輸出→現地生産→利益還流4

営業利益率の低下は、売り上げが現状維持または伸びていても値引き等の無理な販売に陥っていないかの指標・無理の限界がきて経営がガタガタになる先触れを知るための重要指標です。
昨日紹介した現代自動車の表によれば、売り上げが0、9%増なのに営業利益率が47%も下がっているのですから、無理な売り上げ維持努力があったと見るべきでしょうか?
ところで、昨日見た業績表によると当期純利益で見ると63、8%減のようです。
営業利益率だけ見てれば良いとなると費目の付け替えなど小細工がはびこる他、関連会社に損失を付け替えることも可能ですので、連結での総合収支の動向も重要です。
当期純利益63、8%減ということは、売り上げ内容が悪いだけでなくその他の分野でも総合的(悪い時には悪いことが重なる?)に苦しいのでしょうか?
当期純利益は資産評価損など為替動向の損得も含めた結果ですので、長年の不振事業の整理(膿を出して)で次期以降の飛躍のきっかけにしたい場合もあれば、先行投資の花が開く前の持ち出し・苦しい時期もありますので、当期純利益の増減結果数字だけでは一概に言えませんが・・・。
ついでに日本の輸入車比率を見て起きます。
https://www.aba-j.or.jp/info/industry/7087/

18年の輸入車新規登録台数 シェア過去最高、好調SUVが牽引
2019年1月15日
日本自動車輸入組合(JAIA)が10日発表した2018年の輸入車新規登録台数によると、外国メーカー車の販売台数は前年比1・1%増の30万9405台と3年連続で増加した。
・・・日本メーカーの逆輸入車は、前年比26・5%増の5万6861台と2年ぶりに増加した。17年9月に「シビック」を国内に再投入したホンダが、同4・7倍の1万4130台を販売した。

日本の輸入車市場の動向は、日系メーカーの逆輸入の動向が大きなウエートを占めていることがわかります。
毒餃子事件で有名になりましたが、中国解放後日本の食品工場その他が大挙して中国現地進出して、日本への農産物等々の逆輸入を手がけています。
私の町内会で行なっているお花見大会で、参加者に振る舞う焼き鳥が中国製の冷凍ものであったことから4〜5年前国産に切り替えたことがあります。
スーパーにいけば食品のかなりの食品が中国産になっていますが、ほとんどが日本企業が進出し日本向けに生産工程を指導して逆輸入を始めたものです。
米国の対中巨額貿易赤字といっても、内実は米国企業が中国進出して逆輸入している例が大半と言われています。
米韓FTAに戻ります。
FTAの結果、米国車の輸出増にほとんど関係がなかった・・逆に韓国車の輸入が増えた方が圧倒的に多かったので米国の不満が大きく、トランプ政権成立直後から対韓批判のトランプ砲が炸裂したことによるFTA改定交渉が始まりました。
トランプ政権による改定交渉の影響を紹介します。
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2018/b55a97f94ec06747.html

2018年4月18日
米韓FTA見直し:外資系メーカーが自動車輸出をけん引
大筋合意の評価と韓国の対米自動車貿易・牛肉輸入の推移(2)
米韓FTA発効後、韓国の対米自動車輸出の増加が顕著だ。しかし、これは米韓FTAによる米国の乗用車輸入関税撤廃前の現象で、撤廃後は逆に輸出が伸び悩んでいる。また、輸出を増やしたのは在韓外資系企業で、現代・起亜自動車は米国市場での販売伸び悩みなどにより、輸出増は限定的だ。他方、対米自動車輸入は韓国の乗用車関税引き下げ・撤廃により増加している。

米韓FTAまで国内高利益率を元手に韓国企業は海外進出していたのですが、FTAによってその事業モデルが崩壊したので国外でもジリ貧になって来たようです。
現代・起亜自動車グループに対する独占利益保護がなくなると、貿易黒字といっても外資系の韓国進出企業の輸出が増えている状況が上記に出ています。
新興国が国内産業育成のために輸出基地の提供・・国内販売を事実上規制して輸出特化するならば進出を認めるのが新興国のパターンでしたが、韓国の場合進出した韓国GM、サムスンルノーも事実上輸出特化企業になっているようです。
25日紹介した私の発展ステージ論でいえば、韓国に進出した外資系企業に限っては、原初的形態・新興国が輸出特化型企業誘致して外貨を稼ぐ①段階でまだ止まっていることがわかります。
この数年国外進出した韓国系企業が本国の支援なしの公平競争でも勝ち残り、ステージ⑥海外収益還流段階に進めるかの真価が問われるようになってきたようです。
このステージへの移行が(収益の還流)できないままでドラ息子への?仕送りが必要な限り、いつまでも貿易黒字に頼るしかないでしょう。https://www.sankei.com/premium/news/180423/prm1804230001-n1.html

2018.4.25 08:00
ビジネス解読】韓国自動車産業が崖っぷち
「ビジネスモデル」崩壊危機
直近の韓国国内の自動車生産台数がメキシコに逆転されたうえ、業界を牽引(けんいん)してきた現代(ヒュンダイ)自動車の勢いはじり貧だ。国内における圧倒的なシェアを背景にした現代自のビジネスモデルが、国内外の経済環境の急変により崩壊の危機にさらされているからだ。
東亜日報は3月13日の配信記事で、「韓国自動車産業に赤信号がともった」と切り出し、1~2月の韓国内自動車生産台数が前年同期比5.5%減の59万9346台となり、前年世界7位のメキシコを約3万3000台下回ったと報じた。
聯合ニュースは2月13日、現代自と傘下の起亜自動車の国内生産に占める割合が昨年末に44.0%となり、06年の73.3%から大幅に減ったと報じた。「国内での生産性やコスト面で競争力を失った」と指摘する。

上記によれば、現代・起亜グループの占有率が、FTA以前は73%もあったのに18年4月の記事では44 %に下がっている→この間、防戦のために販売単価下げの繰り返し→(昨日紹介したように)営業利益率低下→(関連企業にも相応の負担を求めたでしょうから)連結利益悪化→下請け納入単価切り下げ→下請けのリストラ→倒産続出?
この種パターンが車産業に限らず・・大宇造船、韓進開運の破綻・関連納入企業倒産などの全般的マイナス傾向になって行ったものと思われます。

徴用工訴訟と国内法論理(相似形?)4

韓国過去5年間と1年間のデータ・結果としての流れを見ておきます
https://jp.tradingeconomics.com/south-korea/balance-of-tradeからの引用です。
South Korea Balance of Trade

South Korea Balance of Trade

上記によると、14年からは右肩上がりでしたが、17年終盤から下落停滞傾向が見え、年始に下がるのは例年のことのようですが、19年の落ち込みが深くその後の反発力が18年より弱くすぐに下落傾向に入っているようです。
これが韓国固有(韓国衰退)傾向かは国際比較しないと分かりません。
同時期の日本のグラフがあれば同時引用したいのですが、世界ネタ帳は17年までのグラフしかなく直近の傾向比較ができません。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL16HFW_W9A410C1000000
2019/4/17 8:59

財務省が17日発表した3月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5285億円の黒字だった。黒字は2カ月連続。QUICKがまとめた民間予測の中央値は3800億円の黒字だった。

上記は増減率で具体的数字でないので韓国データと比較しづらいですが、一応見ておきます。
17年以降日本が前年同月比マイナスになったのは、原則的に18年末から19年1月だけですが、韓国の過去5年のグラフで17年と18年を比べると18年で17年を超える月はほとんどない・・概ね前年比マイナス傾向にあったことが分かります。
19年1月は、日本も前年比6〜7%前後マイナスですが、韓国の場合18年1月の3800前後から19年1月は1200〜1300程度におよそ50%以上も下がっています。
最直近19年3月で比較すると、日本は前年比2、4%減ですが、韓国は(目視ですが)3月頃は18年6200〜6300程度に対し18年3月はおよそ5000前後で20数%減です。
世界平均のデータまで探す暇がありませんでしたが、日韓だけ比較した過去約1年の推移では、韓国の方が落ち込みが大きいようです。
ただし昨日書いたように、韓国も輸出に頼らず現地生産化を進めたので輸出入規模が減ったのかも知れず、一部統計の推移だけでは断定できません。
現地生産化の進行は母国産業構造の空洞化に直結する場合もあれば、日本のように高度部品や知財収入の還流で経常収支では総合的に黒字維持できる場合もあれば、後進国では日本の部品購入で現地生産していた(独自技術の少ない)場合もあります。
例えば、韓国民族資本企業の工場が(日本または日系あるいは外資系韓国工場から8〜9割部品供給に頼っている場合)ベトナム等へ移転するとそこへ供給する部品輸出の大部分を韓国現地生産していた日系企業は韓国現地生産量削減→撤退縮小になります。
最終または後工程組み立て企業が多い国が海外進出すると国内空洞化に直面する仕組みです。

韓国対日依存度変化4(自立できたか?2)

個別企業債務規模はもちろん重要ですが、これは株式・債権市場等で市場チェックが働く仕組みが整備されています。
のちに触れるように粉飾事件が後を絶ちませんが、それでも発覚すれば相応の解体処理されるのが普通です。
韓国では個人債務規模が半端でない点が、国際的注目を浴びているようです。
韓国の個人債務規模を見ておきましょう。
以下のネット記事が私の見たところでは最新版です。
中央日報の記事では実質的には2600兆ウオンと見るべきとの主張のようです。
https://japanese.joins.com/article/315/250315.html

韓国経済の信管である家計負債の規模は
2019年02月18日07時56分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
1514兆ウォン(約148兆円)対2600兆ウォン。

の表題で家計が返済義務のある額としてみれば、いわゆる

「伝貰負債」と企業貸付に分類される個人事業者貸付を考慮した広義の負債だ。

として家計の払うべき負債合計は2600兆ウオンに達するという意見を書いています。
負債規模の危険性は収入との比較が重要ですから、GDP比でどうなるかを見ておきましょう。
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190410003/

韓国の家計債務対GDP比が危険なレベルに?=韓国ネットに不安広がる
2019年4月10日 06:20
2019年4月7日、韓国・聯合ニュースによると、昨年第4四半期(10~12月)末時点で、韓国の家計債務の対国内総生産(GDP)比率は97.9%を記録し、主要34カ国で最も高かった。
これは国際金融協会が34カ国のデータをまとめたもので、平均値は59.6%だった。記事は「韓国の家計債務はほぼGDPに相当する」と伝えている。

上記は公式債務の対GDP比であって、上記中央日報の記事によれば債務が公式発表の約1、8倍あるのですからGDPの約1、8倍の債務になるのでしょうか?
約1年前の記事・債務状況ですが、以下の通りです。https://japanese.joins.com/article/600/243600.html

韓経:借金まみれの韓国の自営業者…金利上がれば48万人が信用不良者
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] 2018年07月31日10時10分
所得より速く増える負債

原因として、

自営業者の負債はリタイアしたベビーブーム世代が大挙自営業に参入し始めた2010年代初めから急激に増えた。彼らは退職金だけでは足りない創業と事業費用を不動産担保ローン、個人事業者向け融資で充当した。

3〜40歳台のリストラと自営開業の関係についてはこれまでも書いてきましたし、この後でも折に触れて別に書く予定です。
以下引用続きです。

・・・ 稼ぐ金額より返さなければならない利子が多く増え負債を返せない自営業者が続出している。
統計庁によると、1カ月以上返済を延滞した経験がある自営業世帯は2016年基準で全自営業世帯の4.9%に達した。常勤労働者世帯の延滞世帯の割合1.7%と比較すると3倍に達する水準だ。
・・・自営業者は銀行、貯蓄銀行、農水畜協など相互金融の貸付が閉ざされると消費者金融まで探しに出た。これに伴い、消費者金融利用者のうち自営業者の割合だけ増えたことがわかった。消費者金融で金を借りた低信用者のうち自営業者は昨年6月末の18.8%から12月末には21.6%に増加した。今年上半期は25%まで増えたというのが金融圏の分析だ。
金融当局は全自営業借主約160万人のうち、償還力が落ち金利上昇に弱い借主は約48万人(貸付金38兆6000億ウォン)に達するとみている。このうち格付けが7等級以下や消費者金融などで高金利貸付を受けた約18万人(貸付金12兆5000億ウォン)は高危険群に分類している。金利上昇時には彼らが経済の信管になりかねないという指摘だ。

上記記事から半年後の今年1〜3月期には韓国経済はマイナス成長に陥っていることを紹介しました。
個人営業者の債務はさらに悪化していると思われます。
国内債務(個人に限らず企業負債を含めて)の膨張が行き着くところ、対外決済資金があるかの問題に行き着きます。
韓国の外貨準備発表は、実は大幅に少ないという意見が出ています。
そうなるとその基礎になっている過去順調に拡大してきたと言われていた経常収支や貿易黒字・・あるいはGDP発表は自営業同様の借金経済による実質水増しだったか?の疑問が起きてきます。
貿易黒字を積み上げて豊かなはずの外貨準備の虚偽性がはっきりすれば、リーマンショック以降順調に経済拡大しているという報道と同時的に発生した売春婦輸出の増大あるいは就職難→無就業者の増大や自殺増加の情報との矛盾解明の入り口になるでしょう。
外貨準備は発表だけではなく、(個人の場合、アングラマネー隠匿動機などからタンス預金があるでしょうが、国家の外貨準備をタンスに隠し持つ必要がないので)ドルで言えば米国債購入や銀行に預けるなどの外形性が必要です。
このチェックで誤差を超える巨額不明金があれば(本当にあるの?)怪しいことになります。
不明額が大きいというだけでは怪しいというだけであって事実は不明ですが、この種の問題は投機筋によるウオンの売り浴びせが起きて初めて(しかもとことんやり尽くしたときだけ)はっきりすることでしょう。
A B国の軍事能力差(ミサイル等の制度や兵士の練度)の真偽は実際に戦争が起きない限り、相互発表が本当かどうかの決着がつかないのと似ています。
兵器性能の場合には同盟国への武器売却等の商業ルートの情報が事前に行き渡るしスパイ網の整備も実務では戦争防止に役立つ有用な仕組みですが、外貨準備や国際収支の場合、中国も含めて政府発表を基本に過去の発表との整合性や相手国発表との比較など外形からチェックして行き、最後は総合推測しかない状態です。
アジア通貨危機を経て、チェンマイイニシアチブのように国際的通貨危機(国家間戦争の経済版?)回避手段が整備されてきたので、投機筋の実態を暴く挑戦チャンス・市場による是正機能が事実上なくなりました。

フリーランサー社会1(韓国4)

日本のフリーランサーの多くが一定の職業経験を活かした副業型や弁護士のような独立自営のイメージですが、大卒と同時のフリーでは何ができるのか?モラトリアム人間・失業との境がはっきりしません。
フリーランスとは何か?ですが、語源由来からしても特定雇用主を持たないフリーの専門職・外形上できる職務がはっきりしているだけではなく、専門職と言える程度のレベルが予定されるべきでしょう。
フリーという点だけ着目の名称つけは、いつも書く名称のインフレ現象の一つでしょう。
誰でもできるビルの清掃夫・工事現場付近に配置される警備員まで言い出したら、単なるフリーターと変わりません。
韓国では就業人口の3割、米国でも25%と言われるようになると、専門職とは普通の労働者以上んスキルを持っている人のことでしょうから、3割もいたら特別な能力とは言わないでしょう。
正規社員になれない落ちこぼれ階層の表現にインフレが起きているのではないかの疑いがあります。
韓国の場合、大卒同時の就職が少ないのでやむなく、フリーランサーの多くがこれといったスキルもなく自営化している・・・失業周辺のおしゃれな呼称と見れば18年末就業者の6、4%のフリーランサーを未就業者の分類に入れる方が実態に合っているでしょう。
そうすると大卒の実に4割もの多くが年末が来ても不安定な状態であることになります。
韓国では人口の3割がフリーランサーと言われますが、その実態は?

韓国のフリーランス・副業者の実態。新しい考え方と国内労働力の3割に達する副業者フリーランス

2017.07.28
韓国のフリーランス・副業者の実態。新しい考え方と国内労働力の3割に達する副業者フリーランス
お隣の国「韓国」では現在フリーランスの数が国内労働力の3割にものぼると言われています。この状況を盛り上げているのは、ここ数年突如として現れた「YOLO族」、そして新しい考え方を持つ若者世代です。彼らは超就職難といわれるこの時代をどう生き抜こうとしているのか、模索しながらもパワフルに生きる、韓国フリーランスの現状を韓国で7年間在住しフリーランスとして活動しているライターが紹介します。
LA中央日報が2017年6月19日に載せた記事によると、韓国のフリーランス人口は今や国内労働力の約30%に達しているといいます。2016年韓国の人口は5,125万人、外国人労働者は約2.1%で54万人というところもあり、韓国の総労働人口とフリーランス人口を比較するといかに韓国内でフリーランス人口が多いことが分かります。

上記によればいいことづくめ!・綺麗事を言えばそう言えないことはないでしょうが・・。
以下引用続きです。
一応動機が就職難に始まっていることを書いていますが・・。

働きやすさに夢がある、「YOLO族」と呼ばれる生き方
韓国のフリーランス人口は、これほどまでに増加の一途を辿ってきたのでしょうか。それはここ数年、韓国社会で問題となっていた「学歴重視社会」や「勉強ばかりを強いられる学生時代」に反発する若者たちが「社会にでても再び就職難という壁にぶち当たるだけ」という、現実を見て「フリーランス」という働き方を選択し始めたからです。
現在韓国にはYOLO族(=You Only Live Once)という、人生は一度切りだから好きなように生きようという考え方が注目され始めています。「YOLO族」たちは貯金をせず、将来のこともあまり考えないというのがモットーで、今あるお金を自由に使いながら生きようとする生き方を選択しています。

韓国の親世代ではまだフリーランスという働き方に対し「収入が不安定」「年金等、国の制度に加入できない」などネガティブな印象を持つ人がたくさんいます。
しかし、フリーランスで成功すれば「働きやすさに夢がある」「好きなことをしながら生きることができる」と、若者たちや「YOLO」という考えを持つ人たちに夢を与えている環境もあります。
第4次産業革命に突入した韓国社会で台頭し始めるIT企業
民泊として人気のAirbnbなどのプラットフォーム企業が勢力を増す韓国の市場では今、ほとんどの企業が内製する業務を削減しており、その多くは戦略や企画のような業務は各企業の正社員が受け持ちますが、プログラムを改修したり、資料を作成するといった事務的な業務はフリーランスに業務委託されるようになってきているのです。
この影響により、韓国のフリーランスの人たちにとっては大きなチャンスを迎えており、「一部業務のアウトソーシング化」というスタイルでフリーランスの需要は年々増加の一途を辿っています
「YOLO」と英語にい変えれば格好いいということでしょうが、内職の発展か内職への転落か?不明ですが・何年努力してもまともな就職先がないから開きなおって、今を刹那的に楽しく生きようとなっただけのように見えますが・・。
成功すれば・・・と書いていますが、就職で挫折した人が一攫千金を目指しても奇跡的にうまくいく人は万に一人というところでしょう。
「好きなことをしながら生きることができる」っていうけど、何のスキルもなくそう思っただけでそんなことが実際に出来れば苦労がありません。
就職難で苦し紛れの言い換えか?という勘ぐりをする人が多いでしょう。
失業者がシリコンバレー発展の原動力になったこともあり、結果的に人口の3割のフリーランサーから0、01%でもアップルのジョブズ氏のような人がでないとも限りませんので、国家的実験としての意味があるとは思いますが、貧困層に取り残される残り99、99%の人たちのストレスは大変です。
アメリカンドリームと同様の社会を理想としているのでしょうが、この種の原始的自由競争社って、成功者が出ないと国を挙げての貧困社会ですし、仮に0、0何%の成功者が巨万の富を得ても、途方も無い格差社会化になるしかない政策です。
今や人と人の格差だけではなく、アップルとその他製造業の時価総額の巨大な差を見ればわかるように企業間格差の巨大化が始待っています。
世界的にストレス蔓延の原因が、まさに、一攫千金的成功者の出現とその他大勢の超貧困社会の出現にあり、その解決こそがいま世界的テーマになっているのではないでしょうか?
反グローバル化の声が高いですが、要は格差拡大反対ということであってグローバル化=格差という短絡的思考がおかしいという人が増えるでしょう。
日本で言えば、卒業時就職未定が33%もいると大変ですが、韓国の場合、16年8月から17年2月までの卒業生で17年年末が来ても・・・卒業生の33%がどこにも決まっていない、しかも就職者67%の内約10%が健康保険に加入していないということは、就職者の10%は日雇い程度の仕事しかないのでしょうか?

不満社会?11(韓国3)

韓国自営業の場合は大企業失業者の吸収装置であったことが、以下の論文でわかります。
https://www.surugadai.ac.jp/sogo/media/bulletin/Hougaku26-02/Hougaku.26-2.77.pdf
韓国の自営業労働市場に関する一考察朴昌明

・・・一方,自営業部門はリストラされた労働者の「雇用吸収弁」の役割を行った。1998 年の非賃金労働者の割合は38.3 %と1997年(36.8%)より1.5ポイント増加した(図表1)。図表1を見ると,1999 年から雇用員がいない自営業者数が,2000 年から雇用員がいる自営業者数が,それぞれ増加していることがわかる。
IMF経済危機以降,失職者,特に男性が生計維持を目的とする創業が大幅に増加した(イ・ビョンヒ,2012 ,p.1 93) 。従来韓国では自営業が農民やブルーカラーからの移動先であったが,IMF経済危機以降,中壮年ホワイトカラーが自営業に参入するようになった(李莎梨,2009)。経済危機直後に急上昇した失業率は急速に低下し2002 年には3.1 %にまで回復したが(韓国労働研究院,2012 ,p.1 6) ,その要因の一つとして自営業部門の高い雇用吸収力が考えられる(有田,2007 ,p.2 5 駿河台法学 第26巻第2号(2013)

解雇の受け皿・・生計維持のための開業が多い前提の場合、昨日紹介した通り自営業の危機が続く現況では、狭き門を突破してせっかく就職できたサラリーマンは肩叩きにあっても必死にしがみつくしかないでしょう。
メデイアでは自営業の苦境ばかり大々的に報道していますが、自営業へ雪崩込めないで大企業で肩叩きに耐えている人たちの鬱屈は半端でないはずです。
リーマンショック以降の韓国の成長率は急減ですし、少子化率の進行率も半端ではありません。
https://www.recordchina.co.jp/b681232-s0-c20-d0058.html

韓国の経済成長率がここ6年で最低に、原因は「投資の萎縮と輸出の不振」=韓国ネットから不安の声
2019年1月23日、韓国・ソウル新聞は、昨年の韓国の経済成長率が過去6年で最低となる2.7%を記録したことについて「内需を支える投資の急激な萎縮と、経済を支えていた輸出の不振が成長の足を引っ張った結果だ」と伝えた。
https://ecodb.net/country/KR/imf_growth.html

成長率だけ見れば日本より良いのですが、完全雇用状態の日本が成長率をこれ以上げられない・ゴムが伸びきっている状態と違い、韓国の場合、若者の25〜30%前後の失業・・公式統計と違い実際安定就職のない状態・大卒で就職できないでバイトしても失業にカウントとしない)では成長がない(日本のようにほぼ現状維持)・低成長に陥ると、職にあぶれたママの人がそのままジリジリと高齢化していく社会になります。
https://japanese.joins.com/article/580/248580.html

韓国の大卒3人に1人は未就業者…2011年以降最悪
2018年12月28日09時27分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国の大学・大学院卒業生3人に1人は未就業者であることが分かった。特に、しばらくの間上昇傾向にあった就職率が文在寅(ムン・ジェイン)政府発足以降、再び減少傾向に転じた。若者が体験している最悪の雇用難が政府の公式統計で確認された。
教育部と韓国教育開発院は27日、このような内容が盛り込まれた「2017年高等教育機関卒業者の就職統計調査」の結果を発表した。この調査は2016年8月~2017年2月、全国の大学・大学院を卒業した57万4009人を対象に2017年12月31日現在の就職状況を把握した。国民健康保険公団や国税庁、雇用労働部など公共データベース(DB)を活用して全数調査した。
2011年以降就職率が67%以下に落ちたのは今回が初めてだ。特に、2014年(67%)から2015年67.5%など上昇傾向にあった就職率が今回再び減少傾向に転じた。就業者の中で健康保険の職場加入者の割合は前年(91.1%)より低い90.3%である一方、フリーランサーは前年(5.8%)より上がった6.4%となった。

3人に一人・・・33%が17年12月末で就職できていない・・卒業時(韓国では2月が卒業で3月が入学です)でなく、年末時点でもこんなに大量に未就職だとその後彼らはどうなるのか?
就業者のうち6、4%がフリーランサーになっている点も韓国の特徴でしょうか?

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