婚姻率低下3

   

何ごとでも頂点は下り坂の始まりですが、現在の女性の地位が頂点かどうか分りませんが、男性の方から見れば妻による家庭サービスが低下して行き、逆に自分が家に帰ってからサービスを受けるよりはサービスする方に回るしかなくなってくると、古代以来連綿と家庭サービスを期待して来た結婚のメリットが大幅に減少して来ました 。
女性の社会進出によって、男性の収入が一家を養えないほど減少して来たとは言っても、今でも自分一人だけ食うには十分ですから、結婚しないで一人で好きなように使った方が気楽で良い・・あるいは子供を産まない結婚生活が良いと言う楽な方に流れる傾向が出てくるのは必然です 。
しかも妻からの要求によっては簡単に離婚が認められる・・離婚率が高まっている現在、そもそも何のために結婚するのかの疑問が生じて来て、初めっから結婚しない選択肢が増えて来ます 。
現在の男女関係では友人関係に毛の生えた程度の浅い・緩やかな関係が好まれるようになったのは、こうした下敷きがあるからです 。
あるいは結婚しても友人関係の域を出ない・・飽くまで子供を産まないカップルも増えて来ています 。
身近な若手弁護士の世界で見ると夫婦ともにそれぞれの事務所で夜の10時11時ころまで働くのが普通で、それぞれの事務所の仲間と夕食をとり、(夫婦で食べるのはすぐ近くのビルの事務所勤務の場合でも時間調整があるので不便です・・それで週1〜2くらいがやっとになるのでしょう)お互いに好きな時間に家に帰るような印象(正確には観察していませんので)になっています 。
30年ほど前に世間を騒がした千葉大女医殺人事件のときに報道された彼らの行動形態も似たようなもので、夜中に奥さんが千葉大の研究室に向かって出て行く生活実態があってその前後の殺人事件でした 。
このように双方専門家の場合、夜昼なく働くので、夫婦と言っても何のための夫婦生活か不明・・・婚姻制度を子を産むための装置とすれば・・小中学生のトイレ友達のような程度・・あるいは異性間のルームシェアーの域を出ない関係に陥っていることが多いのです 。
最近相談に来ている事例はいずれも、子供が生まれたり妊娠した後に夫が妻をアパートに残して実家に帰ってしまった等で生活が出来なくなって妻の方も実家に帰った事例です 。
子が生まれて窮屈な生活になるくらいなら失業した方がマシだと言うのでしょうか、現在相談中の2例とも夫はさっさと勤務先を退職してしまい無職だから、何も払うものはないと言う開き直りです 。
現在の若者では、男の方では、子供生むのは予定外と言うかダブルインカムの気楽な関係が崩壊して自分の収入を妻にとられてしまうのが叶わない、それに加えて今まで夜中に帰っても良かったのに今後は家庭サービスまで要求されるようになるのはたまらないと言う現金な結論から出ている感じです 。

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