中国は単純作業・模倣社会から抜け出せるか?5(歴史に学ぶ2)

そこに住んでいる人々とそこの政府とは別人格である・・例えば古代ローマの地にイタリアがあるからと言って、今のイタリア人の歴史ではない・・その土地の歴史でしかありません。
アメリカ合衆国の歴史として、アメリカインデイアンの歴史勉強しても今のアメリカ人の行動パターンを勉強したことにはなりません。
同じ場所で異民族が入れ替わり立ち替わり入って来た土地では、今ある政府・人民と古代からの人々は必ずしも一致していません。
こうした視点でOctober 20, 2012「中国に歴史があるか3(民族の断絶性2」前後の連載や2013/02/08「政府と国民の違い(中国人との付き合い方)1」以下で、現在中国のある地域では歴代王朝が前王朝の全否定を繰り返し毎回断絶して来たことを紹介しました。
現在中国の存在する地域では、王朝が変わる都度前の時代の全面否定でやって来たこと・・各王朝ごとの連続性がないことからすると、現在の中華人民共和国と大唐国との間にはいくつもの王朝(異民族支配が繰り返されて)が興亡していますので、現政権(中華人民共和国)には何の関連性もないので、自分の歴史ではないから学ぶ必要もないと粗末に扱っているのかも知れません。
それにも拘らず都合のいいところだけつまみ食いして中国人が輝かしい何千年(の国家)の歴史と自慢すれば
 国家としては「連続性がないでしょう」「別の国のことでしょう」
とは言えるものの、この地域に住んでいる人たちの長年の経験・・民族性としては概ね一致しています。
現在中国地域では異民族流入の歴史があるものの、ローマのようにまるで民族が入れ替わってしまったのではありません。
企業個性や大学のカラーで説明したことがありますが、一定期間経過で構成員が入れ替わって行っても、先輩と一緒にいる期間があるので、大学や企業精神が順次継承されて行くものです。
中国地域の民族はそっくりいなくなったことがなく混交を繰り返して来ただけですので、民族の個性としては連続性を概ね保っていると見るべきです。
人間の肉体を構成する細胞は日々入れ替わっていて10年前の自分ではないのですが、それでも自分の経験は活かせます。
とすれば、自らの民族性・思考傾向・生き方としては、先人の体験/歴史に学ぶ必要があるでしょう。
虚偽歴史教育をしていると国民の道義心もなくなると言う意見を5月2日に書きましたが、歴史ねつ造をして自己満足に耽っていると過去に学ぶチャンスを失い、その効果は自分に戻って来ます。
現在中国政府自身は(一応学者もいますし、愛国心に鼓吹されてその気になっている庶民とは違い)まだまだ自前でマトモな物を作れないことやその原因も良く知っています。
中国のアメリカに対するサイバー攻撃・情報収集の酷さについては最近連日報道されていますが、5月7日現在新聞の報道では(従来言われていた兵器産業関連だけではなく)主として先端技術情報への違法接近・収集を国家ぐるみで違法集団に応援して行なっているという米政府の発表でした。
中国は国を挙げて先進国で泥棒しているとアメリカに公式発表されているようなものです。
日本は中国に遠慮しているのかそう言う発表や報道が一切ありませんが、企業秘密の収集・・技術情報の盗み取りはアメリカに比べてガードの弱い日本に対してはもっと遠慮なく行なわれている筈です。
政府自身が、自分で考えたり製品を創作するより盗んだ方が効率がよいと認めて実践して国民にお手本を示している国が、中国です。
上が上なら下も下ということで、国民の道徳心は地に堕ち、知財剽窃や泥棒に邁進し、古くは毒入りミルクここ数日では、食品偽装のオンパレードが報道されていますが、基礎的道義心がなくなるのは仕方がないでしょう。
このような恥ずかしい国民性や政府態度は、1朝1夕に出来たのではなく、民族の歴史が作って来たことを直視し、これを改める努力をしないと何もマトモになれない・・中進国の入り口で終わる可能性があります。

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