原発問題と統治行為理論(専門家の限界)1

話が変わりますが、全体の利益を考える必要がないかのような一方的主張を繰り返している印象(しか知りません)の農協系主張は、左翼系主張方式に親和性がありますから、政権党向きではありません。
将来的には自民党から離れて行くべき・・逆に責任政党を目指すならば、自民党が離れて行くべきではないでしょうか?
韓国や中国が、兎も角無茶苦茶要求して来るのと似たやり方・相手が引くまで言うだけ言えばよい・・思考方式に左翼系が染まっているようです。
日本人のやり方は何事も相手の立場を慮って言い過ぎない前提ですから、こちらが引いていれば相手が遠慮すると思っていると「こちらが引けば中韓はいくらでも圧して来る」ので、慰安婦問題のように大変なことに発展してしまいます。
相手(国民全般)にそこまで(正しいかどうかは別として相手がのめば良いと言うスタンスで一方的な主張ばかりだと)思われたら(ヤクザとは二度と付き合いたくないように)後がありません。
旧社会党は「無茶苦茶言っているだけではないか」と言う国民評価が定着して事実上壊滅的状態になりましたし、今や日本人の嫌韓感情は後戻り出来ないほどになっています。
弁護士会の各種委員会の行動様式は、行け行けドンドンの一方的なやり方ですから、その委員会に出掛けて行ってたった一人で敢えて「企業にも言い分がある・消費者をそこまで守る必要がない」「犯罪被害者にそこまで権利を認めるのは反対」「少年にそこまで権利を認めるのは反対」と反対論をぶつために消費者委員会や少年委員会や男女共同参画委員会などに参加する人は(お前は人権意識が低い・・と吊るし上げられるだけですから・・)皆無と言っていいでしょう。
◯◯の人権と言うテーマも一杯ありますが、理想的には、完全な主張をすれば良いのかも知れませんが、実現性がない・・社会が容認出来ないことまで、オタク化・純粋化した委員会では反対論がなく通ってしまう傾向・・主張するだけしてその半分でも通ればいいのだと言う気持ちがあるように思います。
消費者系は頑張っている面が多くありますが、企業側の立場を認めない・・消費者視点で突っ張って行けば、企業利益は別の団体が主張するから弁護士は気にする必要がないと言うスタンス・・要求をどこまで勝ち取るかの視点で頑張っているように見えます。
刑事手続での各種専門委員会の要求もほぼ同様です。
こう言う委員会に入って「そんな無茶言っても通る分けないよ!」反対意見を主張するのは無理があるので、「行き過ぎじゃないの!」と思っている弁護士は殆ど委員会に入らないと思われます。
この結果、弁護士会の公式意見は、外見上反企業的、反進歩的・・新しい技術や製品が出るたびに「危険だ」と言う反対意見一色になっている印象です。
ただし、建築や医事紛争の委員会は、医療側と患者側の双方の弁護士で構成しているので、比較的抑制的な委員会になっていますし、こう言う委員会もいくつもあります。
(私の属している委員会はこう言う種類ばかりです)
政治要求的色彩の強い委員会・・対外運動系では一方的に反対運動したり、権利要求したりする傾向が多い・・元々対外宣伝したいのですから、これが対外的に目立つのは当然です・・知らない人は弁護士はみんな政治運動ばかりしているのかと誤解しそうです。
以上は私の個人的印象・偏見?ですので、具体的根拠はありません・・念のため・・。
たまたま、4月15日の日経新聞朝刊では、福井地裁で高浜原発再稼働執行停止の仮処分決定が出たと報道されていました。
裁判所は弁護士会の委員会のように特定立場の集まり・構成ではなく、双方の意見を聞くべき組織・・中立機関です。
事件詳細を知りませんので具体的意見は書けませんがので抽象的感想に留まりますが、高度な政治判断を含む紛争の場合、司法がどこまで踏み込めるか、抑制的判断するべきかと言う哲学的な論争が必要な印象を受けました。
重大な国家利益判断の妥当性に付いては、そのときの政治(国民総意)に委ねてその正邪は後世の歴史が決めて行くべき事柄です。
政治判断の訓練を受けていない法律家・・事実認定の専門家でしかない司法機関が国家の命運を決めるような重要政治決断の是非を判定する権利・能力がない・・最終決定権を行使するのは、司法権の濫用になります。
岸政権が改訂した安保条約に関しては、最高裁判所が統治行為理論で判断を回避したのですが、その後の歴史を見ると、明らかに賢明な判断だったと思われます。
統治行為理論に付いては、最近では、「解釈改憲3(憲法秩序の事実上改変)」October 8, 2014で書きました。

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