原発事故と今後の見通し4(情報開示1)

原発事故が起きてしまった以上は当面挙国一致で頑張るしかないとは言え、小出しの希望的な政府発表ばかりが続いているのに反して実態は悪化の一途です。
既に農産物に高濃度の放射能汚染が次々と明るみに出,しかも原発から40キロ圏の大槌町では自然界の1630倍ものセシュームが土壌から検出され,東京では水道水からヨウ素が出たと言います。
土壌汚染が長引き、広がれば半永久的に農作物は作れなくなる土地になってしまうリスクがあります。
一時的な汚染なのか,これからも継続的に汚染が広がり続けるのかが分らず不気味な状態です。
この先、最悪の事態になってもっと広範囲に土壌汚染が広がり,しかも継続的になると栃木、群馬方面の土壌・・水源地から出てくる利根川水系の水道水は,半永久的に飲めなくなった場合,東京圏は壊滅です。
膨大な海水の連日放水_・・垂れ流しが続いている海域の汚染は当然の筈ですから,既に周辺海域の水産物は測定さえすればほぼ壊滅ではないでしょうか?
国内データを秘匿していても海外では日本海域の魚介類の輸入禁止に動いています。
消防等による大規模な放水体制の続行にも拘らず毎日のようなあちこちの原発何号機から黒煙あるいは焦げで茶色の煙が立ち上ったりしています。
この煙が自然に収まったりしているのも不思議ですが,さしあたり順次電源復興が緒につき始めている面もあり,他方で上記のような悪い結果がいろいろで出て来てるので,今の状態が良い方に向かっているのか悪い方に向かっているかすら分りません。
国民が安心出来るようにするには,「冷静な対応」を呼び掛けるだけではなく,きめ細かな情報公開が必要ですが,ことが重大すぎたからか、当初から政府の歯切れが悪い・・あえて小出しにしている傾向があって、全体像が見えにくいことが残念です。
アメリカの提案がどのようなものであったのか・・これが外交機密とは思えませんが,どうして公開しないのでしょうか?
全体像をどうしようとしているのか明らかではなく,何の見通しもなく出たとこ勝負で最善を尽くしているような印象ですから、海外の立場では危険きわまりないと言う印象になっているのでしょう。
ドイツその他の西洋諸国では大使館さえ大阪へ避難したりしています。
これを過剰避難と言うべきか否かですが、日本政府の情報公開不足が国際的な不信感を助長していることは確かでしょう。
情報公開とは政府の都合の良い説明のことではなく,原発周辺に多数設置した機器のデータそのものの具体的な数値を淡々とネットで手軽に(自動的に)入手出来るように公開するべきです。
更に政府が採用している手順を説明し、これを実行すればどうなる予定か,その予定が不確定で5種類あったとしたらそれぞれの結果予測としてAの場合にはこう対応するBの場合にはこう対応するCの場合には・・・と説明して、専門家の批判を仰ぐべきです。
公開されたきめ細かな数値や、していることの正確な説明さえあれば,それを基に専門家による多様な解説や予測が可能です。
政府の予測・説明は、そのデータ解析による解説の一つでしかない立場に戻すべきです。
何kmまでの退避命令を出すべきかは政治判断ですが、その他の客観的事実については官房長官が連日数回も記者会見する必要がない筈です。
日本中が政府発表に一喜一憂する現状自体が、(しかも不都合なことが起きた結果の釈明中心ではげんなりします)客観的数値の未公表・秘匿体質・・政府によるデータ独占の弊害を証明しています。
官房長官が頑張っていることは評価しますが、現状公開は事務的に先ずやるべきことであって,事務発表すべきことを政治家に委ねているのは,政治判断でゆがめる・潤色を意味していますから,本来筋違いの感じです。
データ公開が不十分な結果,当事者の国民が正確な実情を知ることが出来ず,実害を大して受けない海外の人の方が正確な情報が入手出来て詳しいのでは、自由な世論を形成出来ない後進国・独裁国家並みです。
これでは実態の分らない海外の人が日本から逃げ出し,日本製品の輸入制限に動くのは当然です。

原発事故と今後の見通し3

日本の場合は、地球の自転の関係で大陸からの西風(冬は北西、夏は南西)が中心で、たまに台風が発生すると例外的に南から吹き付けるくらいが基本的な風向きですから、(真西風の場合100%太平洋に流れます)真北や北東の風は滅多にないので、(あっても1日中強い風が吹く訳でもありません)福島県の西や南方面は基本的には被害があまりない印象ですし、関東方面に来る確率が低いことが分ります。
北風が年に10数回あるいは北東の風が年に10数回あったくらいでは、(寒い北風の強い日には風にさらされて長い時間外で立っている人は少ないでしょう)「3レム」単位の差では何の問題もないことが明らかです。
ところでいつか頑張りきれない時・・破綻が来るとしても無駄な抵抗だからと言って即時廃炉した場合と日本政府判断のように出来るだけ引き延ばすことの是非をここで考えてみます。
何時の時点で破綻がきても結果としての被害総額が同じ場合を想定すると,地震直後の大混乱中にイキナリ80kmまで避難を命じると市民生活に及ぼす影響が甚大でしかも大混乱するでしょうから、先ずは3km〜10kmから初めて徐々に拡大して30kmまでの屋内退避・避難命令にして様子を見たのは妥当な政治判断のような気がします。
ましてアメリカ大使館の勧告でも,これが仮に1年間の総量であるとするならば,Ⅰ〜2ヶ月後にゆっくり避難しても間に合います。
そもそも長引いて結局駄目になった場合と即時廃炉の場合との被害差がもしも同じならば国民が徐々に覚悟をして行くべき時間があった方が良いに決まっています。
地震発生直後でインフラの復旧出来ない即時(たとえば3日以内に)に80kmまでの緊急避難命令を出した場合と、3km単位から徐々に拡大して行った政府判断は・・仮に今後最悪に近づいた時点で今の30kmから80kmに追加命令を出すのと比較すれば、国民の混乱・被害が最小限に出来た功績が大きいと思われます。
12日経過した今でさえアメリカ大使館の想定しているような大規模な放射能汚染が始まっていないのですが、今になるとかなり時間が経過しているので周辺のインフラも復旧していて避難するにも(道路が使えるし)即時避難に比べれば比較にならないほど楽です。
そのうえ、震災時の第一次避難者がイキナリ遠くへ避難するのは大変ですので、普通は徒歩圏内プラスアルファが・・地元小学校の体育館等が原則です。
時間の経過で車移動が可能になって新潟や埼玉等関東等への遠距離再避難が続いていますので、域内人口が徐々に減少していることと、30km超付近の人も怖いので徐々に自主的避難をし始めているので、時間稼ぎをしているうちに心その他の準備が整いしかも緊急避難対象者が減ってくるメリットが大きいと思われます。
日米の見解に差があって事態が複雑になっているのですが、アメリカの姿勢は、電力系統が駄目になった時点で、一定時間内に廃炉処分をして行くべきだと言う割り切った考えだったのでしょうし、日本は出来るだけ頑張ってみたいと言う違いのようです。
アメリカに言わせれば、同型の機種が世界にゴマンとあって、・・シュミレーションがゴマンと出来上がっているので、こうなったら一刻も早く手仕舞いすれば被害が少なくて済むと言うことでしょうし、日本の場合、対アメリカ戦で負けるのが分っていても原爆が落ちるまで竹槍戦法で最後まで戦ってきたことからも分るように最後まで死力を尽くしたい国民性です。
初期段階でアメリカが即時廃炉を前提に協力申し出があったことに対し、(詳しい内容は分りません)管政権がこれを断ったようですが、上記の政治判断の妥当性と最後まで頑張り抜きたいメンタリティから日本人としては管政権の判断を理解出来る人が多いでしょう。
メンタリテイは別として、この判断の妥当性の有無は、長引かせて廃炉するのと即時廃炉とで被害(放射能関連)の出方にどういう違いがあるか、あったかにかかってきます。
独裁国家でもないのに、報道管制でもあるかのように国内マスコミ報道では、アメリカの提案内容がまるで紹介されていないのが気がかりです。
どう言う提案があって、どういう理由で管政権が断ったと言う報道・・議論が普通あるべきですが、今回まるでないのが不自然と言えば不自然です。
よほど政権に不都合な真実があって公開討論されたくないからでしょうか?
ここ数日来、CNNやBBCのライヴ報道をネットで見ようとしたらいきなりノンエリアとなって繋がらなくなったとも言います。
これが長期化すると多くの人が気づき始めて問題になってくるでしょう。
まさか中国のように通信妨害を政府がしているとは思えませんが・・しているとしたら、この非常時が終わった時点で大変な議論になるべきでしょう・。
永久に通信妨害し続けられないので直ぐに露見する筈です。
どうしてマスコミがまるで報道しないのか、質問すらしないのかが疑問ですが、アメリカの提案では、急速冷却が出来る資材(ホーサン)と装置があって、それを利用すれば直ぐ冷却出来て、そこにチェルノブイリのようにコンクリ固めの作業にはいれたと言うものらしいです。
アメリカ方式の場合は建屋の爆発も起きないで終わったので、今のような放射能漏れ事態は起きようがなかったと言うことらしいのです。
もしもそうだとすれば、これをどういう根拠で管政権が即座に断って、海水で冷やす方針を取ったのか不明ですが、公開の議論が封じられているので、素人には不明です。
どうせ廃棄するしかないものなら簡略な方法の方がリスクが少ないのですが、管政権では廃棄しないで延命出来ると事態を誤って読んだから断ったとすれば、その根拠の合理性がこの後で問われるでしょう。
あるいはアメリカ方式の方が、被害が大きいと読んだのでしょうか?
仮に同じ被害と推定した場合、(アメリカ式の場合も同じく即時に大きな被害を出すとした場合、)避難を長引かせて各種準備した方が良いことになります。
ともかく結果が同じなら頑張れるところまでは頑張ってみようとする姿勢は、蒙古襲来当時に彼我の戦力差で勝ち目がないと分っていても頑張り、第二次世界大戦末期に最後まで竹槍戦法や特攻隊が頑張ったのと同じです。
先の大戦でも日本はもう駄目だと言って海外へ逃げた人がいなかったし、今回も日本を逃げ出す人はいないでしょう。
仮に最悪事態が起きた時の放射の被害が,アメリカ方式でも同じだったとしても、直ぐにコンクリで固めるのに比べて海水をじゃぶじゃぶと放水すると同じ量だけ海に流れていることになって、その海域の海が汚染される問題だけ被害が大きくなるとも言えますが、放水した海水の行方を詳しくは知りません
・・燃料プールに入った水は蒸発して行くだけで海に放流することがないのかもしれませんし・・。
今後周辺海水汚染が大問題になって来たときに,誰がこんな無茶な対応を決めたのだと言う議論が起きてくるでしょう。
もしも最初から急速冷却していれば大爆発が起きなかったとすれば,管政権の判断誤りが今回の大事故を引き起こしたことになる・・人災であったとしても、ここまで来た以上はともかく死力を尽くして頑張るしかないのは確かです。
責任問題はその後のこととして、当面はマスコミも黙っているのでしょうか?

原発事故と今後の見通し2

アメリカのニュースと言っても、結局は大変なことになると言うだけで、私の知りたい・・どうなればどの放射性物質がどれだけ出るなどの何種類かのシュミレーション・・具体性・データ化したシュミレーションがありません。(私が知らないだけです)
日本の学者は(直ぐには問題がないとか冷静にと言うだけで)一切発表しませんので,国民は,今後政府が何をしたら原子炉が今後どうなる(何が改善出来て何が改善出来ないのか失敗したらどうなるなど)のか,どうなったらどういう結果になるのかの何種類ものシュミレーションが知らされていないで,大変なことになるかも知れないと言うばかりなので、不安を抱いているのです。
在日アメリカ大使館の発表した避難ゾーンの同心円の図解を見ますと、現在出ている放射能ではなく、最悪の事態が生じたとした場合の避難命令のようです。
その想定でも半径20(32km)マイルで13レム、30マイルで11レム、40マイルで10レム、50マイルでも同じ10レムとなっていて、50マイルと20マイルの差が3レムです。
これをみると、半径80km(50マイル)まで避難を命じない日本政府の決断自体は裁量の範囲内のイメージです。
外国人滞在者・旅行者は身が軽いので、大事を取って80kmまで近づかないのが合理的ですが、居住している人にとっては生活・仕事を捨てての緊急避難は大変なことですから、その発令基準が違うのは当然です。
ちなみにレムを日本で使っているシーベルトの単位に置き換えると1レムは10ミリシーベルトですから、10レムは100ミリシーベルトのことになります。
3レムの差は30ミリシーベルト分、多く放射能を浴びると言うことです。
1時間当たり自然界に存在する放射能の数値が2.4マイクロシーベルト毎時(これを年間に直すと21024マイクロ)21ミリシーベルトになります。
これが健康に害のない範囲とすれば,3レム=30ミリシーベルトですから,これがもしも1時間当たりの数値とすれば,3レムだけで自然界の1、5倍の放射能を意味することになります。
自然界の何倍までが害のない範囲かがよく分りません。
ネットで見ると50ミリシーベルト毎時が一般人の退避基準として,日本の原子力委員会で定めているようです。
ただし、最近数値が出るたびに政府が基準を緩めて改定しているので,現在ネットで見られる基準自体、何時定めたものかによって信頼性が変わってきます。
この50ミリシーベルトの基準でも5レム=50ミリシーベルトの範囲以上は退避基準に該当します。
アメリカ大使館の図解では半径80kmで10レム=100ミリシーベルトと予想しているのですから、この基準で言えばもっと広範囲に避難する必要があることになります。
何故アメリカの方が緩い基準を利用してるのかが分りません。
同盟国日本への配慮と言うことで,公式には避難命令を出さないが,自分でこれを見て逃げなさいと言うことでしょうか?
結局はこの真偽はアメリカの予想数値通りに放射能が広がるのか、この予想数値が過大かの問題に行き着きます。
諸外国やアメリカ人の方ではアメリカの予想数値図の方が信用されているので,諸外国人の日本離れが進んで、成田空港へのり着陸させ嫌がる人が増えているのでしょう。
結局は近隣数値の正確且つ迅速な開示こそが不安心理を和らげることになると思いますが,政府の情報開示はむしろ疑心暗鬼を誘うような方向になっているのが問題です。
アメリカ大使館の発表図形とその影響の相関表を見ると・40レムから10レムまで同じ括りで血液(ブラッド)への影響(エフエクト)があるとなっていて、40レムと10レムの影響差がどのくらいあるのかさえ(少ない方が良いと言う直感的なイメージに留まり)具体的に分りません。
まして、その間の3レム差になると、どのような差が生じるのかがまるで分らない感じです。
元々基準値は・・例えば残留農薬や放射性物質の数値は一回でも取り込んだらそのような障害が起きる危険と言うのではなく、1年間取り続ける場合の数値ではないでしょうか。
正確な知識がなく恐縮ですが、現場で短時間に放射能を浴びる場合には最大限としてこれ以上は危険と言う基準が必要でしょうが、一般生活者相手の基準の考え方としては一定期間取り続ける場合か、一定期間内の累積総量のどちらかになっているはずです。
この基準がはっきりしないのです。
食品の場合1年間食べ続けた場合のことでしょうが、ホーレンソーだって,年間とは言うものの毎日ホーレンソーを1kグラム食べる人はいないので,4〜5日又は1週間に一回食べる計算で年間摂取量と言うのかもしれません。
(平均消費量を基準にしているので,そこに裁量の幅があり間接的です)
同じくシーベルトの場合、1年間浴び続けると言う意味か、例えば一日に5分間づつ毎日と言う意味か、あるいは10分ずつ1年間と言う意味かその基準(平均的行動基準をどこに取っているのか)が私には分っていません。
世界の自然界にある放射線量平均が2、4マイクロシーベルト毎時とすれば,毎時2、4前後であれば良いことになります。
(ただし、この基準も24時間被爆し続けていた場合だけなのか、家の中にいた場合や、車の中などはその何割に計算するのかなど詳しいことが分りません)
千葉の1時間ごとの放射線量が毎日ネットで公開されていますが、3月20日あたりまでは、0、033マイクロ前後で安定していましたが、21日から2倍くらいになり22日夕方にはついに単位が一つ上がって0、10〜0、11まで上がってきました。
これが毎日続いて行くのかと言うところですが,タマタマ北東の風の日だったことによるのか、あるいは報道されていないものの昨日特別な事態が原発で起きていたことによるのかが不明です。
ただ周辺のシーベルト数を見ると22日には、宮城等北側の県では,昨日までと違って、これまでの千葉などのように事故前の通常値に戻っているので,風向き次第であることが分ります。
日本では,年間を通じて原則として西風を基本として冬は北西夏は南西の風が普通ですので北東の風はむしろ例外です。
また一定量超えれば、短時間で危険ですがその二重の基準の使い分けがよく分っていません。
私自身消化不良ですが、その内こうした情報も具体的に出てくるようになるでしょう。
仮に24時間×365日の基準であるとすれば、半径30kmと80kmの差である3レムの差と言っても風向きが一定ではなくその日によって方向性がいろいろですし、一日中外にいる人は稀ですから、この「レム」で一日中・あるいは1年間浴び続ける人はいないことなります。
アメリカ大使館が在日米人に避難勧告している13レムとか10レムの基準自体が,1時間、一日、一ヶ月あるいは年間累積数値を言うのかさえ分りません。
よく見直してみたのですが時間当たりかどうかのその単位を書いていないので,一見大変な数値のようですが(センセーショナルです)これが1年間の累積数値の予測とすれば大したことではありません。
(もしも僅か1時間,1日や2日で浴びる数値であるとすれば、予め危険を避けるための避難基準としては危険すぎますから,多分1年間の累積数値でしょう。
仮に年間累積数とすれば、1時間当たりに直すと13レム=130ミリシーベルト÷365÷24=0、014840・・ミリシーベルト=14、84マイクロシーベルト毎時になります。
退避基準の50ミリシーベルトに達するには,140日かかります。
もしもアメリカ政府の意見通りの放射能汚染が即日生じているとしても,これだけの余裕があるのなら,前もってある程度心構えをさせておいてから、Ⅰ〜2ヶ月経過後の避難命令で十分な気がします。
安全だと嘘を言うのはルール違反ですが,客観的危険を公開して,ある程度危険が迫るまでは自主判断に委ね一定期間経過後に退避行動を勧告,更には命令と順を追って行っても(徒歩の退避者は滅多にないので)退避に要する数日くらいの被爆ではそれほどの危険はないことになります。

原発事故と今後の見通し1

昨日書きましたように、これ以上の原子炉事故の悪化を阻止出来そうな雰囲気(今のところ気分だけすが・・)になって来たのは嬉しい限りです。
20日の報道によると5号機と6号機は午前7時現在で、既に(電気が通じて)冷却装置が動いていて、燃料プールの温度が37・1度まで下がったと報道されています。
(非常用発電装置が動き出しているとも報じられています)
燃料貯蔵プール問題が順次解決して行けば、今後は本来の危機である格納容器自体への対応ですが、あちこちで火を噴いているような同時多発対応から格納容器への対応に集中出来るようになったのは一歩前進です。
又、20日夕方の報道では2号機の大本の電源まで電気が繋がったようです。
今後は中央制御室に電気を繋いで、機器のチェックして作動すれば炉心内部の状況をもっと正確に把握出来るようになり、順次格納炉自体の冷却装置の改善に向けて進められるようになるでしょう。
これら報道が正確であることは、20日の千葉県の放射能数値(1時間ごとの数値が発表されています)でも、事故前の通常数値と全く変わらないデータであることでも裏付けられます。
さしあたり一息ついたことは確かですが、少し落ち着いたこの辺で政府はどのような方針でどのようにしようとしているかの分りやすい説明が必要です。
このまま冷やしながら、電機工事を進めて仮にモーターその他壊れている物の取り替えを進めた結果、冷却装置が作動が出来たとしてもこれまで海水を注入してしまったことが障害になって新たな問題が起きないのか、起きた場合どう出来るのかなどの最後までの見通しや計画を説明して欲しいものです。
あるいはどの段階で行き詰まると、どのような被害が想定されるのか少しでも先に行っての炉心爆発が起きた場合との違いがあるのか、(単に先送りしているだけか・・先送りが却って悪い結果になることもあるのか)あるとしたらどの段階で行き詰まったらどうなる、その次の段階だったらどうなると言う段階や時期ごとの違いなども教えて欲しいものです。
従来の机上のシュミレーションではとっくに駄目になっている筈でしょうが、ともかく関係者は必死に頑張ってここまで持ちこたえています。
火事場の馬鹿力と言うように、机上の議論では考えられない新たな解決策が生まれることもあるので、その辺を織り込んだ解説をしてくれれば良いのです。
政府・関係者は死にものぐるいで対応してる最中で忙しいので、この辺の解説はむしろマスコミを通じた学者・専門家の出番でしょう。
正論を述べる学者がマスコミで呼ばれないならば、今では私のように自分のブログでいくらでも発表出来る筈ですが、これが少ないのは、原子力系の学者は政府や東京電力などの企業・現場と深く結びついているので、(弁護士のように自由業ではないので・・)自由な意見を書けないのでしょうか?
少なくともアメリカの意見を解説し、日本の実行している行動との違いを分りやすく説明することくらいは専門家の責任でしょう。
国民はどちらを正しいとするかの判断を自分で出来ないまでも、安全対策としては一番大きなリスクを主張する方向で行動したり、予め備え(心構え)をしておきたい人が多い筈です。
それがパニックに繋がるリスクがあるので政府や学者は、アメリカや諸外国の意見をまるで紹介しないのでしょうか?
ネットで世界中の意見が公開されている時代ですが、日本人は英語を理解出来ない人が多いので、少なくとも主要国のマスコミ報道くらいは自動的に翻訳して報道してくれる公的システムが必要です。
自動的でない現状では、日本のマスコミが都合の良い意見だけ翻訳するので、一見世界の意見を紹介されているようでいて実は世界で流通している意見がまるで分らないことになってしまいます。
中国人や韓国人などのブログ報道でも、「これだけの被害でも落ち着いている日本人は偉い」と言うような日本人の耳に心地よいものだけ翻訳報道している嫌いがあって本当のところ(想定被害を知らされていないからぼんやりしているだけだと言う意見もあるでしょうが)が分りません。
反日運動が激しい時はそういう意見や行動ばかり拡大報道される点も問題ですが・それは別に書いたことがあります。
実際に諸外国が取っている対策が、本当の諸外国の意見だと言うことでしょうが、諸外国の行動を見て日本人が真似をしなければならないのでは悲しいです。
本来自分のことは当事者が一番良く知っていなければならないのに、関係のない遠くの人の方がよく知っていてその真似をして右往左往しなければならないのではおかしいでしょう。
きっちりと情報が行き渡り、それでも日本人が泰然としているのならそれはそれで立派なことです。

原発事故防止と自衛隊・警察の役割

昨日の原発問題では警察の高圧ホースによる放水と自衛隊の空中からの冷却水の投下が報じられていました。
驚いたのは警察のホースの水は届かないほど遠くからだったので何の役にも立たなかったことと、自衛隊も高空からおそるおそるの行動でたった4回でやめてしまいました。
自衛隊はその後地上からの放水を試みたそうです。
警察も軍隊も(自衛隊は軍ではないと言う主張もありますが・・・)少しでも危険のあるものには近づかないと言う姿勢で徹底している報道に驚いているのですが、自衛隊がこれで良いのでしょうか?
国家の命運がかかっているような時に決死隊・・というか自分の生命の危険を顧みずに飛び込むのが軍の任務ではないのでしょうか?
自衛隊員が20万人近くいると思うのですが、その中でヘリコプターを操縦する人と水を落とす人の合計5人〜10人・・命を捨ててでも戦える人が5人〜10人もいないと言うことでしょうか?
あるいは「ここは国家の安全を守る瀬戸際だ、国家のために命を捨ててでも頑張ってくれ」と部下に言える上官が一人もいないし、部下の方も「俺に任せてくれ必ず期待に応えます」と言う兵が一人もないと言うことでしょう。
今時そんな浪花節みたいなことがある訳がないと言うのが世間相場でしょうが・・・。
そうすると、敵の鉄砲玉の届くリスクのあるところへの出動は命じられない・・少しでも危険のあるところへは行きたくない軍や兵士は、存在意義がないように思えます。
極端な意見かもしれませんが、危険な場所に身を捨てて飛び込んで行ってでも1億の国民のためにネジを締めてくる・・爆発物を処理してくるなどの行動をする・決死の行動を出来る人が一人もいない軍隊・・そういう思想教育で良いのでしょうか?
水を放水する距離を少しでも近づけば成功率が高まるのに、一般人が避難している程度の放射能プラスアルファを浴びるのさえいやがって遠くからおそるおそる放水して「届きませんでした」では驚くばかりです。
もっと近づけば健康に害があると言うだけで、死ぬ訳でもないのですから(原爆の直接被害者・・防護服などないですよ・・でさえ何十年後に白血病やガンになる確率が上がったと言うだけです)、死をすら恐れない軍隊のイメージとは大分かけ離れていませんか?
昨日は自らの危険を顧みずに頑張っている(だろうと想像して)現場の努力をたたえたコラムを書いたばかりですが、こんな報道を見ていると誰も決死の覚悟でやっていないことが明らかになりました。
直ちに命に危険があると言うのではなく、健康に僅かの影響がある・それも可能性がある程度のことすら命じられない軍の上官、命じられても「怖いよ〜」とへっぴり腰で戦うような軍隊や警察の存在意義について驚いているのですが、今では驚く方が異常でしょうか?
多くの国民の生命健康を守るためにちょっとしたリスクも拒否するような兵士・・あるいは僅かな危険にさらすことすらを命じられないような上官・軍隊など存在意義があるのでしょうか?
今回冷却用の海水注入をどうしてもっと早くからやらないのか、爆発するまで何故手を拱いていたのかの疑問を持っている人が多い筈です。
爆発してからだから危険が多く、しかも効果が限られていて、ついには注入自体ができなくなってしまったのす。
海水注入をすれば良いのが分っていたが、注入すると原発は永久に使えなくなるのを恐れていたのでしょうが、時間の経過で爆発するのが分っているのに爆発する前に「オレがその批判を受ける」と思い切って注入を決断出来る人材がいないので爆発まで放置していたのです。
少しでもリスクのある決断を出来る人材がいない・・・・停電事故の発生段階で冷却出来ないで放置していれば過熱するのが分っていたのに爆発するまで海水注入を決断することが出来ない決断力のなさ・・次の大きな事態発生までリスクのある対処方法をとれないで対処方法を繰り返し小出しにして行くことが次々と事故を大きくして行った原因です。
3月15〜16日に書いたように計画停電による大混乱も関係者がすべての分野で少しのリスクも取りたがらない体質が大混乱を招いているのです。
自衛隊の存在意義に戻しますと軍隊・兵士は、国民を守るために自分の命を的にして戦うためにあるんだとばかり思っていました。(考えが古いかな?)
日本の軍隊は、自分が安全なときだけ戦う・・少しでも怪我をするリスクがある時には戦わない・・自分よりも相手が圧倒的に弱いときだけ戦うために存在しているのでしょうか?
あるいは、相手をやっつける快感のあるときは自分の命の危険を顧みないが、相手をやっつけるのではなく、危険な場所に飛び込んで行って揺るんだネジを締めて大爆発を直前で食い止めることや、あるいは今回のように普通の人よりも多くの放射能を浴びてでも、大事故を防いで国家や背後の国民の危険を除去するようなことには僅かなリスクも負いたくないと言う価値観の違いでしょうか?
自衛隊・国防軍と言うのは、誰から何を守る団体だったかの疑問です。
敵の軍隊と戦うだけで国民の敵全部に対応するのではない・・放射能や地震から国民を守る義務まではないと言えばそれまでかもしれません。
目的別だと言うのでしょうが、今時外国の軍隊がマトモに攻めてくることは滅多にないのですから、今回のように原子力の危機・・ひいては多くの国民の生命安全が脅かされている時に決死の覚悟で防衛する別の軍隊が必要です。
本来背後の家族や国民を守るために自分の生命の危険を顧みないと言う点では共通な筈ですが、今回の行動を見ていると、相手をやっつける可能性のあるときは快感があるので危険を恐れないが、放射能と言う大敵を鎮圧するために命を落とすどころかちょっとした放射能を浴びるのもいやと言うことになります。
そうなると軍隊に入る人・・職業軍人は、やっつける相手・・人間がいないとリスクを負えないと言うことですから、単に喧嘩好き・乱暴な素質を利用して愛国心のためと美化して税金で食っているだけになります。
仙石前官房長官が自衛隊を「暴力装置」と国会で発言して物議をかもしましたが、国民を守るためなら命を惜しまないのではなく、単に人間を相手にするときだけ・・平たく言えば喧嘩するなら命を惜しまないと言うだけでは、暴力団あるいは暴力団の用心棒と変わりません。

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