言論規制とモラール破壊1

言論の自由がないと国民は真実のデータを出すこと自体が、政府批判になりかねないし、その内、データの報告・発表その前段階の正確なデータ作成すら出来なくなります。
こう言う社会では権力に迎合して虚偽報告を始めるのは当然の生き方となっています。
(中国では地方政府が自己の出世のために水増し報告するのが普通と言われていますし、ソ連でも末期には公式文書のうち何が事実なのか、最高権力者であるゴルバチョフがまるで分らなかったと書いているとおりです)
中国古代王朝から繰り返されている讒言による政敵失脚を狙う事例は・・皇帝には事実がまるで分からない土壌になっているから生まれて来るものです。
中国のGDPの推移と電力統計が合わないと批判されると、何年間か電力消費統計の発表がなくなった時期があったと言われています。
(経済評論家三橋氏が、繰り替えし主張していた意見です)
政治的意見・経済政策に関する意見は根拠のない抽象論ではなく、社会の実情を踏まえた意見になるべきですから、正確なデータがよりどころになります。
政治的意見の自由のない社会とは言い換えれば、正確なデータを出せない・真実を報告出来ない社会・・結果的にどこにも正確な統計・データ自体が作成されていない・存在しない社会と同義になります。
「言論の自由のない社会」とは言い換えれば、政府(権力者・上役)に都合の良いことだけしか発表出来ない・・即ち真実であっても都合の悪いこと=統計的データは作れない社会のことです。
権力者や上司が都合の悪いことを言われても聞く耳を持たないどころか、都合の良い嘘の意見の方がとおりの良い社会では、長期間の経過で国民一般に本当のことを言う習慣がなくなり道徳が頽廃します。
中国はこれを2000年以上もやって来たのですから、現在の道徳心の退廃は、当然の結末ではないでしょうか?
国民もそれぞれの地位に応じて、自分より弱者に対して同じような要求をし、順次最末端までこのような虚偽で塗り固めた意見が横行する社会になります。
韓国や中国では王朝交代があると前王朝をどのように貶めても自由自在・正義の物差しは戦争に勝ったか否かだけですから、彼らの主張する歴史認識とは、この基準で成り立っています。
こうした意識から王朝が代わる都度前王朝の文物を完全否定・破却するので、中国には、古くからの良いものが殆ど残っておらず日本に避難して来ていたのです。
彼らは根拠のない対日戦勝国気分に浸っていますから、日本を一段下に見下した態度が正しいと思い込んでいますから、(内容が正しいかどうかの基準がありません)自分に都合の良い歴史を次々とでっち上げてはこれに基づく謝罪と賠償を要求し続ける・・どんな無理難題でも言うことを聞かないと「敗戦国の分際で何を言うか」とアメリカにチクルのが原則的パターンです。
つい最近5月8日ころの朴大統領訪米は、韓国の不当な要求を拒否する安倍政権の不逞な?態度をアメリカに直訴しに行ったような印象でした。
多分中国も6月の訪米では世界問題を論ずるよりは、如何に日本の悪口を言いつのるかに頭を使っているのでしょう。
こうしたバカげたことが戦後70年近くも成り立っていたのは、これを裏で煽動・支持する勢力・・アメリカは常に日本の足下を掬うことばかり考えていて、戦後60年以上も中韓両政府はこの方法でうまく立ち回れたからです。
(アメリカが正義などどうでも良い国でなかったら、こんな狡いことは続かなかった筈ですから、これを誘導しているアメリカの道義的責任が大きいことになります。
中韓両政府は自分に都合が良いことを思いつけば・・これさえ主張すれば日本から金を取れる・・言うことを聞かなければときの権力者・アメリカでロビー活動をして日本に謝らせられるかどうかだけが基準になっていて、嘘でも何でも言い通す国柄になっているのは、こうした歴史によります。
彼らが「歴史認識尊重せよ・・共有せよ」とは、自己に都合の良い歴史を次々とねつ造しては、これを「(敗戦国は問答無用で)認めるべき」という意味です。

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