中国のバブル崩壊14と虚偽宣伝の破綻6

中国の政府発表・公式発表を、産業界ではまるで利用できない・・先進国的意味では、何のために政府統計があるのか意味不明・・国民にとっては税金の無駄遣いです。
中国では、人民支配の道具としての政府機関であって、公害調査も人民のために調査統計をしているのではなく、人民が反抗しそうかどうかを鎮圧の方策を探るために調査をしているに過ぎない以上は国民にとって役に立たないのは当然です。
とは言っても現在中国では、搾取されるための人民ばかりではなく多数の企業が活動していますので、彼らにとって政府統計が意味不明では合理的生産計画が立てられなくて困るでしょう。
草創期には旺盛な投資意欲さえれば、元手が少ないので、失敗しても大したことがない(元々貧しくて失うものがない強みです)と言うハングリー精神による無茶苦茶な創業が可能でした。
これが中国の活力を生み企業寿命平均が2年前後という(大方が2年前後で失敗消滅している)驚異的リスクをとる創業者が次々と挑戦した土台でした。
日本で操業率が下がっているのは、みんな程々に資産家になっているので庶民に至るまでちょっとしたリスクもとりたがらない体質になっていることが大きいと思います。
私たち学生時代にはやったフレーズで言えば「プチブル根性」が芽生えるのです。
数十年前に結婚の話で慶応出だった若者に私の妻が「銀行にはいくらでも女性がいるでしょう」と言ったら、「変なのに引っかかったら困るから声をかけない」と言ったのには驚いたことがあります。
最近の海外留学熱の低下は海外に魅力が乏しくなったこともありますが、考え方を変えれば、無理して行くほどのことはない・・既に日本が持っている物(文化を含めて)が多いという同じ原理に行き着きます。
こんな具合に日本中が豊かになって来るとちょっとしたリスクもとりたくない・・失敗→無一文になるリスクのある起業よりも就職・安全志向になるのは仕方のないことで、国の活力がなくなって行きます。
中国のリスクを厭わない挑戦意欲に戻りますと、この中から世界企業になる華為技術やアリババ集団(16日の日経新聞朝刊29ページによれば創業資金はわずかに22万円)が生き残って来たのです。
高度成長期にはデータなどなくとも行け行けドンドンムードで勢いよく思いついたアイデアで果敢に挑戦さえしていれば何とかなるというムーでしたし、拡張さえすれば大きくなれたので良かったのでしょうが・・この勢いでやって来た結果中国ではいろんな分野で現在約3割の過剰生産設備を抱えているようになってしまいました。
アリババ集団も華為技術も安定大企業になって来ると、個人で創業したときのような直感によるリスキーなチャレンジばかりではどうにもなりません。
今後は実態を反映したデータに基づく、合理的予測に基づく投資(こうなると大方の予想どおりの展開しか出来ない・・破格の高成長は出来ませんが・・)が必要です。
中国経済活動の大部分を占めている国有企業(徐々に比重が下がるでしょうが・・)の場合は、それぞれの閥を利用した高官に対するコネを利用して「本当のところはどんな具合?」と内々の情報獲得に励んでいるのでしょうか。
民営企業の比重が上がって来るとこのやり方では経済活動が持たないので、この方面からもデータの信頼性が必要になってきます。
中国では、これまで政府機関は全て支配の道具でしかなかったことを前提にすると、調査結果をそのまま出すと政府に不都合となれば捏造するのは当然の帰結であり、これを問題にしている日本などの諸外国の方がおかしな主張をしていることになります。
中国政府発表は全ての分野において共産党政府が如何に立派な政府か・・この裏返しにウイグル人やチベット族は如何に危険かの警戒感を煽る・・どこかいつも敵(日本など)を作って批判に明け暮れている仕組みです。
ウイグル人によるテロが頻りに報道されていますが、本当はインチキかやらせであって、取り締まり強化をするために危機感を煽って国内困難から目をそらしているだけだと言う意見もあり、真実が不明になっています。
雲南省の駅頭での大規模殺傷事件も特殊訓練を受けたプロのやり方であって素人の暴動ではとてもこんなことは出来ないとか、切りあっている人の写真と現場で殺された犯人と発表された人の顔が違う・・どこかでウイグル人を殺して現場に運んで来て犯人扱いしているのではないかなどと言う意見も出ています。

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