集団責任5(近代法理の変容14)

表現の自由を認めると名誉毀損行為やエログロ猥褻・ポルノが蔓延するように、個人責任を強調し過ぎると集団行為を悪用する人が増えます。
証拠裁判主義を強調すると証拠さえ隠蔽すればいいのかと言う人が増えます。
法制度は悪用する人が出て来るとこれにいつも柔軟対応して行くしかないのですから、近代法の原理・法理とか、平和主義とかを標榜して具体的議論の思考停止を求める意見は、そもそも頭が固過ぎると思います。
「現在は近代ではない」と言う意見を共謀罪法案に関連して、このコラムで昨年書きました。
サイバーテロの本格的な攻撃は個々人には難しいし、軍事機密漏出やロケット弾や人工衛星システムの作動撹乱攻撃(準備)などは、個人犯罪としてはあまり意味もないので、やっているのは、ほぼ国家的組織・資金がバックにあっての攻撃と推定されますが・・この証明がアメリカでさえ出来ず困っています。
個人責任主義は証拠が簡単に入手出来る前提の議論であって、巧妙に仕組まれると肝腎の首謀者・・収益帰属グループが検挙されない・・何の責任も取らないことになります。
特定秘密保護法等の制定機運は、・・サイバーテロ対策が基礎にあります。
民主主義だから何でも公開するべきだと言う民主党や文化人の意見は時代変化にあっていません。
近代法の原理と言うのは一種のスローガンであって、そのまま貫徹して行くと悪用する人が出るので、無理が出てきたのが現在です。
この意味では/2015/02/19「近代法理の変容13・破綻4(日本固有の法理5)」の続きになります。
自由主義だから、クルマの走り方も人殺しでも泥棒でも全て自由にすべきだと言う議論をする人はいないと思いますが・・。
全てモノゴトには限界や例外があります。
特定秘密保護法制定批判論は「秘密=反民主主義的で良くない」と言うばかりですが、このために秘密保護法案は「特定」と限定されているのですが、マスコミ・文化人?はその辺を報道しないで、民主主義の危機と煽ります。
総理や原子力関連施設等の警備体制など秘密にしなければならないことが一杯ある筈ですが、これらの例外を認めずに公開することが何故民主主義に不可欠かの説明もありません。
人権団体も秘密の例外を認めるならば、秘密保護法制定自体が民主主義の危機ではなく、知る権利の例外とするべき基準造りの段階でこの基準がおかしいなどと意見を言えば良いことです。
アメリカがイラン相手のように中国からのサイバーテロの仕掛けに対して、対中国で全面金融制裁を出来れば良いのですが、世界中が中国とは深く経済関係を持ち過ぎているので、中国相手の金融取引全面禁止などとても出来ない状態です。
中国は「図体が大き過ぎて世界の村八分に出来ないだろう」と言う自信が、臆面もない無茶をやっていられる原因と言えます。
しかしこのコラムでは、2015/06/12「資金枯渇8(出血輸出とその原資2)」まで、中国の経済破綻の可能性に付いて書いている途中で、中国の世界ルール破りの弊害から集団行為に対するペナルテイの必要性に話題がそれていますが、世界経済の潮流は結果的に中国から撤退縮小に向かっています。
中国に国際秩序を守らせるためには、中国関係を縮小して行くしかないと言うのが、今の潮流でしょう。
ドイツ(日本では伊藤忠)がその穴埋めに動いているのは、不可解と言うか時流を読み違えているのではないでしょうか?
中国が流出し続ける海外資金の穴埋めのために、庶民の株式市場参加を必死に煽っていることも/2015/05/13「中国のバブル崩壊16と庶民の株売買参加1」に書いてきました。
基礎的経済状態が出血輸出するしかない・・製品投げ売り状態になっているのに、瀕死企業中心の上海・深圳株式市場相場が急騰する・・情報のない庶民をあおって市場参加させても長続きする訳がありません。
5月末ころから下落基調が始まってなりふり構わない短期関での金融緩和の繰り返しで応じていましたが、緩和程度では効き目がなくなって、先週では毎日のように、ストップ安が続いていましたので、先週末には国有証券会社等に命じて資金約2兆円以上投入すると発表して市場動揺を抑える発表をしていました。
7月8日水曜日の日経朝刊3pには、上海、深圳両市場の上場企業の三割が既に売買停止になっていると報道されています。
際限ない株価下落になるのを恐れて前日までのストップ安企業はそのまま取引停止にしていることが窺われます。
金曜日に大量のストップ安が出ていたので、売り損ねた投資家が月曜日に殺到するのではないかと思っていたら、そうでもないので、不思議でしたが、このような措置をとっていたことが分りました。
三割売買停止と言うことは、(残りの売れる株を売り逃げしようとするのが普通ですから、)毎日のように、売り先行で始まり途中で政府資金投入による買い支えと言う繰り返しが待っていると思われます。
このように、(上場企業の大半が国有企業なので破綻させる訳に行かず)政府が裏で資金投入して買い支えしている間に、外資が売り逃げるので余計(資金枯渇が進み)苦しくなるでしょう。
・・国を挙げての仕手相場はいつか破綻すると言う意見で書いてきましたが、これが本当に目の前に迫ってきました。
上記のように現在は殆ど株式市場機能麻痺状態ですから、自分からデフォルトしているのと効果が似ています。
ギリシャが、銀行窓口を自分で制限しているのは、国際取引停止されて100%イキナリ停止にくらべれば、自主規制の方が効果がソフトで市民への打撃が少ない(小口現金払い戻しには応じているようですから)メリットがあります。
中国も売買停止幅を2〜3割〜4割と徐々に広げる方が、(ギリシャの銀行で言えば徐々に一人当たり払戻金額を下げて行くようなものです)イキナリの市場閉鎖よりは衝撃度を緩める効果があるでしょう。
いずれにしても中国が自爆状態で事実上経済活動を徐々に縮小して行くしかないとすれば、結果的に国際社会から、金融取引禁止または制限を受けたのと同じ状態になります。

ヘイトスピーチ論 6(定義の重要性)

ドイツでは(何に対する言論が処罰されるの正確には知りません)ナチス犯罪否定言論自体が刑事処罰されるらしいので、ドイツ人の内心では、いろんな疑問が起きても公式発言が許されていません。
20日に書いたように、内心では「本当はどうだったの?」と言う疑念が広がっていると思います・・これを刑事罰で抑圧しているのでは、百年単位の経過で無理が出るだろうと言うのが私の想定です。
日米開戦にいたった経緯や戦争中の米軍による国際法違反の住民虐殺を目的にした焼夷弾攻撃などの残虐行為、対日戦後処理でも日本は不満が一杯あります。
個別の問題でも、たとえば、「バターン死の行進」を例にすると、日本からすれば日本兵が食べないで優先的に米兵捕虜に与えていたのに・・米兵から見れば、根っこを食べさせられた虐待となりますが、日本人にすればごぼうなどは貴重な食糧です。
この種の言い分を耳がたこになるほど大人から聞いて私は育ちました。
こういう言い分がドイツに全くないとは思えません。
以下は私の記憶では頼りないないので、ネットからの、引用です。
http://kenjya.org/sonota3.html
「バターン半島死の行進」での司令官・本間雅晴中将は、マニラ裁判で死刑になっている。でもこの行進はトラックがなかったからで、日本兵だって歩いていた。決して捕虜を殺すために歩かせたわけではない。
ここで重要なのは、フィリピン戦でマッカーサー軍は本間軍に破れており、マッカーサーは命からがらオーストラリアに逃げている。これは「復讐」である。
                 《渡部昇一 「自ら国を潰すのか」》
自分たちでさえろくに食べられないでいた日本軍に、いきなりその統制下に入った8万の捕虜に十分な食糧を与えられる余裕があるはずはないし、ましてこれだけの人数を運ぶトラックやガソリンも持っていなかった。食うや食わずでひたすら歩くのが日本軍の常であったため、これを虐待だとは思わなかった。
   《若槻泰雄 「日本の戦争責任」 他の著書「「在中二世」が見た日中戦争」》

こう言う具合にモノゴトには、いろんな言い分があるのですから、弁解のチャンスが必要です。
刑事罰で言論弾圧して解決出来るものではありません。
マッカーサーの個人的怨恨による復讐に対する復讐?これを防ぐにはアメリカによる謝罪・・本間中将に対する名誉回復・損害賠償がその内、日程に上らざるを得ないでしょう。
ヘイトスピーチの定義を全く決めないで、マスコミが一方的に(基準のないまま恣意的に?)自粛して報道しない弊害に戻ります。
犯罪の範囲を決めないで「悪いことをするな」と言うだけで、「悪いことをするなと前もって言ってあったろう」と専制君主のご機嫌次第でイキナリ処罰されるのでは困ります。
刑事罰には「罪刑法定主義」が近代民主国家の要件になっている所以です。
最近は、刑事罰さえ主張しなければヘイトスピーチの定義がいらないかのような風潮で誤摩化していますが、それは危険です。
「ヘイトスピーチが行けないから自粛しましょう」と言うだけで、定義を明らかにしないままですと、マスコミは恣意的基準で報道から除外出来るようになるのでマスコミを支配しているグループが事実上報道規制する弊害が起きます。
国民の方も自粛すべき範囲がはっきりしないから間違いのないように「少数・・朝鮮民族民族が何をしていてもその批判をやめよう」「危ないことに近寄らないように」となり易く仮に勇気を出した批判があってもマスコミの方で朝鮮関係の批判論は「無視して報道しない」と言う方向へ誘導する・・朝鮮人に限定した少数民族に関する言論不活発化・・事実上の報道規制を期待していることになります。
これでは朝鮮人が何しても報道しなかった「戦後占領政治の延長・焼き直し論じゃないの!」と思う人が多いのではないでしょうか?
マスコミが言論の自由によって成り立っている以上は、ヘイトスピーチ自粛を主張し、疑いのある意見は一切無視して報道しないと決めるに際しては、その定義をはっきりさせてからにするべきです。
専門家が議論しているのかも知れませんが、ヘイトスピーチの定義論を私は聞いたことがありません。
ヘイトスピーチの定義を曖昧にしたまま・・・・一般人に知らせないのでは「民をして知らしむべからず恐れさすべし」と言う前近代的手法です。
現状では、「ヘイトスピーチをする人は人道的配慮が足りない・恥ずかしいことだ」と言うイメージ刷り込みばかりで、外国人の中で在日だけが何故日本人よりも手厚く保護され、他の外国人よりは数々の特権を享受出来ているか、享受出来るべきかの説明がありません。
従来は戦時中に連れて来られた可哀相な人達だからと言うのが言い訳でしたが、これがマスコミと米軍と朝鮮人の合作によるでっち上げた虚構であったと暴かれてしまったので、今は何の反論も出来なくなったのでヘイトスピーチ論で在日朝鮮人の特権批判をマスコミ報道から、葬ろうとしているように見えます。
ドイツのように刑事処罰法がなかったので、幸い虚構が暴かれたのです。
(もしも禁止法が制定されていれば、朝鮮側の虚構主張に対する批判だけで刑務所行きになったのかな?・・恐ろしいことです)

ヘイトスピーチ論5と言論の自由3

マスコミが強調しているヘイトスピーチの定義が曖昧模糊としていて、(あるいははっきりさせようとする解説がなく)定義がない以上は、マスコミとしてはリスクがあるので、在日批判に関する報道が出来ない・・してはいけないと言うスタンスになっているようです。
何となく朝鮮民族に対する反論が許されないイメージ報道によって、良識ある?国民はこの争いに関与しないように誘導されています。
ヘイトスピーチの定義をはっきりさせないで、異民族・・特に在日に関しては批判が道徳的に許されないイメージ報道だけが先行すると、国民の方ももしかして道義に反してはいけないと多くの人が尻込みしてしまい、活発な言論を妨害する効用を発揮します。
韓国にとっては、慰安婦その他で自分は国際攻勢をかけながら日本国民からの反論をマスコミが報道しなければ、(政府はアメリカの力で押さえ込めると確信しているでしょう・今回は活発なネット言論の結果抑え込めなくなったので紛争が想定外に大きくなってしまったのです)韓国にとってはマスコミ宣伝競争だけになれば、(外国には日本国内のネット言論・・日本語は紹介され難い)だけでも戦果があったことになります。
表現の自由を禁止(処罰)していなくとも、マスコミが一方の主張だけ取り上げなければ、事実上表現の自由の大きな制約になります。
特権批判が刑事処罰されない結果になったとしても、ヘイトスピーチの疑いと言う一方的判定で(定義をはっきりさせない=基準が恣意的になります・・結果として大事を取って幅が広がります)マスコミが一切取り上げないのでは、民主国家のマスコミと言えるのでしょうか?
そのままの表現は品格上問題がある場合があるにしても、公平なマスコミを標榜する以上は少なくとも要約して、こう言う批判があったと言う程度の紹介をすべきです。
マスコミによる完全黙殺が有効だったのは、マスコミが国内世論をほぼ100%操作出来ていた時代だったからですが、今やネット世論が広く拡散される時代であるから却って偏頗なマスコミ報道姿勢がマスコミの存在意義を崩して行くことになるでしょう。
デパートが気に入らない相手の商品を店舗販売から閉め出しても、スーパーや専門店で売れてしまうようになるのと同じ・・却ってデパートの空洞化に繋がります。
例えば、最近の報道で言えば、神社仏閣への油汚損犯人検挙に付いてマスコミがほぼ一致して何故「邦人」としか報道しないのかのネット上の疑問に対する応答が全くありません。
ネットで拡散している疑問を黙殺さえすれば、マスコミの態度が貫徹出来る時代でしょうか?
国民の大関心は「日本人がそんな罰当たりなことするかな?」と言う関心があったのですが、「邦人」と言う怪しげな報道姿勢が、マスコミ界の姿勢を表しています。
アメリカやフランスなどでの普通の(銃乱射)事件や最近起きたフランスのテロ事件報道を見ても、全て何系何人と言う報道が普通なのに、今回のように民族系に関して大きな関心のある事件で、犯人名すら報道しないのはヘイトスピーチ論を意識したものと思われますが、犯人名の隠蔽がヘイトスピーチ自粛になると言う運用をしているのは、日本のマスコミだけです。
いろんな事件報道で、フィリッピン人やイラン人などの場合、日本でも普通に国籍など報じていますので、在日が犯人の場合だけ隠蔽する合理性が問題です。
こうした動きを見ると、ヘイトスピーチ非難名目で自主規制を始めたマスコミの意図(何の釈明もありませんが・・)がある程度推測されてしまいます。
ところで、日本人同士でも、特権を享受している政治家や組織があれば、(あるいは有力者のコネでその関係者が優先入学出来たなどの批判)その優遇措置がおかしいと批判するのは言論の自由の範囲です。
合理的根拠があれば特権を享受している関係者や業界が、根拠を開示すれば済むことです。
少数民族・あるいは支援者が国内政治運動した結果、一般国民よりも不当に大きな権益を得ている場合でも、(例えば農業補助金制度)それに対して国民が批判・反論することも出来ないのでは、民主主義国家とは言えません。
仮にコネ入学等が批判されている場合、このことすら政治家の圧力で全く報道しないのでは、民主国家のマスコミと言えるでしょうか?
反論しても処罰しろとまでは言わなくなりましたが、ヘイトスピーチの疑いがあるので「マスコミは在日批判は一切取り上げません」と言うのでは、マスコミの威力を考えて事実上の言論弾圧(創価学会による藤原弘達に対する出版妨害事件を想起して下さい)に似ています。
ところで在日の特権批判・・例えば検挙されたときに日本人等は皆本名どころか、経歴まで開示しているが、在日に関してだけ本名すら開示しないのは何故かと言う意見は、ヘイトスピーチになるのでしょうか?
先住民に対する保護政策のように弱者保護のために有利な保護政策が採用されることがありますが、それとてもその保護策が程度を超えていないか、合理的制度か、どうあるべきかの議論の対象になるべきです・・。
民主国家においては、同一民族内弱者(身障者等)に対する社会保障政策・・程度が、どの辺にあるべきかの議論が許されるのと同じです。
外国人が日本人よりも有利な特権を得ている場合、その特権の有無程度やその妥当性・・全外国人観光客に免税店を設けているように外国人間で在日の扱いは公平なのか、在日だけ特別扱いする根拠は何かなどを国民がオープンに議論するのは民主国家の言論の自由そのものです。
いわゆる在日特権は、特定集団に加盟している人だけの特権ではなく(特定集団員のみ受益しているならば、その集団に加盟していない在日を非難するのはまさにヘイトスピーチでしょう)在日であることのみを要件にして在日朝鮮人が全員受益しているとすれば、在日全部が特権を受けている以上は、全在日が批判対象・妥当性に関して政治議論対象になるのは仕方がないことです。
特別受益があるのはおかしい、あるいは大き過ぎる・・あるいは外国人の中で朝鮮人だけ何故特権があるのかと言う批判に対して、不当な特権を受けていなければ堂々と反論すれば良いことです。
相手が朝鮮人組織だからと言う理由で?これに対する批判がヘイトスピーチになるかのようにイメージ操作した上で、こうした意見があることを報道すらしない、反論すらしないのでは、(反論出来ないのだと言う理解・・)在特会の主張が正しいのかな?と多くの国民が思うようになるでしょう。

資金枯渇5(撤退加速と流入減)

中国は「アジア危機の教訓」と言う名目で、ホットマネー(短期資金)の流入(実は流入はいくらでも良いのですが、流出を恐れているのです)を厳しく規制していましたが、自由に任せる・・流出を恐れると言うことは、公表とは違う自国経済の脆弱性・信用力の低さを誤摩化そうとする意識があることを自白しているようなものです。
ポンド危機(防衛)の事例を紹介したことがありましたが、統計や為替・金利水準が実態経済と違っている場合に、ジョージ・ソロス氏のようなファンドから、大掛かりな売り浴びせを受けると大恥をかきます。
国民の海外移住を規制しているのは、自国政治に関する自信のなさの現れです。
報道規制している国は、国民に知られると、まずいことをしている国です。
「自由に撤退して良いですよ」と言って、初めて安心して資本も観光客も入れますが、「一旦入ったら最後無事に出られないぞ!」と言われたら誰でもおそろしくなるでしょう。
デフォルト危機の本質は危機を察知したホットマネーの動きがキッカケになるだけであって、ホットマネーさえ規制すればデフォルトを防げるのではありません。
ホットマネー規制は「体温計さえなければ熱が出ているか分らないだろう」と言う論理みたいですが、本来は借換債発行がどうなるかにかかっています。
中国では厳しい規制にも関わらず、貿易黒字を装った資金流入が大きかったことが(相手国の赤字額と中国の黒字額があわないことから)この数年以上前から明らかになっています。
この結果、中国の外貨準備には(統計誤摩化しの外に)貿易黒字によるものの中にホットマネー流入分が多く入っていたことが一因になり、(最近問題になっている個人資金国外流出にはホットマネーが紛れているでしょう)流入分だけ危機を察知すると流出が増えることになります。
中国は表向き禁止で輸入代金名目等で入っているので、ホットマネーの流入量については実態不明ですが、(反日暴動後資本流入が減少しても増加率が下がっただけで結果的に流入超過であったとの発表にも拘らず)2007年以降29兆ドル(この数字の翻訳に誤りのある可能性があるとして)も中国の借入金が増えたと言うことは、資本流入による補填では間に合わないほどの巨額の資金流出に直面していたことが推定されます。
本来ホットマネーが逃げるときは相場値下がり傾向のときですから、10万ドルで買った債券(やビル・マンション)が5万ドルに下がって逃げてくれれば中国人が半値で買い戻せるので、放っておいた方が得します。
(日本企業が捨て値で設備を売却して撤退している例を書きました)
ホットマネーが出て行くならば出て行かせれば良い・・その分外貨準備が減少するだけですが、借金せざるを得なかったのは何故でしょうか?
ホットマネーの流出の場合、株式や公社債等→人民元が大幅下落してしまうので、「ホットマネーが勝手に損すれば良いのだ」と放置できません。
買い支えた場合・・これの集約された取引が通貨下落に対する政府買い支えです・・これをやるとたちまち巨額の外貨準備金が出て行きます。
国内業者等の仕事がない場合も「企業はそう言うものだ・うまく行かなければ倒産すれば良い」と放っておけないので、公共工事等による財政支出増大・・一種の買い支えによって政府資金不足が起きた穴埋めとの複合要因が対外負債増大の原因だろうと推測するのが合理的ではないでしょうか?
リーマンショック直後の4兆元の国内財政出動決定までは良かったのですが・・当時は多分相応の外貨準備=自己資金があったでしょうし、不足分については潤沢な外資流入継続を当て込んでいたのでしょう。
5月31日日経新聞朝刊3pには、4兆元の財政出動表明の翌年・09年にはGDP(一応統計によれば)比で約3%弱の財政赤字になってしまっていると紹介されています。
中国では大事故でも20名以上の死者は認めないから、どんな大事故でもそれ以上の死者発生の事故発表はあり得ないと言われていました。(ただし6月2日報道の長江の客船沈没事故(500名弱の乗員)では乗客数を誤摩化せないので、限定しない様子です)
成長率も7%が死守ラインと決めれば何年もマイナス成長を隠してきましたし、今もニューノーマルと称して6・7%前後の成長を予定しています。
昨日・6月8日の日経夕刊3pによれば、中国の貿易輸出入総額が今年1〜5月合計で前年比8・0%減と出ています。
ちなみに対日貿易(輸出入合計)はこの間11、5%減になっています・・これも反日暴動以降毎年3割前後減少していましたから、減った分から更に11・5%%減り続けていると読むべきでしょう。
日本との貿易が減った分欧州で増やしているかと言うと、対欧州でも7%減と出ていますので、マスコミが言うように、欧州(技術)が日本の穴埋めで増やすどころか、欧州との取引も減少していることが分ります。
相手国によって違いますので、個別に取り上げてもキリがないですが、中国の世界全体との貿易総額が上記のとおり8%減(本当はもっと減っているかも?正確性はいつも書くとおり分りません・・)の結果です。
国によって自給率が違いますが、経年変化が傾向を表すことは否めませんので、貿易総額の前年度比増減はその国の経済活動の活発度の辺かそのままを表すものと言えるでしょう。
大分前の数字は忘れましたが、中国ではここ何年も貿易総額の前年比大幅減が続いていると思いますが、(資源輸入大幅減がブラジル等の資源国経済の変調を来していることは、顕著なことです)経済活動率がトータルで8%減っていても、成長率6・7%前後の主張はそのままですし、政府が決めたら成長率もそのとおりになると言う不文律(数学の公式のようなもの?)があるのでしょう。
上記5月31日の記事によれば、財政赤字も3%以内と言う不文律があるようです。
これを守って行くために、政府債務の過小発表をするか、GDPの水マシ発表に頼って来たのでしょうか。

中国過大投資調整5(ダンピング輸出とコネによる選別)

元々中国の解放以降、当初は日本の20〜40分の1の人件費を武器(急激に人件費が上がっていることは周知のとおりですが・・)に日本への生鮮食品などその他輸出が始まって以来、日本は恒常的デフレ圧力に悩まされてきました。
中国はリーマンショック以降、工業品の赤字輸出・即ちデフレ輸出を始めて今も係属中です。
隣国日本だけではなく、今やアメリカまで赤字輸出の鉄鋼製品が到達していることを23日に書いたとおりです。
28日紹介した継続的出血輸出のやり方では、共産党幹部にコネのない企業は続けられず直ぐに淘汰されるので、党幹部と親しくしていれば有利だと言う腕の見せ所・・地位保全に有利である上に、(赤字輸出競争に耐えれられない)体力のない業者の退出を促進する業界整理にも有効ですし、出血・ダンピング輸出は貿易黒字維持・資金繰りにも役に立ち・・世界中の競争相手をダンピング輸出で蹴落とせるなど中国の好きな一石二鳥どころか1石四鳥の政策です。
ただし、本来の効率性で劣る競争力のない企業淘汰と言う合理的方向に進むか否は、社会経済構造によります。
28日冒頭に紹介した記事・・中国では、12年以降企業数26%減少の意味は、業種・規模別も何も書いていない結論だけですから、実際の意味不明ですが、仮に基礎産業でも同率減少していると仮定した場合、幹部にコネのない・・本来効率性の高い企業中心・弱小企業ばかりの減少とすれば、トータル生産力の減少率が微々たるものになっている可能性があります。
一般に不景気があって市場原理に委ねると非効率企業から淘汰されるので、好不況の波の繰り返しがその社会の効率化・スリム化に役立ち、次の好景気到来時発展の基礎になります。
政府のサジ加減・コネ次第で生き残れるどうかが決まる社会では、結果が逆になります。
政府大幹部にコネがあるかどうかで生き残り基準が分かれる社会でも、好景気時には幹部コネのない純粋民間企業も発展出来ますが、不景気になって官需に頼るしか需要のないときには、純粋民間は不利になります。
コネ次第社会では、不景気が来ると効率企業でも政府にコネがないとつぶれる一方で、政治家コネで仕事していた非効率企業の方が生き残り易い社会になるので、かえってその社会の企業効率が低下することになりかねません。
日本でも特定分野を補助金で優遇することがあり・・農業その他多くは非効率の温存になっていますが、一応透明性(同一業界・同一基準)がありますが、独裁政権=非公開基準・不純意図による介入を大幅に認める社会では、はっきりした基準もなく折角到来した不景気を利用した社会効率化チャンスになりません。
民需がほとんどないときに官需受注をコネのある企業ばかりが受注してしまえば、コネのない企業は生き残れません。
先ずは全くコネのない純粋民間から淘汰されて行って、それでも過剰能力の整理が付かないときには、もっとも弱い幹部の関係する企業から順に淘汰され、もうちょっと上の幹部クラスの関与する中堅企業に及び・・この繰り返しでもなお過剰能力解消出来なくなっている・・党最高幹部クラスの関与する分野での綱引きが始まっているのが現状ではないでしょうか?
リーマンショック後3〜4年経過頃から、必要な公共工事はあらかた終わっているが、大もとの過剰生産力が温存されていたために、無駄な工事でもやり続けるしかなくなってしまった様子です。
これが外国人にも表面化して来たのが、いわゆる鬼城と言われる買い手の付かないマンション群ですし、乗客のいない鉄道工事が続く・・一般にバブル破裂近しと言われるムだな工事が続く所以です。
需要無視の無駄な投資段階に入ると、その後の各分野の公共工事・・・例えば需要無視の鉄道を敷設すると客がいませんので、基礎素材部門の過剰だけではなく、作った先の過剰も始まります・・鉄道を動かす都度赤字の垂れ流しが始まります。
素材分野の救済のために国内過剰投資を続けた結果、特定業種に限らない過剰生産・過剰供給能力に苦しむようになります。
最近、遂にその再拡大継続が不能になって来て、整理を始めるしかない状態になってきた・・これが日本や外部から見てバブル破裂近しと言う観測が増えた原因でしょう。
こうなると公共工事も絞り込まざるを得ませんので、大幹部にコネがある企業といえども安閑としていられなくなります。

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