マスコミの信用失墜17と特定秘密保護法5

特定秘密保護法反対論を見ると、文化人?は自分が卓越した指導者で無知蒙昧な国民は指導に従って,盲目的について来れば良いという共産党で戦後普通であった前衛思想で今でも実践しているかのようです。
日本人は識字率が高い・・自己思考能力が高いので、ボトムアップ社会になっているのですから,リーダーシップ中心の「指導者に従えば良い」という欧米流では、共産党が支持を増やせなかったことを反省していないのではないでしょうか?
世界の法制を(仕事の合間にこのコラムを書いているので)私自身サーチする能力がありませんが、世界中の民主主義国家で核兵器設計図や核弾頭運搬技術等を公開している国がない・・漏洩を禁止していることは、サーチするまでもなく未だ核兵器等が世界に拡散していないことから明らかです。
官邸や原子炉の警備計画/配置図を考えても分りますが、配置計画を今年変更したから前の計画図や配置人員等の公開しても良いとは言えません。
建物の設計図が同じである限りは,設計後50年経っても100年経っても公開すべきではないでしょう。
施設が同じである限り警備計画を変更したら前の計画図などを公開して良いのではなく、変更しても変更前の警備計画図を見れば、警備の傾向や変更後の大方の傾向が推定されてしまいます。
このように開示して良いかどうかは各種分野ごとに詰めて行くべきものですから、法ですべて画一的に予め決めるのは無理があるので、行政府・審議会などで事案に応じて決めて行くしかありません。
立法府ではなく行政機関が決めるのではナチス授権立法と同じだと言う反対論・主張もありますが、これでは慰安婦問題をナチスに見立てて世界中で騒いでいる韓国政府主張同様の立論で我が国内では説得力がありません。
たとえば政治交渉議事録は◯◯年とか放射能漏れ等の情報等は結果だけは即時公表するとか項目ごと分類して議論すべきです。
分野別専門家による第三者機関を定めて、原子力施設や兵器(戦艦から航空機やミサイル・魚雷等々分野が違うと専門家も違います)ロケット技術や毒物・サイバーテロや新型ウイルス攻撃からの防止技術や警備その他分野別に専門家が違うのですから、更に細かく見て行くしかないのではないでしょうか?
この種の事案は上記のようにちょっと考えても無限に近いバラエテイーがあるし、日進月歩の技術変化の問題もあるので、すべて法=国会審議・・プロではない国会議員が何十年も前から期間を固定的に予め決めておくのは無理があると思います。
きめ細かな議論をしないで、どんな分野でも一定期間経過で機械的に公開しろという批判論(更新回数制限論)は、一定期間経過で無防備・テロ対策警備が無用というのと同じような議論になってしまい、無防備平和主義の焼き直し意見となります。
今でも、論者によっては中国が攻めて来たら戦う必要がない・・逃げれば良いと公言する人もいるようですが、こんな無責任な意見の持ち主はごく少数でしょう。
意識的・無意識的問わず、政治運動には背後に何らかの期待利益集団があるのですが、彼らがどう言う利益集団の意見を代弁しているのでしょうか?
「秘密を認めると民主主義が崩壊する」かのような極端な議論が多いですが、アメリカでもどこの先進国でも秘密法制があるのですから、どこの民主国家をモデルにして議論しているのか理解不能です。
ナチスに見立てた単純な主張の仕方をすることで、それらの組織・団体の信用が却ってなくなっているのではないでしょうか?
秘密保護法が制定されると軍国主義へ道を開くなどという中韓政府の言い分そのままの大宣伝にもかかわらず、その後の世論調査でも安倍政権の支持率は下がりませんでした。
この点でもマスコミは如何に国民世論・・国益を守る意見と遊離しているかを明らかにしたことになります。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC