裁決=立憲主義違反?6

議論を尽くしたかどうか立法府の良識で決めるべきですし、・・良識であったかどうかは、憲法違反ばかり言っていて、内容に入らなかった方に責任があるかどうかも公平に判断されるべきです。
明らかになるのがまずいので「丁寧な議論の必要性」を言えなくて、立憲主義違反と言う空中戦争を始めたと思われます。
議事経過が丁寧だったか否かを含めて次の選挙で国民の判断によることであって、野党が言いさえすれば単純に憲法違反に決まっていることではありません。
少数意見が通らないからと言って議論に参加しない・・採決反対している場合は、権利を放棄していると見なされるのが普通です。
特定秘密保護法案や共謀罪法案でも書きましたが、知識人?が内容の議論で負けそうになると、近代法の法理に反するとか抽象的概念をイキナリ持ち出す傾向があります。
(今回は法案の具体的妥当性に触れずに立憲主義を持ち出す)この戦術は国民を一時的に目くらまし出来るでしょうが、国民レベルが上がっているので、多分時間の経過で無理が出て来ると思います。
韓国人同士の論争では、先ず自分の学歴自慢して始まる特徴があり、学歴で負けていると対等に発言出来ない雰囲気らしいですが、何故か左翼系は、先ず自己の教養をひけらかして・・如何にも素人には分らないだろう式の議論する傾向があります。
野党は多分内容の議論に自信がないからでしょうが、憲法違反とか立憲主義違反とか入口ばかり強調していますが、(私の言葉で言えば抽象論・空中戦ばかり)これでは代議士の職責を果たしていません。
代議士は、法案の必要性や不都合に関する自分の意見を説明して理解を求めてその意見を代表するのが職責であって、憲法に違反するかどうかを判断して国民に説明して支持を集めるする仕事ではありません。
代議士は(仮に弁護士や元裁判官が代議士になっているとしても、原発事故時に菅総理がミスリードした例で書いたように)代議士としての職責は、憲法の知識をひけらかすことではなく、法案が国民意思に合っているかどうか、どの部分が国益に資するかどうかこそ議論すべき職責です。
例えば、ある民族を皆殺しにすると言う法案が提案されたときに憲法違反を問題にしなくて良いかと言えば、憲法違反だから反対だと言うのではなく先ず自分はそういう酷い法律制定に反対だと言えばいいのです。
政治家たるべきものは、人がどう言っているからとか、憲法がどうだとかよその国がどうかではなく、自分の信念を主張すべきでしょう。
その信念を貫くのに法律や憲法が邪魔になるならば改正する運動をすることが職責であって、(郵政民営化論も当時の現行法を破る議論でした)現行法の範囲内の意見を言う必要がないどころか、現行法内で意見を言うだけならば、立法作業をするべき政治家になるのは無駄飯食い・・憲法違反の存在とすら言うべきことです。
そこが法律家との違いです。
間違っては行けないことですが政治家も現行法を破っては行けない点は、法律家と同じですが、政治家は立法権を行使するためにいるのですから、社会の変化に合わせて現行法の改正や新規立法作業・・現行法の外に出る作業をするのが職責です。
ですから現行法の枠内以外は口出ししないと言うのでは国会やそこで働くべき政治家の存在意義がありません。
法の改正や新規立法をするために国会があるのにこれを否定するかのように、最近「法的安定性」と言う変な議論が始まりましたが、韓国の告げ口外交同様で、論理が一旦変な方向へ進み始めると止まらなくなったと言うか、もう無茶苦茶になって来た感じです。

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