新型コロナの実害比較5(日本の成績2・勝又氏経済時評)

以上メデイア紹介による国外の日本のコロナ対策に対する評論を見てきました。
昨日見た文化論は私の個人的思考に合うものの、素人のイメージとどこが違うのか?大学の歴史学者という違い程度か?・・内容は今一つでした。
たまたま、勝又寿良氏の経済時評が目に止まったので読んでみるとこれが私の感想にぴったりし、かつ具体的ですので、要約紹介しておきます。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/page-3.html

2020-05-24 05:00:00
日本、「25日」全面的コロナ宣言解除が有力、3つの「成功要因」
米『ブルーンバーグ』(5月23日付)は、「新型コロナ、日本独自の要請対応が奏功ー緊急事態全面解除迫る」と題する記事を掲載した。
この記事を執筆した記者に、日本人は一人も入っていない。3人の記者は全員、外国人である。自画自賛的な記事ではないことに注目して貰いたい。
(1)「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は、21日までに首都圏の1都3県と北海道を除き解除された。安倍晋三首相は、新規感染者数の減少が続けば、これらの地域についても31日の期間満了を待たずに解除する方針を示している。日本の新型コロナ感染症死者は22日時点で808人未満。海外のように厳しい外出制限や罰則を伴わない独自の「要請」対応は、成功裏に終わりを迎えつつあるように見える」
(2)「専門家会議副座長の尾身茂氏は、日本の医療制度、初期のクラスター対策、そして国民の健康意識の高さの3つの要因が寄与したと分析する」
3つの要因とは、次のような内容だ。
1)医療制度の充実
2)初期対応でクラスターを捕捉できた
3)国民の健康意識の高さ

私のニュース捕捉力未熟の故か?日本のコロナ対策を担う中枢専門家の意見が具体的に紹介されているのを見たのはこれが初めてです。
「お前の能力が低いんだよ!」と馬鹿にされて終わりかも知れませんが、尾身氏の意見が国外ニュースで具体的に紹介されて、国内メデイアの多くが報道しない?報道していたにしても目立たない形になっていたとは驚きです。
メデイアの役割は、政府のすることは何でもマイナス評価すれば良い・何かしたり発表があれば、粗探しに特化する・粗探しの前提として政府施策の紹介をするがケチをつける点が見つからないときには報道もしない・・黙殺すれば良いという信念で動いている場合、政府主張の焼き直し意見など紹介する必要がないということかもしれません・・。
上記3点については、勝俣氏が上記記事で敷衍し解説していますの引用します。

以上の3点についてコメントしたい。
1)は、今回のコロナ禍が全額、国費負担であること。患者は、経済面の負担を恐れずに治療を受けられ、これが感染者の拡大を防いだ。海外では、患者負担もありこれが感染者を拡大させている。経済的貧困者に、死亡者が多い理由である。
2)は、保健所が初期段階でクラスターをしらみつぶしに調査して感染源を把握した。東京湾の釣り船では、感染源突き止めた。成功例と指摘されている。
3)は、日本国民の健康意識の高さである。日本人の清潔好きは世界的にも有名である。この日々の生活態度が、ロックダウンをしないでも感染拡大を防いだ。
日本人の寿命は現在、世界で1~2位である。結局、すべての要因は、日々の生活態度がコロナ感染拡大を防ぎ、世界最低の死亡数に止まった。
(3)「ワクチンが市場に出回るまで世界各地で新型コロナの影響は当面続くとされる中、感染症が沈静化に至っていない他国や国内で次の波に備えるために、今回の緊急事態宣言は示唆に富む。まず、早期の対応が大切だ。政府の対応が遅れたとする声がある一方で、1月に国内で初の感染者が確認された時点から保健所が、感染者との濃厚接触者の追跡に動いたことが効果を発揮したとの見方がある。北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授は、日本の方法は「アナログで、シンガポールのようにアプリを使った追跡ではない」が、「とても有効だった」と話す」
(4)「厚生労働省の資料によると、2018年時点で全国の保健師数は約5万3000人で、そのうちの15.3%が保健所に勤務し、普段はインフルエンザや結核などの感染症対策に当たっている。北海道医療大学で感染症を研究する塚本容子教授は、「日本にはCDC(米国の疾病対策センター)のような機関がないとよく言われる」とした上で、「各地の保健所がCDCの役割を果たしている」と指摘した。保健所による感染者の追跡は、ライブハウスやナイトクラブでの集団感染対策にも貢献した」
((3)(4)部分はブルームバーグの引用のようです)
日本では、保健所が米国のCDCの役割を果たしている。全国に8100人余の人々が、感染症対策に従事しているという。この人々が、今回のコロナ禍でフル回転してくれた。(勝俣氏のコメント?)
(5)「2月に横浜に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号では、乗員乗客含め700人以上が感染し、13人が死亡した。欧米諸国が「対岸の火事」として中国での感染拡大を見守る中、日本は他国より早く新型コロナの集団感染に直面することとなった。このことが国民の危機意識を高めたと指摘する声もある。早稲田大学政治経済学術院の田中幹人准教授は、「各国の多くの人々が、新型コロナはいずれは収まる病気だと楽観視していたころ、日本にとっては家の目の前でクルマが燃えているような状況がしばらく続いた」ため、国民は「コロナに対する警戒感を高めていた」と述べた。専門家らはクルーズ船での対応の経験を生かし、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素がそろうと感染リスクが高いと指摘し、政府は「3密」を避けるよう国民に呼び掛けた」
((5)もブルームバーグの引用?)
横浜港に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が、日本人にコロナ感染症への警戒感を植え付けたという。ここから、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素が揃うと危険という「3蜜警戒」が合い言葉になった。(勝又氏コメント?)
(6)「世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務める英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授は、感染者の追跡方法にも改善の余地があると指摘。「時間のかかる聞き取りによる追跡は、小規模の地域限定的な感染には有効」とする一方、「記憶の偏りがある上、アプリで接触者や利用施設を特定するよりは効率的でない」と答えた」。
日本のコロナ第一波は収束するが、第二波、第三波への準備が必要である。それには、下線のような保健所の人海戦術でなく、アプリなどのIT利用を勧めている。国民の意識改革で、受入れるかどうか、議論すべきだろう。経済・生活の行動を制約する現行コストより、はるかに少なくなるメリットはある。(勝又氏意見?)

ブルームバーグ紹介記事と勝又氏のコメントを読むと昨日紹介した抽象的文化論では素人の感想との違いがはっきりしないモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれる点で、優れています。
日本は中韓のように当初から個人行動監視では国民が納得しなかったでしょうが、第二波が大規模にやってきたときには、人海戦術では間に合わないことが確かです。
それまでの時間の経過で日本も第二波に対応する心の準備が整うのではないでしょうか?
幕末、アヘン戦争を見てこのままでは植民地にされるという危機感を持っても、産業構造の変革→兵制の近代化や幕藩体制廃止に行き着くまでには時間がかかりました。
時間をかけて納得した結果の明治維新であったからこそ、挙国一致で近代化に邁進できたのです。
今回もコロナ第1波(幕末で言えば、薩英戦争や長州の四国戦争などテストシリーズ)を民族の応用力でなんとか防げましたが、第二波は抜本的産業構造や兵制改革に成功したので本格的開国に対応できたのです。
以心伝心で民族の方向性が一つの方向に向かうと魚群行動のように一糸乱れず統一行動の取れる民族性の解体を目指してGHQはなんでも反対粗探しの批判勢力をメデイア界や教育界に構築して独立を認めました。

新型コロナの実害比較4(日本の成績)

目先の戦略としては合理的な積りかも知れませんが、見え透いた戦略的行動は
長期的に見れば、個人であれ国家や企業であれ底が浅すぎる行動は信用を落すデメリットの方が大きくなります。
日本の東北大震災の時にはロシアが日本列島周回飛行を行い、南西諸島では中国による尖閣諸島侵犯行為が始まり、韓国はこれに呼応して同時に李民博大統領自ら不法占拠中の竹島に上陸して対日強硬姿勢を誇示しました。
「もう日本は終わり」という宣伝が韓国に行き渡ったのでしょう。
その後韓国では反日運動にブレーキがかからなくなり、韓国の行動の幅を狭区してしまいました。
弱った隙に!と言う分かり良すぎる政治は、これら日本周辺3国にとって何か、プラス効果があったのでしょうか?
米国はやられっぱなしでは黙ってられないので、トランプ氏はイキリたっているので、米中間は抜き差しならない争いに発展していく兆しになってきました。
コロナ禍によって今後の産業構造や経済のあり方がガラリと変わるし、これに対する適応力の差によって世界企業の上位も入れ変わるでしょうし、経済大国の顔ぶれも様変わりする可能性があります。
中国はコロナ後の新たな時代への適応に自信を持ち始めたように振舞っている点が後戻りを難しくしそうです。
ゴードン氏の次のテーマ引用に進みます。
https://www.msn.com/ja-jp/news/coronavirus/

(3)文化的・歴史的な要因
・・・「マスクの着用」「玄関で靴を脱ぐ」「誰かと会った際には(握手や抱擁、欧州人のように両頬に口づけをするのではなく、むしろ)お辞儀で挨拶をする」など。
日本の国内外において多くの論者が、日本の比較的ソフトな緊急事態宣言の「特殊さ」を指摘している。
日本の緊急事態宣言は法律に基づくものではあるが、命令や強制的な罰金・拘束を伴うものではなく、あくまで「要請」や「指示」に基づいている。これは他の地域に類を見ないものであり、私自身、特筆すべきことだと感じている。この政策の背景にはいったい何があるのだろう。
・・・・現在、日本政府がCOVID-19への対策として行っている比較的ソフトな緊急事態宣言は、他のアジアの地域や欧州の多くの地域、または米国で行われている厳格な規制とは明らかに異なる。そして、日本政府がかつて行ってきたコレラやハンセン病への対策とも異なる。
・・・・私は今回の日本政府の政策は、個人の自由への介入をけん制するリベラルな価値観へのコミットメントのみによるものではないと捉えている。その源流は明治時代にまでさかのぼり、近代の習慣として「説得による誘導」が国家と社会との関係性において重要な意味を持ったことに端を発している。
という文化差によるという結論的説明は私の持論と一致ですが、この人は明治以降の国策で植えつけられたメッキのように理解しているようで、この点は私見(古来から連綿と続く超長期的民族意識論・・素人論・・いわば願望であって科学的根拠を持つものではありませんが・・)とまるで違います。
次第に私のよう疑問を持つ人が増えてきたらしく、メデイア界も放置できなくなったのでしょうか?
いろんな意見が出てきました。
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/

「コロナ成功国のジャパンで、なぜ安倍政権は支持率急落?」海外政治学者が注目する“日本のナゾ”/ar-BB14DSQE
近藤 奈香 2020/05/27 11:00
「The Japan COVID conundrum(日本における新型コロナの謎)」と題して、海外の政治学者が投稿した連続ツイートが話題になっている。投稿者はトロント大学のフィリップ・リプシー准教授。計13回にわたるツイートの中で、彼が指摘したのは「日本の新型コロナ対応の成功」と、それと相反するような「安倍政権の支持率下落」という、日本社会に見られる“ねじれ現象”である。
〈日本における新型コロナの謎:日本の新型コロナウイルスへの対応は批判にさらされ、安倍首相の支持率にも打撃を与えているが、日本の感染状況はむしろとても良く見える。/直近で行われた国際アンケートによると、新型コロナに対する自国の政治対応を評価する、と答えた日本人はたったの5%と23か国中最低であり、米国で「評価する」と答えた32%を遥かに下回る〉
諸外国と比べてみると、日本は「新型コロナによる犠牲者が少ない(=対応に成功している)」にもかかわらず、「政権の支持率が下落している」という、極めて珍しい国なのだという。世界を襲う“コロナ危機”の中、なぜ日本だけがそうした特殊な状況にあるのか。

結果的に政権側の演出が下手という結論のよう(イメージ)ですが、コロナ騒動が起きるとメデイア界総出で政府施策に対する粗探しに励んで国民に対して政権が右往左往しているイメージづくりに邁進してきた「目くらまし」成果が出ているからではないかと思います。
他国より対応成績が良くても・何をしたって、コロナ禍によって国民の大方が収入減になった現実は変わらない・・やり場のない不満を誰かに向けるしかない時に政権をスケープゴートに仕向けるメデイアの戦略が成功したのではないでしょうか?
他国では政権維持のためには国家民族を危機に陥れても良い・・国外に敵をつくることで活路を見出そうとする時に安倍政権はそれをしないで愚直に経済の底割れを防ぎ国民福利に励んでいることが原因で国民支持を失うとすれば、真面目に政治をするより保身一筋の政治家が増えます。
良き政治家育つかどうかは、メデイアの扇動に煽られ易い民度かどうかのバロメーターというべきでしょうか?
森かけ問題騒動時の世論調査報道と直後の選挙結果が大幅に違ったように、メデイアが一定方向づけ報道した上での世論調査はほんのちょっと時間をおけば禿げるメッキのようなものなのでしょうか?

国内格差2と対外自信(中国)

昨日28日の日経新聞朝刊27p経済教室「外国人労働者に配慮を!」の欄には、日本の外国人労働者数は166万人(19年10月時点)で、そのうち約半分が中国人とベトナム人であると紹介されています。
技能実習生であれ留学生であれ彼らの立場は脆弱であることを前提により、一層の配慮が必要とする論旨で
「先日ベトナム人が三百人帰国した」
と紹介されていますが、これがローテーションで帰ったのか、コロナによる失業で帰ったのかは別として、この逆バージョンでは、中国やベトナムから日本で就労目的で留学等を準備していた新規入国予定者が入国できず国内滞留していることが想定されます。
こういう視点で見れば、中国はインド等と同様に出稼ぎ労働者送出国でもあるわけです。
日本の地方圏で地元大卒、高卒の大都会への就職ができず地元農村に未就職で滞留し他方で数年〜5〜6前に地方を出た若者が地方の親元に舞い戻ってくる・・昭和大恐慌時のような状態になっているのがインドや中国内の現状でしょうか?
コロナ禍発症の地である中国は統計上完全収束状態のようですが、国内格差はどうなっているのでしょう?
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00217/?P=2

露呈した中国社会保障の現実  2020年5月14日
新型コロナ危機で失業者が急増しているのはどの国も同じだが、中国の失業給付の少なさが際立つ。かつてイデオロギー的に失業というものを認めていなかったこともあり、社会の安全網が不十分なのだ。都市に働きに出てきていた労働者は、最終的に出身地の農村に頼るしかないのが実情となっている
米国は国民に対する失業給付額を劇的に増やした。連邦の経済対策として失業者1人当たり週600ドル(約6万4000円)上乗せしたのだ。平均すれば失った所得を100%埋め合わせられるだけの額である。一方、中国政府は生活困窮者向けの給付を1週間当たり12元(約180円)増やしたところだ。1日当たりに換算するとおわん1杯分の麺が食べられる金額でしかない。
立派なインフラ設備とのギャップ
新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な痛みは、中国のみならず他の多くの国も経験している。だが、中国が特異なのは、世界最長の高速鉄道網に代表される国際水準のインフラ設備を持ちながら、社会のセーフティーネットがあまりにも脆弱であることだ。中国の社会保障制度は、中国よりもはるかに貧しい国々の水準に近い。
失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
中国政府が発表する失業率(現在は5.9%で昨年より微増)はフルタイム雇用の都市住民だけを対象としているため、こうした貧しい人々が置かれている境遇を正確に捉えていない。
金融大手、スイスのUBSと仏ソシエテ・ジェネラルのエコノミストによると、3月中に失業した中国の労働者は大きく見積もれば8000万人にも上るという。都市労働人口の20%に近い。
しかし、それ以上に目に付くのは、失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
失業保険の給付条件に該当しない場合は、「低保」と呼ばれる最低保障所得を申請できる。だがその額は失業保険よりもさらに少なく、平均で月に600元(約9000円)ほどだ。

先進国に対しては出稼ぎ国であるとともに、国内に貧困国(内陸)と新興国(沿海部)を抱えているような国です。
米国が不景気になると中南米からの出稼ぎを中南米に返すように、上海深圳等は内陸からの出稼ぎ労働者を需給調整に使っている実態が見えます。
8000万人もの失業者を輩出している習政権は、必死だから国内向けに「中国はうまくいってる他国(米国)はもっと大変だ」と宣伝せざるを得ないので、これがトランプ氏の怒りを買って格好の標的にされているのでしょうか。
これに加えて不満のガス抜きに国威発揚もしなければならない・・尖閣諸島海域では日本の領海であるのに日本漁船を中国公船が追い回したり、南シナ海の埋め立て強行した地を新たな行政区域に指定して米国になにかやれるものならやってみろと言わんかのごとき挑戦をしたかと思えば、香港に対する国家安全法可決など強行突破の正攻法?に出てきました。
中国にしてみれば自国はコロナ禍から逸早く脱して生産も回復軌道に乗ってきたが、欧米はコロナ禍からの立ち直りが容易でなく泥沼にもがいているので敵の弱みに付け込むべきチャンスという単純戦略でしょうか。

 国内格差と国際間格差1

米国では外出制限解除要求デモ等がニュースになっていましたが、具体的に見ておきます。
https://www.cnn.co.jp/usa/35154127.html

新型コロナ対策規制、全米50州で部分解除 リスク再発の恐れも
2020.05.21 Thu posted at 12:18 JST

5月19日〜5月26日1週間の日米等主要国の感染数・死亡者増加を厚労省公式発表で比較しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html

4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、5月19日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり。

国・地域 感染者 死亡者
中国 82,960 4,634
日本 16,365 763
米国 1,506,840 90,309
カナダ 78,061 5,842
フランス 142,903 28,239
ドイツ 176,551 8,003
インド 96,169 3,029DD
イタリア 225,886 32,007
英国 246,406 34,796
ロシア 290,258 2,718
スウェーデン 30,377 3,698
スペイン 231,606 27,709
イラン 122,492 7,057

4.国外の発生状況について
・海外の国・地域の政府公式発表に基づくと、5月26日12:00現在、日本国外で新型コロナウイルス関連の肺炎と診断されている症例及び死亡例の数は以下のとおり

国・地域 感染者 死亡者
中国 82,992 4,634
日本 16,623 846
米国 1,662,250 98,218
カナダ 85,092 6,453
フランス 145,279 28,432
ドイツ 180,600 8,309
インド 138,845 4,021
イタリア 230,158 32,877
英国 261,184 36,914
ロシア 352,930 3,627
スウェーデン 33,843 4,029
スペイン 235,400 26,834
イラン 137,724 7,451

上記表から1週間の変化計算すると以下の通りです。
国別  種別     5月26日   5月19日   差
日本  死 者      846       763              = 83
日本  感染者     16,623      16,365       = 258

米国  死者      98,218      90,309   = 7909
米国  感染者     1,662,250    1,506,84   = 151566

英国  死者      36,914       34,796   = 2118
英国  感染者     261,184      246,406   = 14778

ドイツ 死者       8,309      8,003        = 306
ドイツ 感染者     180,600         176,551   = 4049

この1週間で比較すると日本の死者82名に対して米国約7900人、英国2100人ドイツ300人と桁違いの数字が出ているのに、経済失速・失業者増大に耐えかねて事業再開に走らざるを得なくなっていることがわかります。
インドもこの1週間で4,021ー3,029=約千人死亡ですが、10日以上前から外出制限緩和している様子です。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200518/k10012435161000.html

外出制限 緩和したけど… 具体的指針なく混乱も インド コロナ
2020年5月18日 19時05分
・・・長引く外出制限で経済に深刻な影響が出ていることから、感染が抑えられている地域では各州などの判断で制限を緩和するとしています。
首都ニューデリーの中心部では多くの人が車やバイクで通勤していたほか、市民の足として親しまれる三輪タクシーの「リキシャ」も営業を再開していました。

今朝の日経新聞11pに「ドバイ、貿易観光に打撃」の見出しの中にUAE(アラブ首長国連邦)では

「経済を支える外国人労働者は仕事だけでなく航空便の停止で行き場を失っている。UAEでは20万人以上のインド人が帰国希望者に登録している」

との記事です。
世界中から大量の出稼ぎ労働者が帰ってくるとインドに限らず出稼ぎ送出国は大変です。

新型コロナの実害比較(新興国の3重苦)

バングラやインド、ネパール等の南アジア諸国は、中東や西欧への出稼ぎが多く、出稼ぎによる本国送金が、貧困国経済を支えてきた側面があります。
出稼ぎ者による送金がなくなり母国の家族生活が苦しくなっていたところに夫や子供が失業して帰って来るとダブルで生活苦になります。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14464839.html

(コロナ危機と世界)途上国の危機:下 職失う出稼ぎ、母国に逆流 米の移民、雇用の調整弁 2020年5月4日 5時00分
新型コロナウイルスの大流行は、世界各地の移民や出稼ぎの労働者を直撃した。収入減や解雇が相次ぎ、母国へ帰る「逆流」も始まった。仕送りに頼ってきた途上国の家族は貧困の縁に立たされている。

上記は中南米諸国でコロナ禍急拡大があっても(ブラジルもメキシコもペルーも)思うように外出規制できない背景を踏まえたものでしょうが、アジアも同じです。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00118/042200013/

新型コロナで窮地の出稼ぎ労働者 東南アジアに「依存リスク」
2020年4月23日

https://blog.goo.ne.jp/otatomoyuki/e/cf6fe31b83f613beddabd7616de7ef77

【コラム】新型コロナウィルスまとめ:バングラデシュ(2020年5月16日現在)
バングラデシュでは3月7日に初めて新型コロナウイルスの感染者3名が確認されました。その後、4月14日に感染者数は1,000名、5月4日には10,000名、そして5月15日には20,000名を超えました。一方、新型コロナウイルスによる死亡者も、3月18日に最初の死亡者が確認されてから、4月20日に100名を超え、5月8日には200名に達しました。感染者数と死亡者数は加速度的に増加しています。
バングラデシュ政府は3月26日から政府機関や学校を閉鎖した他、公共交通機関も停止し、実質的な「全国封鎖」を実施しています。
一方、生活苦に陥った縫製工場労働者のデモ抗議が散見されるなど、経済的な影響の大きさも見られます。この為、バングラデシュ政府は5月10日から経済活動の限定的な再開を許可しました。
・・・現在、海外在住のバングラデシュ人の内、およそ400名が新型コロナウイルスで死亡したことが明らかになっています。

インド、バングラや周辺諸国等では海外出稼ぎ者による本国送金が外貨収入の大きな部分を占めているのですが、欧米シンガポールや中東諸国等への出稼ぎ者が現地の外出禁止政策で失業し、住む家もなく食料にも困るようになり、何百万という出稼ぎ者が本国帰還を望んでいる状態が報道されています。
国際便が停止しているのでチャーター機を求めているが、その手配がつかない(母国のチャーター機を飛ばす資金力次第でしょう)上に、失業者激増中の母国に無職者および感染者を抱え込むリスクがあるので貧困国は二重苦〜3重苦で行き詰まっているという報道になってきました。
コロナ感染拡大が始まったばかりでも、すぐに営業再開させないと経済が持たなくなってきた・・背に腹は代えられないという状況らしいです。
米も国内格差により外出禁止が続くと、米国内の弱い部分・・非正規雇用中心の貧困層=蓄積がないのにすぐ失業する階層が食えなくなり始めたので、なりふり構わない再開を急ぐ原因になっている点は貧困国同様です。
要は米国は国内に貧困階層(国?)を抱えている2分された社会になっている弱点が浮き彫りになってきました。
国内に格差を抱え込んでいる米国は全体として感染拡大中であるにも関わらず、経済活動再開せざるを得なくなったのと遅れて急拡大が始まったばかりの貧困国が経済活動再開するしかなくなったのと原因動機は同じです。
米国の失業率・就労者減は以下の通りです。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/05/fbe9b9327fefa377.html

4月の米失業率は14.7%と戦後最高を記録、雇用者数は前月から2,050万人減
米国労働省が5月8日に発表した2020年4月の失業率は14.7%(添付資料の図、表1参照)と、市場予想(16.0%)を下回ったものの、大幅な悪化となった。就業者数が前月から2,236万9,000人減少した一方で、失業者数が1,593万8,000人増加した結果、失業率は前月(4.4%:2020年4月6日記事参照)より10.3ポイント上昇した。1982年12月に記録した10.8%を上回り、統計開始(1948年)以来の最高水準となった。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/04/f25e797027a01d5f.html

米ロサンゼルス都市圏の失業率、5月には31.7%へ上昇の見込み
ロサンゼルス郡経済開発公社(LAEDC)は4月21日、「南カリフォルニアにおける新型コロナウイルスによる雇用への影響(EMPLOYMENT IMPACT OF COVID-19:SOUTHERN CALIFORNIA)」と題したレポートを発表した。
レポートによると、南カリフォルニア(注1)の雇用者数は、2020年5月に前年同月比27.4%減の746万人に落ち込み、282万人の雇用が失われると予測されている。その結果5月の失業率は31.4%に悪化し、中でも、ロサンゼルス郡とオレンジ郡からなるロサンゼルス都市圏(注2)の失業率は31.7%と南カリフォルニアの平均を上回る高水準が予測されている。
これではしゃにむに事業再開したくなるわけです。

ドイツも26日日経新聞夕刊ではルフトハンザ航空に対する1兆円の政府資金注入の報道がありましたが、コロナ対応優秀国であり経済力突出のドイツを含めどこの国も長引く外出禁止によって経済失速→資金的に限界になって再開を急ぐようになってきましたが、コロナ対処法が見つかった訳ではありません。
格差とは何か?ですが、お金があれば大方の応用が効きますので基本は何ヶ月収入が途絶えてもやりくりがつくか?ですが、都市型生活の弱点というか、食品トイレットペーパーその他必需品の備蓄の多いあるいは応用力のある家庭(マスクが必要となれば妻が毎朝洋服に合わせて作ってくれる)と、単身者等「その日暮らし」的生活者との違いでお金があってもちょっとした品不足情報で直ぐに振り回されて走り回る必要性が違ってきます。
「備えあれば憂いなし」というように大手企業も内部留保の厚い企業と儲けを気前よく分配し(最悪は自社株買い?)次々と投資してきた企業は、変化に弱い点は貧困層と同じです。
世界的に見て災害の多い日本企業は、エコノミストに批判されても内部留保の厚さが際立っていましたが、(個人事業主でもある弁護士業の視点で一定内部留保は必要という視点で、私はエコノミストの批判論を批判してきました)航空産業その他の手元資金の厚さでは国際的に抜きん出ていることがコロナ禍の始まった時点で、国際比較されていました。

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