民度と政体2(新興国2)

折角安定していた社会組織の批判を無責任に煽りまくった挙げ句に、混乱が生じて難民が大量発生すると、これを日本が受入れるべきだと、またまた、人権活動家らしい「立派な」?運動をしています。
人道支援と称して結果的に難民を大量に作り出している活動家がどう責任を取ってくれるのか?と問いたい人が多くなって来るのではないでしょうか?
アラブに限らず、韓国もアメリカの影響で、能力(民度)を超えて民主化したものの、まだ自由な発言を認めると収拾のつかない社会ですから、政権維持のために不満のはけ口としていつも日本批判するしかない状態になっています。
軍事政権から民政に移行してから反日宣伝が目立つようになったのは、そのせいです。
北朝鮮支配方式・・まだ強力な指導者の元で、モンク言わずに従う方が、韓国の民度に合っていると思われます。
中国の台頭・・国際情勢の変化によって、・・韓国の反日攻勢にアメリカが良い顔をしなくなって・しかも内政の方は、経済悪化等で日本批判ばかりしていられなくなって来ると、政権の逃げ道がなくなってモロに内政混乱が始まると想定されます。
中国の場合、独裁体制なので、北朝鮮同様に国民を操縦出来ていますが、中国の言論政治活動の自由化が民度を越えて一定以上に進むと内政の収拾がつかなくり、今以上に対外・・軍事威嚇行為が多くなる筈です。
マスコミは、中国が豊かになれば民主化が進み、民主化が進むと対外膨張・威嚇行為がなくなると楽観論で中国支援に熱心ですが、私は反対の考えを持っています。
価値観共有と日米同盟を賞讃しますが、同盟自体は良いとしても、民主国家なら戦争しないと言う意見は間違いです。
江戸幕府に限らず李氏朝鮮も清朝も世界中どこの国でも、もとは国家は軍事政権で成立していますが、幕府は対外戦争をしていません。
「政権が安定しているときには、対外戦争する必要がない」と言う方が、古代からの鉄則でしょう。
アメリカは民主国家だったかも知れませんが、13州から始まって膨張主義・・大陸をはみ出してハワイ〜フィリッピンその他侵略行為のオンパレードです。
侵略戦争が終わったのは正に中国市場を争った対日戦争が最後だったでしょう。
(沖縄・小笠環環を返したので領土野心を後から放棄したことになります)アメリカは
第二次世界大戦をアメリカは民主主義対軍事政権との戦いであったかのように史実をねじ曲げていてそれをまだマスコミが信奉しているだけです。
戦後、虚偽史実ねつ造によって、もはや植民地戦争を出来なくなりましたが、その代わり世界の警察と言う名分でしょっ中、産軍複合体の影響で戦争ばかりしてきました。
むしろ、政権が弱いと、対外冒険主義に走り易い・・民意の動向に弱い民主主義と戦争は、結構縁が深いのです。
中国の場合、自由な言論を冷静に行なえるほど民度が上がっていないので、豊かになるのに比例して言論の自由を認めると大混乱に陥るのは明らかです。
国民の発言力アップに対抗するために経済力のついた分の多くを治安・取締中心にお金を使うようになっていますし、対外国威発揚用の軍事力拡大に向けるしかないのです。
そこで・・国有企業の設備投資・・特権層に中心にお金を回し、残りの資金は最大限軍事力・公安・権力強化中心に向かいます。
国民生活水準を引き上げれば、その分政府に対してうるさくなるのが目に見えているので、出来るだけ国民の生活水準引き揚げは遅い方が良いと言う政策・・その結果、内需比率が極端に弱かったのが、今になるとこれが経済のアキレス腱になってきました。
国民が豊かになると批判的になるので政権にとっては危険ですが、政府としては党に忠誠を誓う・・あるいは党幹部であることによっていい思いをしている特権グループに限定して、経済的恩恵を与えても、彼らが反政府的になることは滅多にありません。
北朝鮮がいくら貧しくとも国民が不満をあまり言わないのは、この仕掛けです。
中国あるいは独裁政権の場合、党幹部・政権支持層だけ成長の恩恵を受けさせて(非合法な資金蓄積を黙認し、刃向かえば汚職で検挙する脅し)国民の方には、経済成長のおこぼれを僅かに与えて喜ばせる・・裸足で歩いていた程度だった庶民に近代的工場で働かせて1日数十円程度の収入から数百円の収入にしてやれば国民は大喜びするだけで、まだ政治要求までには行きません。
中国にとっては初期の成長段階では、支持層への巨額バックペイ(賄賂黙認)と低賃金労働者の大量輩出が理想的に運営されていました。

政体と民度2(新興国1)

リーマンショック以降の輸出急減によって、中国の理想的な支配構造が壊れてしまいました。
中国の高度成長は、内需よりは世界の低賃金工場としての輸出主導経済でしたが、リーマンショックで輸出が急減したのでに慌てて、4兆元と言う巨額財政出動による内需拡大に努めました。
これは、輸出企業・国有企業の急激な生産減・倒産防止・・共産党幹部・・政権支持層の維持を優先するとともに、内需転換出来る企業と関連雇用確保との二兎を追うものでした。
国内インフラ投資やこれに必要な製鉄など重工業系の生産力増強投資から始めたことになりますが、縫製工場などの労働力とは質が違うので、これらの生産急減(失業)に対する救済にはなっていませんし、国民の消費水準引き上げにはそれほど寄与していませんでした。
(これがいつ革命が起きてもおかしくないと言われるほどのジニ係数急激悪化・・格差拡大の原因です)
4兆元の巨額財政支出は国内インフラ産業の成長を促しましたが、需要がないのに無茶苦茶に作ったものですから、数年経過で完成が始まるとその咎めが出て来ます。
ゴーストタウン化したマンション群や、誰も乗らない高速鉄道ばかりではいくら国営企業で採算度外視と言い張っていても困ってしまいます。
さすがにこれ以上作れなくなって過剰生産能力のはけ口として、鉄鋼製品に限らず素材産業全般で出血輸出拡大が続いて、今や世界の大迷惑になってしまいました。
出血輸出・・赤字ではいつまでも続きませんから、国有企業等の生産削減・・淘汰が始まるしかありませんが、そうなると党幹部・太子党・・あるいは国有企業関連で良い思いをして来た一部の人・・地位の高低に応じて大小の利権差がありますが、結構な数です・・政権支持層内の不満が出て来ます。
独裁政権にとっては内部不満が一番怖いので・・これが習近平政権の内部粛正・汚職退治と言う恐怖政治に連なっていると思われます。
今の兵器は半端ではないので、民衆蜂起などいくらあってもその都度残虐な弾圧を出来るので(南京虐殺と言う宣伝は、自分ならば、この程度のことは朝飯前にやれると言う意思表示です)政権は全く気にしていませんが、政権内部の内部抗争は軍事力がいくらあっても防げませんから、これが一番の不安要因です。
生産設備が過剰になっただけではなく、出来上がった設備稼働率を上げる必要・・ゴーストタウンを縮小し鉄道などの利用者を増やす必要が出て来ました。
約2年前から政権維持のためにも皮肉なことですが・・国内需要が必要→いよいよ国民の消費水準比率を引き上げる内需拡大しかなくなって来ました。
消費水準が上がると、これに比例して民衆の政治意識が上がるのは明らかです・・。
国民の消費水準を引き上げるために強引に最低賃金引き揚げをこの数年行なって来たので、却って輸出競争力が落ち込み→工場閉鎖が始まっています。
生活水準向上→政治意識を高める施策でもあるので、意識と民度のバランスが悪いと、言いたい放題・要求ばかりが突出して、社会が混乱してしまいます。
中国がGDPで日本を追い越して世界2位になる(GDP統計の粉飾があるので本当のところは分りませんが・・)と世界中で威張り散らすようになったのは、民度の低さを国際レベルで露呈していることに気が付いていないのです。
これを国内個々人でみんなが札ビラを切ったりして威張り散らす社会を想像すれば分りよいでしょう。
中国では、日本から技術導入で学んでその通りものを造れば良かったので、高度成長期には政治能力も不要で単純でしたが、反日に舵を切ったころから迷走し始めました。
独自政策立案能力がない・・政治を支える国民もそう言う経験がないので仕方がないことです。
国威発揚のためにIMFのSDR指定を受けるのに成功すると、国際的な資金移動の自由化を加速するしかなくなって、資金流出等のリスクが高まるリスクが起きているのと同じで、ここの所中国政府は何をやるにも不都合な結果ばかりが起きています。
反日暴動が外資流入減の引き金になり、国威発揚のつもりの南沙諸島埋め立て強行がアメリカ軍海軍の出動を呼び込んで国際孤立するばかりか、国内的にも格好がつかなくなるなど・・。
内部抗争の結果、政権の危機が来るたびに対外冒険主義行為が増え、経済力に比例して軍事力が大きくなっていることから、今後の中国は世界にとって危険性が増す一方の存在になります。
原油価格下落による経済危機乗り切りのためにロシアが始めたウクライナ危機、あるいは習近平成権の政権危機に発した対外冒険主義の動きを見れば内政危機があると安易に対外行動に結びつける傾向が明らかです。
韓国の場合、軍事力が及ばないから、日本の悪口、宣伝活動に精を出すしかないのですが、その根っこは同じです。
中国は改革開放政策以降、低賃金労働を基礎にした大量生産工場を世界から引き受けて輸出に頼って来たのですが、リーマンショック後輸出だけではどうにもならなくなってきたので仕方なしに内需拡大に努めましたが、国内インフラ投資や生産力増強投資に注力して消費水準引き上げには注力してきませんでした。
(これがジニ係数急激悪化・・格差拡大の原因です)
この1〜2年前から、ヤミクモな生産力増強投資に無理が来た・・過剰設備に苦しむようになったので、いよいよ国民の消費水準比率を引き上げる内需拡大しかなくなって来ました。
消費水準が上がると、これに比例して民衆の政治発言力が上がる・・このとき発言力と民度のバランスが悪いと、言いたい放題になって、社会が混乱してしまいます。
国威発揚のためにIMFのSDR指定を受けるのに成功すると、国際的な資金移動の自由化を加速するしかないので、資金流出等のリスクが高まるのと同じです。
今の兵器は半端ではないので、民衆蜂起などいくらあってもその都度残虐な弾圧出来るので(南京虐殺と言う宣伝は、自分ならば、この程度のことは朝飯前にやれると言う意思表示です)政権は全く気にしていませんが、政権内部の内部抗争は軍事力がいくらあっても防げませんから、これが一番の不安要因です。
内部抗争の結果、政権の危機が来るたびに対外冒険主義行為が増え、経済力に比例して軍事力が大きくなっていることから、今後の中国は世界にとって危険性が増す一方の存在になります。
原油価格下落による経済危機乗り切りのためにロシアが始めたウクライナ危機、あるいは習近平成権の政権危機に発した対外冒険主義の動きを見れば内政危機があると安易に対外行動に結びつける傾向が明らかです。
韓国の場合軍事力が及ばないから、日本の悪宣伝活動に精を出すしかないのですが、その根っこは同じです。
中ロや韓国あるいは新興国の経済力がついても、これに比例して急激に民度が上がることはなく、その力・エネルギーが内政にむくと混乱が待っているだけですから、エネルギーの発散には、軍事力や対外攻撃に転嫁するしかないので、対外冒険主義のリスクが高まるだけです。
何回も書いていると思いますが、日本の明治維新が成功したのは、江戸時代には庶民レベルの民度が高かったことによります。
新興国の場合、先進国が順次発展して来た生産技術や社会技術を同時的一斉の導入ですから、経済成長が急激である分に反比例して、人間的成熟が追いつきません。
外部から設備導入による(自力開発部分が少ない)借り物経済の場合、民度が経済成長に比例して上がる訳がありません。
まして意識の変革には、何世代もの世代交代が必須です。
借り物技術による急成長は目覚ましい分に比例して、急激に金持ちになったいわゆる成金体質でしかありませんから、文化・政治経験・・総合力としての民度が追いつきません。
(法制度もいろんな経験による修正の繰り返しで成熟して行くものですが、後進国が経験もなしにその結果だけ真似してもうまく行きません。)
上記の結果、中国などは新興故国は急激な生活水準引き上げが始まると不満だけは一人前になりますが、社会能力や政治的妥協能力が低いので政治不安定になるのは必至です。
北朝鮮のように成長しないで貧しいままの方が、政権が安定します。
中国のように一旦国民がある程度成長の恩恵を受けてしまうと、経済失速に不満が出るので輸出低迷期に入ると、経済規模縮小よりは内需拡大して経済規模を維持するしかないのが苦しいところです。
(国民が豊かになると批判的になるので)政府としては党幹部だけ成長の恩恵を受けて国民の方は貧しいままでいるのが落ち着きがいいのですが、輸出が駄目になってからも続けて来た国内インフラ・・無駄な投資が一巡してこれ以上出来なくなると、国有企業等の生産削減・・倒産が始まると党幹部・・あるいは国有企業関連で良い思いをして来た一部の人・・結構な数です・・の不満を無視出来ません。
急激な不満をなくすために国内インフラ生産に転嫁して何とか誤摩化して来たのですが、その仕事もなくなる・・ソフトランデイングさえ出来なくなってきたので、そのインフラを利用して国民に商品を買わせる・・貧しくて乗れない庶民でも、地下鉄や高速列車に乗せるしかない→国民所得を上げるしかなくなったのが最低賃金引き上げラッシュの原因です。
これをやると国民の政治発言力が上がって大変なことが始まりますが、経済面では低賃金生産工場の魅力がなくなってしまい、輸出が更に減るだけではなく、資金流入が減るだけではなく逃げ出すジレンマに陥ってしまいました。
その次に思いついたのが昨年末以来の株暴騰の演出でしたが、実態を伴わない腕力相場ですからこの8月でポシャってしまいました。
(この相場を利用してプロの外資は売り逃げ出来て、経済実態を知らない庶民が高値づかみした結果になっているでしょう)
文化人・マスコミは頻りに、中国を豊かになるのに協力すれば、民主化が進んで対外冒険主義がなくなると言う宣伝をしています。
彼らは、もしかして歴史を知らないか、または世界征服の野望を遂げたい中国の意を受けた国際プロパガンダに精出している過ぎません。
民主化に適合する民度に至っていない中国の場合、野望があろうとなかろうと、豊かになればなるほど内政が難しくなる一方ですから、この不満をそらすために軍事力強化・・近隣国を威嚇するようになる一方と見ておくのが妥当でしょう。
今ではまだアメリカが出て来るとどうにもなりませんが、その内アメリカの軍事力と拮抗して来るとアメリカもリスクが高くなるので、おいそれとは出て来られなくなります。
今は、通常戦力ではまだ日本海軍の性能や練度には中国軍は叶わないといわれていますが、これも中国が経済力上昇以上に軍事力強化に努めていると、その内に日本を追い越すこともあり得るでしょう。
そうなるとフィリッピンやベトナムに対するのと同様に、日本など歯牙にもかけない傍若無人ぶり・・白昼公然とあちこちの離島を占領するようなことが行なわれるでしょう。
こうなって行くのを座して見ているかどうかの覚悟が、日本と周辺国に問われています。

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