う使い分けが通ると思っている・・日本人から見ればおかしな論法の国です。
6月3日に紹介したように、日本企業の撤退を阻止したい中国政府の意を受けたのか?「撤退すると大変な目に遭うぞ!という強迫的刷り込み記事が日経新聞に出るようになりましたが、これを読んだ日本人は「中国って恐ろしい国だ迂闊に進出出来ないな・・・」と逆に理解するのが99%ではないでしょうか?
反日暴動で「中国政府の言うことを聞かないと恐ろしい目に遭うぞ!」と脅したつもりだったでしょうが、その結果、新規資本流入が激減していることが明らかですし、他方で中国からの長短期の資金流出(みんながみんな裸同然で追い出されているのではなく、少しは持って出られた企業もあるでしょう)が始まっているのではないか・・資金枯渇→デフォルトリスクの可能性に話題を戻します。
デフォルトリスク関しては、見かけの外貨準備高よりは、債権債務の中身の分析こそが重要になってきます。
対外純債権債務の資産表は(長期資本でもあまり内容が悪いとパナソニックのように損切りしてでも逃げ出すので)長期的指標としての意味を無視出来ませんが、目先重要なのはいわゆるホットマネーや借入金等の短期資金の比率です。
日韓スワップ協定終了に関連したコラムで、韓国の外貨準備がアジア危機のときよりも大きいと言っても、外貨準備の内容を・・対応する負債との兼ね合いで見ないと意味がないと書いてきましたが、中国の場合も同じです。
資本自由化・外資導入が進む時代は、借金でも何でも外資さえ入れれば、その分名目上の外貨準備が増えますので、プラス面の指標だけ見ても意味がありません。
ホットマネーの大きさを重要ではありますが、これは動きが速い指標としての意味・体温計として重要性があるだけです。
ホットマネー自体はいくら相場が下がっても投機家が損してでも値下がりした価値で売り払って逃げるしかないので、(購入額の1割に下がっていても文句言えません・・その分に比例して)一刻も早く逃げ足が速い結果・下落基調になったときその動きを加速するので危険性がありますが、ただになっても文句言えないのでデフォルト危機そのものではありません。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC