チュチェ・主体思想2と個人崇拝1

私は個人崇拝の好きな人たちは、芸能人などスターに熱を上げるファンと同じタイプか?と昨日最後に書いているときには思ったのですが、身近で知っている人たちの顔ぶれを思い浮かべるとそういうこと・・ミーハー的芸能人追っかけ系とは縁の薄そうな顔ぶればかりです。
そこで個人崇拝に関するウイキペデイアの解説に頼ります。

個人崇拝(こじんすうはい、英: Cult of personality)とは、個人を崇拝の対象に据える政治的行為、またはその様式である。ソビエト連邦指導者ニキータ・フルシチョフが1956年に「個人崇拝とその諸結果について」(ロシア語: О культе личности и его последствиях)と題された秘密演説で前指導者ヨシフ・スターリンの政治体制をこう定義したことで広く知られるようになった[1]。
一般的に革命を経験した体制下で起こりやすく、とりわけ共産主義が権力を握った国々で顕著に見られる[2]。共産主義の創始者であるカール・マルクスは生前に自身への「個人崇拝」を戒めており、政治的な意味合いで初めてこの言葉を使用した[3]。ソ連外の共産主義国・共産主義政党には特にコミンテルンを通じて拡散され、中国の毛沢東、フランス共産党のトレーズ、北朝鮮の金日成(北朝鮮の個人崇拝)などが代表的事例とされる[4]。第三世界におけるカリスマ的指導者や民族主義運動指導者たちへの英雄崇拝、ファシズム運動における指導者原理にも指導者崇拝の様式が見られる[2]。
上記ウイキペデイアの解説に行き当たって、芸能系スターに自己同一化するパターンとは何処か違う原因がようやく理解できました。

個人崇拝はスターリンの始めた支配道具であり、左翼系にこの種運動に熱を上げる人が多いことからもウイキペデイアの説明から納得できます。
スターリンに対する忠誠心を証明するためにこれに熱を上げていたところ、本家本元の個人崇拝が否定されたので、その穴埋めに北朝鮮の主体思想と言う名の将軍様崇拝運動が興り中国では毛沢東個人崇拝が起きた流れのようです。
毛沢東の個人衰廃運動が、大躍進政策失敗により本家の中国で色あせた反動で、紅衛兵運動〜文化大革命という時代錯誤運動が起きたのですが、大革命と名称だけ進歩を目指すかのように名乗りながらも、内容実質が古色蒼然たる超反動運動だったことが証明されました。
北の主体思想によって北朝鮮社会が、世界より進歩したでしょうか?
進歩という(左翼系をメデイアでは進歩派学者とか進歩的文化人と美称しますので)概念自体意味不明ですが、国民の生活が豊かになったかの基準で見れば、北朝鮮は世界の生活水準向上から取り残されて来たとは厳然たる事実ではないでしょうか?
この豊な時代に北朝鮮では餓死寸前の人々が何十マン人もいる現実を直視する必要があるでしょう。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019051300949&g=int

韓国大統領、緊急人道支援を支持=北朝鮮の食料難
2019年05月13日20時54分

個人崇拝に戻ります。
日本でも家康が死後に「神君」と言われる絶対的崇拝対象になりましたし、熊本に行けば、清正公神社があるし、東京にも乃木神社や東郷神社などいろんな人が神になって祀られていますが、(評価は死後に定まるというルールがありますので)全て死後のことですし日本では八百万の神の一人に過ぎず絶対的権威を持つものではありません。
地方旅行すると地元の発展に尽くした人の顕彰碑があり、展示施設があるので、こういうのを見学出来るのが楽しみですが、戦後は神社から顕彰碑に変わった程度の印象です。
日本では偉かった人も死亡してから評価が定まり尊崇の対象になるだけであって、権力者自身が権力を振るうために神様扱いを要求した人はないでしょう。
ところが左翼運動家になると生身の人間への忠誠心競争のために?崇拝が重要なようです。
個人崇拝・忠誠心の証のために毛沢東語録研修会や勉強会やチュチェ思想勉強会(何を勉強するのかな?・語録の端々を暗唱したり感激したりする発表会?)などの参加率が試されるのでしょうか?
死亡後に祀るのは、自己と権力との近さによって直接利益を求めるのでなく対価を求めない純粋な尊敬のイメージですが、現在権勢を振るう人物をこれ見よがしに崇めるのって、日本人の多くは(民族の振る舞いといっても大方をいうもので例外がいます)恥ずかしく感じるでしょう。
お墓まいりや病気お見舞いが重視されるのは、生きているときには頻繁に出入りし飲食を共にしていたのに病気してこの先がないとなれば疎遠になる人や死亡後は知らん顔をするのが嫌われるのは「利害で結びついていただけ」という露骨な態度に不快感を持つ人が多いからです。
この頃お墓不要論が出てきたのは、得るところがあるから交友していたのであって利を得られなくなれば、交友がなくなるのは当たり前!という功利主義が蔓延するようになった結果でしょうか?
死亡後のお墓まいりも真意を探れば「私は義理をきちんと果たす人物です」と周囲に宣伝する長期的効果を狙っている点では同じでしょうが、そうはいっても何事も婉曲的表現が尊ばれる社会です。
あまりにも直接的な表現・ゲンキンな接し方は今でも嫌われます。
崇拝される方も現役の時に部下から銅像など立てる話が来たらキマリが悪く辞退したいのが日本人多くの感覚でしょう。
ルーマニアのチャウセシスク大統領だったか?失脚と同時に銅像が引き倒される映像が出ていましたが、現世権力の力でおべっかを強制していただけ・民の自発的尊崇心ではないのでは浅ましすぎませんか?
現世権力が亡くなった死後の顕彰こそが本物です。
チャウセシスク大統領に関する本日現在のウイキペデイアの記事です。

1980年代末、一般市民がろくに商品が無い商店の前に長い行列を作っている中、チャウシェスクが商品でいっぱいの店に入り、大量の食べ物を抱えて芸術祭を訪問する対照的な姿が国営テレビで度々放映された。
食糧配給のための軍の派遣部隊は、チャウシェスクが訪問する店へ先回りし品物を補充して「チャウシェスク政権によって達成された高い生活水準」を演出し、またある時には、チャウシェスクが訪問する農場に国中から手配した栄養十分の畜牛を放ったりもした。
1989年当時、ルーマニア国内のテレビでは「記録的豊作である」と宣伝されたが、当時の平均的なルーマニア国民が経験した窮乏との落差・矛盾はどうやっても説明がつくものではなかった。
1985年、ソ連でミハイル・ゴルバチョフが推進するペレストロイカの影響で東欧でも自由化・民主化の機運が高まると、なおも個人独裁に固執するチャウシェスクは国際社会で一層孤立することになった。東西両陣営から欧州統合の障害とみなされ、第二次大戦後初となるGCBの剥奪にまで至っている
革命と最期

    略

なんとなく今の北朝鮮社会を彷彿させる情景で、周辺におべっかの得意なものを集める危険性です。
国民利益無視で一刻でも長く政権を維持したい・・私益を守るための政権と達観すれば、意味がありますが・・。

韓国の北朝鮮化1と国際孤立2

韓国内の従北派は、日本敗戦後米国進駐以来韓国でずっと続けてきた親米政策よりは、親中の方が北の暴発を封じ込めてくれるという運動をして保守政権を米側陣営から引き離し(反日運動も米に遠慮なくやれるメリット)、親中政策への変更させるのに成功しました。
いわゆる従北勢力の究極の目標は、親中が目標ではなく北朝鮮による侵攻阻止に向けられた韓国軍の日米同盟からの引き離し・国際孤立化を図ることだったように見えます。
中国としては韓国を日米韓トライアングルから切り離し→弱体化までは自国の利益ですから、韓国の内政上の都合で朴政権が自ら保護を求めて転がり込んできたので「どうぞ」と受け入れたにすぎず、北に対する抑制を約束する必要がなかったでしょう。
(中国にとっては、韓国の軍事力弱体化だけでなく韓国が反日米運動を始めて、日米市場から締めだされ日米からの技術伝播が細り経済発展が止まれば、中国進出の韓国企業と競合し始めた中国民族資本にとって有利です)
この点では、朴政権(保守勢力)は、左派(従北派)の意図も中国の意図も読み間違っていたことになります。
ちなみに、韓国弱体化→南北融合まで目標にする親中派(正確には親北派)と中国の関係も同床異夢でした。
親中派の文政権になっても中国が韓国懲罰?をやめない・冷たいのは、中国は南北融合や統一まで望んでいないし、韓国の経済発展も望んでいない・・南北朝鮮に対する目標が違うからです。
中国としては、千年来の属国であるべき朝鮮族に経済面であっても自国に進出して来て先輩づらされたくない・・韓国からの進出企業を早く引きずり落としたい中国のプライドは想像するに余りあります。
朝鮮半島が北によって統一され核兵器と大陸間弾道弾まで有する強国となるのを中国が快く思うはずがありません。
中国にとっては朴政権やそれを操る従北派が中国にすり寄ってくるのを拒まないとしても、中国の脅威にならない程度に南北でいがみ合うのが理想の姿と見ているのでしょう。
朴政権の親中政策は、中国と何かを外交交渉をまとめたのではなく、一方的「片想い」的にすり寄ったに過ぎないので(すり寄れば悪いようにしないだろうという一方的思惑に過ぎず属国になれば「北の暴走を押さえ手やる」という約束を取り付けていないはずです)外交成果とは言えないでしょうが、抗日戦パレード参加まではパク外交は左右 (保革)両派の一致政策推進で順風満帆の外形でした。
ただし従北派に妥協した朴政権の露骨すぎる中国擦り寄りが、米国の不興を買うマイナス効果との天秤をどう考えていたか不明です。
朴政権の国内基盤が弱すぎたのでリスク承知でやむなく従北派に妥協するしかなかったと見るのが正しいかもしれません。
いわゆる従北派は浸透工作によりメデイア界を早くから制覇しただけではなく、李明博大統領時代にはすでに保守派が事実上崩壊していたという見方があるようです。
周到に準備された従北派によるパク攻撃が始まると呆気なく弾劾が成立しただけでなく刑事訴訟もあっという間に進んでしまったのは、当時メデイアに限らず警察や司法界その他あらゆる分野で従北派の支配が及び政界でも本来の保守がなくなっていた・・・総崩れ状態の最後のひと月で総崩れになったようです。
この実態をパク氏が知らないはずがなく、だからこそ周囲に腹を割って相談できる環境になかったので執務室に一人籠って決断する政治スタイルをとるしかなかったとも言えます。
反日も米国陣営内で行なっている限り「困ったものだ!」という程度の事実上黙認状態だったでしょうが、従北派の要求でその枠を超えて韓中合作の(反米を底意とする)反日プロパガンダまでするしかなくなると米国の態度が変わり、日韓不可逆的合意になってマイナス効果になってあらわれました。
あれだけ激しく日本攻撃していた慰安婦問題で日米に押される形の慰安婦合意に応じざるを得なくなったので、従北派が支配してきたメデイア界を利用してパク大統領の民族裏切りを煽り民衆がこれを受け入れていったようです。
慰安婦合意批判時点では、不満蓄積段階にすぎず爆発的政権批判の起爆剤にはならないので水面下の攻防が始まった程度でしょう。
韓中合作の北包囲網形成に対しては、北朝鮮が直後の16年1月に核兵器実験で答え、これに中国が何もしてくれないので、(従北派の筋書きどおりですが)韓国内左右両派の同床異夢(というか朴政権の妥協の限界)・ガラス細工の宴の興奮を一挙に突き崩してしまいました。
北の核実験以降従北派の甘言に騙された形(やむなく妥協)になっていた朴政権にとっては、カクカクたる外交成果を誇っていた朴政権としては、濃く任意大使雨r信用ガタ落ちですし、内心では中国に頼るべきという従北派の主張は間違いじゃないか!という従北派に対する怒りもあって銃は濃くはとの合作決裂の大義名分を得た形になったでしょう。
これによって従北派を切り捨てる形で公然と米国陣営に戻る方向へ舵を切り、米国発の北の将軍斬首作戦に同意し、その目的の特殊部隊創設まで進んだようです。
当然北の将軍は怒ったでしょうから、この時点で従北派との外形上の蜜月関係が終わり従北派によるパク大統領追い落とし工作が加速します。
これに加えて、さらに米国寄りに軸を戻し対北向けにサード配備するようになると従北派の工作が激化しこの先に待ち構えていたかのようにパク大統領友人との個人記録入手の報道→ろうそく集会になります。
政治路線の違いの批判だけではいかにメデイア界を動員して批判しても弾劾に向けた感情的な集会にならないでしょうし、これを感情爆発の点火薬にする起爆剤として何かが必要でした。
たまりに溜まった国民ストレス爆発させる起爆剤・・感情に訴える材料として個人スキャンダルを暴露して国民感情に火をつけ、爆発させるところまで持っていったようです。
このタイミングを従北勢力は虎視眈々と狙っていたようです。
この辺まで書いて、たまたま以下紹介する対談記事を見つけたのですが、これによれば、(真偽不明ですが)従北勢力が保守勢力壊滅に向けて数年かけて周到に準備して仕掛けたもののようです。
http://www.pwpa-j.net/opinion/shinro53_endo.pdf

世界平和研究 No.214 Summer 2017
対談:「ろうそく革命」の結実=文在寅政権の内実と今後の日韓関係
洪 熒
遠藤哲也

韓国はどこへ行く?5(国際孤立1)

日本の場合、古代からの合議制の慣習を踏まえた議院内閣制ですから、与党案決定過程においても党内利害対立・それぞれ支持母体による利害対立を前提に相応の事前すり合わせがあり、その途中でガス抜きや制度変更よって不利益を受ける勢力に対する修復作業等が行われます。
TPP交渉もこのような作業手順が先行して決まって行ったものです。
企業や地域自治会その他何ごとを決めるにも決定までの時間がかかると批判されますが、このような気の遠くなるような根回しが先行する社会だからです。
韓国社会の場合、利害対立する相手の意見など聞いていたら、自分の意見が通らないと興奮が高まるばかりで結局は掴み合いの喧嘩に発展し、何の解決にもならないのがオチです。
こういう社会では、誰か上位者が来て議論などしないで一方的に決める方が落ち着きの良い社会ですので国家・社会の仕組みとして、専制君主制と意思を伝える重層的官僚機構が定着したのでしょう。
韓国人や中国人同士の議論では相手が自分より上位のエリート大学卒だとそれだけで議論の勝負がついてしまう仕組みで、まともな議論にならないということらしいです。
韓国や中国社会では細かいヒエラルキーがあって、その都度自分より相手が上か下かの序列で決める方が話が早いし、恨みっこなしで物事が進むからでしょう。
こういう社会では納得するまで合議を尽くす前提の議院内閣制では機能しないので、指導者=問答無用式の専制的決定権者が必須ですが、専制権力を暴走させないために任期制を設けたのが西欧のローマ以来の統領政治です。
任期さえあれば、その間の政治が悪ければ、悪かった程度に比例して任期終了後ひどい目にあうので、任期中民意重視する=民主政治するだろうという期待によります。
日本のような議院内閣制は決定前に納得手続きを踏むのですが、米国等の民度の熟さない社会・例えばトルコやロシアなどでは大統領制が必須です。
大統領制は任期の定めがある点を除けば、トランプ氏がツイッターで何か発言すればそのまま実行力を持つすごさが分かるでしょう。
こういう社会では専制君主の焼き直しである任期制にし、議会のチェックに頼る大統領制にしないと機能しないことを議院内閣制と大統領制の違いのシリーズで書きました.
特に韓国の場合、大統領任期中の権限はほぼ専制君主並みと言われてきました。
例えば詳細を省きますが以下の通りです。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12449

韓国大統領が「帝王的」なのは制度より文化の問題だ
澤田克己 (毎日新聞記者、元ソウル支局長)
2018年4月10日

韓国も民主化により議会がありますが、野党=議会少数派である上に落ち着いた話し合いで決めて来た歴史がないので・要は制度より文化です・・結局は多数決で押し切る→乱闘国会が状態化していました。
今年春にも以下の記事です。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190426/soc1904260023-n1.html

妄言”韓国・文議長、今度はセクハラ疑惑! 国会でもみ合い…女性議員のおなかや顔に触る
2019.4.26
《韓国国会、徹夜座り込み→もみ合い→セクハラ批判→ショック入院→見舞い…》(中央日報・日本語版)
《いざこざで文議長、女性議員の顔に触れて「セクハラ」抗議受ける一幕も》(朝鮮日報・同)

企業に民主制度を取り入れると現代自動車のストライキ多発が知られているように一方的主張の衝突しかない・・相互不信が高まる一方です。
北朝鮮のように恐怖政治的独裁・・問答無用でどしどし実行していく方が国民性にあっているのでしょう。
北朝鮮では任期満了がないので、何をしても怖いものがありません。

朴政権の親中政策採用は国内左派勢力との一種の挙国一致政策でしたので、乱闘国会や反政府運動を起こされる心配もない安全パイでした。
ただし日本の各野党が共産党との共闘を怖がるのは、共闘するとシロアリのように食い込んできて事実上食われてしまう恐怖があるからですが、共闘が朴政権の足元を侵食していたようです。
国内親中親北勢力(従北というようです)の本音は北による南の支配だと思いますが、パク大統領の政治的未熟さを利用して北の脅威に対する(背後の北敵視=親日米勢力の)不安を利用して米国は当てにならないと焚き付けて親中に軸足を傾けさせるのに成功(朴政権安泰のための妥協でもあったでしょう)したように見えます。
外交的にも反日と反北を除いて親米外交から初めて親中ですから、一種の両股外交でした。
左派勢力の当面目標は、韓国の無防備化・日米韓軍事経済同盟を弱体化→相互不信→将来的には破壊し、韓国孤立・弱体化を図ることでしょう。
日本でいえば長年日米安保反対非武装論を主張してきた勢力と基本が同じです。
今でも集団自衛権反対論が強固ですが、要は中国による侵略開始時に米軍の応援を極小化したいというだけのことでしょう。
日米のバックがなければ、朝鮮戦争時同様に奇襲攻撃的侵攻開始すればすれば韓国全土を一挙全面占領するのは容易いという北の読みがあるのでしょう。
以上見て来た通り、朴政権の失敗は中国の北に対する影響力はそれほどなかったのに過大な期待をした(親北派にうまく乗せられた)のがが間違いの元でした。
弾劾の結果次に成立した文政権の方向を見ると、親中派親北派、民族統合の夢を語る勢力の本質は、武力併合される前提ではないとしても、なし崩し的に融合していき結果的南北一体化=民族国家を作るという理想の実現のようです。
なし崩し融合とは何か?ですが、北の強権支配体制温存のママとなるでしょうから、南半分の無防備の国民は恐怖政治支配下に組み込まれるしかない結果になるのは明らかです。
英国による香港返還では1国2制度は国際的合意ですが、香港で中国共産党に異論を述べるものがいると、拉致されて行方不明になる運用で条約を守っているという厚顔さです。
従北派の役割は、韓国内をシロアリのように食い破っていく内部浸透が本来の目標でしょうが、内部浸透にとどまらず保守政権である朴政権を親中政権に変質させる力を持つようになっていたことを注目すべきでしょう。

サムスン頼りで良いか?1

自動車業界全体売り上げが年間7、8%も減れば、株価大幅下落材料でしょう・・自動車系韓国代表企業である現代自動車だけで見ると9、3%減と大幅ですし、27日のデータでは営業利益率も激減状態ですが株価大幅安のニュースを見かけないのが不思議です。
ちなみに米中対決の結果、世界経済大激震といっても、最大の悪影響を受ける中国に与えるマイナス影響が1%か?という予測が出ていますが、この程度で世界中が大騒ぎです。
たとえば以下の予測です。
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/
ダイヤモンド編集部,竹田孝洋
2019/05/09 06:00

米中貿易の25%関税、「全面対決」なら中国の成長率は1%低下する

上記に比較すれば雇用創出力の大きい自動車生産業界が、7、8%もの生産減であれば、本来大騒ぎになっても良い規模です。
韓国では問題の根源がニュースにならないものの、国内は大学新卒の就職難で大変だし、家計負債増加が激しく徳政令が次々と出る状態が続いている様子です。
18年までの販売縮小の流れと違って、19年にはいってから国内車の売れ行きだけが伸びているのは不思議です。
製品の品質・競争力向上ならば、国外でも伸びるはずなのに国外減少傾向が続いているのですから、昨年来の低迷危機感による政府の景気テコ入れ策が効いたのかもしれません。
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61617?site=nli

韓国の経済成長率がマイナス0.3%に(速報)10年ぶりの最低値を記録
生活研究部 准主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任 金 明中
韓国銀行が4月25日に発表した「2019年第1四半期実質国内総生産(GDP)速報」によると、2019年第1四半期の経済成長率は対前期比マイナス 0.3%と、世界金融危機だった2008年第4四半期の経済成長率がマイナス3.3%になった以降、およそ10年ぶりの最低値を記録した。
民間および政府の消費支出は対前期比それぞれ0.1%と0.3%ずつ増加したものの、輸出は半導体をはじめとする主力製品の不振が続いた結果2.6%も減少し、さらに設備投資は10.8%も減少した。

May 6, 2019,「家計債務膨張3(韓国15)」で貿易黒字を紹介した時に、貿易黒字というのは輸出が増えて景気が良い場合もあるが輸出が減っても国内消費・内需がそれ以上減ったことで黒字になることがあるという前提の意見を書きましたが、韓国代表企業・・現代自動車の連続業績低迷・他産業も似たようなものでしょうから、ついにGDPにその結果が出ました。
今まで韓国代表企業である現代自動車の業績推移・・低迷を見てきたように、韓国経済は日本をコケにしたことによって何となく成長限界が来たようです。
財政出動・・補助金等で国内景気維持→売上げが持ち直している→国外で売れなくなっているのでは、韓国人にとっては将来が不安でしょう。
ただしこれらは造船業界の破綻に始まる20世紀型産業の衰退であり、新たにサムスンに代表される電子系産業が躍進している(特に米中対決でサムスンは漁夫の利を占める?期待がある)ので韓国は大丈夫という見方もあるでしょう。
しかし上記日生基礎研究所のレポートには以下のような指摘があります。

半導体メモリー分野ではサムスン電子とSKハイニックスが健在し、韓国企業の世界シェアはDRAMが70%以上、NANDフラッシュメモリーが40%以上を占めている。しかしながら、非メモリー半導体分野における韓国企業のシェアは3~4%で、世界1位の米国(60~70%)はもちろん、ヨーロッパや台湾にもおされている。
半導体メモリーがデータを記憶して保存する機能があることに比べて、非メモリー半導体はデータを処理して演算・制御する機能を持っている。従って、今後各国政府が自律走行、AIなど第4次産業革命をさらに推進することを考慮すると、半導体メモリーより非メモリー半導体の成長可能性が高いと言える。サムスン電子は非メモリー半導体分野での劣勢を乗り越えるために、今年の4月に、2030年前までに非メモリー半導体分野に133兆ウォン(約13兆円)を投資すると発表した。

上記によると、今後の成長分野である非メモリ半導体シェアーがわずか3〜4%に過ぎない弱点が指摘されています。
資金投入さえすれば成功するならば、大企業は勝ち続けるはずですが、そうは行かないのが現実です。
非メモリ半導体関連をもう少し見ておきます。
http://mottokorea.com/mottoKoreaW/KoreaNow_list.do?bbsBasketType=R&seq=83058

韓国半導体の弱点…非メモリ市場、シェアわずか4%
サムスン、非メモリ部門に133兆投資
市場調査会社のIHSによると、中国の非メモリ市場でのシェアは2013年の3.1%から昨年は5%に、5年のあいだに1.9%ポイント跳躍するあいだに、韓国国内メーカーのシェアは6.3%から4.1%に、むしろ2.2%ポイント下落した。韓国が「半導体強国」と自負するが、しかし実際に考えてみれば「メモリ大国」にとどまっているという指摘だ。
非メモリ半導体産業にはファウンドリ(受託生産)とファブレス(設計専門企業)、モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)、イメージセンサーなどが含まれる。
しかし、ファブレスの競争力は米国と日本はもちろん、中国にも遅れている状況だ。ファブレスは韓国が競争力を持つメモリー半導体とは性格が全く異なる。メモリー半導体は大規模な設備投資が必要なデバイス産業の特性を持っている一方で、ファブレスは創造的な回路設計能力が要求される。
ICインサイツによると、米インテルや米クアルコムなどを保有している米国は、2010年以降はずっと70%に近いシェアを維持しており、中国は2010年に5%から昨年は13%に8年間で3倍近くにシェアを引き上げた。

売上げ基準では世界のファブレス企業の上位10社のうちの2社が中国企業だが、韓国企業は上位50社に入ったところが1社に過ぎないほど規模は零細だ。韓国最大のファブレス企業であるLGシリコンワークスは昨年、7918億ウォンの売り上げを記録するにとどまった。それすらもこれまで着実に製品を発売してきたイメージセンサー部門で比較的善戦しているだけだ。
市場調査会社のIHSマークィットによると、昨年のイメージセンサー市場でサムスン電子は売上げ基準で19.6%の市場シェアを示し、日本のソニー(49.9%)に次いで2位に上がったと推定される。

輸出→現地生産→利益還流5

韓国の高層ビル群とスラムの落差から釜ヶ崎の紹介に逸れました。
18年末の直近論文引用データです。
http://www.iti.or.jp/flash413.htm

2018年12月28日
たそがれる韓国自動車産業
宇佐美 喜昭 (一財)国際貿易投資研究所 客員研究員
韓国での自動車生産は、2011年の466万台をピークに、暫くはほぼ横ばいで推移していたが、ここ3年は減少速度が加速している(表1)。
・・韓国の自動車業界は四面楚歌を乗り切れるか。業界関係者の間で危機感が共有される中、識者の間では、経済に疎く労働組合に親和的な現政権の下では、自動車業界も金融支援で延命している造船業界の二の舞になりかねないという雰囲気が広がりつつある。

表1 韓国自動車メーカーの生産・販売・輸出・海外生産と輸入車の国内販売数 単位: 台

出所: 韓国自動 車工業協会、韓国輸入自動車協会

上記を見ると海外生産が増えたので、その分国内生産や輸出が減ったのではなく、海外生産も輸出も共に減っています。
ただし、上記は外資系や現代以外の企業生産も含まれた合計なので現代自動車だけならば海外で増えている場合もあり得ます。
上記は17年までのデータであり27日紹介した現代自動車の業績は18年のデータで時期が1年ずれますが、現代の輸出は減少していて、28日に紹介した記事では外資系の輸出が伸びているという報道でした。
最新・19年1〜3月期の結果です。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190521-00000039-cnippou-kr

韓国、自動車生産台数が減少…遠のく5大自動車強国
5/21(火) 14:59配信
韓国の自動車生産台数が減っている。世界5大自動車強国という言葉も過去のものになった。 韓国の自動車生産台数は4年連続で減少している。
韓国自動車産業協会は21日、主要自動車生産国の1-3月期の自動車生産台数を発表した。これによると、韓国の1-3月期の自動車生産台数(95万7402台)は前年同期(96万2803台)比0.6%減少した。
・・・2019年1-3月期、世界10大自動車生産国の全体生産量(1849万台)は前年同期比4.6%減少した。韓国をはじめ、中国・米国・ドイツなど7カ国の生産台数が減少した。特に中国は2018年7月から9カ月連続で新規需要が減り、今年1-3月期は10カ国のうち生産台数が最も大きく落ちた(-9.8%)。
一方、日本(0.1%)、メキシコ(2.2%)、フランス(1.3%)は今年1-3月期に生産台数が増加した。この3カ国には輸出販売台数が増加傾向という共通点がある

上記1〜3月期のデータは各国内の生産台数紹介ですから、中国で言えば日系韓国系ドイツ系米系などの現地生産を含みますので、国別競争力が見えません。
私の発展ステージ論でいえば、国内生産が減ってもそれ以上に国外現地生産が増えていれば将来性があります。
日韓関係の方向性を見るには、韓国の(車の場合、経済波及効果が大きくしかも販売台数の比較が簡単でわかりよいので指標的役割を果たしていますが、通信分野その他)各分野で国外生産が増えているか否かが重要です。
上記と比較すべき車に関する直近国外生産データがうまく出ないのですが、19年1月分からの販売データが出ていますので以下引用します。
(生産数ではなく販売数ですので上記生産データとは基礎が違います)
19年月別のデータが出ていますが、グラフでないので参考までに1月と4月のみ引用して傾向を見ておきたいと思います。 https://www.marklines.com/ja/statistics/flash_sales/salesfig_korea_2019#jan

韓国メーカーの新車販売台数(2019年4月)

https://screenshotscdn.firefoxusercontent.com/images/2b112508-02ff-47c2-a0f6-ff1802e5af5e.png

上記によると19年1月には国内販売が前年比4、5%増なのに海外販売(輸出と現地生産の合計?)は7、7%も減っています。
4月も国内販売が1、6%増えているのに、国外販売数が7、8%マイナスになっています。
現地生産が増えた結果国内の輸出用生産が減ったなら前向きですが、 国内販売が増えて国外販売が減るのでは25日に書いた、私の考える発展段階としては逆向きでしょう。
韓国雇用を支える代表的産業である車に関しては、国際競争力が恒常的低下傾向にあるということでしょう。

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