原理主義の本籍(1神教)1

原理主義者の支配する「イスラム国」と言っても彼らのモットーは原理主義ですから、少しでも違う意見を全く認めない・・一切妥協出来ない以上は、内部対立の激化→引き締めは恐怖政治しかあり得ないので、長期的な統治は無理があって、(スターリンのような特殊人材が出るかどうか次第です)一定期間経過で内部からどうにもならなくなって行くのが目に見えています。
古来ジャコバンであれ、なんであれ恐怖政治が長く続いた例はありませんので、放っておけば自滅することをいじりまわして問題を大きくしているのが欧米の介入政策です。
ただし規模程度やタマタマ内部人材次第でスターリンのように長く続きますが、それでも放っておけばソ連のようにいつかは自壊します。
ソ連の恐怖政治はすごく長くて永久化したように見えましたが、結果から見ると革命後でも6〜70年しかなかったのですから、私のような高齢者になってみると「たったの70年もなかったのか!と言う感じになってきました。
我が国がアメリカに支配されている戦後の欺瞞秩序だって、いつの間にか70年もたつと無理(噓のほころびが目立つようになります)が出て来たので、安倍総理の70年談話内容がどうなるかを世界が固唾をのんでみているところです。
恐怖政治の寿命に戻しますと、もしも放っておいて長く続くものならば、ロシア革命後の白色テロや赤色テロに対する列強の介入・・シベリヤ出兵のように外野から介入してもどうなるものでもありません。
ロシア革命後のソ連の恐怖政治はスターリン死後急速に内部崩壊が始まって行ったのであり、介入によるものではありません。
(フランス革命に対する周辺国の介入も、何の効果もなく、却ってナポレオンが誕生しました)
北朝鮮はアメリカを中心とする敵視政策によってハリネズミのようになっているので、却って無茶な独裁体制が存続出来ていると見るのが普通でしょう。
ところで、世界中で左右を問わずに過激思想・・原理主義的主張や行動が増えて来た・・あるいは目立つようになって来たのは、イスラムで言えば世俗化の進行に不満を持つ少数者を生み出したことに原因があります。
詳しくは知りませんが、キリスト教の一派◯◯教徒のように自分たちだけで特定教義を信じて山奥で生活している分には無害ですから、偏狭な意見でも何でも放っておけば良いことです。
ベジタリアンであれ、◯◯愛好家であれそのグループが勝手に愛好してる分には何の害もありません。
(犬好きも猫好きもそれぞれが大会を開いて満足していれば良いことですが、喧嘩までする必要がありません)。
自分の考えや好みを他人に押しつけたがるおせっかいな人やグループが厄介です。
「山登りやスキーが楽しい」からと登山したくない人に、強制したり登山出来ない人を貶めたり迫害するようになると迷惑でしょう。
西洋系宗教関係者(日本の場合日蓮系・・折伏と言うおどろおどろしい用語を使います)は布教と称して、特定思想や行動様式を「これは良いぞ!」と押し付けたい傾向の人が多いからトラブルになります。
それだけならまだ良いのですが、考えや行動様式が違うからと他者に強制したくなるだけではなく、意見が違うことを理由に殺し合いまでしたくなる点が一神教徒の異常性です。
我が国で◯◯宗と言っても、佛教典の中のどのお経を中心に考えるか(華厳宗・法相蹴・真言宗・法華宗・・)と言う一種の学問系列的要素が濃厚です。
佛教は知識や文化の導入便宜として利用して来たことを書いてきましたが、宗派と言っても法学部、経済学部程度の違いでしかないことになります。
昔から高僧はいろんな宗派の寺院を渡り歩いていろんな勉強をして来たのは、(この勉強はこの寺院で・・)学問の場所と言う意識によります。
宗派対立で、人殺しまでしなくてはならないような意識はありません。
三井寺と叡山の「寺門山門」の争いは、宗教の争いと言うよりは世俗的利権争いと見るべきでしょう。
そもそも異教徒なる日本語は昔から存在しなくて、西洋語の翻訳として入って来たものではないでしょうか?

 戦火を収めるには?

日本のマスコミのように大騒ぎして安倍総理の演説が悪いとか、後藤氏の妻からの情報があったのに何故解散総選挙していたのか?とか、ゴルフしていたのか(辻元氏の国会質問)などあげつらって大騒ぎすればするほどテロ組織の思うつぼです。
(拘束されたとの情報から、殺害まで数ケ月もあったのに、その間選挙もせずにゴルフもせずに官邸に籠っていなければならないと言うのか?上記主張自体滑稽過ぎるので沈静化しましたが・・社民党の意識が大幅にずれているのは分りますが、最近のマスコミはヤキが回っているのかな?)
テロの勢いが余って、正規軍や行政責任者や警察を追い出して、仮にテロ組織が間違って?一定地域を支配するようになっても、テロ集団はマトモもな支配・政治を出来ませんので、山賊が麓の集落の警官を追い散らしたあと、一時的に暴虐の限りを尽くして暴れ回っている程度のことを、規模を大きくしただけに過ぎません。
残虐な殺戮を繰り返しているから放置出来ないと言うのでしょうが、もしそのとおりならば、長期支配は出来ません。
テロではない大規模デモ隊が市街地を占拠しても占拠地域の政治を出来る訳がない・・単に機能麻痺を引き起こすだけです。
テロリストが長期支配に失敗するまで人道上放置出来ないと言うのかも知れませんが、だからと言って1〜2ヶ月での解放は不可能ですから、結果的に一定の長期支配させておくしかない点は同じです。
元々原理主義者・テロリストは支配者になって政治・統治したくてテロをしているのではありません。
欲求不満のはけ口として権威に対して無茶苦茶な要求をしたり暴れたいから暴れている集団ですから、支配者になってあちこちに気を使いたくないので、タマタマ支配者が逃げてしまっても自分が代わって統治する能力がありません。
鬱憤ばらしに教室のガラスを割って歩いていた不良が集団化して学校を占領しても、学校運営出来る訳がないし、先生が逃げてしまったとしても彼らは運営をしたいとは思わないでしょう。
テロリストや原理主義者は硬直した主張が世間に受入れられないことを自覚しながらやっているので、世間が注目さえしてくれれば良い・・昨日書いたように一種の愉快犯です。
鬱憤ばらしをしているだけですから、相手にしなければ(大騒ぎしなければ)張り合いがなくなって、その内にエネルギーが消えて行きます。
昔からあるイナゴやバッタの大発生や最近のデング熱やエボラ熱もそうですが、一定のところで自然に収まるのが普通です。
マスコミが騒いで人道支援と称して大勢が応援に出掛けると、彼らが菌を持ち帰って世界中に広げてしまいます。
彼らが大挙して行ったからエボラ熱を制圧して現地のエボラ熱蔓延が下火になった訳ではないでしょう。
アフリカや中東の紛争が何年も治まらないのは先進国が・現地の人が可哀相だなどと言って(西欧にとっては本当はアラブ諸国が長い間仲間割れしている方が便利かもしれませんが・・)介入し過ぎるからです。
ウクライナであれイエメンであれ、放っておけばその内強い方が勝って短期間で戦火が収まりますが、双方に肩入れすると勝敗がつかないので、際限のない戦化が続きます。
朝鮮半島も米ソや中国が介入しなければ短期間で勝敗がついて、その支配体制が確立している筈です。
北朝鮮支配になっていれば人民が可哀相だと言うのはよそ者のへ理屈です。
中国人民に自由がないのは可哀相だと言うのおかしなへりくつです。
それぞれの人民と支配者が自分のレベルに応じた政体を選んでいるのですから、これがその国の民度です。
女性はベール着用すべしと言うルールは西欧から見れば窮屈かも知れませんが、その地域の人が自分で決めることであってよその国の人が容喙する必要はありません。
豚を食べたくない人は、食べなければいいでしょうし、食べる人を非難する必要がないでしょう。
日本では昔から「郷に入りては郷に従え」「所変われば品変わる」と言う諺があります。
「他所へ行けばその地域のしきたり・ルールに従って行動すべし」と言うもので、「自分の郷里ではこうだ」言い張ったり、出身地域別に固まることを戒めています。

テロリスト1と原理主義6

どこの国・社会にも、少数ではあるものの社会に対する不満の結果、一定数の過激思想の持ち主がいます。
社会に不満な人は一定数いるもので、その比率を下げることは可能でも、皆無にすることは困難ですが、昔は少数者や精神障害者が暴発してもすぐに取り押さえられて大した結果になりませんでした。
※最底辺の人だけが鬱屈しているのではなく、東大受験に落ちた人・・東大や一流企業に行ってもそこで落ちこぼれた人など各階層ごとに鬱屈した人は一定数います・・これがオーム真理教事件グループ内に一定のエリートがいた原因です。
要は個々人の精神の持ちようの問題が基本ですから、政治がうまく行っていれば鬱屈した人が減るものではありません。
アラブ諸国で過激思想の持ち主が仮に数%しかいなくとも、これが武装して過激行動に出ると厄介です。
先進国でアラブ原理主義に共鳴する人がかりに0、00何%しかいなくても、この僅かな人がイキナリ銃乱射事件や爆破を起こすと大変なことになります。
テロの脅威が高まったのは、始皇帝を狙った刺客列伝に出て来るような刀槍の時代に比べて、極端な少人数(100万対一人の戦いでも死を覚悟しての不意打ちの場合)でも火力が大きくなっていて大変な威力を発揮出来るようになったことに原因があります。
物理的威力・結果としては昔と大して変わらなくとも、平和社会になった反動で、1〜2人の殺傷でも、安心社会に対しては大きな衝撃を与えられるようになっています。
日本は平和な社会に慣れ切っているので、比例してテロに対する抵抗力が精神的に弱くなっています。
イスラム国のテロ組織に殺された日本人は2人しかいませんでしたし、しかも遠くの危険地域へ自分でへでかけて行った人でしたが、日本社会に与えた衝撃が甚大だったのです。
しょっ中あちこちの殺人事件や交通事故が報道されるので、「最近は物騒な世の中で困りましたね」と言う人がいますが、刑事事件統計では凶悪犯や交通事故死はもの凄く減っていることを大分前に統計表をコピーして紹介したことがあります。
昔は問題にならなかった北海道や九州のちょっとした事件や交通事故まで、東京で繰り返し報道するから、しょっ中事件があるような印象を受けるだけです。
「物騒になった」とか、「うっかり子供を遊ばせられなくなった」と言う人は、客観的事実を言っているのではなく、最近の「安全安心社会」を前提にちょっとした危害にも敏感になり耐力がなくなっているから、不安感を強調していることになります。
人間は暖かくなれば、たまにちょっと寒いと厳冬期より暖かくっても寒いと感じますし、その置かれた環境を基準に生きているものです。
しょっ中目の前で人殺しや強盗に遭っている社会では、ちょっとやそっとの犯罪に遭遇した程度で驚きません。
報道写真家の行動を見ていつも疑問に思うのですが、アフリカで裸足で歩いている子供は生まれつきそうした環境で育っているので、こちらの基準で可哀相と言って報道したり、クツや衣類を持って行って配る必要があるでしょうか?
現地の産業興隆の底上げに協力するならば意味がありますが・・衣類や食糧を配ることほど意味のないことはありません。
暑い国の人は可哀相だ、寒い国の人は可哀相だと言うのと本質は同じで、それぞれその環境が慣れていていいから極寒・炎熱の地で生きているのです。
紛争地域の子供は貧しいだけのアフリカの子供よりも悲惨なようですが、彼らも長年続く紛争やテロの現場を見聞きする環境で育っているのであって、日本の環境と比較して可哀相だと言って写真を撮りまくっているのって、上から目線っぽい感じがしますが、そう思うのは私だけでしょうか?
命をかけてテロの現場に入り組んで報道する人がいないと彼らの悲惨な現状が世界に伝わらない・・立派な行動をしていると賛美する印象のマスコミ報道が一般的です。
昨日書いたようにテロリストは一種の愉快犯ですから、世界に大々的発信してもらう方がやりがいがあるので、耳目を引くやり方をとっています。
彼らは政治支配する目的がない・多数の支持を必要としていないのですから、あっと驚くような残酷さなど大げさにアッピールすることが楽しみであり、目的でしょう。
こう言う手合いは、実は彼らの要望に応じて大々的な報道しないで放っておけば(政府・国際機関としては情報収集するのは必要ですが・・)自然消滅してしまうしかない運動体です。

原理主義と利害調整5(未成熟社会2)

現政権打倒を叫ぶ原理主義勢力は、現政権に反対している点で一見民主主義勢力のように見えますが、目的とするところは逆です。
軍事政権が欧米価値観と妥協して少しずつ戒律を緩めて自由化していることを批判しているのですから、彼らが政権を取れば、正面から原理だけ・・即ち一党・1神教独裁(イスラム諸宗派内でも、より純粋?硬直的教義実行を主張しているのですから、一応西欧的信仰の自由などを認める妥協的軍事政権や王制よりも、もっと偏狭な政権となります。
「文句を一切言わせない・原理の修正を一切しない結果→強権政治を!」と言うのが、原理主義運動の本質でしょう。
イランのパーレビ国王の専制体制を転覆したのはアメリカのカーター大統領の人権外交の成果?でしたが、実際に政権を取った原理主義者は、政教一致の原理主義で厳格な戒律が復活して(女性は外に出られない・スカーフの着用強制など)却って国民は不自由になってしまいました。
原理主義のママでは現実政治を(紅衛兵運動みたいな吊るし上げ・・恐怖政治は長続きしません)長期的にやって行けないので、その後徐々に穏健派が勢力を増やしていますが、もとの王制で得ていた程度の自由を復活するには数十年〜50年単位の時間軸で、かかるかな?と言う程度です。
それでも欧米の強制・押しつけられた結果より、自分たちの実力で選んだ政体の方が幸せと言う価値観で国民の不満を慰めているのでしょう。
民族は、自分たちの能力に応じた政治しか出来ないと言うところに落ち着くしかないようです。
イラクのフセイン大統領の圧政から解放した筈のイラクでは、収拾がつかなくなっているし、アフガンでも同様です。
数年前のチュニュジア、リビアに続くエジプトの政変では、民主化?された結果、信教の自由をある程度守っていた政権の重しが取れたことから、キリスト教徒に対する差別や迫害が始まっていたようです。
4〜5日前に起きたリビアでの、テロリスト「イスラム国分派?」によるエジプト人のキリスト教徒大量処刑事件は、エジプト騒乱・・民主化デモ以来の迫害から逃れるためにキリスト教徒が隣国リビヤへ出稼ぎに出ていたことが、事件発生の背景のようです。
事件は単なる政治闘争である「イスラム国」の過激事件と言うよりは、元々宗教原理主義=異教徒に容赦ない本質があぶり出されたことになります。
世俗政権であるエジプト軍事政権は、欧米の支持が欲しい以上はこれに報復攻撃するしかないのですぐに空爆で報復したのはこのような背景があるようです。
関係のない日本人人質処刑などで「イスラム国」が敵をドンドン増やして行くのは、一見愚策のように見えますが、元々彼らは多数の支持を得ること・・正義を目的としてはいません。
テロリストはテロで騒ぎを起こすのが目的・・一種の愉快犯であって、恒久的政権・・国民支持が必要な領域確保まで望んでいないのですが、たまたまイラクの元フセイン政権の残党(元軍人)がこの主力となっていることからか、「イスラム国」として一定の支配地域を確保したことで事態対応がややこしくなっているだけです。
テロリストの本音から言えば、支配地確保・・自分でいろんな意見を吸収しながら政治することに関心がなく、テロリストはテロすることが自己目的です。
テロリストがての結果一定の地域を支配してしまうと、その地域でテロする訳に行きません・・精々イキオイに乗って残虐性政治しかないのですが、それでは続かないし支配下の弱い人間をいたぶるだけでは面白くないでしょう・・。
昔から山賊は気まぐれに出没している程度だからやって行けるのであって、その集落や地域支配者になってしまうと必要な政治能力がありません。
彼らの本質は支配地を持たずに、第三者の支配地で騒ぎが大きくすればなるほど・・権威に挑戦することが楽しいのであって、対キリスト教の宗教戦争に広げて行けば、当面アラブ全域で自分たちの影響力・騒ぎを広げて行けると読んでいるからでしょう。
この辺・・テロ組織イスラム国主力の元フセイン軍残党の方は領域支配に関心がありますから、騒ぎを世界に広げて行くと折角の支配地域維持確保が出来なくなるので、拡大策への不満が生じて来て・・意見が割れて行くと思われます。

原理主義と利害調整4(未成熟社会1)

大統領制といってもドイツやインドのように首相が全権を握っているお飾り的な大統領制から、ある程度議会が機能しているアメリカ、韓国、フィリッピンやインドネシア方式から、独裁制に近いロシアの大統領制まで多段階です。
お飾り的な大統領を除けば、議院内閣制の国に比べて大統領の権限が強力・・原則として行政執行に議会の同意が要らない点が共通→その分複雑な調整過程が不要・・しかも任期の長い点(韓国では1期5年です)が共通です。
軍事独裁政権・または旧ソ連や中国の共産党政権は、大統領制に移行するまでの過渡的社会形態ですから、社会の発展段階・・能力に応じて利害調整努力している点では、軍事政権・独裁政権と言ってもいろいろなニュアンスがあります。
調整能力のない民族が社会状況を無視して、民主主義を導入して、民意をまともに聞いていると国民は勝手な主張ばかりで妥協を知らない以上は、混乱し、内部紛争が激しくなるばかりです。
これが独立後のアフリカ諸国で発生した内戦・・部族紛争多発の原因でしょう。
未成熟社会では、アメリカや韓国のあるいはロシアのような大統領制にして任期中民意を直接問題にしない強権発動形式(国情によってニュアンスの段階がありますが・・・)にするか、そこまで行かない社会では専制的な軍事独裁体制(選任が民意によらないだけで日常業務が直接民意に縛られない点では大統領制と運営方法は同じです)が似合いです。
これが新興国で言われる開発独裁が賞讃される所以ですが、調整能力のない民度の社会では、民意を一々聞いていたら何事も進まない点では、開発に限りません。
開発独裁がうまく行くのは、タマタマキャッチアップは簡単で成功率が高く、開発→急成長があるので民意無視の強権政策のマイナス点・不満が陰に隠れているだけあって、成長が止まると矛盾が吹き出して(民意無視で我慢させられていた不満が吹き出して来て)独裁政が行き詰まります。
日本で言えば成長さえすれば、財政赤字や自殺問題が解決しそうになるのと同じで、成長が全ての解決策の底上げ材ですし、逆から言えばマイナス成長は全て不満・矛盾拡大の根源になります。
この危機感に揺れているのが、中国の成長鈍化リスク→習近平政権による内部引き締め策・・その次に用意されるのは粛清に継ぐ粛清をして来たスターリンのような恐怖政治でしょうか?
勿論軍事政権も民意を全く無視して良い訳がない・・国民の支持があった方が良いに決まっていますから、国民に支持して欲しい点では民主国家と本質は変わりません・・ここでは、法形式の違いと強権政治を受入れる国民意識の違いを書いています。
原理主義勢力とは、軍事・または独裁政権が、国民支持を求めるために徐々に進めている近代化・(トルコやサウジで言えば世俗化の進行))妥協を許せない、超保守・反革命勢力(例として言えば、中国の文化大革命・・アラブの女性にスカーフ着用を強制しろと言う原理主義)ですから、アラブ諸国での原理主義による反政府運動=民主勢力とするかのような歓迎論調のマスコミ報道姿勢は間違っています。
アラブの春で勢いを持っている原理主義グループは、(世俗に汚れた?)軍事政権よりもモット純粋に信教の自由を許さない・その教義もイスラム教徒内での偏狭な強硬一筋の宗派の意向の独裁体制の復活を求めているグループのようです。
(アメリカでもキリスト教の一派で特定教義にこだわる宗派があると言われますが、その宗派を過激運動体にしたようなものか?)
アメリカの茶会党も、利害調整を拒否する=他者の主張との妥協・利害調整を一切認めない傾向が強い点では、宗教に本籍を持っていないとは言え、アラブの原理主義者と傾向・本質は同じです。
アメリカは中東アラブ諸国での軍事政権打倒運動勢力を、反政府=民主主義議勢力であるかのように(マスコミ同様に誤解していて)応援するか、応援しないまでも民主勢力に軍事政権が妥協すべきだと言うスタンスが多い・・エジプト軍事政権に非協力になっているのがその結果ですので、中東・アラブの混乱が却って広がっている感じです。

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