中国共産党→中国政府→人民1

薄煕来事件の帰すうを見ても明らかなようにあれだけ世界中を騒がせた大事件にもかかわらず、その後裁判も何もなく闇に葬られたままで彼の消息は不明のままです。
中国では法輪功弾圧の凄惨さ(臓器摘出売買など)でも知られているように、司法で拘束するのではなく、政府外の共産党が乗り出せば法規を超越して何でも出来る仕組みです。
法治国家では時々超法規的行為(よど号ハイジャック事件での超法規的解決など)がありますが、中国では超法規「的」どころではなく共産党政権維持のためならば正真正銘の超法規行為がしょっ中可能になっています。
司法や法律制度は言わば庶民間の紛争処理にだけ利用出来るものであって、共産党の利害に関係すれば法規を超越して何でも出来る仕組みです。
これを支えているのが、軍と言う弾圧装置であり、共産党に所属しているという事実です。
中国の法治国家化と言っても、江戸時代の町奉行所的感覚で庶民間の争いだけ政府が法に従って裁くに過ぎません。
言わば、政府は共産党が外局として設けた下部機関でしかなく、共産党本部がこれに超越しています。
共産党が権力維持に関係すると判断して検束すれば、司法機関もこれに手を出せませんし、その先はヤミの中です。
軍すらも、共産党を維持発展させるための私兵であって、国家の軍ではありません。
今回の自衛艦に対するレーダー照射事件も、当初否定していましたが最近では否定し切れなくなってこれを認めることになると、共産党上層部の命令だったとなっています。
以上のように、行政府や司法機関・軍の指揮命令系統を超越した権限を共産党が持っているのが実態です。
この関係は地方でも同じで、地方政府の長よりも当地の共産党支部の書記の方が格が上となっています。
国家を私的な徒党・・語弊があるかも知れませんが、ヤクザ組織みたいなものが政府を占領していて、政府を介して人民を支配している関係です。
政府を表向き利用している限度で一定の正義も必要ですが、イザとなれば共産党が軍の威力を背景に直々に検束するときには、統治のための正義も倫理も何も要らない・ただ剥き出しの武力のみを信奉している世界史上まれな政権形態です。
上が上なら下も下という訳で中国人は末端に至るまで、武力に代わる金亡者・お金次第で威張り散らすようになっています。
韓国や中国で虚偽ねつ造教育をしているうちに国民が嘘でも何でも言えば良いみたいな信念を持つようになって行動するので、世界中の嫌われ者になっているのも同じことで、政府の道義的役割が大きいのに気がつかないようです。
信長も徳川家康も戦争に勝ち残って政権を取った点は、共産党政権に似ていますが、彼らが政権獲得後は、日本列島全体のための政治に心がけるようになっています。
この辺は世界中どこの政権でも同様でしょう。
中国やソ連あるいは北朝鮮・・共産主義国家では、何故権力剥き出しのママで来たのでしょうか?
ソ連は成立直後からご承知のとおり権力者の自己保身のために粛正の嵐の連続でしたし、北朝鮮の場合現在も収容所列島列島を絵に描いたような状態が続いています。
例えば世界の共産党政権の始まりであるソ連政府は、本当は選挙で負けていたのに政権を奪い取った・・政権を剽窃したものでした。
03/15/06・・1「ロシア革命と中華人民共和国の成立1(前衛とは?)」以下で連載したとおり、ボルシェビイキはそもそも選挙で負けたのに、議会を不法占拠して成立したもので、政権成立の正当性がなかったのです。
議会・・国民の意思決定機関・頭脳を占拠して始まった政権は、個人で言えば人の脳みそを占拠してマインドコントロールしているような状態です。
ですから、内容の正当性・正義などそっちのけで宣伝戦に熱心になるのではないでしょうか?
政権成立の正当性がないところから共産政権の元祖政権が始まっていて・・世界中の共産政権がお手本として来たことが大きいでしょう。
世界中の共産党政権は、生い立ちに正当性がないし、政権獲得後も支配下人民の福利は二の次であって共産党政権維持・拡大が主目的のままです。
政権維持のためにはどんな非人道的行為でもする・・スターリンは粛正に次ぐ粛正をして来ました・・手段を選ばない点が特徴です。

中国経済動向と株式相場1

為替相場が規制されている国の場合、通貨相場の動きを見ても数年〜5年程度の短期間での国力変化のメルクマールにはなりません。
たとえば、規制値上限を実勢相場に大幅に遅れて引き上げても引き上げても為替相場が上限に張り付いているからと言って、現在国力増進中とは限りません。
4月28日に書いたとおり過去の調整残りの差を埋めるエネルギ−が溜まっているので、貿易収支や資本収支が実際にはマイナスに転じてからでも一定期間上がり続けるからです。
数年単位の瞬間速力・短期的国力変化を見るのには、貿易収支統計が一番簡明ですが、中国の場合統計発表自体が信用出来ない・・・実態を表していないのが問題です。
大手マスコミや日本政府は中国の発表数字を怪しいと思っても、中国の統計は信用出来ないと公式には言えないのと中国びいき(マスコミは共産圏は素晴らしいと言うスタンスで一貫していました)の心情から、統計発表どおり中国はすごいすごいと賞賛一方でやってきました。
戦後北朝鮮は地上の天国とマスコミが賞賛したので、これを信じて多くの北朝鮮系人が帰国してくれたし、中国で5000万人も飢え死にしているときに中国政府発表どおりに大躍進政策の大成功を報道しまくっていました。
その上、短期資金移動は規制されているのでその流出入はアングラ的・・即ち貿易代金決済の衣をかぶって・海外から輸出入代金決済資金名目でかなり流出入していると言われます。
輸出入統計上の黒字は(当局による発表数字の誤摩化しがあるだけではなく)この紛れ込み入金部分が真実の貿易黒字に上乗せになっている面があります。
資金引き揚げが始まっても為替相場に直ぐに反映するのではなく(規制されているので裏金として逃げるので公式に反映出来ませんが)、表向きは貿易黒字の減少として現れるのでしょう。
(しかし貿易統計自体が粉飾だとどうにもなりません)
ホットマネーや長期資金の直接的な引き上げは別として、毎年1000億ドル規模で流入していた新規資金流入が1〜2割減るだけでも、毎年一定量入って来る前提で運営されて来た中国経済には重荷・・ボデーに効いてきます。
中進国の罠にはまりそうになっている中国経済に関して、長期投資資金の引き上げが始まっているのかの関心があるところですが、これに関する直接的な統計発表はあり得ないので憶測するしかないでしょう。
間に大分いろんなコラムが挟まってしまったので6月8日ころに先送り・紹介しますが、昨年は3、7%外資流入減だったという勝又氏の論文引用の記事発表の意味は資金流入より引き揚げの方が多かった結果・・収支として純減した結果を言うのかも知れません。
貿易統計の誤摩化しに関しては・・最近では台湾の対中赤字が約1%減だった発表に対し、中国の発表では対台湾の貿易黒字が何割も増えたとなっていることや、対香港では同じく10倍単位の誤差が生じていること・・中国の貿易発表の信用性について、大々的に報道されています。
(ただし、この辺は2週間ほど前のネット報道を見たことによるうろ覚えですし、正確には知りません)
相手のあることでもこんな具合に虚偽発表して臆するところがない(北朝鮮同様に何でも相手が間違っていると言い張って終わりです)のが中国ですから、国内諸統計にいたっては相手のいないことですから、粉飾のし放題で何が正しいか誰(ソ連崩壊時のゴルバチョフのように中国の権力者ですら)にも分らないでしょう。
現在の中国の経済力・・方向性を見るには、(成長が止まりつつあるのか?一旦止まってもまた動き出すのかは別として)先ず「現在停滞し始めたかどうか」を知るには、中国の貿易統計を含めた各種統計は(粉飾が多過ぎて)全く当てになりません。
中国の貿易統計を含めた各種統計が当てにならないので、比較的経済動向を敏感に反映し易い上海株式市場の総合指数の変動・・グラフで見るのが最も近い傾向(ストックは別として傾向だけ)を表している数字になると思います。
(まさか指数作成データ処理を操作しているとは思えませんが・・?、その内経済失速が鮮明になって来ると新たな投資が入らなくなるといよいよ困るので指数作成用のデータ改ざんが始まるでしょう・・)
これはアナリストが独自にデータ入力してチェックすれば判明する理屈ですが、日本で言えば個別の証券会社は自社の取引履歴しかないので、東証から全部のデータを貰うしかないのと同様で、データをどうやって中国政府関係から入手出来るかと言うところです。
結局は自社と他社・数グループ機関投資家間で連携して内部データ・・その日の出来高や騰落率等をつき合わせて、中国政府関連機関発表総合指数との乖離を指摘して行くしかないでしょう。
中国政府は、貿易収支のように多数にのぼる他国の公式発表との食い違いでさえ自国データが敢えて正しいと言い張る国ですから、民間のデータなど信用出来ないと歯牙にもかけないでしょうし、データ発表しようとする金融機関には認可取り消しを匂わせて脅すのでしょう・・。
アメリカを後ろ盾にするグーグルでさえ脅しに屈したと言うか、結局中国市場からの撤退を余儀なくされました。
上海株式市場参加資格は、後で書きますが、A株市場と言って中国政府の認可を受けた機関投資家しか参加出来ませんので、何やかやと言いがかりをつけて認可取り消しや更新拒絶するのは簡単です。
個人なら株を買えなくなれば買わなければ良い・・「他所で買います」と言えば終わりですが、機関投資家の場合、現地事務所を構えて多くの従業員を雇用し、コンピューターなどの巨額投資し、宣伝して顧客の注文を抱えていますので、「ア、そうですか」と簡単にやめる訳には行きません。
中国ではまだ法治国家とは言い切れない・・司法機関外の権限が強烈・・法による保護は殆どありません。
薄煕来事件の帰すうを見ても明らかなように、裁判も何もなく闇に葬られたままです。

遅行指数としての人民元相場1

公示価格のように為替・交換比率を実勢相場ではなく、政府裁定で決める仕組み(実勢に委ねないこと自体・・実勢と乖離することを目的にした制度ですから乖離 しているのは当然です)では、急激な変動を避けるために均らして上げようとしているに過ぎないというのが一般的言い訳です。
しかし、上がったり下がったりしているときには「ならす」ことに意味がありますが、急成長中で生産性が右肩上がりに上がる一方のトレンド(時には不景気で停滞もあるでしょうが・・)のときには、「ならす」余地がなく単に乖離が開く一方になります。
あまり開き過ぎるとアメリカ等からの不公正貿易国批判を避けるために、上がった分の何割かだけ遅れて少しずつ上げることになるので、結果的に遅行指数にならざるを得ません。(1割上がって1〜2%上げるようなことの繰り返しでは、差が開く一方です)
30〜50年単位で見れば、いつか成長が止まり実勢相場も下がる傾向に変わることもあるので結果的に均らせるかも知れませんが、10〜20年単位で見れば一国経済の上昇や下降傾向は大方同じ方向に動くのが原則です。
(新興国も時には不景気・・成長鈍化がありますが、長期的には先進国に追いつく方向で生産性の差が縮まります)
その結果実勢との乖離が開く一方になってしまい「ならす」余地がなく不公正貿易国の国際批判に一応答える意味で、遅れて少しずつ上げるしかないのが(規制している人民元の実情)普通です。
下がる一方の国の例としては、UKポンドは戦後下げる一方でしたし、USドルもニクソンショック以降は(途中小刻みな揺り戻しがあったとしても・・大方のトレンドでは)下がる一方でした。
こう言うときに無理に介入したり、規制によって実力以上の相場維持をしていると、投機筋の売り浴びせにあってダムの決壊のような酷い目に遭うことを、ポンド防衛の歴史シリーズで連載しました。
他方で上がる一方の国としては日本円が高度成長期以降はアベノミクスまでは上がる一方でしたので、為替介入は無理がありました。
今のところ人民元相場は実勢にかなり遅れて動いているので、成長力減速あるいは下降を始めてもまだ上がり切っていない分の調整エネルギーが残っています。
この結果、仮に中国経済が失速し始めても人民元はまだまだ遅れて上がる傾向にありますので、通貨相場が規制値上限に張り付いていることが人民元の現在の実力や経済減速傾向を反映していることにはなりません。
過去20年間で比喩的に言えば2〜3倍(200〜300%)の通貨相場になっているべき(貿易黒字の蓄積ばかりではなく外資流入分の蓄積も通貨上げ圧力です)ときに、規制の結果まだ2〜3割(20〜30%)しか上がっていない状態(実勢との差が7〜8割)として比喩してみます。
現時点で、経済失速して5〜10%のマイナス国内生産(あるいは外資流出)になっても、為替相場としてはなお規制値の20〜30%アップよりも実勢がはるかに高いのですから、(270ー5〜10=265〜260%の調整不足)270〜280%に達するまでの長期上昇トレンド・エネルギーが続くことになります。
年率10%ずつ裁定相場を引き上げて行き、他方で年率10%のマイナス成長(・あるいは外資流出が始まること)によって天井が低くなる結果、均衡点を突破して人民元が実勢で下がり始めるのはかなり先のことになります。
我が国では為替相場に規制がないのですが、それでも貿易赤字が始まっても海外からの利子配当等の送金収入があって総合収支黒字が続いている結果、直ぐには円が下落する地合になり難いのと似ていて、通貨相場は直ぐにはその時々の国力変化をストレートに表すものではありません。
まして、中国では短期資金の規制が厳しいので、短期資金(ホットマネー)はアングラ的流入資金でしかないので、韓国のように急激な売り浴びせがあっても、全体に占める規模・影響が小さいでしょうし、そもそも為替相場自体規制されているので上限〜下限の間でしか取引が成立しません。
為替相場が規制されている国の場合、通貨相場の動きを見ても数年〜5年程度の短期間での国力変化のメルクマールにはなりません。
(規制値上限を引き上げても引き上げても為替相場が上限に張り付いているとしても、上記のとおり過去の調整残りの差を埋めるエネルギ−があるので、貿易収支や資本収支がまだ黒字を維持しているとは限りません)

中韓外貨準備の内実2(中韓接近1)

現在北朝鮮情勢緊迫も加わって、韓国ウオンが下落基調になっていますが、韓国にとってはウオン下落は交易上有利だと喜んでばかりいられないのが、基礎体力のない韓国経済の弱みです。
最近のウオン下落は売り注文・・半島危機の加速と対日貿易競争上の不利の現実化進行によって、投資家による資金引き揚げ増加に直面していることによるのですから,売りが売りを呼ぶ暴落状況へ発展しないかの緊張・危機直前の様相を呈しています。
円安になった日本との貿易競争に大負けして輸出産業が痛手を受けるならば、ウオンが安くなれば良いようなものの、一方で暴落は困るという難しい立場です。
竹島・天皇謝罪発言事件で日本との巨額スワップ協定(イザというときの日本からの巨額ドル融通)の更新が昨年秋に出来なくなり、さらに基本協定の期限も今年7月あたりに来そうですから、保険・後ろ盾が完全になくなった場合にどうなるか緊張している状態です。
日中韓のスワップ協定でしたから中韓関係はまだ残っていますが、仮にも通貨危機発生目前になった場合、中国から資金援助を受ける・その保障で生き残るとなれば大変な展開になります。
・・日本と違って金を出すとなれば中国は露骨ですから、将来的にはチベットのように属国化への道筋を付けられるかの緊張状態にあります。
中国は欧州危機に際してもお金を出すようなそぶりだけしていて、(本当は自己資金がないのでしょう・・)結局出しませんでした。
今回は韓国経済が窮迫化しているだけではなく、中国自身反日暴動以降実体経済がかなり傷ついています。
(表向きはなお7、5%成長に減速などと発表していますが、世界中でこの誇大発表を信じている人は滅多にいないでしょう・・本当は大分前からマイナス成長に陥っている可能性があります。
公式発表どおり7、5%成長だとしても、従来基準から言えばかなりのスピード鈍化です。
政策金利が5%あまりで貸し出し金利が7〜8%前後ですから7、5%成長では金利支払にも追いつきません。
まして正規金融機関融資先は国有企業関連が殆どで民間企業の殆どがヤミ金融業者に頼っている現状ですから、なおさら(もっと高利で)大変な事態です。
今では、韓国の面倒を見るどころか、中国自身が海外資金の取り込みに必死の状態に陥っています。
世界一の外貨準備がある筈の中国ですが、24日にグラフで見たとおり、リーマンショック後始まった世界中の低金利競争下で5%台の高利回りを維持していなければならない=資金不足状態にあること自体が、実際の資金繰り状態を表しています。
中国の外貨準備高自体は公表どおりか否か真偽不明ですが、そのとおりあるとしてもその殆どが海外からの投資で成り立っているとしたら,外資の引き揚げに直面するとアジア通貨危機時の韓国経済破綻同様の大事件に発展します。
ただし、中国では為替自体が規制されているので人民元の実力どおり相場が移動する訳であはありません。
ヤミ(これが実勢です)為替相場は知る由もないのですが、これが裁定取引に反映されるのには、数年〜5〜10年前後遅れて移動する傾向があると見て良いかも知れません。
すなわち・・現在の人民元高傾向は数年〜5〜10年前の遅行指数と言えます・・。
我が国でも固定資産評価額や公示価格は、政府の思惑で発表する結果実際のバブル高騰時にはその数分の1程度しか反映されなかったし急激な下落時にも同じです。
(公示価格の問題点については、03/31/03「地価公示制度(公示価格と実勢価格)5」前後で連載したことがありますので参照して下さい)
このために地価が相場下落開始後になっても遅れて公式評価が上がる結果、国民から何をしてるんだという不満が出たことがあります。
(正確には政治的思惑で鑑定評価を低く抑える傾向があるだけではなく、鑑定が出ても激変緩和措置として税額等を数年に分散して上げて行く制度設計にも関係します。)

 

 

 

 

 

 

 

日韓スワップ協定と韓国経済2

4月24日に紹介したグラフの最後の方で金利が少し上がり、今年の4月には更に上がって2,75%になっている(正確には4月に上がったのではなく不景気になったことによる利下げ予測だったのが,下げられず据え置いたと言う報道記事でした)のは韓国の景気が良くて上がったのではなく、日本の保障がなくなったことによって不景気進行にもかかわらず昨年末からジリジリと金利を上げるしかない手詰まり状態を表しています。
昨年末から日本の後ろ盾がなくなった韓国はジリジリと資金不足に陥っていますので、不景気対策として金利を下げることも出来ません。
日本の後ろ盾がなくなったことにより、ウオン安政策を取るとその勢いで暴落する恐れがあって、怖くって日本に対抗してウオン安政策を取ることも出来ません。
リーマンショック直後のように不景気下で逆に金利を上げるしかない局面が早晩来るでしょう。
この矛盾した局面打開には日本による資金保障しかないのですが韓国は自ら問題を起こしておいて謝る気もなくむしろ反日感情を煽る一方です。
現在の韓国経済状況は以下のとおりです。

【社説】墜落する韓国経済に翼はない
2013年04月23日09時20分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
今年の韓国の経済成長見通しがますます暗くなっている。アジア開発銀行(ADB)はこのほど韓国の今年の成長率見通しを昨年10月の3.4%から2.8%に大幅に引き下げた。これは日本を除くアジアの国内総生産(GDP)上位11カ国のうち下から2番目だ。
・・・以下省略

借金まみれで殆どの国民や企業がマトモに金利さえ払えないような不景気状態で、逆に金利を上げたら国・経済がどうなるか・・お手並み拝見というところです。
個人債務は以前から巨額でこのため売春婦が世界中に進出していることを大分前に書きましたが、最近では債務が更に増えて行って個人債務総額が可処分所得を大幅に越えている状態ですし,今や大手企業も個人も国を上げて借金まみれです。
(ウオン安で儲かっていたのは財閥系企業ばかりで個人に還元せず、企業利潤として海外流出していました・・韓国企業の多くを外資が支配していることも紹介しました・・・不景気になっても高金利維持するしかないのと同様で、配当性向を高くしないと資金が海外に逃げると大変なので国民に還元するより配当を多くするしかなかったからです)
スペインその他弱諸国は不況下で金利下げをしないと企業経営が成り立たないのですが,苦しくなると逆に高金利にしないとどこも貸してくれない(ハイリスク・ハイリターンの原理)のが経済の原理です。
このために南欧諸国では危機ラインとされる国債金利が5〜6%前後に張り付いています。
韓国はこのジレンマを日本の保障でくぐり抜ける良い思いをして来たのですが,(24日のグラフで見たようにリーマンショック後ハイリスク国として金利が上がっていたのですが、日本の保障が出来て5%台からか一挙に2%台に下げることが出来ました)その恩返しの代わりに日本の御陰で安く資金を調達出来るようになったバネで日本企業を目の敵にして競争を挑んで来た挙げ句に、日本が震災で苦しんでいるときに千載一遇のチャンスとばかりにその仕返しを日本にして来たのです。
こんな恩知らずな国のために日本が何故保障をしてやって、競争力の下駄を履かせ続ける気になるか?と言うことですからスワップ協定の更新を拒否したのは当然のことです。
日本の保障がなくなればスペインやギリシャ等同様に信用力に応じた高金利・高配当を謳わないと資金が入って来ないし,(ハイリスクハイリターンが経済原理です)日本の保障があったときに低金利・低配当を許容して入って来た資金も満期の来る都度逃げ出すでしょう。
輸出縮小の中で金利下げが出来ない・・逆に上げるしかないとすれば、早晩韓国経済には破綻の危機が迫って来るでしょう。
ここで、アジア通貨危機以降の日本の保障と韓国経済の浮上関係を見ておきましょう。
リーマンショック直後にウオン暴落状態が始まり、破綻の渕に立たされました。
これを救済するためにチェンマイイニシアチヴに上乗せする形で更に日韓で特別枠のスワップ協定を結んだことにより、韓国の通貨危機・・ウオンの投機売りが生じた場合の保険的枠組みが整備されました。
続いて起きた欧州危機に際しても3回目の韓国通貨危機発生直前になって、日本が巨額保障をして破綻回避出来たばかりでした。
日本の特別保障によって漸くアジア通貨危機以来第2回め〜3回目になる韓国破綻を救ったのです。
こうした繰り返しで漸くウオンの再暴落・・デフォルトを免れていたのですが、日本の支払い保証で漸く危機を脱した途端に「日本の援助は要らなかった」とうそぶいています。
昨年夏の韓国大統領の竹島上陸で怒った日本では、日韓スワップ協定の延長拒否に発展したことを記憶している方が多いでしょうが、イザというときのドル資金融通協定が韓国にとっては保険になっていたから,韓国は安い金利で世界から資金を集められて競争力が強化され,世界で大きな顔が出来ていたに過ぎません。
経営を始めたばかりで信用の少ない息子が資産家の親の保障で銀行から安い金利で融資を受けたり資金調達出来て、有利に事業展開出来て大きな顔をしているような姿です。
日韓の通貨スワップ協定関連については、ウイキペデイアの記事を紹介しておきましょう。
4月24日現在のウイキペデイアの記事によると以下のとおりの経過です。

日韓通貨スワップ協定 [編集]
日本銀行と韓国銀行(中央銀行)が結んでいる円と韓国通貨ウォンを相互に融通し合う通貨スワップ協定。2005年締結[5]。
2008年12月、リーマン・ショックにより韓国で外貨流動性問題(韓国通貨危機)が浮上したため、引出限度額を30億ドル相当から200億ドル相当に増額。
2010年4月末、為替市場が安定化したとして増額措置を終了、30億ドルとする。
2010年6月、日韓通貨スワップ協定の期限を3年延長し、期限を2013年7月までとする。
2011年10月、欧州金融市場の不安定化の中、引出限度額を30億ドル相当から300億ドル相当に増額。2012年10月末までの時限措置。
2012年10月、時限措置終了。引出限度額を300億ドル相当から30億ドル相当に戻す。
チェンマイ・イニシアティブ [編集]
チェンマイ・イニシアティブの下での財務省(外為特会)と韓国銀行間の通貨スワップ100億ドル。 2001年7月4日、上限20億ドルのドル・ウォン間の一方向スワップ取極(日本から韓国へドルを供与)を締結[6]。
ドル・自国通貨スワップ [編集]
2011 年10月、財務省(外為特会)と韓国銀行間で新たに締結されたドル・自国通貨の通貨スワップ、限度額300億ドル、2012年10月末までの時限措置。 ドル・自国通貨となっているが、実質ドル・ウォンの通貨スワップ。国際通貨基金(IMF)の関与はない。
2012年10月末をもって終了。

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