メデイア誘導・フェイクニュースの限界4(NHK報道から1)

8月5日の引用記事の最後に引用した記事を再引用しますが、これだけ見ると岩盤規制を維持するために抵抗勢力の先頭に立っていた前川氏がなぜ正義の味方のように報道されるのか理解不能です。
「この告示を問題視した規制改革委員会が平成17年に文科省に対し説明を求めたところ、『挙証責任は委員会側にあると、理屈の通らないことを言ったのが、課長時代の前川喜平・前文部科学事務次官だった』」
ただし、いわゆる石破4条件が17年⒍月に閣議決定されている以上は、その後閣議変更したのか?していないとすればこれをクリアーしなければならないことになります。
閣議決定がそのままの場合、立証責任はこれをクリアしているという方にあるのは当然です。
ただし、その後戦略特区指定を受けた場合、過去の規制をゼロベースで見直すという基本規定があるとすれば規制を残す必要があるという特別事情は規制を残したい規制主務官庁の方が立証する必要があるでしょう。
まだまだ細部を詰めないと分からない事情がポロポロ出てくるので、一方の情報だけでは判断のつかないことが多いので外部にはよく分からない状態です。
念のために戦略特区に関する官邸のホームページを開いてみました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/menu.html#kyouiku「獣医学部の新設
「国家戦略特区における追加の規制改革事項について(平成28年11月9日国家戦略特別区域諮問会議決定)」に従い、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための獣医学部を、一校に限り特例的に設置認可の対象と出来る。」
これによると石破4条件閣議決定後の指定ですから後法優先原則で、この特区指定の方が優先することになりそうです。
8月9日に紹介した記事によると「1校に限り」というのは反対勢力である獣医師会側の(妥協的?)要望事項を採用したものらしいですから、総理が友人を有利にすために強引に1校に制限したことになりません。
戦略特区になると過去のどういう規制が無効になってゼロペースで審議するのか肝心のところがよくわかっていませんので、この議論では戦略特区制度に関する法令のチェックが必須です。
仮にゼロベースとすれば審議会では過去の規制の合理性チェックのために4条件を策定した主務官庁の立場を尊重して戦略特区になってもなお維持する必要性があるのか一応意見を求めることはあり得ることです。
これに対して徹底反対していたのに指定されてしまった以上、今さら何を言えというのかと文科省が開きなおった回答をしたと言うように高橋氏の意見を読めます。
国民の多くは国会では獣医師が不足しているかどうか、スーダンで危険な状態になっているとした場合日本はどうすべきかの政策論争を望んでいるのであって、客観的現地情勢がどうであるかの主張をした上で日本はこうすべきだと民進党が主張すべきではないでしょうか?
現実認識が与野党で一致した場合にはその対処方法で意見が違うならば意見の優劣を競って国民がどちらを選ぶかの選択になります。
現地騒乱は密室で起きていることではなく、国際的な報道が溢れているので日報は参考資料程度の価値しかなく実態関係は大方一致するしかないと思われます。
大臣の答弁の仕方がどうのとか枝葉末節に議論がいきすぎて何のための議論をしているのか、国会は何のためにあるのか疑問に思う人が多いのではないでしょうか?
仮に細かいことが重要だというならば、メデイアは戦略特区制度・・特に今回は石破4条件が戦略特区指定によって効力がどうなったのか、その他前提事実をドンドン出して欲しいということです。
民進党は石破&麻生連合体から内々の「確度の高い」情報をもらって(リークされて)いいように使われ、政策論争のできない政党のイメージが定着し、最大のマイナス・・党存亡の危機だけ背負ってしまいました。
蓮舫代表が辞任に追い込まれ、前代表代行の細野氏が離党を公式表明する事態になりました。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6249363
「民進党の細野豪志前代表代行(45)=衆院静岡5区=は4日、東京都内のホテルで自身が所属する議員グループ(約15人)の会合を開き、離党して新党結成を目指す意向を伝えた。」
もちろん前川氏も次期政権待望組み政治連合体の使い捨ての駒の一つです。
NHKを筆頭に日本のメデイアは国民にムードだけ報道する・・根拠なく言い切る前川氏の意見や言いがかり的質問する場面ばかり繰り返し報道し質問に答えている者の発言をまともに報道しない姿勢が顕著です。
このような一種のやらせ的あるいは一種のフェイクニュースに国民が本当に騙されるのでしょうか?
短期間目くらまし的に騙せてもそのあとでいつかは実態がわかってくるものです。
日米開戦になった経緯やアメリカの戦争犯罪の実態が戦後70年以上たってようやく明らかになりつつあり、メデイアによるフエイクニュースによってごまかされていた慰安婦騒動も約20年経過で明らかになリました。
加計学園騒動は都議会選挙直前に焦点を合わせて仕組まれたものと思われますが、フェイクニュースでも目先の国民を騙せるので、目先の選挙には有利でしょう。
いわば選挙中の怪文書の類です。
しかしこれに頼るとアメリカの威力を持ってしても時間の経過でインチキ性がバレる・・・ムード報道(正確にはインチキ報道)に頼ってきた旧社会党や民主党が名称を変えざるを得なくなって事実上消滅した原因です。
旧社会党も旧民主党も名称さえ変えれば内容を変えないままでやり通せるという・・根っからの欺瞞体質が現れていて、国民からさらに見放されてしまったのです。
日本国民は優秀ですから、メデイアによる切り取り報道・衆愚政治への誘導に関わらず、国民はしっかりと架空の?スキャンダル追求一本の政党を次々と消滅に追い込んでいます。
ソ連崩壊後世界で誰も本気にしない共産主義社会実現に未だにこだわっている共産党がなお一定の支持を受けて健闘出来ているのは、旧社会党や民主党のように実のない・虚報メデイアの応援に頼らないからではないでしょうか?
赤旗は、共産党の機関紙として一定の方向性がありますが、意外に事実報道の客観性を踏み外していないとも言わます。
ここ数10年赤旗を読んでいないので真実を知りません・伝聞のみです。
事実は事実として、意見は意見として正々堂々とやった方が、国民全部から見れば少数派であっても岩盤的な少数者からのかっちりした支持を受けられるからではないでしょうか?
事実も意見もごちゃごちゃにしてメデイア宣伝に頼る政党には、・目先の選挙には有利でしょうが・・(当時の社会党土井党首の「風が吹いた」というだけでは)核になる事実が一つもないのですから先がありません。
6年ほど前に民主党が政権を取れたのは、メデイアの根拠なき圧倒的応援報道があったにすぎません。
我が国は漢字熟語も普及しているし民度の高いくにであるのに、文化人?メデイアは社会の重要事項についてまともな議論をさせないでムードで判断する方向へ国民を引っ張り込みたくて仕方がない印象です。
日本メデイアはどこかの国に乗っ取られているのではないか?というネット世論がありますが、
これは8月7日以来書いてきたようにGHQの報道規制の遺産・・報道関係者や文化人知識人?と称する人たちは、日本の心をGHQに売り渡しただけではなくGHQがが引き上げた後もGHQに限らず引き続きずっと「中国でも韓国でも日本を批判する国ならばどこでもいい」という思考に蝕まれてしまったに過ぎない`・・外国の手先になることが中核的業務であると教育されてきたのかもしれません。
そのうちにメデイア関係者や文化人の本音がわかるようになって、我が国を何のためにか?衆愚政治へ誘導しているメデイアの本性・祖国が暴露されてその役割が旧社会党や民主党のように消滅に追い込まれる日が近いでしょう。

加計問題と政争

8月9日紹介記事の筆者は、やはり総理の意向が働いたこと「図らずも・・・・陰画のように浮かび上がらせたのである」と批判的意見で結んでいますが、私はこれがなぜ批判対象になるのかわかりません。
まさに大きな岩盤をつき崩すには大きな政治力が必要・・政治力がなくて既得権益擁護しかできないのでは総理の器とは言えません・・実行力があってなぜ悪いのか疑問です。
問題は総理が友人の便宜を図って加計1校だけに絞ったのかどうかでしょう。
いわゆる4条件は、むしろ石破氏らの岩盤規制構築勢力によって15年からきまっていたし、今治市の申請で戦略特区指定の条件として獣医師会側の抵抗空しくどうしても特区指定されるならば(せめて)「1校限定」要請によって指定容認された段階で10年以上前から同地での開設準備をして来て他に競合申請準備していた学校がなかったとすれば加計学園になるのは事実上決まっていたのですから、抵抗・獣医師会側から1校だけにしてくれと妥協案が出た時点で勝負あった筈です。
大学学部新設計画などの大事業は計画から資金準備人材手当等々内部的根回しや候補地選定など相当の長期計画になる上に、文系と違って牛馬等の動物飼育が必須ですから大規模な用地手当ての下準備も必要です。
企業が遠隔地に新工場をたてるのに必要な下準備と似ています。
今治市では10年ほど前から加計学園が1度申請していると言うのですから、結局この時点でもし認可申請が出れば加計学園に決まっていたことになります。
これを覆して仮にいきなり京都の別大学に決まったとすれば、その場合こそ強引な政治家関与の疑惑がうわさされるべき筋合いです。
インドネシの新幹線受注が日本の詳細な計画で進んでいたのに大統領が変わった途端にその経過に実績のない中国に決まったことを日本人多くが怪しいと思うのと同じです。
ただしそこは政治の奥深さで、1校指定だと加計学園しかなくなる、、それでも安倍さんやれるのですか?と言う落とし穴・謎かけだったように見えます。
もしそのまま強行すれば獣医師会側の族議員のみならず福岡選挙で恥をかいた麻生副総理を巻き込んで大規模な政局にする脅しが背後にあって、「やってやろうじゃないか」と強行したことで今回の政局が起きたとも読めます。
こうした流れがネットで出て来たことによって加計学園騒動は安倍総理の友人が経営する学園に決まったという結果から根拠なく「疑惑」を煽っているメデイアの論法は一方の政治利権に組して煽って来た疑いが出て来ました。
ただし戦略特区指定容認と加計学園の申請に4条件不要になるかは別問題とすれば4条件クリアーしていないのに総理の意向で強引に決めたかの論点は残りそうです。
4条件がそのまま残るのでは、戦略特区制度の意味がないはずという一般論程度しか今は分かりません。
もし、この一般的理解が正しければ「違法でも疑惑でもないが総理のおともだちに決まったことじたいがゆるせない」と問題が擦り変わるのでしょうか。
慰安婦がいたかどうかではなく軍が強制したかどうかが焦点だったのに、これが虚偽とわかると今度は慰安婦制度があったこと自体女性として許せないと問題をすり替える議論に似ています。
一連の騒動に石破氏が関連しているというネット報道が出て来ましたが、安倍総理の友人の経営する学園に決まったという結果だけから、総理が怪しいに決まっているという飛躍のある「疑惑」をメデイアが煽るのは「報道の自由」乱用の疑いがあるのと同様に「もしかして?」と思う程度は自由ですが、それ以上の事実関係を押さえないまま憶測で石破氏の陰謀を断定的に主張するのではメデイアと同レベルになります。
ですからその真偽は不明ですが、防衛省の内部情報漏れも石破氏が防衛省に確固たる地盤を持っていることとどこか(当然石破氏は否定するでしょうが・・)共通すると言えば共通します。
稲田朋美防衛大臣辞任直前に制服組トップが一緒に引責が決まったのは、石破氏の意で動いていた疑いによる(安倍氏による報復人事?)政治的脈絡関連が後になるとわかるかも知れません。
http://www.sankei.com/politics/news/170728/plt1707280052-n1.html
「南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題の混乱を受け、防衛省、背広組、陸上自衛隊のトップ3人の交代が決まった。」
8月9日に引用した記事によると「石破プラス麻生副総理プラスその他次期政権での処遇期待組による岩盤連合が安倍一強政権が切り崩したい」という権力闘争があって、これに前川氏及び背後の文科省役人層が肩入れした可能性が背景にありそうに読めます。
政治の裏は部外者にはわかりませんので、以下は素人がうろ覚えの報道記憶のおさらいをする程度の域を出ませんが麻生氏の絡みは以下の流れがあります。
振り返ってみると、福岡での故鳩山邦夫氏の地盤継承をめぐる昨年秋ころの自民党内の分裂選挙で、麻生副総理の推す蔵内陣営(日本獣医師会会長)と管官房長官の推す候補者の一騎打ちの結果待ちだったところ、菅官房長官派の勝利で一気に獣医学部新設の動きが進んだという報道を見たことがあります。
http://www.sankei.com/politics/news/161011/plt1610110066-n1.html
2016.10.11 23:04
「11日に告示された衆院福岡6区補欠選挙は、鳩山邦夫元総務相の次男の鳩山二郎氏と、党県連会長の長男、蔵内謙氏の自民党系の2人が立候補し、分裂選挙に突入した。鳩山氏に対しては邦夫氏が旗揚げし、菅義偉官房長官が顧問を務める派閥横断グループ「きさらぎ会」が応援するが、麻生太郎副総理兼財務相や閣僚の一部は蔵内氏を支援。選挙戦は、政権中枢が双方に分かれての“代理戦争”の様相を呈する骨肉の争いとなった。」
安倍政権としては、福岡の勝利を見定めてついに岩盤をこじ開ける方向に動き始めたことが大規模な反安倍包囲網が形成される契機となり、その反撃によって窮地に落ちいったことになります。
スーダン派遣自衛隊の日報開示請求が起きたのはちょうどそのころです。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/263592.htmlによると以下のとおりです。
「問題の発端は、去年10月、ジャーナリストの男性が、部隊が2016年7月7日から12日までに作成した日報の開示請求を行ったことでした。」
次に出て来た森友学園問題も財務相所管疑惑ですから情報の出し方は麻生氏の手の内にあります。
政局が思うように行かなければ裏からいくらでもリークさせる構えでしょうか。
ユーチューブによる国会中継を見ているといつもニヤニヤしながら座っている麻生氏の態度が気になっていましたが、複雑な権力抗争が背景にあったからでしょうか。
安倍政権が、ここぞとばかりにメデイアに叩かれ続けて支持率が下がり苦境に落ち込むのを待っていたように、政権受け皿を狙うかのように麻生氏関連の派閥大合併が行なわれました。
次期内閣改造が必至になってからのことですからその処遇睨みでどの程度協力するかの駆け引きもあるでしょう。
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12198-91074/ 自民党の麻生派、山東派など3派閥が合併に向け協議 細田派に次ぎ党内第2派閥に
2017年05月22日 20時25分
記事まとめ
自民党の麻生派など3つの派閥会長が、合併に向け大詰めの協議を行った
麻生太郎副総理、山東昭子元参院副議長、佐藤勉衆議院議院運営委員長が会談した
新しい派閥のトップは麻生氏が務める見通しで、細田派に次ぎ党内第2派閥になる」
安倍政権崩壊直前に石破氏をこの件で目立たさせれば安倍氏の恨みを買って直接の政権移行は無理がある・・安倍政権を(麻生氏が高齢化し過ぎる前に)次回の任期で終わらせれば、麻生氏は石破氏へのリリーフとしての禅譲を期待できるし麻生氏にとって損のない仕掛けです。
石破氏も高齢の麻生氏なら期間が短いので「譲るだろう」という見立てもあり得ます。
中堅以下の議員にとってはまだ数十年議員生活がありますし、2〜3回当選議員にとっては下っ端すぎて今の政権に取り立てもらう希望もないのですから、今の政権より次期以降の政権の方が気になる結果、彼らを巻き込んだ権益構造・反安倍連合が出来上がってくるのは簡単です。
もっと任期満了まで長い事務方も同様で、次期以降の政権に縁を持ちたい官僚・内部告発の造反?組が次々と出る根拠がわかります。
安倍一強とは言っても終身制ではないので、再任されても数年先には任期満了がきます・・。
その時に備えて次の芽に近づくのは次期政権への擦り寄り・・自己保身の点数稼ぎに励んでいると見るべきでしょう。
正義感がある硬骨漢であるならば、岩盤規制をつくった12年になぜ体を貼って抵抗しなかったのか?
あるいは、総理の意向という忖度程度で何らの指示もないのになぜ反対しなかったのかの疑問が湧きます。

編集権とフェイクニュース4(加計問題国会報道2)

8月7日に紹介した早稲田大学の判例に明らかなように、裁判所はよほどの逸脱がない限り弁護士自治に介入しないという原則的立場・・もしかして占領軍遺産の連携 プレーかな?・・ですから組織内多数派を形成しない限り執行部決定を法的に覆すことは不可能です。
日教組の組織率低下の例を見て分かるように一旦一定方向へ組織の方向が決まると反対意見の人が事実上はじき出されてしまう「民主的」運営システムになっているのがふつうです。
米軍は置き土産として米軍の息のかかった自治制度・・各種岩盤規制・沖縄基地移転やオスプレイ配備や与那国島等の基地配備問題のような防衛問題でさえもなんでも地元が決める仕組・・をあちこちにバラまいて国民レベルでの意思貫徹妨害の地雷を埋め込んでおいたように見えます。
ヤクザでもパチンコ屋でも映画界でも憲法上であればなおのこと法律上で自治権を与えると言われた反対する組織はないでしょう。
だから日教組は組織率がいくら下がっても一般組合員(全学連の場合一般学生)の意見無視でやっていけるのです。
メデイア界が編集権制度確立によって一種の自治が原則化されたのはこの一環です。
メデイアの場合、顧客による市場淘汰が可能ですがこれには社会への浸透時間がかかります・・慰安婦報道のように20年以上もかかって、しかも国際情勢の変化でアメリカが日本の協力が必要になって反日攻勢を変更せざるを得なくなってようやく是正されたに過ぎないことから見ると、市場淘汰に委ねるのは社会損失が大きすぎて取り返しがつかない・・半端ではありません。
NHKのような公共機関になると市場淘汰すらもありません。
編集権に戻ります。
編集権があるとどうなるかです。
編集権も裁判所はよほどのひどいことがないと介入しない1種の自治制度扱いです。
たとえば、日本人が会議でよく使う意見表明の仕方・・A意見の後でBが、「Aのご意見はごもっともで私も同感ですが・・この点についてちょっと発言させてください」といいながら聴いていると.・・その次に実質反対の持論を述べるのが普通というか大方の発言ルールになっています。
こういう場合、前段の前おき部分だけ取り出して「Bが賛同した」と報道しても嘘を書いていないので虚偽にはならないでしょうが、この場合あまりにもひどいので、編集権に属するという極端な擁護意見はないでしょうが、今回の加計問題報道では大まかな前後の文脈から切り離して部分を取り出しているように見える点は同じ(正確な情報が私にはないので)印象を受けるだけです。
以前にも書きましたが、ニュースで何時間も国会質疑を流せないとしてもネット発達の時代ですから「今日〇〇に関して国会質疑があった」と言う事実報道だけにして「内容に関心のある方は・」とワンクリックで中継をそのまま初めから終わりまで視聴できるように簡易化すべきです。
全部見たい人には全部見られるようにしないと前川氏の「苦しい言い切り」を前後の脈絡なく「国会審議の結論」かのように大規模報道する密約があったのかと疑うような人が増えるでしょう・・。
一言いいさえすればその部分を報道しその他を切り捨てても編集権の問題であって虚偽報道にならないので「どんなに前後矛盾してもともかく言い切ってくれ」
という筋書きがあって、メデイアの要請に応じて前川氏が「根拠なく言った」という勘ぐりの余地を残しますが、全文報道すれば国民が自分で全体判断出来て余計な勘ぐりの無駄が省けます。
何回も書きますが、これは私個人の印象です。
8月5日紹介した森氏の記事では自民党の反主流派である石破氏が大きな役割を果たしていたと言われることと関連します。
石破氏関連の報道は以下のとおりです。
ttps://news.nifty.com/article/domestic/society/12180-595462からの引用です。
  2017年07月24日 07時00分 NEWSポストセブン
〈加計潰しに奔走する獣医師会〉
 7月17日付の朝刊1面トップにそう大見出しを打ち、『加計学園 行政は歪められたのか?』という短期集中連載をスタートさせた。
 内容も刺激的だった。石破氏が自民党幹事長時代(2012年12月)に日本獣医師政治連盟から100万円の献金を受け、国家戦略特区担当の地方創生相に就任すると、獣医学部新設が極めて困難となる「石破4条件」が閣議決定された──というストーリーだ。
産経は日本獣医師政治連盟委員長の北村直人・元代議士と日本獣医師会会長・蔵内勇夫氏の2人に向けて石破氏が語った、「学部の新設条件は大変苦慮しましたが、練りに練って、誰がどのような形でも現実的には参入は困難という文言にしました」という生々しい発言を報じている。
獣医師会の平成27年度第4回理事会の会議報告(議事要旨)には、北村委員長の活動報告の項目に件の「練りに練って」云々の石破発言と全く同じ文章が出ているのである。この会議報告は現在、獣医師会のホームページからは削除されている。北村氏に聞いた。
「会議で多少、成果を誇示する表現で報告することはあるじゃないですか。あれは石破さんの実際の発言ではなく、私の説明を獣医師会の事務局がまとめたもの。産経はこの会議報告をみて、想像を膨らませて書いたのではないか」
 苦しい弁明ではある。これまで「加計ありきではないか」(北村氏)と批判してきた獣医師会側が議事録の内容を否定するなど、文科省文書を「怪文書」扱いした官邸と、“どっちもどっち”の泥仕合である。
獣医師会の自爆文書
 興味深いのは、一連の文科省・内閣府文書が加計学園の獣医学部認可をゴリ押しする官邸の圧力を物語る内容なのに対し、これらの新文書は獣医師会が獣医学部新設を阻止するためにいかに政界工作を展開したかを明らかにしていることだ。
 そこからは安倍政権の深奥部で、加計をめぐる政治家の権力闘争が起きていたことが読み取れる。いくつかピックアップしよう。平成27年度第2回理事会では、北村委員長が次のように報告している。加計学園の獣医学部新設の特区認定について、
〈蔵内会長は麻生財務大臣、下村文部科学大臣と折衝をし、私(北村)は石破大臣と折衝をし、1つの大きな壁を作っていただいている〉
 日本獣医師会の蔵内勇夫会長は「会長短信」で国家戦略特区による獣医学部新設に激しく抵抗する。
〈下村文科大臣(当時)と面会し平成27年6月に閣議決定された「日本再興戦略」に記載された成長戦略特区による「獣医系大学の新設に関する検討」について意見交換を行ない、「実質的に獣医系大学の新設は困難と考えている」旨強く主張した〉(平成27年8月19日の会長短信25号)
〈私や日本獣医師政治連盟の北村直人委員長をはじめとした本会の役職員は、できれば獣医学部新設決定の撤回、これが不可能な場合でもせめて1校のみとするよう、山本幸三地方創生大臣、松野博一文科大臣、山本有二農水大臣、麻生太郎自民党獣医師問題議員連盟会長、森英介同議連幹事長など多くの国会議員の先生方に、本会の考え方をご理解いただくよう奔走しました〉(平成29年1月30日の会長短信42号)
こう見ると、獣医師会側は議連会長の麻生副総理兼財務相、石破地方再生相(当時)という新設慎重派の大物政治家や安倍側近たちを味方につけ、他の大臣たちを切り崩そうとしていたことがわかる。
 なぜか産経記事は同様に陳情攻勢を受けた麻生氏、下村氏、山本幸三氏らには言及していない。ポスト安倍を目指す動きを見せる石破氏への“カウンターパンチ”にも見えるのだ。しかし、獣医師会の工作は実らず、最終的に加計学園の学部新設方針は決まった。
では、麻生氏や石破氏を上回る政治力で権力闘争に勝利し、「加計GO」を押し通すことが出来たのは誰か。それはやはり「総理のご意向」と考えるのが自然だろう。
 獣医師会の内部文書は獣医師会側の石破氏らへの政界工作を“告発”する自爆文書となった。しかし、図らずも加計学園への獣医学部新設を決定づけたのが「総理のトップダウンの意向」だったことを、同時に陰画のように浮び上がらせたのである。
※週刊ポスト2017年8月4日号」

フェイクニュース 3と編集権3(占領軍の置き土産2)

占領軍が一旦思想界を支配した上で半永久的にその思想傾向を維持できる手段として民主主義の名の下にいろんな分野に自治権の尊重・不可侵性を強調しておいたように思えます。
占領軍が占領中に強固な思想集団を育成しておいても、米軍撤退後に米軍のいうままになっていた人物にとっては「米軍の犬」として批判を受け居場所をなくすリスクがありますので、彼らは自己保身のために一旦出来上がった自派勢力維持に必死になるとしても・・一つの孤立組織では無理があります。
いろんな分野に大量の米国寄りの組織を一つでも多く作っておいた上でそれらに国家権力のl介入を許さない自治権を持たせておくと、ある1つの自治権が攻撃されるといろんな利害を超越して先ず自治権の侵害に対する応援という点ではその相互応援関係になります。
まして、米軍撤退後も米国の影響力が(70年後の今でも)絶大でしたし、これと相俟って、米国寄り系譜が続いて行く担保になります。
田中角栄や橋本龍太郎等々それぞれ毀誉褒貶があるとしても、米国の意に少しでも逆らう傾向を示すとすぐ失脚して来た結果・・構図がずっと続いていきました。
アメリカに都合の良い事実に反した歴史教育~占領政策や日本軍の残虐性教育や戦犯裁判の正当性宣伝に対する批判に対して、(自分は検閲しながら)メデイアを守るための理論武装を与えたのが編集権不可侵性の議論という面があったでしょう。
メデイア界では実権を握った方は後継者採用段階で社風による選別をできるし、採用後の昇進差別可能ですから、一旦でき上がった思想傾向が半永久的に続く仕組みになります。
大学自治を保障したのも、大学や思想界から米軍讃美者以外を追放して米国=正義思想の教育界を構築してしまえば、その後自己保身おために同一系列者で承継・自動更新していく自信があって大学の自治を強固にして国民批判を受けつけないようにする保障機能を確保したと見ることが可能です。
アメリカの期待は一旦形成した「米軍政に都合の良い思想」が米軍撤退後も変質しないことが前提でしたから、その後朝鮮戦争を契機に米本国自身が容共から反共に変わると一旦強固に形成してしまった学内での容共・親共産主義思想家が邪魔になるネジレ現象になってきました。
日本から武力を奪い永久的に隷属させるつもりだったのが、朝鮮戦争の結果自国の戦争に協力させるために日本再軍備に舵を切り換えても一旦育成した非武装平和論が占領軍が期待していたとおり強固に根を張ってしまったので思うように行きません。
アフガンで養成したゲリラ勢力が、反米ゲリラになってしまったのと同じです。
占領軍が共産系の特定思想層を擁護しそれ以外を徹底排斥した結果、米本国の基本思想が反共に変わり日本を永久に再軍備させない方針も変わりましたが、アメリカの保障した大学の自治・思想学問の自由を盾に米国の意思に逆らっても?思想界は左翼思想・非武装平和論を金科玉条のように固守してきました。
大学自治を構成する教授会の主流を握っている限り反主流思想の新人学者の卵を採用しない権限がある・・多くは内紛を避けるために派閥構成比を維持して行くのでしょうが、その気になれば徐々に多数支配を強化・純化して行くことも可能です。
早稲田大学自治会の判決を昨日・8月7日紹介しましたが、「造反有理」思想が中国の改革解放後後ろ盾を失ってからでもなお約20年以上も自治会を牛耳ってきた現実を守るべきでしょう。
早稲田の社会学部で公認取り消し決定が1978年の中国解放宣言後二十年以上も経過・2005年になってようやく決定できる環境になった・・極左集団支持者が学内にいなくなったか、少数化したとすれば、社会意識とのズレこそが重視されるべきです。
他の大学や学部がどうなっているかは今のところ私には分かりません。
念のために中核派の拠点と言われていた法政大学を見ておきましょう。
以下の大学当局の声明によれば、自治会費代理徴収廃止処分に端を発する自称「全学連」による連日のデモ攻勢等に屈しないぞ!という姿勢のが書かれていますので興味のある方はご自分で入ってお読みください。
http://www.hosei.ac.jp/news/shosai/news_1113.html
  2009.05.29
一連の事件の経緯について
学生自治会費の代理徴収廃止と「全学連」を名乗る集団
かつての学生自治会に対する会費の代理徴収もそのような学生支援の1つでした。第二次世界大戦後の学園の再生や学生生活の窮乏に端を発した自治会の会費を各学部の自治会執行部に代わって大学が授業料等と併せて全学生から徴収したのも、学生の総意に基づく民主的で自主的な学生自治会の活動を全面的に支援するためにほかなりません。
しかし、残念なことに、本学の学生自治会は、歴史的変遷を重ねるなかで形骸化したばかりか、外部の政治セクトがほしいままにするに至り、彼らの手による暴行傷害事件までもが学内で発生しました。学外者が学生会館に常駐したり、自治会費の使途が不明になるなど、本来の自治会活動から大きく逸脱するに至りました。そのため、本学の各学部教授会は学生自治会が正式な手続きを経て成立していないことを確認したうえで、自治会費の代理徴収を停止する措置をとりました。その結果、2002年までに全ての学部で学生自治会そのものが消滅しました。
代理徴収制度によって全学生から自治会費を強制的徴収して彼らに渡していたことが、長年彼らの運動資金になっていたことが上記によって明らかになります。
日教組の場合、教職員採用権を持っていないので採用段階で思想選別できない上に組合加入の自由があるので、民意に反した運動をしていると次第に加入率が下がっていきます。
http://www.sankei.com/life/news/170301/lif1703010077-n1.html
 2017.3.1 21:01
 日教組の組織率、過去最低の23・6% 40年連続減
日教組も形式的には会員意思重視で、民主的に運営されて約75%の教員の意見が反映されているならば組織から逃げる必要がない・・75%の人の意見で徐々に組合の方針が変わっていけばいい筈です。
教職員25%の意見で運営していて新人の意見が反映されないから新規加入が減るのです。
弁護士の場合採用試験が思想によらないので思想が左翼系ばかりとは言えませんが、弁護士になるには弁護士会強制加入制度になっているので、日教組のように加入しない自由がありません。
一旦左翼系が組織を牛耳ってしまうと日教組や学生自治会同様で機関決定が硬直化していくのを防げないことになります。
下部の「委員会に出て意見を言えば良いだろう」という形式的民主主議論が可能ですが、こういう形式論で解決できないことは、日教組の組織率低下や大学自治会で自由な反対意見を事実上言えないようにして極左集団が牛耳ってしまった結果を見れば明らかです。
ソ連も中共政権も下部組織から意見が持ち上がっていく「民主的」に運営制度になっています。

フェイクニュース2と編集権2(占領軍の置き土産1)

編集権の続きです。
元々一方的占領政策宣伝の道具として、反対論封じのための権利から始まったものらしいですから、外部批判を受け付けない日本報道機関のDNAを争えません。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=153604
「編集権とはそもそも戦後GHQの指導のもと1948年に日本新聞協会が出した「編集権声明」に依拠している。
その全文を引用する。
1948(昭和23)年3月16日
新聞の自由は憲法により保障された権利であり、法律により禁じられている場合を除き一切の問題に関し公正な評論、事実に即する報道を行う自由である。
この自由はあらゆる自由権の基礎であり民主社会の維持発展に欠くことが出来ぬものである。またこの自由が確保されて初めて責任ある新聞が出来るものであるから、これを確立維持することは新聞人に課せられた重大な責任である。編集権はこうした責任を遂行する必要上何人によっても認められるべき特殊な権能である。」
GHQが編集権声明を指導していたこととGHQの検閲がいつまで続いたかの関係が気になります。
https://kotobank.jp/word/GHQ%E3%81%AE%E6%A4%9C%E9%96%B2-887973によると以下のとおりです。
「連合国軍総司令部(GHQ)は45年9月にプレスコード(新聞準則)を出し、出版、放送、映画を含む全メディアを統制した。新聞などの事前検閲は48年7月まで続いた。その後は事後検閲に移行(49年10月に廃止)するが、検閲違反で発行停止に追い込まれる場合もあり、「事後検閲とは自己検閲の別名にほかならない」(文芸評論家の江藤淳)との指摘もある。情報機関に属する民間検閲支隊(CCD)配下のPPB(出版・映画演劇・放送)が窓口で、東京、大阪、福岡各地区に検閲官が配置され、翻訳を担当する多数の日本人が雇われた。
(2009-04-11 朝日新聞 朝刊 広島1 2地方)
上記によればGHQが表向き検閲廃止するしかなくなったことに伴い事前準備としてあらかじめ報道機関対象に行政指導を始めて編集権という原則を作成させたことが分かります。
この準備をした上で7月に事前検閲廃止したものの、事後検閲を続行していたこともわかってます。
米軍は、自分の検閲を続けるが「編集権の不可侵を宣言しろ」という意味するところは何でしょうか
GHQのチェックは続けるが「国民の報道に対する不満を受けつけるな」というだけのことです。
米軍関係者の犯罪行為や占領軍に不都合なことを報道するかどうかの選択権は占領軍の意向によるが、日本国民との関係ではメデイアにあるから占領軍の意のままに報道する偏向批判を受け付けないようにすることを制度化した事になります。
アメリカの表向きの民主主義や人道主義やその伝道師の主張と実際の違いがここでも垣間見られます。
米軍のいう学問の自由も同じで、周知の通りルーズベルト政権は容共主義(だからこそ、その後その政権内に浸透していた共産主義者・ソビエトのエージェント排除を狙うマッカーシズム旋風が起きたのです)でしたから、占領初期の徹底した偏頗学問の自由の結果、東大初め多くの権威ある教育機関では概ね左翼・共産主義系学者が支配することになりました。
マルクス経済学に関するキペデイアの引用です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF%E3%82%B9%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6
「日本では、経済学は長く「近代経済学」と「マルクス経済学」に分かれ、歴史的にはマルクス経済学の影響が強いという側面があった[2]。
慶応義塾大学や東京商科大学ではマルクス派が主流とならなかった一方で、東京・京都の帝国大学の経済学ではマルクス派が多数派となった[3]。戦前の東京・京都経済学部は、マルクス派、皇国経済学派、リベラル派の三つ巴であったが、戦後になって右翼系の経済学者が戦争責任を負わされる形で大学を追放されることとなり、その後任に左翼系のマルクス派が主流となる人事が実行された[4]。
日本の経済学界では戦後しばらく講座派、労農派らによるマルクス経済学が主流であり、終戦直後の傾斜生産方式による戦後復興はマルクス経済学者(有沢広巳)による発案である。」
上記のとおり多くの大学の思想界は左翼系で固まってしまい、(上記の通り戦前の方が左右両派中間派のが定立できる学問の自由があったのです)これが末端にまで浸透したのが日教組という図式でしょう。
一旦学内支配が確立すると学問の自由→大学の自治が一人歩きして、米本国が反共に変わっても日本が独立してしまったし学問の自由・大学の自治を保証した以上はどうにもならない・・そのままになって、戦後日本で左翼系思想家の再生産が続く基礎になりました。
左翼系が一旦浸透するとその排除が難しい例を視覚的に証明しているのが各大学自治会で、中核派等の極左暴力集団は数十年以上前から社会的に完全に葬られているにもかかわらず、その後多くの自治会が彼ら極左集団の巣窟になっていて一般学生から自治会費の強制的徴収を続けていた状態がその威力を証明しています。
早稲田大学社会科学部が後任を取り消したのは平成7年になってからのことです。
以下http://www.waseda.jp/student/weekly/img/syagakusaiban.pdfにある判決の一部を紹介します。
「社学自治会(早稲田大学社会科学部自治会)は、2005年3月2日付で大学が社学自治会に対して行った公認廃止決定及び一切の便宜供与廃止決定について、これらの無効確認などを求める訴えを東京地方裁判所に提起し、これを受けて、大学は、自治会室の明渡しや大学による社学自治会掲示板の使用妨害禁止を求めて社学自治会に対して反訴を提起していました。この裁判について2007年3月26日、東京地方裁判所は大学側全面勝訴の判決を言い渡し、社学自治会が控訴していましたが、2008年7月31日、東京高等裁判所においても、大学側全面勝訴の判決が言い渡され、大学の主張が全て正当であることが認められました。」
上記勝訴理由は、公認するかしないかは大学自治に属するものであって、裁判所は「大学の自治」による決定に対して原則として容喙しないという原理による勝訴です。
学内での勢力関係次第であることは今も変わりません。

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