精神障害判断(エピソード重視リスク)2

社会防衛の話題からコロナウイルス対策に長く入っていましたが、この辺で5月21日以来書いてきたコロナ対策第一幕の総括を(再度緊急事態宣言があった場合やその時の話題の都合で触れることが合あるかもしれませんが)一旦終了します。
March 8, 2020 12:00 am「精神障害判断(エピソード重視リスク)1」の続き・・精神障害と隔離に戻ります。
精神病関係は伝染性疾患ではないのですが、・・「自傷他害の恐れ」という社会防衛思想が前面に出る点で人権侵害と隣り合わせになる点が違います。
これまでの受任事件(障碍者が傷害事件等を起こすのは入院していない在宅の場合が普通)では20年ほど前までには親が70台以上になり子供が40台での事件が多かったのですが、最近(と言ってもこの4〜5年医療観察法事件をやっていません)では80台前後の親に4〜50台の息子というパターンが増えてきた印象です。
経験的印象では統合失調症系の事件は服薬その他の病状管理が行き届かなくなる場合が中心の印象ですが、発達障害等は(人間関係の障害ですので)子供の年齢上昇に比例して家庭内暴力が多くなります。
父親に体力があって抑え込める時期には暴発控え目だった息子が、体力逆転してくると親の威厳だけで管理しきれなくなるのと息子の病状が高年齢化に比例して悪くなる相乗効果かもしれませんが、対外事件に発展して表沙汰になる(弁護士として知るのは氷山の一角)ことが多いようです。
昨年元農水次官が発達障害の息子を自分の手にかけた事件は、高年齢化による将来不安の境界年齢で「自分に体力あるうち・・」にという決断が背を押したものと思われます。
横にそれましたが、親の自助努力・責任感に頼る「保護義務者の同意」という制度に無理が来たので、保護義務者制度ををなくして家族の同意と広げたようですが、今後子供の兄弟が減る一方ですのでこれもすぐに破綻するでしょう。
ところで、本人以外の状況説明に頼る点では救急車出動の場合も付近にいた人の直前状況説明と、客観状況判断、脈や呼吸状態把握し瞬時の判断をしますし、交通事故等事件性の場合、受傷箇所特定など状況説明が重要な端緒です。
精神障害の場合医療申し込みは本人名義で行うものの実は関係者同行・関係者に連れてこられる(受け身であることが多い)点が救急患者と似ていますが、救急患者の場合、第三者の説明だけでなくバイタルデータに決定的意味があるのですが、精神障害の場合、本当にあったかどうか検証余地のない10〜20年前からのエピソードに頼る比重の高い点が大違いです。
20年3月7日の日経新聞朝刊1面には、全国の介護度認定のばらつきを大きなテーマにした記事が出ています。
客観データのない過去の生活状況説明に頼る弊害(客観性欠如の問題)が出ているというべきでしょう。
以下介護認定の実務の紹介は10年ほど前まで後見人等選任申し立て事件や、民事事件の争点・・契約当時の高齢者がどの程度の判断力を有していたかの必要があって介護認定表を参考にしていたころの私個人の経験ですので今はかなり変わっているかもしれませんのでそのつもりでお読みください。
最近では禁治産宣告制度から被後見制度に変わった結果によるのか、高齢化進展により後見制度活用が急膨張してきた結果?後見人選任申立用の診断書様式が簡易になって、精神科専門医でないかかりつけ医に行ってもすぐに、いわゆる長谷川式簡易テスト程度で(付き添って行った妻や娘などから日頃の様子を参考に聞く程度?)すぐに診断書を作ってくれるようです。
(これはこの1年〜2年半ほどの間における複数事件の経験です)
現行民法の制度は被後見人等の能力制限が目的ではなく被後見人等の身上看護や財産保護等に主眼が置かれるようになった制度目的の変更が影響しているのでしょう。
以上の次第で、今では介護認定データを見る機会が減っていますので様式もだいぶ変わっているかもしれませんので、そのつもりでお読みください。
介護認定表では日常行動として自分で何ができるか、時々どういう忘れものがあるか道に迷ったことがあるかちょっとした買い物ができるかなどのチェック表があって介護している近親者等からの日常生活の聞き取り中心で認定している実態があります。
調査担当者が調査事案ごとに実際に買い物について行く実験やお風呂やトイレに入ってもらう?似たような再実験をするのは時間、コスト的に無理でしょう。
親族や介護事業者等からの聞き取りやチェック項目記載結果を総合して医師を中心とする認定会議で介護度を決めているので、大げさにいう人と控え見に言う人との個性差や、利にさとい地域差が大きく出る仕組みだからこそ、政府も地域差が気になって、3月7日に紹介したような都道府県別の認定格差表(その関心で事前データ集計など行い)を公表したのでしょう。
7日の新聞の結果を見ても都道府県別健康保険利用・医療費データとほぼ同じような傾向が出ているような印象を受けました。
医療保険では濫診濫療問題が古くからありますが、受診のためには仕事を休むデメリットや、それなりに痛い思いをする他、無職高齢者の場合家族に送迎してもらうなど負担がある外1〜3割負担などの自費支出が発生します。
経済デメリットが全くないので合理的チェックが働かないのが、生活保護者利用の乱診乱療問題です。
介護関連制度は保険適用外のサービスが介護度のレベルアップになれば自費負担が減る一方でなんらの負担も増えない関係ですから、医療の濫診濫療よりブレーキが効きにくくなる傾向があります。
より高度な介護支援を保険適用にしてほしいという利害では、家族にとってオーバー表現に走るのは合理的行動でしょうが、制度本来の介護必要度の認定と、介護認定が一人歩きして人権侵害に連動する危険という面では割り引いた謙抑的認定が必要ですが、厳し目に割り引いて認定するとこんなに大変なのに介護度が2〜3なのか?あるいは要支援のママなのか?という不満が出ます。
利害対立者の一方が目の前にいない・保険赤字負担する国民は抽象的存在でしかなく直接応援してくれないので、目前の強い声に押されがちになるようなイメージです。
認定される本人も家族に家計負担かけない方が気楽なので、「そんなことくらいできるよ!と反論しないでうなづいて済ます傾向があります。
施設入所者あるいはデイサービス利用者の介護度ランク上げも同様で介護事業者にとっては、保険適用外サービスで顧客に対する自費負担・費用請求額アップよりは介護保険適用サービスになって自費負担が1〜2割になった方が営業的に楽です。
医師や、医薬品業界が、新薬等について保険適用を求める利害団体になるのと同じでしょう。
認定を受ける高齢者もこれが将来自分に対する人権侵害に使われる「万1」の可能性など気にしませんので、問診あるいは調査担当者に対して親族に経済負担をかけない方向へ協力する傾向が高まります。

新型コロナの実害比較5(日本の成績2・勝又氏経済時評)

以上メデイア紹介による国外の日本のコロナ対策に対する評論を見てきました。
昨日見た文化論は私の個人的思考に合うものの、素人のイメージとどこが違うのか?大学の歴史学者という違い程度か?・・内容は今一つでした。
たまたま、勝又寿良氏の経済時評が目に止まったので読んでみるとこれが私の感想にぴったりし、かつ具体的ですので、要約紹介しておきます。
https://ameblo.jp/katsumatahisayoshi/page-3.html

2020-05-24 05:00:00
日本、「25日」全面的コロナ宣言解除が有力、3つの「成功要因」
米『ブルーンバーグ』(5月23日付)は、「新型コロナ、日本独自の要請対応が奏功ー緊急事態全面解除迫る」と題する記事を掲載した。
この記事を執筆した記者に、日本人は一人も入っていない。3人の記者は全員、外国人である。自画自賛的な記事ではないことに注目して貰いたい。
(1)「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は、21日までに首都圏の1都3県と北海道を除き解除された。安倍晋三首相は、新規感染者数の減少が続けば、これらの地域についても31日の期間満了を待たずに解除する方針を示している。日本の新型コロナ感染症死者は22日時点で808人未満。海外のように厳しい外出制限や罰則を伴わない独自の「要請」対応は、成功裏に終わりを迎えつつあるように見える」
(2)「専門家会議副座長の尾身茂氏は、日本の医療制度、初期のクラスター対策、そして国民の健康意識の高さの3つの要因が寄与したと分析する」
3つの要因とは、次のような内容だ。
1)医療制度の充実
2)初期対応でクラスターを捕捉できた
3)国民の健康意識の高さ

私のニュース捕捉力未熟の故か?日本のコロナ対策を担う中枢専門家の意見が具体的に紹介されているのを見たのはこれが初めてです。
「お前の能力が低いんだよ!」と馬鹿にされて終わりかも知れませんが、尾身氏の意見が国外ニュースで具体的に紹介されて、国内メデイアの多くが報道しない?報道していたにしても目立たない形になっていたとは驚きです。
メデイアの役割は、政府のすることは何でもマイナス評価すれば良い・何かしたり発表があれば、粗探しに特化する・粗探しの前提として政府施策の紹介をするがケチをつける点が見つからないときには報道もしない・・黙殺すれば良いという信念で動いている場合、政府主張の焼き直し意見など紹介する必要がないということかもしれません・・。
上記3点については、勝俣氏が上記記事で敷衍し解説していますの引用します。

以上の3点についてコメントしたい。
1)は、今回のコロナ禍が全額、国費負担であること。患者は、経済面の負担を恐れずに治療を受けられ、これが感染者の拡大を防いだ。海外では、患者負担もありこれが感染者を拡大させている。経済的貧困者に、死亡者が多い理由である。
2)は、保健所が初期段階でクラスターをしらみつぶしに調査して感染源を把握した。東京湾の釣り船では、感染源突き止めた。成功例と指摘されている。
3)は、日本国民の健康意識の高さである。日本人の清潔好きは世界的にも有名である。この日々の生活態度が、ロックダウンをしないでも感染拡大を防いだ。
日本人の寿命は現在、世界で1~2位である。結局、すべての要因は、日々の生活態度がコロナ感染拡大を防ぎ、世界最低の死亡数に止まった。
(3)「ワクチンが市場に出回るまで世界各地で新型コロナの影響は当面続くとされる中、感染症が沈静化に至っていない他国や国内で次の波に備えるために、今回の緊急事態宣言は示唆に富む。まず、早期の対応が大切だ。政府の対応が遅れたとする声がある一方で、1月に国内で初の感染者が確認された時点から保健所が、感染者との濃厚接触者の追跡に動いたことが効果を発揮したとの見方がある。北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授は、日本の方法は「アナログで、シンガポールのようにアプリを使った追跡ではない」が、「とても有効だった」と話す」
(4)「厚生労働省の資料によると、2018年時点で全国の保健師数は約5万3000人で、そのうちの15.3%が保健所に勤務し、普段はインフルエンザや結核などの感染症対策に当たっている。北海道医療大学で感染症を研究する塚本容子教授は、「日本にはCDC(米国の疾病対策センター)のような機関がないとよく言われる」とした上で、「各地の保健所がCDCの役割を果たしている」と指摘した。保健所による感染者の追跡は、ライブハウスやナイトクラブでの集団感染対策にも貢献した」
((3)(4)部分はブルームバーグの引用のようです)
日本では、保健所が米国のCDCの役割を果たしている。全国に8100人余の人々が、感染症対策に従事しているという。この人々が、今回のコロナ禍でフル回転してくれた。(勝俣氏のコメント?)
(5)「2月に横浜に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号では、乗員乗客含め700人以上が感染し、13人が死亡した。欧米諸国が「対岸の火事」として中国での感染拡大を見守る中、日本は他国より早く新型コロナの集団感染に直面することとなった。このことが国民の危機意識を高めたと指摘する声もある。早稲田大学政治経済学術院の田中幹人准教授は、「各国の多くの人々が、新型コロナはいずれは収まる病気だと楽観視していたころ、日本にとっては家の目の前でクルマが燃えているような状況がしばらく続いた」ため、国民は「コロナに対する警戒感を高めていた」と述べた。専門家らはクルーズ船での対応の経験を生かし、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素がそろうと感染リスクが高いと指摘し、政府は「3密」を避けるよう国民に呼び掛けた」
((5)もブルームバーグの引用?)
横浜港に到着したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が、日本人にコロナ感染症への警戒感を植え付けたという。ここから、「密閉」、「密集」、「密接」の3要素が揃うと危険という「3蜜警戒」が合い言葉になった。(勝又氏コメント?)
(6)「世界保健機関(WHO)事務局長上級顧問を務める英キングス・カレッジ・ロンドンの渋谷健司教授は、感染者の追跡方法にも改善の余地があると指摘。「時間のかかる聞き取りによる追跡は、小規模の地域限定的な感染には有効」とする一方、「記憶の偏りがある上、アプリで接触者や利用施設を特定するよりは効率的でない」と答えた」。
日本のコロナ第一波は収束するが、第二波、第三波への準備が必要である。それには、下線のような保健所の人海戦術でなく、アプリなどのIT利用を勧めている。国民の意識改革で、受入れるかどうか、議論すべきだろう。経済・生活の行動を制約する現行コストより、はるかに少なくなるメリットはある。(勝又氏意見?)

ブルームバーグ紹介記事と勝又氏のコメントを読むと昨日紹介した抽象的文化論では素人の感想との違いがはっきりしないモヤモヤ感を吹き飛ばしてくれる点で、優れています。
日本は中韓のように当初から個人行動監視では国民が納得しなかったでしょうが、第二波が大規模にやってきたときには、人海戦術では間に合わないことが確かです。
それまでの時間の経過で日本も第二波に対応する心の準備が整うのではないでしょうか?
幕末、アヘン戦争を見てこのままでは植民地にされるという危機感を持っても、産業構造の変革→兵制の近代化や幕藩体制廃止に行き着くまでには時間がかかりました。
時間をかけて納得した結果の明治維新であったからこそ、挙国一致で近代化に邁進できたのです。
今回もコロナ第1波(幕末で言えば、薩英戦争や長州の四国戦争などテストシリーズ)を民族の応用力でなんとか防げましたが、第二波は抜本的産業構造や兵制改革に成功したので本格的開国に対応できたのです。
以心伝心で民族の方向性が一つの方向に向かうと魚群行動のように一糸乱れず統一行動の取れる民族性の解体を目指してGHQはなんでも反対粗探しの批判勢力をメデイア界や教育界に構築して独立を認めました。

国内格差2と対外自信(中国)

昨日28日の日経新聞朝刊27p経済教室「外国人労働者に配慮を!」の欄には、日本の外国人労働者数は166万人(19年10月時点)で、そのうち約半分が中国人とベトナム人であると紹介されています。
技能実習生であれ留学生であれ彼らの立場は脆弱であることを前提により、一層の配慮が必要とする論旨で
「先日ベトナム人が三百人帰国した」
と紹介されていますが、これがローテーションで帰ったのか、コロナによる失業で帰ったのかは別として、この逆バージョンでは、中国やベトナムから日本で就労目的で留学等を準備していた新規入国予定者が入国できず国内滞留していることが想定されます。
こういう視点で見れば、中国はインド等と同様に出稼ぎ労働者送出国でもあるわけです。
日本の地方圏で地元大卒、高卒の大都会への就職ができず地元農村に未就職で滞留し他方で数年〜5〜6前に地方を出た若者が地方の親元に舞い戻ってくる・・昭和大恐慌時のような状態になっているのがインドや中国内の現状でしょうか?
コロナ禍発症の地である中国は統計上完全収束状態のようですが、国内格差はどうなっているのでしょう?
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/world/00217/?P=2

露呈した中国社会保障の現実  2020年5月14日
新型コロナ危機で失業者が急増しているのはどの国も同じだが、中国の失業給付の少なさが際立つ。かつてイデオロギー的に失業というものを認めていなかったこともあり、社会の安全網が不十分なのだ。都市に働きに出てきていた労働者は、最終的に出身地の農村に頼るしかないのが実情となっている
米国は国民に対する失業給付額を劇的に増やした。連邦の経済対策として失業者1人当たり週600ドル(約6万4000円)上乗せしたのだ。平均すれば失った所得を100%埋め合わせられるだけの額である。一方、中国政府は生活困窮者向けの給付を1週間当たり12元(約180円)増やしたところだ。1日当たりに換算するとおわん1杯分の麺が食べられる金額でしかない。
立派なインフラ設備とのギャップ
新型コロナウイルス感染症がもたらした経済的な痛みは、中国のみならず他の多くの国も経験している。だが、中国が特異なのは、世界最長の高速鉄道網に代表される国際水準のインフラ設備を持ちながら、社会のセーフティーネットがあまりにも脆弱であることだ。中国の社会保障制度は、中国よりもはるかに貧しい国々の水準に近い。
失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
中国政府が発表する失業率(現在は5.9%で昨年より微増)はフルタイム雇用の都市住民だけを対象としているため、こうした貧しい人々が置かれている境遇を正確に捉えていない。
金融大手、スイスのUBSと仏ソシエテ・ジェネラルのエコノミストによると、3月中に失業した中国の労働者は大きく見積もれば8000万人にも上るという。都市労働人口の20%に近い。
しかし、それ以上に目に付くのは、失業者の中で政府から何らかの支援を受けている人数の少なさだ。中国の人力資源・社会保障省によると、失業手当の受給者は230万人にすぎない。見方を変えれば、何の給付も受けていない失業者が7800万人ほどいるということになる。
失業保険の給付条件に該当しない場合は、「低保」と呼ばれる最低保障所得を申請できる。だがその額は失業保険よりもさらに少なく、平均で月に600元(約9000円)ほどだ。

先進国に対しては出稼ぎ国であるとともに、国内に貧困国(内陸)と新興国(沿海部)を抱えているような国です。
米国が不景気になると中南米からの出稼ぎを中南米に返すように、上海深圳等は内陸からの出稼ぎ労働者を需給調整に使っている実態が見えます。
8000万人もの失業者を輩出している習政権は、必死だから国内向けに「中国はうまくいってる他国(米国)はもっと大変だ」と宣伝せざるを得ないので、これがトランプ氏の怒りを買って格好の標的にされているのでしょうか。
これに加えて不満のガス抜きに国威発揚もしなければならない・・尖閣諸島海域では日本の領海であるのに日本漁船を中国公船が追い回したり、南シナ海の埋め立て強行した地を新たな行政区域に指定して米国になにかやれるものならやってみろと言わんかのごとき挑戦をしたかと思えば、香港に対する国家安全法可決など強行突破の正攻法?に出てきました。
中国にしてみれば自国はコロナ禍から逸早く脱して生産も回復軌道に乗ってきたが、欧米はコロナ禍からの立ち直りが容易でなく泥沼にもがいているので敵の弱みに付け込むべきチャンスという単純戦略でしょうか。

新型コロナの実害比較(序盤採点4・池田意見2)

政治や経営は結果が全てであって、百〜数百年に一度あるかないかの大疫病の拡大に対して、政府はなすすべもない状況に陥るに決まっているとばかり喜んで?2月以降の第大感染が始まると現政権が如何に右往左往してるかのマイナス評価をそれとなく欧米諸国の対応をお手本にした批判を続けてきました。
2月から始まった第1波を総理独断の休校要請と批判していたところ、(憲法違反という米山意見等を朝日が報道していたのをこのコラムで紹介しましたが・・朝日新聞の意見に合う論説を紹介しているイメージ)の意見を流布しているうちに感染拡大させずにうまく切り抜けました。
エポックになる3月20日頃にかけての感染数や重症者の数字を引用紹介したように当時の死亡者わずか33名で重症患者も50名前後の状態でもしかしたらこれで収まればいいな!という期待でこのコラムで紹介始めたものです。
(政治は結果重視で、結果悪ければ責任をとるし結果が良ければ、指導力発揮と評価すべきですが)
本来周囲の反対を押し切って行なった安倍裁断が見事だったという評価記事になるべき段階でした。
コロナ禍が収束気味になって政権批判勢力と2人三脚の大手メデイアが困っていたところで、お彼岸の連休を境に第二次大規模感染がはじまり、再び政権批判勢力が息を吹き返し米国並みの大激増になることを大いに期待するイメージ主張が蔓延していました。
大方の基調は、政府がもたもたしていたのを小池都知事がハッパをかけ、大阪府も似たような主張をしてメデイアの報道傾向は如何に政府の動きが遅いかの印象づけ・彼らのメデイア露出が目立っていました。
ただ、この種のフィーバーが起きるとそもそもそれまで(休校の必要性すらないことを前提にする)休校要請批判論を張っていたメデイアや評論家の主張との整合性がどうなったの?という疑問を感じる人が多かったはずです。
大手メデイアが評論家の意見という形をとって事実上政府の休校要請批判論を煽ってきたことに対する総括が一切ないまま、今度は自粛要請どころか欧米並みの刑事罰付きの外出規制を求めるかのような小池知事によるロックダウンの強調がニュースで大きく取り上げられるようになりました。
メデイアのニュースというものはメデイアが主張したい方向の意見発表を大々的報道することが多いのでメデイアがその方向を応援していることを明らかにしていることになります。
池田氏の意見が大手メデイアで採用され引用されるのも、日本の良い結果を認めるしかないが結局は五月の延長は意味がなかった・・安倍政権を貶す結論で終わっている所にメデイアの意向を反映しているように見えます。
5月6日の延長は、当時の状況から見て、もう少し様子を見る必要がアリそう・・ただし国民は公表データの内容がわかっていないので、感染発表の内実を知る政府の判断を待つしかないと多くの国民が思っていたことを反映したものでしょう。
例えば、5月5日発表の厚労省による感染者数とは、正確には前日正午までに報告のあったデータによると言うのですが、厚労省への報告が、死亡や検査結果が検査(死亡)現場(検査受託機関)で出てから、5時間以内とかの画一的限定がない事から、現場によっては1日単位の誤差がある以上に、そもそも感染者になった日ではなく、陽性反応があった旨の報告数に過ぎず感染の報告ではありません。
日々の政策決定には、(国民が自己判断するについても)新規感染動向や日々の重症化率等のビビッドなデータが必須です。
陽性反応の報告があった数字だけ公表されても過去のいつ感染ピークを打っているのか、まだ感染者数が上昇基調にあるのかさっぱりわかりません。
現状というか4月23日のニュースでは以下の通りです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58426540T20C20A4MM8000/
滞るコロナ検査、結果まで1週間 民間委託拡大カギ
2020/4/23 23:00 (2020/4/24 5:29更新)
日本経済新聞 電子版

記事が「発症から1週間」という意味は発症=申し込んでからという意味になるのでしょうか?
実際に検体採取されてもその場では分からず、・・結果が出るまで1週間平均という意味かもしれません。
そうとすれば、厚労省発表の〇〇日正午まで報告のあった「感染者数」とは(体調おかしいと気づいてから2〜3日様子を見てから受診する人が普通ですので)その約1週間以上前に発症した人の数となります。
感染した場合一定日数で必ず発症して検査を受けるまでの期間も一定・(例えば10日間)に決まっているならば、5月5日正午までの厚労省へ報告=4月25日までの感染者の報告と翻訳理解できますが、一つの保健所の県へ報告の中に3日前も5日前も10日前も混在しているのが普通です。
このような意味不明なデータ発表では国民は自己判断が不可能なので、詳細情報を知ってるであろう専門家意見に接している政府発表に頼ることになります。
私の関係する委員会を開催するかどうかを決めるのに、5月6日に緊急事態が延長されるかどうか、単なる自粛の場合どうするかに分類して意見交換しましたが、これは政府の決定に従う義務があるからというのではなく、政府が正確な最新情報を持っているからそれを参考にして決めるのが合理的という意味でした。
そういう意味では国民に現状の総合判断を示す宣言や延長あるいは一部解除等(全て要請に過ぎず強制でない)目安を示すのは必要な措置であったと思われます。
明日運動会を実行するかどうかは今日午後何時の天気予報をみて最終的に決めようというのと同じ心です。
国民が必要とする情報を速やかに公表をしない厚労省の責任と言うべきか、感染初期は仕方ないとしても、数ヶ月も経過しているのに今だに陽性判明の結果発表だけでその内訳・・何月何日の感染分何名という内訳公表を求めないメデイアの怠慢というべきでしょうか。
数日前にある委員会でコロナによる休業損失が・・・という年度報告があったときに「それはわかったが、コロナの休業に対応する前年同期の業績を示して比較していただかないと具体的な報告としては・・」と苦言が出たことがあります。
質問すべきはするのがメデイアの責務ではないでしょうか?

新型コロナによる諸外国の実害(序盤採点2)

3月上旬頃には、これといった規制もしないのに意外にうまく切り抜けたという国際評価でしたが、3月20日頃3連休後の第二波では、ついに日本も米国並みの大被害になった・・緊急事態宣言後急激増加が止まるには、2週間はかかると言われていたのに、1週間で新規感染者が急に減り始め世界を驚かせました。
4月7日宣言後感染者が増え続けましたが、4月11日の720人がピークでその直後4月13日は309人に減り、4月15日〜18日には500人台に増加しましたが、4月20日頃から順調に減少傾向となり5月9日以降は100人以下となり、5月17日は28人、19日(20日ニュース)では 31人と安定的に縮小していて入院者数も激減して21日ニュースでは以下の通りです。
https://hazard.yahoo.co.jp/article/20200207

現在感染者数 2,975 (前日比 -353) 新規感染者数 37(前日比 +6)
累計感染者数 16,424 死亡者数 777 (前日比 +6)
退院者数12,672 (前日比 +386)

以上の結果を見ると緊急事態宣言の効果とは関係がないように思うのは私だけでしょうか?
検査の流れを見るとクラスター発生により保健所が人海戦術で濃厚接触可能者を聞き出し、その集会等参加者や参加者の行動履歴を追ってその次の接触者を追うなどして特定し、検査にこぎつけるのですが、この時点で数日経過しています。
簡単に検査してくれない・・全量検査論あるいは検査数を増やせという議論はどちらかといえば、感染経路不明者何割と報道されている人たちが発症して医療機関受診してコロナの疑い濃厚となっても保健所に行ってもすぐに検査してくれない・・自発的検査希望者(多くは医師の診断付きです)の要望に応えろという場合の問題です。
ピンピンしている何の疑問もない人までわざわざ痛い思いをして検査して貰いに行く暇人はいないでしょう。
保健所が自分で探し出した人優先検査なので、民間検査所が必要という議論が起きてくるわけです。
自発的検査を求める感染経路不明者の場合、発症してからの人が中心ですので(クラスター発生の一番最初の人も、もともとこういう人でしょう)こういう人が数日以上待たされてようやく検査してもらって検査結果が出るとした場合を前提にすると、緊急事態宣言後1週間前後の感染結果判明者のかなり多くが、宣言前の感染者であったと見るべきでしょう。
例えば上記の4月13日309人に減少したデータは同日正午までに厚労省に各地から集まった感染結果報告の内容によるらしいので、各感染者ごとに精査した表・・例えば日付別発症者の表を作るなどのデータ処理していると思われますが、そのデータによらないで13日の感染判明データはいつの発症者かいつ頃感染した人の結果なのか判明しません。
保健所が探し出して検査を受けてくださいといわれる場合は別として、自発的受診→検査希望者についてみると 感染しても交通事故のようにすぐに痛いものではない・・感染すると同時にくしゃみしたり痛くなったりの症状がなく約1〜2週間の潜伏期間があるといわれているのを前提にすると、体調変化が気になってから数日様子見ても悪くなる一方なので病院に行くのが普通です。
医師の診断でPCR検査を受けた方が良いとなって保健所に申し込んでも(保健所が追跡調査して濃厚接触者として検査をするように言われた人は別として)感染経路不明・自己申告で申し込むと検査してくれるまで数日かかるのが普通(保健所の繁忙程度によりますが)といわれる状況です。
私の依頼者で地元政治に活発な人がいて、早速事務所に来て「先生、なんかあったらすぐ連絡ください、すぐ検査してもらえますから・・」と繰り返し説明されましたが、何の兆候もないのにその気になれない、ご好意をありがたくお受けしたま検査を受けないままに至っていますが・・。
こういう状態を前提にすると日々厚労省が発表する感染者数とは概ね1〜2週間以上前の感染者と言えそうです。
そうとすると、陽性反応者の経歴を精査したデータ発表されるまでの暫定的意見・・直感的に言えば、4月13日までの感染者の大方は緊急事態宣言前の感染者であり宣言後2週目の数字は宣言後の感染者と宣言前感染者が五分五分に混じっている状態と言えるのではないでしょうか?
精査データが発表されれば、もしかしたら13日以降の陽性反応者激減は、救急自体宣言以前から感染減少が始まっていた可能性すらあり得ます。
自粛・個々人が気をつける必要はあるものの、個々人の自己防衛能力を超えて世界で行なっているロックダウン等の強制的隔離政策と直結しないのではないかの疑問です。
昨日紹介した集団免疫意見は、結果からみた成功は(政治はお粗末だったが)たまたま民族的免疫ができていたからに幸運だったと印象付けるようです。
諸外国に比べて成績良好な結果は認めますが、集団免疫ができているという説明と3月20日頃の3連休後の急拡大の説明が意味不明・欧米経由のG型には免疫を取得していないというのであれば4月上旬の緊急事態宣言以降新規感染が急激縮小している関係の説明がつかないあやふやな印象です。
5月21日冒頭に書いてきた私の仮説に至らない、仮想は素人の思いつき印象・「こうじゃないの!という程度であり、学問的裏付のある意見ではありません。
上記意見が専門家としての意見・しかも論文の紹介というので(私の個人的感想が専門家に認められたようで嬉しい気がしますが)専門家としてそこまで言えるのか?疑問です。
世界中の大手メデイア・評論家から日本政府の施策批判されているとして、日本大手メデイアはこれらを援用する形で安倍政権無能論を展開してきたのに、日本の結果が良いので従来の批判論に無理が出てきたので、言い訳的紹介記事・・日本大手メデイアの言い訳を代弁する都合の良い国内外の意見紹介を始めた印象です。

©2002-2016 稲垣法律事務所 All Right Reserved. ©Designed By Pear Computing LLC