仙洞御所経費と核家族化1

秋篠宮様が批判する皇位継承関連予算案を見ておきましょう。
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/kunaicho/pdf/yosangaiyo-h31.pdf

平成31年度歳出予算
政府案の概要について
平成30年12月
宮 内 庁
皇位継承における皇室費での儀式関係経費の概要について

を見ると(引用すると長すぎるので要約です・正確には上記に入って確認お願いします)

① 大嘗祭関連 前回規模(平成天皇即位)で行うと(・消費税率変更(3%→8%→10%(来年10月)・物価の上昇・人件費の著しい増加や材料費の高騰)で約25億円の出費になるので、参列者を1千人から700人へ減らしたり(招待すると宿泊費・パーテイ等の関連コストが巨大)して規模を縮小し、茅葺きから板葺きにする・参殿の屋根材を茅葺きにするなど資材のレベルダウンを図り、18億6000万に絞った
②大饗の儀 ・前回1000人→700人、回数3回→2回、等々で平成31年度231百万円→前回347百万円)
③ その他経費

等々が出ています。
上記の通り大嘗祭の経費は日経新聞報道時点では(平成天皇即位)前例通りに行うと30億円もかかる予定だったとしか外部には不明だったでしょうが、内部的にはコスト削減のために規模縮小や資材変更など細かく準備を積み上げていたことがわかります。
このあとで紹介する退位関連経費が増えた分が、平成になったとき(昭和天皇は先に崩御されているので退位後の住空間整備などが不要でした)とは違う・・増えたのでそれを合わせると35億くらいかかるようです。
退位後の上皇の御所の造営や公務員の増加など戦国時代の皇室の経済力・平成天皇天皇退位関連経費を見ておきましょう。
戦国時代にはそれほど豪華でなくとも、仙洞御所と内裏双方を維持(建築費だけではなく相応の侍従等の役人も必須で維持費がかかります。)するのは無理があったので、生前譲位が何代も行われていなかったらしいのです。
もはや院政(これまで紹介してきた八条院領の経済的バックによったのです)で睨みを利かすどころではありません。
戦国時代では天皇家の生活費すらままならない・儀式に必要な衣冠束帯の用意さえできない困窮状態で天皇家(内裏)と院の御所との二重経費負担に耐えられなかったのです。
正親町天皇天皇譲位問題では、信長が仙洞御所造営費用の出費に協力的でなかったので譲位できなかったと言われています。
正親町天皇に関するウイキペデイア引用です。

信長が譲位に反対したとする説
・・・前述のように当時は仙洞御所が無く、天皇・信長のどちらかが譲位を希望したとしても、「退位後の生活場所」という現実的な問題から何らかの形式で仙洞御所を用意できない限りは譲位は困難であった(後年の正親町天皇の譲位においては、それに先立って豊臣秀吉が仙洞御所を造営している)。
だが、譲位に関する諸儀式や退位後の上皇の御所の造営などにかかる莫大な経費を捻出できる唯一の権力者である信長が、譲位に同意しなかったからとするのが妥当とされている(戦国時代に在位した3代の天皇が全て譲位をすることなく崩御しているのは、譲位のための費用が朝廷になかったからである)。

仙洞御所を新規に造営すれば(その後のお付きの方々も必要になるし)大金がかかるのは容易に想像がつくでしょう。
古くは天皇が退位すると里内裏に引っ込みそこを仙洞御所といっていたようですが、中宮の実家(公卿)自体も荘園が消滅して経済力がなくなっていたからでしょう。
退位しても落ち着くべき里内裏のような屋敷もない以上、退位=新規造営費用が必要な時代が来たのです。
平成天皇が生前退位すると古代からの慣例によれば、美智子皇后のご実家が里内裏を提供することになるのですが、正田家もそこまでの財力がない(相続税がきつくて巨額資産承継は無理でしょう)あってもそういう時代ではないということでしょうか?
日清製粉をネット検索しても創業家の正田家が大株主として上位に出てきません。
仙洞御所造営→維持費(お側に仕えるものを含めて)を長期間を民間人が抱えるなど今の時代無理でしょう。
平安末期に院政が猛威を振るえたのは藤原氏の荘園収入に対抗できる八条院領などの独自荘園確保がなったからでないか?というのが独自根拠のない妄説です。
そういえば藤原氏の権勢を確かなものにした光明皇后のよっていた紫微中台の予算が、朝廷(娘の孝謙天皇)を凌駕していたとどこかで読んだ記憶です。
何事も経済的裏打ちが基礎になります。
平成天皇が生前退位すると退位後の別のお住まい・仙洞御所が必要・・現天皇退位後は当面一時的に旧高松宮邸を事前改造してそこへ移り、その間に今の東宮御所を改造してから仙洞御所としてお移りになる予定のようですが、その間の倉庫建築等々玉突き移転の工事費が以下の通り約17億円程度かかるようですし、崩御後の即位と違って退位後の御所付きの各種公務員の張り付きが必要です。
https://docs.google.com/document/d/1B_k-2lcstvNhZWWRqkWpEo0Evf1mJlU7NLjlDEZOEak/edit#

宮内庁によると、来年度(30年度)、天皇陛下の退位に向けた準備として必要な経費は35億6000万円で、内訳は、両陛下が仮住まいされる高輪皇族邸の改修工事や御所、東宮御所、秋篠宮邸の工事の設計など住まいの関係に17億3000万円、
今後の儀式に必要な装束や物品の調達などに16億5300万円、などとなっている。””
今年度は35億、来年度は19億円、生前退位に伴う費用が計上され、来年の5月の即位を迎えます。
・・・引退する上皇、上皇后のお世話をする「上皇職」に65人もの宮内庁の職員を配置することです。

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