中国バブル崩壊10と虚偽宣伝の破綻2

鄧小平が改革開放したのは、国共内戦以来唯一の後ろ盾であったソ連に刃向かったことによる中ソ対立激化・・当時ソ連戦車群は国境線からす時間もあれば北京に到達するという報道があったことを思い出す人が多いでしょう。
この危機感からアメリカの支援を受けるためにアメリカの利益になるように市場開放する・・経済交流の門戸開放しただけであって、政治体制の変革を意味していない以上、虚偽宣伝体質が変わらないのは当然の結果でした。
(ところで今はメリカに刃向かっても自力で何とかなるという自信がついたのでしょうか?それとも太平洋2分という程度の意圏を言って様子をうかがうだけで刃向かうまでの気はないでしょうか?)
改革開放は共産主義=計画経済を維持したままの自由主義経済への参入という触れ込みでしたが、自由な商品交換社会に参入しながら共産主義を維持するのは論理矛盾・・現実経済として両立できませんから、マスコミがこれをそのまま報道するのは事実誤認と言うか怠慢です。
共産主義体制の維持ではなく、共産党の一党独裁=当時の支配グループの既得権益保持したママの独裁・専制支配体制維持を主張していたし、アメリカも政権維持を保障したと読み替えるべきだったでしょう。
北朝鮮が頻りに将軍様崇拝体制維持の保障をアメリカに求めているのは、中国アメリカの保護をうけながら体制転覆しない保障を受けた経験があるからです。
共産主義体制と自由主義経済参加は矛盾し両立しませんが、専制・軍事独裁政権と資本主義・自由主義とは矛盾しませんから、(ナチスであれ戦前の日本であれ、中南米や韓国など世界中に多く存在した軍事政権は資本主義国でした)経済自由化と言論統制は矛盾するから早晩行き詰まるとマスコミが頻りに報道していたのは無理な期待でした。
中華人民共和国は共産主義国家を標榜しているだけであって、実質はアメリカが最近イラク侵攻の名目にし、ミャンマーを敵視するなど目の敵にしている軍事独裁政権そのものと言うより元計画経済体制であった遺産としての官僚制を利用した専制性が完成している点でもっと酷いものです。
アメリカの価値観は御都合主義で自分の気に入らない相手には民主主義か否かを基準にし、気にれば黙認するどころか応援するものでした。
南ベトナム軍事政権や韓国軍事政権インドネシアのスハルト政権フィリッピンの軍事政権などを見ればよく分ります。
中国の場合はまぎれもない軍事独裁政権よりも酷い専制支配体制ですが、アメリカに(市場参入したいとか)都合が良ければ黙認するやり方の最大のものと言うべきです。
鄧小平が改革解放に踏み切ったのは国民のためではなく、ソ連の圧力を跳ね返すための後ろ立ての必要性とこのままの閉鎖経済では政権が持たなくなって来たので「支配グループの握っている政権維持の保障のために」方針を転換したに過ぎせん。
中国共産党政権の本質は共産主義でも何でもない・戦時中ソ連・当時盛んであったコミンテルンの支援を期待し、国府軍との間の政権獲得競争に勝つために利用していたスローガンに過ぎません。
先進国の政党は有権者にオモネて生活水準の向上を訴えるのと同様に、混沌とした内乱状態下の当時の大陸ではどの外国勢力とコネ付けるかが重要でした。
中国はいつも自立性がなく、中ソ対立以降アメリカをスポンサーに変更したに過ぎません。
台湾によっている国府軍がアメリカをスポンサーにしていたのを、中共が奪い取りアメリカが大きい方に乗り換えたことになります。(国連の議席も中共政府に変更されてしまいました)
中共政府の歩みを見ると、いつも世界強国にすり寄っている結果、その後ろ盾の気に入るような主張をしていれば良いので、韓国同様に強国の露払いを演じる役割に徹していて有利です・・彼らは強国の代弁をしていると信じているので対日でも強気です)
共産主義主張は政権獲得に便利に利用していたに過ぎません。
現在の共産党幹部の行動・・私利私欲に走り巨額蓄財の実態を羞じるところがないのを見れば、彼ら一人として共産主義の理念などを持っていないことが分ります。
(北朝鮮の将軍支配体制も人民が飢え苦しんでいるの気にしない点など共産主義と何の関係もない点は同様です)

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC