マスコミの情報操作6と「知る権利」の矛盾1

マスコミの使命を考えて見ると「いろんな統計速報があったなどの事実さえ知らせてくれれば、意見まで言ってもらう必要がない・・国民がデータを基に自分で考えますので・・」と言う人が普通ではないでしょうか?
マスメデイアとしても、統計そのものを全部書き切れないのも分りますから、こういう統計が出ましたと言うアナウンスを中心にして「こう言う統計が公表されているので自分で見てください」と言う紹介記事程度でいいでしょう。
私のような高齢者(ネット弱者)だけかも知れませんが、仕事の合間に・・自宅に帰ってちょっとニュースを見る程度の時間しかない人にとっては、厚労省その他機関の正面から入って行って特定の統計までたどり着くのは何回もクリックが必要で面倒ですから、ついおっくうになります。
自分の関係している弁護士会や日弁連等の委員会の特定メーリングリストから入るのなら別ですが、一般人として忙しい合間に日弁連ホームページ正面から何かにたどり着くのは至難と言うか面倒です。
こちらも忙しいし、マスコミは「こう言う統計が発表されたよ」と言う程度のアナウンスで良いので、その代わり全体.詳細情報を見たい人が簡単に見られるようなサービス・・簡単にクリック出来るように出典を併記してくれれば便利です。
標準家庭などと言う訳の分らないデータ紹介よりは、データ自体を自分の家族構成にあわせてスキなように組み替え出来るようにすべき..情報サ-ビス業になって行くべきです。
政府情報あるいは国際情報に接することが限定されていた特権的地位の時代には、情報を入手したこと自体に価値があったので、新聞等が「社会の木鐸」など言う表現も妥当したでしょうが、そう言う時代はとっくに終わっていることを自覚すべきです。
(何かある都度留学経験者がテレビに出て、「海外では・・」と留学経験をひけらかしていた文化人も基礎データを開示しないで自分だけが知っていると言う根拠ない意見を開陳をしていたのも同じで、みんなが海外に出る時代になるとこれらの意見は欧米社会の一部の現象であって社会全体像とは違っていたこと・・言わば虚偽紹介であったことが分ってきました)
朝日新聞は飽くまで情報アクセスに関する特権的地位を維持したいために、非公開ルールを犯して折角入手した原発吉田調書を公開しないで秘匿したまま「自社だけが知っている」と言う立場で調書自体の公開をせずに自社の誘導したい方向へ要約して新聞記事にしたのが、原発吉田調書事件です。
もしも虚偽性さえ問題にならなければ、従来型「報道機関による取捨選択権がある」と言う謝った姿勢・・特権的地位維持の問題・・どこのマスコミもして来たことに過ぎなかったのですが、第三者がアクセス出来ないことを奇貨として内容と大幅に違うねじ曲げて報道してしまったことで、社会問題になったものです。
朝日新聞の「報道と人権委員会」見解では、非公開だった吉田調書を公開に導いた功績を高く評価していますが、これを読んで違和感を持ったのは私だけでしょうか?

「福島原発事故・吉田調書」報道に関する見解
2014年11月12日 朝日新聞社報道と人権委員会 委員 長谷部恭男 委員 宮川 光治 委員 今井 義典
2 見解の要旨 (1)政府が福島第一原子力発電所の所長であった吉田昌郎(まさお)氏(2 013年死去)の調書をはじめ772人の聴取結果書を一切公開しないという 状況の中で、吉田調書を入手し、その内容を記事とし、政府に公開を迫るとい う報道は高く評価できるものであった。」

朝日新聞はそもそも「国民のためになる」と言う大義の元でルール違反してまで調書を取得したものであるにも拘らず、これを自社だけが持っていて産経も取得したと言われても公開しないで秘匿したまま自社見解が正しいと言う主張を維持していたので、(不正報道している朝日を追いつめるために)政府に公開決定をされてしまい・・遂に発表予定当日か直前になって急いで謝罪発表したものです。
政府に発表させた功績があるかのように見解で言われても、朝日は発表されると困る立場でしたから、「実態のすり替え見解じゃない?」と思う人が多くないでしょうか?

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