韓国対日依存度変化4(自立できたか?2)

個別企業債務規模はもちろん重要ですが、これは株式・債権市場等で市場チェックが働く仕組みが整備されています。
のちに触れるように粉飾事件が後を絶ちませんが、それでも発覚すれば相応の解体処理されるのが普通です。
韓国では個人債務規模が半端でない点が、国際的注目を浴びているようです。
韓国の個人債務規模を見ておきましょう。
以下のネット記事が私の見たところでは最新版です。
中央日報の記事では実質的には2600兆ウオンと見るべきとの主張のようです。
https://japanese.joins.com/article/315/250315.html

韓国経済の信管である家計負債の規模は
2019年02月18日07時56分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
1514兆ウォン(約148兆円)対2600兆ウォン。

の表題で家計が返済義務のある額としてみれば、いわゆる

「伝貰負債」と企業貸付に分類される個人事業者貸付を考慮した広義の負債だ。

として家計の払うべき負債合計は2600兆ウオンに達するという意見を書いています。
負債規模の危険性は収入との比較が重要ですから、GDP比でどうなるかを見ておきましょう。
https://www.excite.co.jp/news/article/Recordchina_20190410003/

韓国の家計債務対GDP比が危険なレベルに?=韓国ネットに不安広がる
2019年4月10日 06:20
2019年4月7日、韓国・聯合ニュースによると、昨年第4四半期(10~12月)末時点で、韓国の家計債務の対国内総生産(GDP)比率は97.9%を記録し、主要34カ国で最も高かった。
これは国際金融協会が34カ国のデータをまとめたもので、平均値は59.6%だった。記事は「韓国の家計債務はほぼGDPに相当する」と伝えている。

上記は公式債務の対GDP比であって、上記中央日報の記事によれば債務が公式発表の約1、8倍あるのですからGDPの約1、8倍の債務になるのでしょうか?
約1年前の記事・債務状況ですが、以下の通りです。https://japanese.joins.com/article/600/243600.html

韓経:借金まみれの韓国の自営業者…金利上がれば48万人が信用不良者
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版] 2018年07月31日10時10分
所得より速く増える負債

原因として、

自営業者の負債はリタイアしたベビーブーム世代が大挙自営業に参入し始めた2010年代初めから急激に増えた。彼らは退職金だけでは足りない創業と事業費用を不動産担保ローン、個人事業者向け融資で充当した。

3〜40歳台のリストラと自営開業の関係についてはこれまでも書いてきましたし、この後でも折に触れて別に書く予定です。
以下引用続きです。

・・・ 稼ぐ金額より返さなければならない利子が多く増え負債を返せない自営業者が続出している。
統計庁によると、1カ月以上返済を延滞した経験がある自営業世帯は2016年基準で全自営業世帯の4.9%に達した。常勤労働者世帯の延滞世帯の割合1.7%と比較すると3倍に達する水準だ。
・・・自営業者は銀行、貯蓄銀行、農水畜協など相互金融の貸付が閉ざされると消費者金融まで探しに出た。これに伴い、消費者金融利用者のうち自営業者の割合だけ増えたことがわかった。消費者金融で金を借りた低信用者のうち自営業者は昨年6月末の18.8%から12月末には21.6%に増加した。今年上半期は25%まで増えたというのが金融圏の分析だ。
金融当局は全自営業借主約160万人のうち、償還力が落ち金利上昇に弱い借主は約48万人(貸付金38兆6000億ウォン)に達するとみている。このうち格付けが7等級以下や消費者金融などで高金利貸付を受けた約18万人(貸付金12兆5000億ウォン)は高危険群に分類している。金利上昇時には彼らが経済の信管になりかねないという指摘だ。

上記記事から半年後の今年1〜3月期には韓国経済はマイナス成長に陥っていることを紹介しました。
個人営業者の債務はさらに悪化していると思われます。
国内債務(個人に限らず企業負債を含めて)の膨張が行き着くところ、対外決済資金があるかの問題に行き着きます。
韓国の外貨準備発表は、実は大幅に少ないという意見が出ています。
そうなるとその基礎になっている過去順調に拡大してきたと言われていた経常収支や貿易黒字・・あるいはGDP発表は自営業同様の借金経済による実質水増しだったか?の疑問が起きてきます。
貿易黒字を積み上げて豊かなはずの外貨準備の虚偽性がはっきりすれば、リーマンショック以降順調に経済拡大しているという報道と同時的に発生した売春婦輸出の増大あるいは就職難→無就業者の増大や自殺増加の情報との矛盾解明の入り口になるでしょう。
外貨準備は発表だけではなく、(個人の場合、アングラマネー隠匿動機などからタンス預金があるでしょうが、国家の外貨準備をタンスに隠し持つ必要がないので)ドルで言えば米国債購入や銀行に預けるなどの外形性が必要です。
このチェックで誤差を超える巨額不明金があれば(本当にあるの?)怪しいことになります。
不明額が大きいというだけでは怪しいというだけであって事実は不明ですが、この種の問題は投機筋によるウオンの売り浴びせが起きて初めて(しかもとことんやり尽くしたときだけ)はっきりすることでしょう。
A B国の軍事能力差(ミサイル等の制度や兵士の練度)の真偽は実際に戦争が起きない限り、相互発表が本当かどうかの決着がつかないのと似ています。
兵器性能の場合には同盟国への武器売却等の商業ルートの情報が事前に行き渡るしスパイ網の整備も実務では戦争防止に役立つ有用な仕組みですが、外貨準備や国際収支の場合、中国も含めて政府発表を基本に過去の発表との整合性や相手国発表との比較など外形からチェックして行き、最後は総合推測しかない状態です。
アジア通貨危機を経て、チェンマイイニシアチブのように国際的通貨危機(国家間戦争の経済版?)回避手段が整備されてきたので、投機筋の実態を暴く挑戦チャンス・市場による是正機能が事実上なくなりました。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC