格差社会の構造(米中と日本社会の違い)2

中国歴代皇帝は遠方の巨大な国が誼を通じて来たという(信じていなかったでしょうが・・・騙されたふりをして?)相応のお土産を与える仕組みが千年単位で続いていたようです。
ですから日本の遣隋使や遣唐使などもほんのちょっと手土産を持って行けばその何倍もお土産をもらえるという結果になっていたのです。
朝貢といい、朝貢に来る諸国を属国のようにいう人がいますが、平和関係にるという程度の関係だったようです。
今でも外交関係を結ぶと大使が原則として相手国の元首との謁見をするのが原則ですが、その儀式を朝貢と言っていたように思われます。
日本は遣隋使や遣唐使を送っても朝鮮族のように冊封される関係になっていません。
テーマがそれましたが、中国では何千年ものあいだ、政府高官は自己の地位維持に汲々として相手から自国がバカにされるか、どうかなど気にしない国益より私益優先の生き方の社会です。
この種のことを世界中でしていただけでなく、昨日紹介したように事もあろうにアメリカ国内で、中国贔屓の議長との誼を本国にひけらかす目的で現地総領事が行ったようですが、いくら親中派の議員でもこんな露骨な文章をもらってそのまま議案提出するわけにはいかない・・度肝を抜いたでしょう。
これがトランプ氏の目に触れたのか?不明ですが、世界中で行なっていることが逆鱗に触れたのが今回の対中口撃騒動の影の主役のようです。
要するに宮廷内の権謀術数に慣れているものの、世間がどう思うか・・多様な目を読む経験がない中国人材の弱点が表面化したものです。
自由主義には独占の弊害が生じるとしても、だからと言って、独裁が良いのではなく独占禁止法という例外制度であるいは貧困の発生については労働者の団結権や争議権などの諸権利を認めたり、各種保険・福祉制度の充実などで対応する方がしなやかです。
さしあたり中国政府・官僚の宣伝競争の行き過ぎが原因で世界孤立化が進む状態になり、中国始まって以来生き抜く大事な知恵と思っていた行動ルールが世界に通じない過ちに気付いて内部は大騒ぎの状態でしょう。
同時に行われた中国政府報道官個人名による「今回のウイルスは米国軍人が撒き散らした」という意見表明も「こんなことを言えば米国が怒るのでないか?」などの配慮に気が回らない・・同じように。上層部の覚えを気にした点取り競争の結果だったのでしょうか。
上記の通り国際世論を読む能力はないとしても、中国の方が被支配者になった経験豊富な分だけ、米国よりもある程度国際政治適応能力が高い可能性があるかもしれません。
戦後は竹のカーテンで欧米との自由競争条件対等化=発展のチャンスを自ら閉ざしていたし、今はまだ共産主義政治→独裁による桎梏がブレーキになっていますが、共産主義政権が倒れ民主化され米中競争条件が同じになれば、こういう意味では、日本保守系ネットでは中国共産党政権の破綻期待が強いですが、共産党政権が倒れて民主化すると中国の国力発揮の制約がなくなり、さらに上がることになります。
中国が民主化されて人の道・道義を守ってくれるならば、(日本はもともとトップを目指す国はないので)どこが世界のリーダーになっても良いことであれば別に矛盾しませんが・・保守系ネット世論はそこまで割り切っていないように見えます。
ただし国際政治は専制政治に向かないので、(弱者の無言の意向を読み取る能力が中国にない点では米国とどっこいどっこいですので)複雑な国際情勢の読みではトランプ氏同様に日本の政治家を頼る必要が高いでしょう。
日本のネット論者の立ち位置を見ていると日本民族のためにという視点よりは、ともかく韓国、中国憎しという熱意中心のように見えます。
ネット言論人もいろいろですが、時には「アメリカが味方になるから日本の勝ち」「文政権はアメリカに見放されているからザマー見ろ」みたいな意見が散見され、正義の基準など問題にしないような意見もあります。
真の愛国者は正義が自国にあるかどうか及び、現実の国際政治の動向に即しているかが重要です。
正義が日本にあるのに不当な国際力学で正義が通らない場合憤るのは自由ですが、日本に正義がないのに米国の支持が日本にあるから・というゴリ押しをするようでは、長期的にみて日本を危険に追い込みます。
韓国も無茶を言う国のままでは隣国として困ったものですが、もともとそういう民族性だったのか、戦後米国が日本の背後で足を引っ張る存在を必要としてそそのかされてたので、虎の威を借る狐として正義に反する主張を繰り返す習性が身についただけかもしれません。
今になって韓国が米国に梯子を外されると、正義に反する主張をしてきた分に比例して苦難が待っているでしょう。
正義に反したごり押しをしていれば、自分の社会に大きな無理を抱えたままになる・・権力に媚びて無理が通る社会になってしまうと、自国社会の道義を歪めてしまうので結果的に発展が阻害されるので、本当の意味の競争相手・日本にとって脅威にならない点は同じです。
日本も自国主張が正義(時期にあっているかを含め)に合致するかどうかが重要で、米国が味方してくれるからという基準で強気に出るのは危険です。

格差社会の構造(米中と日本社会の違い)1

エリートのピンポイント輸入に頼る米国と中国の違いは、異民族支配に柔軟対応するために自前の士大夫階層(一種の官僚機構構成層・中堅人材)がかなり大量存在する=層の厚さが違う感じです。
日本がGHQ支配に柔軟対応できたのと同じです。
日本が中国のように異民族支配を受けた経験がないのにをうまく受けれられたのは、京の朝廷・公卿集団が、次々と勃興して来る武家集団をうまく手なづけてきた長年の経験プラス徳川体制下における外様大名の多様な生き残り経験を活かしたものでしょう。
中央の宮廷官僚だけでなく各地方ごとに、その種人材が多様に存在してい社会であったことが重要です。
中国や朝鮮民族の場合、占領軍・専制支配体制下の生き残り策なので政治工作対象が一点に絞られる単線構造に対して、日本武士団の覇者・幕府は連合政府形態なので同輩が多い点が特徴です。
大和朝廷も諸豪族連立で成立している関係で古来から合議で決めて行くのが慣例でしたが、武家政権になると戦闘場面の延長で指揮官の号令一下のイメージですが、実態はそうでもありません。
戦闘現場での大きな戦略決定・軍議でさえも日々軍議を開いて翌朝(払暁)からの手順を決めて行く仕組みですし、まして内政になると鎌倉幕府は執権政治・・合議で決めて行くのが基本でした。
その合議は、(中流御家人以下の民意吸収能力のある)有力御家人の意向など忖度して決めていかないと政権が浮き上がるリスクがあり結果的に民意吸収能力が問われる仕組みでした。
徳川政権下でも有力諸侯の意見を無視できないというよりは、有力諸侯とは発言力のある諸侯という意味ですし、発言力があるという意味は、中小大名の意向を汲み取り代弁するのに長けた大名という意味であり、時流に関係なく正論であれば良い社会ではありません。
水戸家が尊皇攘夷論では先行していたのに、肝心の維新本番ではほとんど役割を果たせなかったのは、民心や時流の動きとか無関係な主張をしていた・現在の野党的批判論でしかなかったことによります。
水戸家から一橋慶喜を出していて水戸勤王党にとっては期待の星でしたが、彼は名門の一橋家を継いだことで政治力がなくとも知的能力が高かったかもしれませんが、地位による発言力があったという意味でしかなく、中小大名でありながら実力で発言力を持っていた大名に比べて政治力がイマイチだった印象です。
学問と違い政治の世界では、時期尚早の意見を否決されて、自分は1年前から主張していたと自慢しても意味がないのであって、必要時に主張する能力が政治には求められます。
真夏にセーターを着たいと言って馬鹿にされた人が冬になって自分が半年前に言ったことが正しかったというと笑われるのと同じです。
幕末に松平春嶽その他の小大名の活躍、あるいは山内容堂の大政奉還論は、こういう能力があったからです。
大大名は軽率に旗幟鮮明にできないので、こういう中小大名のアドバルーンを利用して形勢を読み時流に乗る体制で、これは鎌倉幕府崩壊時の足利尊氏の動きとも似ています。
明治憲法下の内閣制でも総理は首班と言われたように、同輩のトップでしかないのが特徴です。
占領軍支配に対するにしても、日本は複雑対応人材が多様に存在していたので難局をうまく切り抜けられたのです。
中国は1極支配の単純支配に対応する能力はありますが、国際社会は複雑です。
今回のコロナ禍でも、結果的に個人情報を徹底的監視体制を応用してうまく対応できたというのが自慢のようですが、それを自分で世界に自慢して触れ回ることではありません。
今朝(24日)の日経新聞朝刊6pのフィナンシャルタイムズ提携の署名入りオピニオン紙面には、「自滅した中国コロナ外交の大見出しで、米国ウイスコンシン州議会議長に対して中国政府から「中国の新型コロナ感染拡大に対する取り組みを賞賛する決議案を議会に提出してほしい」という趣旨の電子メールが届き、メールには決議文の案文が添付されていて、その内容は中国共産党がイカに素晴らしく対応したかといった論点や主張が列記されており決議にかけるには怪しすぎたので議長はイタズラだと思って、その議長は、外国政府が、州議会に直接法案の可決を求めるなど聞いたことがない」とこの記事の筆者に語ったということです。
ところがそのメールが中国総領事館からの公式電文だったと分かったという驚きの記事です。
こんな運動をして相手がどう思うか全く念頭にない・・・自分が中央政府にどれだけゴマスリできるかしか眼中にない社会です。
岡田英弘氏の論文を読んだころの印象しか記憶がないので誤解も混じっていますが、魏志倭人伝があてにならない理由として、中国のごますり競争が背後にあって、当時実力者司馬氏と曹操の子孫の政争中で、一方が西域諸国のとりまとめに成功した報告があったので、他方は対抗上東方海上の大国(邪馬台国のことです)が朝貢に来ることになったと誇大報告する必要があり、このためにあちらに千里さらに曲って何千里とものすごい誇張した路程が必要になったという解説です。
同氏は魏志倭人伝の説明通りに地図を書いていくと日本はフィリッピンあたりになるオーストラリア大陸くらいの巨大な遠方の国になってしまうようなイメージをうけて読んだ記憶です。
このように朝貢の歴史といっても権力競争している方が、大げさなお土産を持って来たと披瀝しなければならないので一種の出来レースだったようで、周辺国はちょっとした土産を持っていけばそれを招待した政争当事者が何倍にもして、皇帝の前にお披露目する仕組みだったようです。

アメリカの民度構成と格差社会2

コロナ感染に戻しますとニューヨークの場合、国際的出入の多さでは世界一で感染リスクの高さではイタリア北部以上ですが、ワスプの高齢者・富裕層の多くは高齢化するとフロリダ等気候の良いところへ移住している点がイタリアと違うでしょう。
どこの国でも高齢者施設でクラスターが発生すると、一挙に感染者数が増えるほか死亡者数も急上昇します。
ニューヨークは富裕層(がフロリダ等へ逃げているので)の高齢施設入居率が低いので人種格差が目につくようになっているのではないでしょうか。
それぞれ違った側面がありそうです。
ニューヨークの場合、今回のコロナ騒ぎで突出して感染率や死亡者が多いのは、格差社会によると言われる所以です。
https://www.cnn.co.jp/usa/35152159.html

(CNN) 新型コロナウイルスが猛威を振るう米ニューヨーク州の保健衛生当局は8日、新型肺炎の関連情報を提供するウェブサイトを更新し、犠牲者に関するデータなどを新たに盛り込んだ。
ニューヨーク市を除き州内で報告された死者の人種別の比率では、ヒスパニック系(総人口の中での割合は11%)が14%、アフリカ系(黒人、9%)が18%、白人(75%)が62%、アジア系(4%)が4%となっている。
予備段階のデータとしながらも、州内で発生した新型コロナに関する情報の90%にもとづくとしている。

中国も古代から(日本の武士層〜ホワイトカラーや正社員層が発達しないまま)「士大夫層とその他」の2極社会で1980年代の改革開放まで来ました。
2極社会を数千年単位で維持できたのは、絶え間ない異民族支配・軍事占領を原則としてきたことによります。
三皇五帝という神話上の時代から周王朝の歴史時代に入るのですが、その初代文王(姫昌)を18史略では西伯と書いているように西方の伯でした。
〇〇伯という呼称は今ではその方面の押さえ・・(主にドイツの)辺境伯という意味ですが、東方伯の名称がないのを見れば、元は文化流入口を抑える重要地域の長官・日本で言えば太宰府長官のような役割だったはずです。
周の先祖は地盤・民族ルーツが西域系だったと素人的意見ですが私は思っています。
本拠地が西域からの出口から始まるので、王朝成立時の国名を西周といい、洛陽に移ってからは東周といいます。
春秋戦国時代を経て天下統一した、秦も今の陝西省付近を根拠地とする西域系の出自のようです。
私の素人歴史観ですが、中華文明といっても古代ペルシャ文化が中央アジア・極東から見れば西域の広大な砂漠ルートを通じてようやく黄河水源域に達した高原からの下った出口・・麓というか、日本でいうと扇状地のような地に位置するところに拠点を得たグループが、中華文明発祥の地と称しているに過ぎないという意見を持っています。
要するにオリエント文明の取り入れ口が黄河上流にある拠点だったので、外来文物を(今は船で大量に運ぶのが普通になっているので舟篇がくっついていますが古代には船での舶来はなかった筈です)舶来品と日本でいう語源(これは私の語呂合わせジョークです)でしょうか?
ペルシャ〜トルコ系商人が過酷な砂漠の旅を経てようやく黄河の水源地にたどり着いて、そこを拠点にして水流に沿って商圏を広げていった・ギリシャローマ同様の地中海式の植民都市・都市国家(城塞都市)が中国社会の原型であるという意見を繰り返し書いてきました。
関東地方で言えば、信濃国から碓氷峠の先にいきなり関東平野が一望できる突端に至ったような風景です。
信州には水が豊富ですが、中央アジアは砂漠地帯ですから、黄河水源の分水嶺を越えて東方に広がる水の豊富な地域を目にしたオリエントから来た商人の喜びは、(アメリカ新大陸発見のようなものでしょうか?)想像するに余りあります。
日本では日出処・東海(日の出はありがたいですが、日没を有り難る人は例外)が憧れの対象ですが、中華経由の仏教史思想で西方浄土という意味不明のものを有り難がる信仰もこれに由来します。
水源地・瀧をイメージする龍が皇帝専用の文様になっている伝統もこれに由来するでしょう。
龍に関するウイキペデイアの解説です。

中国のは神獣・霊獣であり、『史記』における劉邦出生伝説をはじめとして、中国では皇帝シンボルとして扱われた。

西域系支配に戻しますと、その後の漢楚の攻防で初めて現地民族系国家が成立しますが、その後魏呉蜀の三国〜魏晋南北朝〜隋を経て成立した唐もどちらかと言えば・西域系の王朝でした。
五代10国を経て成立した宋が民族系でその頃から西域系というより北方系(モンゴル・清)が侵略の主役になってきます。
モンゴルの後の明朝が民族系で次に北方系の清朝になり清朝崩壊後の現在・・中華民国〜中華人民共和国へと異民族支配が交互に行われてきた歴史です。
異民族に占領された直後には、絶大な軍事権力構造に反抗する余地がない(・・これが専制君主制の本質)ので、漢民族を主体とする現地住民はこれを表面上受け入れながら文化力の優越に頼り時間をかけて懐柔する戦略でやってきました。
漢民族というか現地複合被支配層は「上に政策あれば下に対策あり」という面従腹背精神(中国特有の汚職体質も異民族支配に対する生活の知恵に由来するでしょう)で占領軍を共同体に取り込んできた結果、・・いかに強固な軍事国家でも数百年で軟弱化してしまい最後は大動乱がおきて追い出される繰り返しでした。
これを恐れた清朝は身を律すること厳しく最後まで風紀の乱れを起こしませんでしたが、外敵(英仏列強)に圧される弱体ぶりを晒したので、被支配層(いわゆる軍閥)がこのチャンスを狙って各地で蜂起した図式でした。
数百年ごとに起きる動乱を利用してその都度民族国家が樹立されますが、現地政権は原則として柔弱政権なので一定期間で周辺軍事国家に征服占領されることの繰り返し、交互関係でやってきた社会です。
この辺は後から来た支配層がその都度上位カーストになって来たインド社会と似ていますが、インドでは占領政府の内部崩壊による民族政府樹立したことがなく(戦後独立が唯一の例外?)いつも外敵に占領されてきた・最後に来た支配民族が頂点になる重層的支配構造になっている点が違うようです。

アメリカの民度構成と格差社会1

アメリカといってもひとまとめに馬鹿にしてはいけない・優秀な人は物凄く優秀で人格者も多くいる社会です。
象徴的な結果である肥満で言えば、皆が皆超肥満になっているのではなく富裕層・あるいはその出身階層ではスリムですし、オバマ大統領夫妻やトランプ氏の妻や娘や婿はスリムです。
米国は早くから生活水準が高くなっていたので高齢化率が高い筈ですが、どんどん貧困層が下流に入ってくるので、全体として膨大な貧困層が平均寿命(民度)を下げる仕組みになっているのでしょう。
低賃金労働力受け入れ政策は、賃金アップを抑える効果があるだけで国際競争力維持には関係がなく、最低賃金層の人口比率を増やし、格差社会化・国内分断をもたらします。
もともと砂粒の集合体に過ぎない合衆国で、次々と移民を受け入れたので余計分断が進んだと思われます。
仏独の高齢化率がイタリアより低いのは、移民大量受け入れ政策を採用したか否かに関係があります。

ドイツで増大する移民と経済への影響


・・・その多くは年齢が若く、低賃金で仕事を請け負うため、飲食業や宿泊業等のサービス業、建設業などの労働集約型産業では移民に頼らざるを得ない状況にある。・・・
ドイツは欧州一の移民大国
ドイツの人口は長らく死亡数が出生数を上回る自然減にあるが、移民の流入に伴う社会増が自然減を上回り人口減少を食い止めている(図表1)。ドイツ連邦統計局の人口統計(2016)によると、現在、ドイツに居住する外国人は約896万人で全人口8,243万人の約11%を占め、ドイツの外国人比率は他の欧州主要国と比較して最も高い。
・・・、ドイツで生まれ育った2世、3世が増え続けた。現在、こうした移民の背景を持つドイツ人を合わせると全人口の約23%に達している(図表2)。

図表2 ドイツの全人口に占める外国人の割合(2016) (出所:ドイツ連邦統計局より住友商事グローバルリサーチ作成)

上記のように2世以上になると23%も占めています。
ドイツに次いで英仏も(旧植民地からの)移民急増社会です。
イタリア経済が戦後ぱっとしなかったのは、手作りにこだわる国民性があって、(高級チーズや高級車など手作りにこだわる国民性です)大量生産社会化に乗り遅れたというか、独自文化にこだわるせいですが、(私も大量生産での勝負は、国際平準化を免れないので文化で差をつけるべきという持論です)その代わり低賃金労働者の移民受け入れ率が低いから平均年齢が上がるからではないでしょうか?
ただし、今回のコロナ被害が北部イタリアで大規模化したのは、北部は産業の発達した地域・かつ世界有数の観光国で国際的な人の出入りの多い地域という点でニューヨークと似たウイルス感染環境にある一方で、高齢者施設が発達している地域なので施設でコロナウイルス感染が起きると爆発的拡大により、多くの高齢者が犠牲になっている現代的側面があり、施設でのクラスター化を防ぐ必要性は日本でも参考にすべき点です。
観光・サービス業の発達した社会では、対面作業の多さ・・弁当をドアの外に置いていけば良いのではなく、にっこりしながら手渡してくれるほんのチョッとした心遣いが大切な国民性・・が距離を置くコロナ対策に不向きな点がありそうです。
この辺は日本にとっても気になる共通弱点です。
ドイツが比較的コロナ被害(感染者数比の死亡)が少ないと言われるのは、人口構成や産業構造・気質の違いもありそうです。
外出自粛で出勤しなくとも、自宅付近散歩中に知り合いに会えば喜んで話かけたい日本人が多いでしょう。
今朝も日々の習慣で自宅前の道路を履いていると、近隣に住む裁判所勤務の人が通りかかり、今は隔日地勤務で今日は自宅勤務の日なので8時なん分までに自宅に戻らないといけないという話を聞きましたが、このように出会えばアリンコ同士のようにしょっちゅう近づいて挨拶の必要な社会です。
無愛想な人の多い社会は、感染しにくいことになります。
何が幸いするか?一寸先側がわからないのが現実社会です。
4月21日には原油相場がマイナスに転落する瞬間があったようです。
https://www.sankei.com/world/news/200421/wor2004210021-n1.html

原油価格マイナス転落…相場低迷に打つ手なし 供給過剰長期化も
2020.4.21 14:06
貯蔵スペース、近く満杯
20日にWTIの5月渡し価格がマイナスとなったのは、余剰原油をためる貯蔵スペースが乏しくなり、市場で5月に受け渡されるWTI原油の買い手が事実上いなくなったためだ。

一定期間分の倉庫料分だけマイナスにしても早く手放したいのでマイナスで売りに出す理屈らしいです。
石炭と違って野積みにできないし、石炭の場合採掘作業中止すればすみますが、石油は自噴形式ですので採掘を止める訳にも行かないでしょう。
現地に垂れ流しにもできないし、えらい時代が来たものです。

奴隷労働→ベルトコンベアー式と世界平準化

大量生産方式→韓国、台湾ー東南アジアの雁行的発展であり〜中国改革解放後の国際経済システム参入の流れになりました。
米国あるいは先進国が後進国に低賃金競争に負けるのを防ぐために、生産やサービスの機械化に成功すればするほど後進国もそのシステムさえ導入し、(当初数年日本などから最新設備の作動技術を学べば、)導入前よりも現場技能の比重が下がるので技術格差によるハンデイがさらに縮小されることになります。
新技術を開発してもすぐにアジア諸国が真似して追いついてくる・米企業/先進国企業自体がアジア諸国に工場を進出して安い人件費で作るようになるので、技術開発に努力する意味がなくなります。
IT化の発達で微細技術・・熟練作業による金型造りでさえもどんどんデータ化できるようになりましたが、どこまでいっても結果は大量生産化でしかない点が先進国の弱点です。
他社・他国より早く微細化製品分野のIT化・大量生産に突入できるかの競争の過ぎない点は同じですから、情報拡散の早い現在では先行者独占的利益期間も超短期化していきます。
例えば江戸時代に麺製品が西国で先行すると福島の郷土の偉人が先進地域に修行に出て技術を持ち帰るまでは、1世代以上かかっていたものですが、今でも西欧のワイン用ぶどうの木を育てたり技術の導入には1〜2世代以上の時間軸が必要です。
IT化にたよる先端技術は産業スパイの能力次第で設計図さえ入手すればそっくりのものが作れるので、すぐに競争相手もIT化に成功して追いついてきます。
中国との低賃金競争に対抗するために日米が低賃金の中国人を仮に移民させても日米国内工場である限り日米国賃金基準で雇用するしかないので、人手不足による人件費アップを抑えられるだけで賃下げにはならず、中国との低賃金競争に貢献しません。
中国に工場進出して中国人を雇用して中国現地水準で雇用する方が有利なので国外進出する方がよくなり、外国人労働力を受け入れるメリットがなくなり移民不要経済になってきたのです。
中国が速やかにIT化成功しなくとも米国資本自体が、ホンの少しでも賃金コストの安い国での生産をする傾向があるので、すぐに技術移転が起きます。
日本の場合も同じで移民を受け入れる以上は人種差別できないので、国内労働者同様の賃金その他待遇が同じ水準でなければならない点は同じ・人手不足による賃金上昇を防ぐ効果しかありません。
例えば現在のコロナ騒動により武漢上海等の大都市に出稼ぎに出ている農民工がどうなるかの新聞報道では、中国の農民工の月収が現在5〜6万と報道されていましたが、この農民工を日本が外国人労働力として導入しても、日本で月収5〜6万で雇用することは許されません。
日本で雇用する以上は、日本人同様の数十万が最低賃金になりますので、日本企業は中国に進出して5〜6万円の賃金で生産して運賃関税を払って逆輸入した方が国内生産の競業他社より有利です。
このように自動化が進めば進むほど人間の能力差による品質差が低くなるので中国、ベトナム、バングラ等の低賃金国の攻勢に太刀打ちできません。
新興国の興隆は、新興国が攻勢をかけているというより自国企業が国内同業他者に勝つべく進出競争するようになったことによります。
自動化が進めば進むほど消費地生産に移行し国際的な所得の平準化が進むという意見を10年ほど前から・・たとえば07/16/09 「製造業と人口」でこのコラムで書いてきました。
このためアップルの場合ほぼ全量中国生産になっているわけで、こうなると先進国は低賃金労働者を移民として受け入れる政策で国際競争力を維持するのは不可能で福祉予算の増大リスクを抱えるマイナスの方が大きくなります。
生きる習慣、価値観や美意識が違うから異民族なのですから、民族融和に多大なエネルギーを要する(日本語の通じない移民の子供の教育負担など膨大です)だけでもマイナスです。
個々人で言えば他人は隣人として挨拶程度で付き合えばいいのであって、同居する必要がないように異民族は喧嘩せずほどほどの交際に止めるのが良いというのが私の持論です。
米国は中国が知財剽窃どころか、移転強制が許せないと言いますが、自国企業が新技術を開発しても国内で製造しないで中国等で低賃金国に進出した自国企業工場・・例えば中国のフォード工場で最新技術のエンジン製造するのなら良いと言うのですから、・・日本のトヨタやトーレも同じです・・例えば燃費向上した最新技術製品を競争力のある製品を巨大市場の中国に投入して競争に勝ちたいでしょう・・結局は資本家の利益を守るだけのことであって、国内製造業の維持には関心がないことがわかります。
知財剽窃しているから、中国市場が大きくなった訳ではないのでしょう。
私の個人感想ですが、米中は超大多数の民度が低い・民度格差の大きい点で似た国民構成になっている点で双方同じ開放経済になると競合面が大きいのが米中対決の根本要因です。
極論すれば、アメリカはノーベル賞級知識層をピンポイントで招聘するパターンによって少数エリート・ビルゲイツやアップルのジョブズ氏のような人が数百万人の仕事を創出し、一握りの人が巨万の富を得てこれを寄付等によって社会還元すれば良いという思想です。
米国の民度格差の大きさの根本原因は、エリートと同時に低賃金労働者の両端を求めて大量移民政策を継続してきた咎めが出てきたのではないでしょうか?
この後に排日移民法成立を紹介しますが、勤勉で優秀だから日系移民を排斥するしかない・中堅堅実層の少ない社会・・国民レベルの低さが結果的に証明されています。
戦後はドイツ系を筆頭にした・留学制度利用による頭脳部分移民確保に精出してきたようですが、一方で低賃金労働者を求めて移民の大量流入をしてきた結果、平均レベルが下がる一方になっているように見えます。
100点満点の秀才一人と10点しか取れない低レベル99人の社会ではどうにもならないでしょう。
低賃金労働者の大量流入を止めない限り民度全体の低下と格差社会化を防げません。
そこでトランプ氏による過激な移民規制が始まったと見るべきです。
新規流入阻止しても現にいる低賃金層をなくすか、(これが、違法移民追い出し政策です)ビルゲイツやスポーツ・芸能系の大スターのいない社会にしない限り解決しません。

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