国際情報の一般化と知識人の没落1

戦後鉄のカーテンや竹のカ−テンの結果、共産圏諸国の実態が不明だったから、共産圏のシンパとして招待される左翼系文化人が、共産圏情報を独占していました。
彼らによって実態と正反対の共産圏を美化した宣伝・・マスコミもこれを煽っていました・・が可能であったのですが、今では無理になっていると6月1日に書きました。
左翼系文化人は招待されて実際にソ連や中国へ渡っていたのですから、実態を全く知らなかっと言う言い訳は通用しません。
仮に彼らも騙されていたとしても、騙されていた失態または積極的虚偽報告して日本の若者に誤った観念を植え付けてしまった責任を取ったのでしょうか?
彼らの責任論はおくとしても、情報独占しているから、好きなように国民を操作できるという思考方式はまだそのままのような気がします。
欧米には秘密保護法関連の法制度が存在することを(国民に知らせないで)前提に比較しないで「こんな法律が施行されると、日本は暗黒社会になる言論の自由を守れ・・」と不安をけしかければ、国民はその宣伝にのってくると誤解している様子です。
今は国民の多くが外の先進国にも似た法律があるのではないかと言う程度の情報があることから、これを隠したままの議論で終始するのは無理になっていることがまだ分らないのです。
日本で特定秘密保護法を施行すると日本が暗黒の非民主国になってしまうというキャッチフレーズですから、彼らの論理では秘密保護法のある国は全て暗黒社会になっていることになります。
米英仏等先進国にスパイ防止関連法(秘密保護法)が全くなければ反対論は一貫します。
ところで米英仏等先進諸国でスパイ防止関連法制のない国はありませんから、合理的な反対論であろうとする以上は、米英仏等の法律と日本の法律のどこがどう違っている・・この違いの部分が危険なのだという実証的議論が必須です。
私はそこを知りたい・・内容次第で本当は日本の法律ならば危険なのかどうかを知りたいのに、(それによっては反対論の側に立つこともあり得ると思ってその気で反対論を読んでも、)米英仏等との条文比較等何の資料を出さないままで反対声明ばかり繰り返しているので、却って怪しく思うようになってしまいました。
集団自衛権論争に関して反対論者が具体例の議論をいやがっているのと同様で、(昨日読売新聞の調査結果を紹介しましたが具体例になると賛成者が8割近くになっています)具体例を出して米英仏等の条文と比較検討の議論すると却って不利(却って日本の法案の方が民主主義・人権に配慮していることが明らかになる)なのかも知れません。
私には声明文しか送って来ないのは、法律家ならば、自分で英米仏の条文を取り寄せて逐条的に研究しろというつもりかも知れませんが・・。
法律家集団(内の専門組織)が民主国家でなくなってしまうと反対運動をしている以上は、とっくに海外事例を研究済みでしょうから、(自分たちだけ知っていると格好着けないで)これを一般会員に配布すればいいことです。
しょっ中反対声明等のビラや意見書を次々と配って来る手間で、そのビラに対照表等をコピペする程度の手間で足りるのにこれをしないでままです。
一般法律家に対して(これだけの長期間経過しているのでその準備期間があった筈です)当然配布すべき資料を配布しないで声明文だけ送って来るのでは、反対論者(運動家・専門集団)は一般法律家に対して「知らしむべからず」の方針に徹している・・英米等の法律との比較論を一切拒否していると評価されても仕方がないでしょう。
この姿勢は、集団自衛権に関して解釈変更が許されないと言う入り口論に終始していて、実態把握を前提にどこまで許されるかの具体的議論を拒否している姿勢と相通じています。
外国法制との比較を一切しないで特定秘密保護法が出来ること自体で直ぐに暗黒社会になるかのような乱暴な議論・アッピールでは、ある程度普通に考えることの出来る国民ならば、しらけるのではないでしょうか?
こんな幼稚な?論理展開をして完結しているつもりの主張や反対声明を見ると、論者は国民が世界中の国がスパイ防止関連法を整備していることを知らない筈と言う前提で「世界にはこう言う法律があると言わなければ国民には分らないだろう」と誤摩化せば良いと考えているとすれば一貫します。
鉄のカーテン時代同様に文化人・知識人と称する人たち?が現在も情報を独占しているつもりで、今でも国民を愚昧なもの・・自分は前衛でエリートだから世論をいくらでもミスリードできるつもり(滑稽な誤解・自信)でいるのはないでしょうか?
この種の考え方は中韓両政府が「嘘でも宣伝すれば愚昧な世論はそう信じる」と言う前提で行動しているのと考え方が似ています。

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