外資流入減1と中国経済

流入した外資を元手に無駄な国内投資を繰り返していた中国では、資本流入縮小〜引き揚げが始まると内需が縮小し、海外再投資資金が枯渇して致命的打撃になります。
外資の資金流出を防ぐために公的資本規制があるだけではなく、実際には工場投資・新規店舗投資などした資金を現金化して引き上げるのは容易ではなく・・殆どの場合二束三文で現地業者に売り渡すしかないのが中国投資資金回収の現実と言われています。
賃上げ要求その他が激しくて採算が取れなくなって日本企業が撤退しようとすると、従業員からの不当な補償要求が噴出して収拾がつかなくなり、結局は何十億も掛けた工場や店舗などを5円か10円・・ただ同様の値段で合弁相手に売り払うことで解決して行くしかないのが実態のようです。
何故日本の業者が頑張れないかと言うと、賃金未払いで訴えられるとこの決着までの間は出国が認められない法制度があるらしいのです。
一見尤もな規制のようですが、・・事実上捕虜みたいな扱いになるので多くの駐在員を人質に取られた企業は、参ってしまって無茶な取引(・・殆ど強盗にあったようなものですが・・・)にサインするしかなくなる仕組みらしいです。
投資した長期資本引き揚げは、公的規制があるだけではなく、実際には滅多にうまく行かない仕組みです。
(・・敗戦時に満州から引き揚げるときには家財全部棄てて逃げて来た経験が参考になるでしょう)
中国としては一旦現地工場・スーパー・百貨店などに投資させれば、いつでも自分の物に出来る・・自分の物になったのと同じ感覚になっているでしょう。
ヘンデルとグレーテルの寓話のように太らせてから食う・・中国は日本に投資させるだけさせて、これ以上の資金流入や技術移転が見込めないとなれば、後は反日運動で叩くだけ叩いて日本人・日系企業が命からがら引き上げるように仕向けて、ただ同然で奪い取ることが可能です。
執拗な反日教育は、イザとなれば国民の心に火をつければ直ぐに燃え広がるようにするための準備行為と見られないこともありません。
日本政府・企業としては中韓政府が幼児期からの反日教育をやめない限り、(やめてから一定期間経過しない限り)投資・技術協力出来ないというスタンスを取るべきでしょう。
上海株価指数推移表のグラフを見てきましたが、製造業その他の生産が上昇していなくとも毎年1000億ドルも資金が流入していれば、それだけで経済は豊かに回って行きます。
(この後に中国への流入資金量のグラフを紹介しますが、公式発表だけでも年間約1000億ドル前後の巨額です・・これに貿易決済を装った短期資金流入額を加えるともっと巨額になっています・・実際の貿易黒字額はもっと減ります。)
ソニー等が営業赤字でも保有する自社ビルを売れば、その期は特別利益何百億円も出るのと同じです。
年間千億ドル以上の継続的資金流入=その資金が中国の土地代金や施設建設代金に変換されて中国(地方政府〜回り回って中国企業)の収入になっているのは、上記ソニー等が毎年自社ビルや不動産を売って特別利益を出し続けてきたようなものです。
千億ドルと言えば、円にすれば毎年約10兆円以上もの大金が株式市場参加企業に継続的に配られて来たとも言えます。
これだけの特別収入が毎年あれば余程の赤字体質(中国企業全体で1000億ドル以下であれば)企業でも黒字家決算が可能です。
これまで、もしかしたら,(私の仮説ですが・・)巨額投資資金の中国流入があって漸く通貨取引が収支トントンあるいは少しだけプラス(人民元のじり高)を維持出来ていた可能性があるというスタンスで書いています。
(公表数字とは違い、実際には貿易収支が大赤字あるいは大したことがなく、これを資本収支の黒字=外資流入で補って来た可能性が高いのではないかという仮説です)
リーマンショック〜欧州危機〜反日暴動以来、外資流入が急激に細って来たことにより、今後どのくらいの期間経過で株式相場の下落や人民元相場が弱含みになって行くかの関心です。
4月28日の比喩ではこれまでの中国による宣伝を前提に実勢相場としては人民元が2〜3倍上がるべき前提で書きましたが、実はそんなに大幅に上がるべき状態(実態経済)ではない(車がエンジン停止後慣性によって少し走るように今後少しはまだ上がる)かも知れません。

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